【観て進む矜恃】Premier League 27節 チェルシー vs エバートン

f:id:football-analyst:20210309204332j:plain

いまだ無敗。そしてまたしてもクリーンシート。共に青春を過ごしたチェルシーがトゥヘルの下で再び強くなっている。今節戦ったエバートンとの一戦でも、彼らの『守備を観る』ことで空いている場所から進み、ゴールを奪ってみせた。そしてボールを握ることで守備の時間を短くし、配置を整え、ネガトラですぐにボールを回収。だからこそ、この試合でもクリーンシートで試合を終えることができた。

では今回は、いかにしてチェルシーは前進していたのか。これについて触れていこう。

 

 

はじめに

オンラインサロンを開設しました!

サッカー好きの、サッカー好きによる、サッカーをもっと楽しむためのコミュニティーです!

気になる方はご連絡下さい!

note.com

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20210309204815p:plain

エバートンの守備プラン

まずは彼らの守備のプランについて触れていこう。アンチェロッティはチェルシーの前進を堰き止めるために、以下のような守備プランを準備していた。

f:id:football-analyst:20210309210120p:plain

守備セット時の立ち位置

基本的にエバートンはミドルブロックで守備を行っていた。(後半は割と高い位置から同様の形でプレスを行う。デイビスが入って少しやり方は変わった)

この守備の立ち位置を半ば無理やり表すのならば、5-1-4だろうか。上の図のように、2トップでズマとアスピリクエタを意識する立ち位置を取る。ジョルジーニョとコバチッチには、シグルズソンとゴメスがマーク。(シグルズソン→ジョルジーニョ、ゴメス→コバチッチ)

これで中央に残るアランがDMFの役割を果たしてライン間をケアしていた。

ではこれでエバートンはどこでボールを奪いたかったのか。

それは以下の図を観ていただきたい。

f:id:football-analyst:20210309210610p:plain

エバートンが奪いたかったエリア

エバートンはボールを奪いにいく条件が明確になっていた。その条件が『ズマにボールが入った時』だ。彼にボールが入ったら、CFが外切りのプレスでWBへのパスコースを消す。それと同時にシグルズソンがCBクリステンセンを牽制できる立ち位置を取り、アランが前にスライドしてジョルジーニョを捕まえる。これで、ズマに中央へパスを入れさせてボールを回収しようと試みていた。そしてそこからショートカウンターを打つことを狙っていたのではないだろうか。

だがチェルシーはエバートンの守備をしっかりと観た上で前進していく。

ではどのように前進し、ラインを越えて行ったのだろうか。

 

チェルシーの3つの前進方法

トゥヘルになり「前進していくこと」に抜群の安定感を手に入れたチェルシー。例外なく、この試合でもきちんと前進していく。

 

①:WBへの対角のパス

まず1つ目の前進方法が「WBへの対角のパス」だ。このように表記すると「長いパス」のように捉えるかもしれないがそうではなく、下の短いパスだ。ではどのようにしてそのパスを打ち込んでいたのだろうか。

f:id:football-analyst:20210309212240p:plain

対角のパスを打つために

上の図のように、肝となるのはCHのレーンの移動だ。これはトゥヘルになってからより正確に整理されたものだろう。CHが1枚隣のレーンに移動すると、その逆のCHも連動して隣のレーンにポジションを移す。こうすることで、この試合はそれぞれついてくるゴメスとシグルズソンを動かすことができた。これでリシャルリソンの背後、シグルズソンの脇にスペースを作り出すことができ、そこをWBが使うことで中央のブロックの外でWBがボールを受けることが可能になっていた。

そしてここからはこのように攻撃を仕掛けていく。

①-1:アランを釣り出す

ブロックの外でWBがボールを受けれると、アランの釣り出すことができる。そうすると、以下のように攻撃のフェーズに入っていくことができる。

f:id:football-analyst:20210309213331p:plain

ライン間でボールを引き出すハヴァーツ

このようにWBが持ち出すことで、アランを釣り出すことができる。(前進されないためのプレー選択をアランは多くする)これで、ライン間にスペースができるので、そこをハヴァーツが使うことでボールを引き出す。ここの立ち位置と引き出すタイミングがハヴァーツは非凡だ。だからこそハヴァーツはこの試合でもライン間で効果的なプレーを連発していた。

 

②:シグルズソンを動かしての中央

①の方法を見せたことで次に動かすことができたのは「ジョルジーニョをマークしているシグルズソン」だ。これでチェルシーは簡単に中央を突破することができるようになる。

f:id:football-analyst:20210309214953p:plain

離れて受けるコバチッチ

クリステンセンが自由にボールを扱う時間を持てると対角のパスでブロックの外に逃げられてしまうことを悟ったエバートン。だから上の図のように、クリステンセンに対してシグルズソンがプレスを行うようになる。これを行うことで、チェルシーは一瞬、ゴメスに対してコバチッチとジョルジーニョで数的優位を作ることができる。これがかなり優位に働く。ではなぜ、優位に働くのだろうか。それはゴメスの意識を中央のジョルジーニョとボールに引きつけることで、「ゴメスから離れていく」コバチッチがフリーになれるからだ。これで、コバチッチが『サイド』でボールを引き取ることが多くなっていた。

 

③:サイドを変える

この2つの方法で次はシンプルにサイドから攻略していく。

f:id:football-analyst:20210309220620p:plain

早くパスを回すことでWBがフリー

このようにゴメスがコバチッチに着いてくること、アランがジョルジーニョまで出てきて捕まえることでエバートンは中央を狭くしていく。これに対してチェルシーはCH→CB→WBのシンプルなパス回しでサイドのWBに逃げることが可能になる。これは中央に圧縮することを選択するがゆえに空いてくる場所だ。だからチェルシーはシンプルにサイドで時間を作ることもできていた。

これで似たようにライン間に差し込むことで攻撃を仕掛けて行った。

 

動かす矜恃

OGを誘発した攻撃、PKを誘発した攻撃。他にも多くの攻撃に共通するもの。それは「動かす」ことだ。この試合のエバートンはSTにCB、WBにはWBと言うふうにマンマークを実行。ここをしっかりと突くことで、チェルシーはゴールを奪ってみせた。特に

先制点のシーンを観ると分かりやすいだろう。オドイがボールを引き出すことでホルゲイトを釣り出す。そしてターンしサイドに流れるドリブルに合わせて、サイドに張っていたアロンソがホルゲイトの背後に入り込む。この入れ替わりこそ、マークのズレを生み出し、優位に攻撃を仕掛けられる。この入り込むスペース作り出す動きと入り込む動き、これらの規律を整えたトゥヘル。だからこそ、選手は常に優位に立てるポジションを取ることができているのではないだろうか。それほど頻繁にポジションチェンジが行われるチームではないが、やはり味方の立ち位置を観てしっかりと自分の立ち位置を変えている。攻撃的だが、ランパードの時よりも被ることが圧倒的に減り、安定感が増した。果たしてどこまで無敗記録を伸ばすのか。真に強いチェルシーが時季に帰ってくるだろう。

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

各種SNSのフォローもしてもらえると嬉しい限りです!

またオンラインサロンも行っておりますので、詳細を見るだけでも見ていって下さい!

ご検討もよろしくお願いします! 

 

「サッカー、一緒に考えん?」

サッカーを学べ、楽しめるサッカー専用オンラインコミュニティです!

サッカー好きの皆さんの参加をお待ちしております!

 

Instagramで活動しています。月額300円です!

以下が活動内容になっております。

 

☑︎サッカー、一緒に考えん?

→毎週(月)にライブ配信を行います。

マッチレビューをする試合を予め伝え、議論しながら試合を振り返ります。

もちろん、見るだけの参加もOK!

 

☑︎毎週フットボール

→毎週(水)にサロン限定の記事をシェアします。

内容は用語の再定義や観戦に必要なこと、相手の動かし方や視野など、多岐に渡り有益な情報を提供しています。

インプット、知見を広げることに最適です。

 

☑︎深掘り動画

→毎週(金)にお知らせした試合の深掘り動画をサロン限定でシェアします。

 

☑︎一緒にライブ観戦

→不定期でライブ観戦を行います。

ライブ配信でメンバーの方と対談しながら一緒に試合を観戦します!

 

☑︎有料記事の無料閲覧

→サロンメンバーは有料記事を無料で閲覧可能です。

 

☑︎無料記事更新のお知らせ

 

申込方法は各種SNSへDMをして下さい!

ご連絡お待ちしております!

 

Twitter

赤澤暢哉【サッカー、一緒に考えん?】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

 

 

詳細

note.com

  

Twitter

Twitter

赤澤暢哉【サッカー、一緒に考えん?】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

短い分析動画シェア

Instagramでは分析動画のシェアを行っています!たまに知人と雑多なことを話しながら試合のライブ観戦をしています!

ぜひInstagramのフォローもお願いします!

https://www.instagram.com/football__think/

 

チャンネル登録もよろしくお願いします!

YouTubeではガッツリした分析動画をシェアしています!

こちらのチャンネル登録お願いします!

www.youtube.com

 

ではまた次回の記事でお会いしましょう!