【配置とプレーの整理とユニット】プレミアリーグ第20節 マンチェスター・U vs バーンリー

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今回ユナイテッド vs バーンリーについてを考えていきます。最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

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スターティングメンバー

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配置とプレーの整理とユニット

ラングニックが就任してから、一番変わったのはここではないだろうか。それがビルドアップ時の配置の整理とユニットの関係だ。試合をこなしていくに連れて、この配置とユニットの関係が良くなっているのではないだろうか。

この試合でも同様に、ビルドアップ時の配置を整えて全体を押し上げることで、攻撃を仕掛ける準備を行なっていた。

もちろん、ラングニックが考えていることは早い攻撃とカウンタープレスだろう。そのためになにが必要なのか。それが「押し上げ」と「スペースの管理」と「背後」だ。背後を取るための準備を行いつつ、さらに全体を押し上げることで、ネガトラ時のスペースを管理する。

さらに個人に切り替えの意識を植え付けることで、カウンタープレスを完結させて再びゴールに直線的に向かっていく。

ではこれを行うために、ユナイテッドはどのようなビルドアップの配置とユニットを形成していたのだろうか。

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菱形の形成①
SBが幅を作り出し、CBとSHが菱形の頂点。CHはそれぞれ菱形のユニットと最終ラインに降りる。これに伴い、逆SBは内側を取り、逆SHはアイソレーションの準備。
これでCFが1枚『+1』の関係を作って背後をとる準備を行う。
もちろん、SHが抜け出すとCFが頂点に入れ替わりで入ってくることもある。

基本的にユナイテッドの前進はサイドの菱形が中心になっている印象だ。だからCH同士のプレー距離は縦関係、横関係を問わずにかなり近く、ボールサイドに寄るようになっている。この時に逆サイドのスペースを補完するために、SBが内側に入る。これを行うことでさらにバーンリーSHを内側に寄せることが可能なる。

ではこれでユナイテッドは何を狙っているのか。まず狙うことはもちろん背後だ。特にサンチョがSBを釣り出した時にロナウドが背後を取る動きを頻繁に行なっていたことは印象的だった。これを行うことで、手前が空いてくる。そして次に考えることがアイソレーション。CHがボールサイドに寄り、SBが内側に絞っていることで準備されているのが逆サイドSHのアイソレーション。さらにロナウドが背後に抜け出す動きをすることで、バーンリーフルバックのスライドを強要することができる。

そして菱形を使ったレイオフ、もしくはSBやCBからのサイドチェンジで一気にサイドを変えて攻撃のスピードを上げる。この時に内側に入っているSBがSHのプレーを見てサポートを行うのか、内側・外側を駆け上がるのかの選択をすることができるようになっている。

またこのような配置もある。

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菱形の形成②
アイソレーションの変更。
ロナウド(CF)とSBが菱形の頂点に入り、最終ラインはSBと2CBで形成。これで中央にCHを残してレイオフ先を提供。当然ここでもSHがSBを釣り出すことで背後にスペースを創出する。
この時に中盤に人がいるのでSBが幅を作りアイソレーションの準備。
それを確実なものにするためにSHが内側に入る。
さらにこれを行うことでCFが背後に抜け出せる。

このようにCFが菱形の頂点に入るパターンもある。この時にロナウドの組み込み方とプレーの明確さがかなり好印象だ。前任者のときのロナウドは極端に左サイドに流れてプレーすることが多く、SHやSBと被ってしまうことが多くなっていた。だがラングニックが就任すると左サイドに流れる回数が減った。代わりにハーフスペースが頂点となるように、組み立てに参加するようになった。だからこそ、曖昧な位置で相手を止めることができ、さらにボールを引き取った際に、時間が持てる+配置が整理されているので、1タッチや2タッチの少ないタッチ数で展開を促すことができる。(そして自分がゴールを取れる位置に動き直す)

またSHグリーンウッドが内側でプレーすることで、ロナウドが前を向いた時に一気にスピードをあげて攻撃を仕掛けることも可能になっている。

 

このようにして各ポジションの配置とプレー選択の整理、ユニットの作り方を明確にしたことで、失点が減り、安定する要因になっているのではないだろうか。特にネガティヴ・トランジションのところがかなり改善され、組織から個人への強制移行が少なくなったように感じる。

 

2つのアイソレーション

当然、速攻だけではフットボールは進まない。押し上げて崩していく、その段階でカウンタープレスを発動できるような設定も整理されつつある。

そのためにユナイテッドは攻撃サイドに人を集めて、2つのアイソレーションを作り出す。

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2つのアイソレーション。
ここでも菱形を作り出す。そして内側を取るのが基本SBで外側を取るのがSH。

このようにボールサイドで菱形を作り出すのはビルドアップの時と同様。しかし変わってくるのはここに組み込まれていない選手。それが2トップだ。2トップが中央にいることで、バーンリーのバックスを中で止めることが可能になっていた。当然、キャラクターを考えた時に、ロナウドとカバーニという世界的ストライカーがいるので、こうなるのは必然だろう。

そして逆SBが1つ内側をとることで、ネガトラの反応とアイソレーションを担い、大外にSHが立つことで、その質を生かして攻撃を広げていく。ここでもSBが内側にいることで、SHのプレー選択を確認して自分のプレーを決定することが可能になる。特に奪われた後の反応に対するショーのポジション取りはさすがだと感じた。

当然、アイソレーションを使わずに攻撃を完結させる場合もあることを忘れてはならない。その場合は幅を作るSHが外から内側に入ってエリア内の人数を厚くする。

このようにして、ユナイテッドはファイナルサードの攻撃も組み立てていた。

 

さあ、どう進化する?

確実に前の意識が強くなったユナイテッド。当たり前のことなのだが、難しい前の意識の植え付け。ボールを失わない、もしくは失ってもボールを回収できるという安心感がないとその意識は根付かないだろう。

そしてユナイテッドはその意識の植え付けが徐々に浸透してきているからこそ、1stタッチの置き所やボールを待つ時の身体の開き方が変わってきている。パスを出す方向も随分と変化したのではないだろうか。

タレントは勢揃いしているユナイテッドに戦術が上乗せされると、どこまで進化するのか。また1人、名将がプレミアリーグに上陸し、その手腕を振るっている。今シーズンいっぱいという短い期間ではあるが、ラングニックの指揮と采配にも注目していきたい。

 

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今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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