皆さん、ご機嫌よう。
一番初めに自己紹介から。気になる方は下記のリンクからご覧ください!
では早速、分析レビューを行っていきましょう!
はじめに
昨シーズンの守備の堅さは何処へ消えてしまったのか。FC東京戦、マリノス戦と3失点。それが顕著に現れているかのように、勝ち点3を積み上げれたのはクリーンシートで終えた湘南ベルマーレ戦まで遡る。そして迎えた今節。ボールを繋ぎ、崩していくスタイルを志向しているベガルタ仙台をホームに迎えた。試合が始まり、幸先良く先制点を奪ったが、その後は防戦一方で、失点するのは時間の問題だった。そして71分に失点するべくして失点。そしてドローで試合終了の笛を聞くこととなった。ではなぜ、この試合で防戦一方になってしまったのか。今回はそこに焦点を当てて紹介をしていこう。
スターティングメンバー
この試合の守備について読んでもらう前に、前節のマリノス戦のレビューもさらっと目を通してもらいたい。特にこの記事の「嵌らない守備とマリノスの剥がし方」の章を読んでもらえると、この試合で同じような事が起きていた事がわかるはずだ。
ではこの試合の守備について触れていこう。
捕まえ切れないSB
この試合でまず捕まえ切れなかったのがSBだ。ここを捕まえ切れなかったので、サンフレはラインを突破されて、ライン間に縦パスを通されるようになる。ではなぜ捕まえれなかったのか。
まず上の図を見てもらいたい。仙台は攻撃時、主にCH浜崎が下がることで両SBが攻撃参加できるポジションに押し上げる。この時にSHが中に入るのではなく、幅を作ったままにすることで、WBをピン留めする。このようにするのには、中央に入る関口にスペースを与えるためではないだろうか。
仙台のこのような配置により、サンフレはSBに対してプレスに行けない状況を作られてしまう。さらに、3トップはCBとCHを意識して、中央のCHハイネルと川辺は関口と椎橋がいるので、そこを捨ててSBにプレスに行きにくい状況下にある。
そしてSTがCBを意識して牽制に行くと、その背後にポジションを取っているSBにパスを出される。これで仙台SBはSTの背後、CHの脇、WBの前で時間を持つことができるように。
ちなみに仙台はSBがボールを持つと、SHが中に絞ることで、バイタルエリアでSBからのパスを引き出す事ができるようになるのと同時に、マークをWBからCBに変えさせることでWBがSBにプレスに行けるように仕向けていた。
このように仕組まれたことでサンフレはWBを釣り出されて、SHがその背後に抜け出す攻撃に苦戦する。だからサイドから攻撃を仕掛けられることが多く、そしてそのクロスを瀬戸際でブロックしていたため、コーナーキックが多く、さらにクロスからの際どいフィニッシュが何度もあった。ここで失点してもおかしくなかったが、GK大迫のビッグセーブに助けられていた。
このSBをなんとかしなければいけないので、サンフレは次の手に出る。
場所を空けてしまったハイネル
前節のマリノス戦と同様、ハイネルをCHで起用した城福監督。前節の狙いは「攻撃時にCHが飛び出して中央を空けない」という狙いがあった。これがある程度、嵌っていたのでサンフレはハイネルの交代まで、マリノスの土俵に上がらずに済んだ。
だがこの試合は「マリノス」ではなくて「ベガルタ」だ。対戦相手も違えば、サッカーも全く違う。そこでこの試合はハイネルが「守備時に場所を空けてしまう」事になった。ではどのように場所を空けてしまっていたのか。
このようにハイネルが前に出てCH浜崎を捕まえるようになり、STが入れ替わりで後ろに下がるような立ち位置を取る。だがここで問題だったのが、STがCHの場所まで戻らない事だ。だからハイネルが出る事でできる空間、いわゆるライン間にスペースができてしまう。
そして仙台はこのような状況になった事を確認すると、SBにボールが出るまで張っていたSHが中に入って空間に立つようになる。サンフレはこのような状況になることで、縦パスを差し込まれるようになる。
このように縦パスを打ち込まれてしまうのでCBが対応に出ることになる。そうするともちろん、WBがカバーポジションを取るため、中によることになる。こうなってしまうと、またしても大外のSBにスペースと時間を与えてしまうことになる。
だから仙台は縦パスが打てない場合、幅を作っているSBに逃げることができていた。このようにされたことでサンフレは、マリノス戦と同様に後手の守備を踏み続け、失点は時間の問題という状況下に晒され続け、そして失点してしまっていた。
後半の5-3-2のブロック
前半の守備が嵌りきらず、攻め手もほとんどなかったサンフレ。だから城福監督は攻撃に出ることで守備の時間も根本的になくし、そして追加点を狙った。だからか、守備のブロックを5-3-2に変更。だがこうしたことで、次はSBが中に入り、中盤の脇のスペースを使っていた。
ではなぜここが使われてしまったのか。それはSHが外に張り出し、OMFがハーフスペースにずれることでCBをピン留め、そしてCH椎橋がハイネルに捕まる位置を取ることで、SBが中に入った時にフリーでボールを受けれるように仕組まれたから。ハイネルはスペースを埋める意識よりも、人を捕まえる意識が強い。だからCH椎橋が視界に入ると、どうしてもそちらへ寄ってしまう。これが起因して、特にハイネルサイドの中盤の脇が開くことが多くなっていた。そしてここからクロス、またはスルーパス、縦パスと様々な展開をしかれ、ここでもサンフレは後手に回ってしまった。
このようにして仙台はしっかりとサンフレを見てサッカーを行い、先手に回ることで試合のペースを握っていた。
まとめ
今回はサンフレの守備が気になったので、そこに焦点を当てて解説をさせてもらった。FC東京戦、マリノス戦での3失点。そして今節のベガルタ仙台戦。特にマリノス戦とこの試合の守備は似たものになっていた。STのところで後手に回り、そしてスペースを作られる。そこを使われ、失点していく。この流れは守れていた時のサンフレには見られない光景だ。そして奪い所がはっきりしていないのも現在守れていない原因ではないだろうか。はたしてこれから城福監督はソリッドな守備を再びサンフレッチェ広島に取り戻すことができるのか。そしてもう一度、上位進出に向けて勝利を重ねることができるのか。これからの立て直しに期待したい。
終わりに
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