前代未聞の対戦。この試合で「格の違い」を見せたフル代表。
今回は僕の感想のようなマッチレビューになるが、最後まで目を通して頂くと幸いだ。
- はじめに
- スターティングメンバー
- フル代表のビルドアップとU-24の守備
- U24のビルドアップ
- 同じ4-4-2でも違う守り方
- A代表とU24代表の違いは?
- オンラインサロン「サッカー、一緒に考えん?」
- YouTube
はじめに
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スターティングメンバー
フル代表のビルドアップとU-24の守備
まずはここから触れていこう。フル代表はどのような前進を行い、それに対してu-24代表はどのような守備を行っていたのだろうか。
(YouTubeでも解説してますので、ぜひこちらでもご覧ください)
まずはフル代表のビルドアップから。基本的にフル代表は2CBと2CHの2-2の形でビルドアップを行っていく。この時のCHの立ち位置が重要で、必ず1枚は2トップの間、もう1枚は2トップ脇を取るように設定されているように映った。
これでSBを押し上げて、SHを内側に立たせる。
そしてこのように中央CH→CBへのリターン→2トップ脇のCHとボールを動かすことで、SHを動かすことができていた。これでU24の2列目に段差を作り出して空いた場所から前進していくという形をとる。
ではこれに対してU24はどのような守備を行っていたのだろうか。
先述した「SHが動かされる」という表現。これはもしかしたら過ちかもしれない。実際に中の人間ではないのでわからないのだが、とりあえず、この試合はSHが動かされていた、もしくはSHが2トップ脇を埋めに前プレを行っていた。
このプレスを行うともちろん後ろの選手も連動していく。
高い位置を取るSBにはSBが出ていき、内側に立つSHにはCHがマークを行う形で場所を狭くしていこうという狙いは見えた。
そして上の図のように、U24はサイドにボールを追いやることで場所を狭くして赤のエリアで回収しようと試みていた印象だ。
だからこそ、SHが前に出て、その背後のSBまでSBが出ていくことで、ボールホルダーに対して判断の猶予を与えないような守備を行っていた。
この判断する時間を奪えば奪うほど、やはりボールホルダーはよりリスクの少ないサイドに逃げる選択をとる。これでサイドに誘導する設定だったのだろう。
だがさすがフル代表というべきか。このプレスに動じず、しっかりと空いた場所を使い、そして丁寧かつ素早く攻撃を仕掛けていた。
このようにサイドにボールを追い込まれたとしても、SBを釣り出している分その背後を内→外の抜け出しでSHが使うことが多くなっていた。
これを見せることで、中央が空いてきてSBから、もしくはCHから直接中央のOMFへ縦パスが入るようになっていく。もちろん、2トップ脇のCHでSHを釣り出し、段差を作り出していることも大きく関係していることも忘れてはならない。
このようにしてフル代表はU24の守備を簡単に動かし、そして攻撃を完結させようとしていた。
U24のビルドアップ
次はこちらについてを触れていこう。U24のビルドアップはフル代表と違い、CHがCBの間に降りることで3-1の形でビルドアップを行うようになっていた。
このようにU24のビルドアップはCHが縦関係、いわゆる3-1の形になる。こうすることで2トップ脇をCBが持ち運べるようになる。さらにSBがWBのような振る舞い、SHが中に入ってSTのような振る舞いを取るようになる。これで外と中のパスコースを作り出そうとしていた。そして重要となっていたのがやはりOMF久保だ。(後半からは三好)このチームにおいてOMFの存在がとても大きな役割を担っており、彼が攻守のリンクマンを担っていた印象だ。
OMFがほぼフリーマンでラインとレーンを移動することで相手を引っ掻き回し、そしてその先のパスコースを作り出す。もちろん、ボールを受ければドリブル、コンビネーションなどで前進していくようになっていた。
だがこのビルドアップは上手く場所を消され、さらに大外の有効に使うことができず、攻撃を完結させることが難しくなっていた。
断っておきたいのは、U24が悪かったのではなく、フル代表の守備の強度とコンパクトさが凄かった。ではフル代表はどのように守備を行っていたのだろうか。
同じ4-4-2でも違う守り方
では気になるのがフル代表の守備方法だ。U24の守備と同じ4-4-2でフル代表も守備を行う。だがその方法、詳細にいうとSHの動かし方(2トップの動かし方)が違っていた。
このようにフル代表は2トップの脇を使われた場合、そこの対応を行うのはSHではなく、CF(OMF)になっていた。こうすることで、(U24のビルドアップの形も関係しているが)残ったもう1枚の2トップの一角が中央の選手を捕まえることが可能になる。
これで、SHが動く必要がなくなるのでSHは背後に立つ内に立つSHへの縦パスこコースを消しながら守備を行うことができる。そしてこれで外に誘導をすることが可能に。ここの『追い込む場所』というのは同様のものだった。
そして外にボールを誘導した際の立ち位置、SHの動き方、SBの場所がU24と全く違う。上の図のようにSHが前に釣り出されていないので、幅を作り出す選手に対応に行くのはSHになる。しかもSHは中→外のプレスをかけることができるので、簡単に内側へのパスコースをなくすことが可能に。
このようにSHがSBにプレスをかけることができるので、SBがバックラインに留まることができ、内に立つSHに対して前向きに対応することができる。もちろん、バックラインに留まることで、「スペース」を埋めることができる。詳細にいうと「SBの背後」だ。
もちろん、この時の4-4のブロックのコンパクトさは目を見張るものがあり、ライン間でスペースを使うことが難しい状態に。
だからこそ、U24はスペースを見つけることができず、背後に抜け出すことも、ライン間に縦パスを打ち込むこともままならず、外でボールを回すだけという状態に陥り、そして徐々に狭くされてボールをロストするという状況になっていた。
フル代表が早い段階で先制点を奪えたことも関係しているが、それでもフル代表の明確で強度の高い守備を褒めるべきではないだろうか。
A代表とU24代表の違いは?
僕が感じる違いは2つある。それは以下の2つだ。
①:プレス諸々の強度
②:ターンの技術
この2つだ。
まず①のプレス諸々の強度。これは先ほどから触れているように、明確な違いがあった。U24の選手たちは思ったよりも早い段階で相手が近くにいるので、判断を下す前に強制的にボールを離してしまっている印象を受けた。
だからこそ、ミスも多くなっていたし、前に差し込むパスを打ち込むことが難しくなっていた。
さらに1vs1の局面でもそうだ。良い状態でボールを持つことは愚か、前を向いてプレーすることも難しそうだった。(その中でも堂安は前を向いて落ち着いてプレーしていたのが恐ろしい)
やはり切り取れば1vs1の局面が多いサッカー。いくら戦術がよくとも、最後はここで勝てなければ試合は難しいものになる。ここで優っていたのはやはりフル代表だった。
そして2つ目。このターンの技術もフル代表の方が上手かった。(当たり前かもしれないが…)U24の選手のエリート感満載のチームでも、この技術では勝つことができなかった。
フル代表の選手は前を向ける状態なら前を向く。言葉で言うのは簡単だが、実際にやってみるとかなり難しい。しかも彼らは近くに人がいるのにそれをいとも簡単にやってのけるのだ。極小スペースでのターン技術。スペース、人、距離の把握の速さと正確性がこの差だろう。これは試合を積んでいく中で洗練されていく。そう考えるとフル代表が過ぎれているのは当たり前っちゃ当たり前のことなのだが。(特に鎌田と守田が異次元だった。)
この差がこの試合に大きく影響したのは確実だろう。この経験値の差が余裕を生み、確かな技術に繋がっている。
U24の選手はここでこのような経験をできたのは大きな財産になるのではないだろうか。
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