【ハンガリーの守備について】EURO2020 ハンガリーvsポルトガル

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ハンガリー、ポルトガル、フランス、ドイツ。これがグループFだ。誰がどう見ても「死のグループ」だ。

そんなグループFの初戦。このグループを突破するために必要なのは紛れもなく勝ち点3だ。そのために立ち上がったハンガリー代表。彼らの守備戦術は間違いなくポルトガルを苦しめ、そして勝利まであと一歩のところまで試合を進めた。だが、最後はガス欠とポルトガルの個人技にやられて失点。結局は敗戦を喫してしまった。

それでも僕は彼らの闘いを讃えたい。球際で負けることなく、そして準備してきたであろう守備プランをほぼ完璧にこなして見せた。

では今回はポイントレビューとして、「ハンガリーの守備戦術」を解説していこう。

 

 

 

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(この記事のデータは全てWhoScored.comから引用しています)

https://www.whoscored.com/Matches/1513461/Live/International-European-Championship-2020-Hungary-Portugal

 

 

ハンガリーの守備について

では早速ハンガリーの守備についてのポイントレビューを行っていこう。

彼らの守備のスタンスは「外回り」をさせることで「縦パスを潰す」し「横パスを誘発させてそれを掻っ攫う」というものだった。

だからこそ、ヒートマップは以下のようになっている。

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お互いのヒートマップ

先にも触れたが、ハンガリーは中央を消す、もっというと縦パスを消すために中央を意識したブロックを形成するため、ブロックを自陣で構えることが多くなる。さらに、ボールを外の循環にさせていたため、自陣満遍なくプレーエリアがあることが分かる。

それに対してポルトガル。彼らは「ブロックの外」で「パスを外循環」にさせられたため、上のようなヒートマップになっている。

だからこそ、ペナルティーエリアに入ることが困難になり、手前でボールを失うことが多くなっていた。

 

ではこのような守備を実行するために、ハンガリーはどのような個々人のタスクがあったのだろうか。

そしてそれを実行するために、どのようなチームの決まりがあったのだろうか。

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守備時の立ち位置

まずこちらがハンガリーの守備時の立ち位置だ。基本的に5-3-2のブロックを形成する。このブロックを形成することで、2トップでCHを、3CHでOMFとCFへのパスコースを消すことが可能になっていた。さらに、3CHは明確に中央を消しにかかっていたので、かなりお互いの距離が近く、中央よりのポジショニングになっていた。(最初の立ち位置)

だが3-5-2で守備ブロックを形成する際、考えなければならないエリアがある。それが「3CHの脇のスペース」だ。

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ケアが必要なエリア

上の図のように、ハンガリーは3CHの脇のエリアが問題となることは明らかだった。もちろんポルトガルの選手たちもここに選手を配置し、このエリアを起点に攻撃を組み立てようと試みていた。

だがハンガリーはここのエリアをきちんとカバーすることができていた。ではどのようにこのエリアを埋めていたのだろうか。

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埋めるのはWB

この図のように、3CHの脇のスペースを埋めるのは主にWBに設定されていた。WBが1列前に出ることで4-4-2の形になり、SBに対応を行う。

ではどのような時にWBが1列前に出てSBとの距離を詰めるアクションを行うのだろうか。

 

そのアクションというのが、上の図でも示したように、『ボールサイドCBが外側に身体を作った時』にWBが1列前に出てSBとの距離を詰めるようになっていた。当然のことながら、WBが前に出る時に、周辺の選手も連動している。

IHは縦パスをピックアップしようとするCHを捕まえ、残りの中盤の選手はスライドを行い、カバーと中央を消しを行う。さらに逆CFが残りのCHを縦スライドで捕まえる。

こうすることで、どんどん中央を消し、そしてサイドを狭くしていく。

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この図を見てもらったら簡単に理解できるだろう。ポルトガルは手前にしか自陣がなく、その先のスペースはかなり狭いものとなっている。

こうすることで、ハンガリーは「ブロックの外」もしくは「ラインの手前」の横パスを掻っ攫うことでカウンターに出ることができていた。

 

ここまで解説した守備は主に両サイドで行われていたことだ。だがしかし、厄介だったのがB・シウバのいるサイド。彼がボールを受けに降りることで、ハンガリーの中央の選手を動かそうと試みていた。

だが、ハンガリーはこちらサイドの守備の設定も怠らず、準備をしてきていた。

ではどのように守備を行っていたのだろうか。

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B・シウバサイドの守備

こちらのサイドも根底の部分は変わらない。変わってくるのが当てる人だ。上の図のように、SHのB・シウバが降りてボールをピックアップする動きを見せると、そこの対応を行うのがIHになる。逆サイドではSHにはCBが対応していたが、こちらのサイドではIHがSHに対応を行う。このようにIHが対応に行くと、それをスイッチにWBがSBまで距離を詰める。さらに空いてしまう中央CHにはCFが縦スライドでマークを行う。これで同様にサイドを狭くしていく。

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同様にこの図を見てもらえれば簡単に理解ができるのではないだろうか。ここでもポルトガルのエリアを手前のみにして、縦パスを潰し、横パスを誘発させてそれを回収していく。

 

このようにしてハンガリーはポルトガルの攻撃のスピードを吸収し、さらにスペースを無くしていくことで攻撃を食い止めていた。

さらに横パスを狙って奪っていたことでカウンターに出ることも可能になっており、だからこそ、能動的に集中力を保ったまま守備を行うことができたのではないだろうか。

 

(ポルトガルが攻撃を仕掛けれるようになって理由はサロンでシェアします)

 

闘えるチームだ!

ロングカウンターで決めきったと思われたシーンがオフサイドで、そこから崩れてしまったハンガリー。そして終盤の3失点。何度も触れるが崩れてしまったが、十分に闘えることをこのグループの強豪国に示した。仮にこの強度を保ち、そしてカウンターの鋭さを他のドイツ戦、フランス戦でも見せることができるのならば、ハンガリーも突破の可能性は十分に残されている。蜂の一刺しがあるハンガリー。次節のフランスに勝利をすれば、大きく突破に近づける。この波乱を少し僕は期待しているし、それを十分に起こすことができるチームだろう。

 

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