皆さん、どうも。今年最後のマッチレビューは東京オリンピック決勝のブラジル×スペインについてを考えていきます。最後まで目を通してもらえると嬉しいです!
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組織から個人の昇華
この試合で僕は組織と個人の境界線というものが見えた気がする。僕の中にはなかった新しい視点だ。
歴史を辿れば、組織以前に圧倒的な個を持ち合わせてきたブラジル。ペレ、ジーコ、リバウド、ロナウド、ロナウジーニョ、カカ、アドリアーノ、ネイマール。挙げればキリがない。だからこそ、ブラジルに根付いている戦い方は個人を生かすものになると僕は感じている。
そしてブラジルは「組織から個人への昇華」を果たすことで、優位に試合を進めていこうと考えていた。ではブラジルはどのようにスペインに対して振る舞ったのだろうか。
ドイツ戦と同様にCBにはCF、DMFにはCHが1枚前に出てマーク、SHは絞ってIHの縦パスを消し、SB vs WGの構図を作り出す。
ブラジルは守備から試合に入ることでまずは組織を作り出す。この守備の方法はグループステージのドイツ戦と同様のものだ。前から圧力を加えていくことで、ボールを敵陣で回収することを考えていた。
奪う場所はSBか斜めに入るIHへのパス
このようにチーム全体でサイドに誘導していくことを行う。これを完結させるために、ブラジルはハイプレス時、予め人をキャッチする。こうすることで、外へ逃げさせることができ、そして奪いところも明確になる。奪いところを明確にすることで、個人で狙いを定める助けになる。このサッカーを知っている、もしくは奪いに行くタイミングを直感的に知っているであろうブラジルの選手。奪いところを明確にして狙うタイミングと場所を整理することで、ブラジルは個人の局面で勝って回収まで至っていた。
だがスペインも個人で勝てずとも組織で対抗し、ブラジルのハイプレスを剥がして止めることに成功する。
レイオフ先の選手は空間で受ける
人をキャッチする守備に対してはワンタッチと空間だ。これを上手く使いこなせるのがスペインの最大の強みだろう。空間の認知と場所を取るセンスは他国よりも優れている。だからこそ、人キャッチを行なってくるブラジルに対してレイオフでプレスリセットすることができていた。
そして中心点を作り出し、様々な展開を促すことができるので、ブラジルのハイプレスを止めることに成功した。
当然、これに対してブラジルはミドルブロックで迎え撃つ。この局面こそ、組織と個人の境界線がとてもわかるものになっていると僕は感じた。
個人で消すのはSBとWG。
簡単に言うと外は個人で中は組織となっている印象。
だからこそSHの立ち位置が内側でグループを形成するものとなっている。
このようにブラジルは組織と個人の境界線が明確になっていた。だからこそ、外側の選手の強度とプレスの掛け方がかなり重要になってくる。オリンピックのブラジルのサイドの選手、特にSHの選手は組織と個人を行ったり来たりするので、見た目よりもかなりの負荷があったはずだ。
そしてブラジルが組織として考えていたことが「IHを下ろす」ことだ。IHを下ろしてボールをピックアップさせると、個人に昇華させる。
IHを狙う、ボールを奪うのが個人。
組織として誘導するために、上の図のように動くことが多くなっていた。この時に重要となるのがグリッド内にIHを下ろすことだ。これはDMFを消してIHにそのヘルプを行わせるように仕向けることがポイントなる。この組織としての考え方とそこから個人への昇華がかなりスムーズなのが見事だ。
『勝てる場所で最大限に』の考え方。
守備から攻撃の移行で個人の質を存分に生かす。いわゆる『勝てる場所で最大限に』の考え方だ。ここのポジトラでもCBを釣り出しつつ1vs1にすることで、個人で勝負することを行なった。これで速攻を仕掛けて、何度もチャンスを作り出した。
後半の微調整と失点
前半、唯一気になったのがDMFへのレイオフだ。これを消してIH vs CHの勝負に確実に持ち込むために、以下のような修正を行なった。
グリッド内にIHを降ろさせる。
このような修正を行なってIHの降りる場所を狭くして、そこを通せてしまうスペインの技術を逆手に取った。
この修正はIHに誘導できればかなりの確率でボールを回収して攻撃に移ることができるのだが、デメリットもある。
スペインのWGが内側に入るとSBが引っ張られて外側のSBが幅を作ってフリーになる。ここにCBからSBへパスが出てしまうと、ブラジルSBは対応がかなり難しくなる。これが失点の大きな原因になってしまったが、それでも個人での微調整によってなんとか耐えることができていた。
勝負を決めたのは…
この試合の勝負を決めたのは個人のスピードだ。組織から個人の昇華を意識するブラジルと個人から組織の昇華するスペイン。この試合では前者の力が少し上回った。ともに疲れが見えた試合だったが、それでも自分たちの強みを最大限に生かしたいたとても楽しい試合だった。
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