CL ラウンド16 アトレティコ vs リバプール ~アトレティコの守備の美学~

前置き

『サッカーへの恩返し』をしたく、この度『Football Base』という会社を立ち上げました。

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では早速、解説に入っていきましょう!

最後までお付き合いください!

はじめに

とうとう再開した、世界最高のコンペティション、チャンピオンズリーグ。この世界最高の舞台に立つため、世界中のフットボーラーがしのぎを削り、チャンスを得ようと必死で戦っている。そしてその中から選び抜かれたフットボーラーがプレーをするのだから、面白くないわけがない。そして今回はラウンド16で当たるには勿体無い、アトレティコとリバプールの一戦。世界最高の矛を持つリバプールと、世界最高の盾を持つアトレティコ。最強の矛をもつリバプールは現在、世界最高のチームとも称され、プレミアリーグで無敗を継続中。そんなチームをホームに迎え入れたアトレティコ。そしてこのホームチームは自分たちのサッカーを貫き通し、勝利を収める事に成功。では今回はアトレティコがどのようにリバプールを完璧に押さえ込んだのか。シメオネ監督の『美学』とも言える、守備戦術を中心に解説いていこう。

開始10分でゴールを奪う覚悟

この注目の一戦はアトレティコが試合開始直後の4分にリバプールからゴールを奪い、試合が始まった。「試合開始早々にゴールを奪えて運が良かった」という意見もあるだろうが、果たして本当にそうなのだろうか。これがもしもシメオネ監督のゲームプランだったとしたら、この後の戦い方(もちろん、結果論でhがあるが)にも合点がいく。だからアトレティコは試合開始の約10分間、攻撃に比重を置き、際どいチャンスをいくつか作り出し、そして攻撃を仕掛けたことで得たCKで先制点を見事に奪って見せた。現に10分以降の戦い方は前に出る事は少なく、自陣に引いて守備を固める戦い方にシフトしていた。
そしてこのリバプールの枠内シュートを0に抑える見事な守備戦術で試合を締め括ることに成功。では守備戦術について噛み砕いていこう。

速攻を打たせない守備

リバプールの十八番の攻撃。速攻。これがとても厄介だ。しかもCBからの一本のパスで一気にゴール前まで持っていかれる。そしてシメオネ監督が1番恐れたであろう攻撃がこの速攻こと、ロングカウンターだろう。だからまずはここの守備を徹底して「詰めて」きたのではないだろうか。

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シメオネかんとくが恐れた速攻を封じるため、このように守備を行う。CFが1枚、CBを牽制すると、もう1枚のCFがDMFを消すポジションを取る。この時にCBに牽制をかけているCFは、もちろんロングボールを蹴らせないように牽制。さらにSBへのパスコースを消しながら牽制を行う。またIHに対してCHが牽制を行う事で、「CBにボールを持たせる」。これでCBはボールを動かすので、パートナーのCBにパスを出す。こうすると、アトレティコのこのゾーンでの守備は成功となる。ではなぜこの守備が成功といえるのか。

プレスラインと守備ブロックの形成

CB⇨CBのパスを出させる事がなぜ成功なのか。これには2つの意図がある。それが「守備ブロックの形成」と「プレスライン」の設定だ。

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このようにCB⇨CBのパスの間に4-4 +CF1枚(ないしは2枚)が下がることで、背後のスペースを完全に消し、バックラインからのロングパスを完全に消す。この「下がる時間」を稼ぐためにCB⇨CBのパスが必要だった。そしてこのブロックを形成した事により、プレスラインを明確に設定できる。この「背後を消す」⇨「プレスラインの設定」をするために「速攻を打たせない守備」が重要になっていた。(特に速攻を打たれる、攻め終わりを警戒していた印象)そしてここから、シメオネ監督のアトレティコは圧巻の守備を披露する。

サイドでの数的優位

ブロックを低い位置に設定し、完全に中央に差し込ませない守備。リバプールはリーグ戦でいくつもこのような展開を経験している。だから決して焦っておらず、「いつも通り」にボールを動かし、綻びを見つける作業に徹する。だが、今回の相手はいつもと違った。ではアトレティコはここからどのように守備を行ったのか。

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このようにブロックを下げている事で、リバプールのCBはボールを持てるが、中央に差し込めない、背後にボールを送れないので、ハーフウェイラインを越えた辺りにポジションを取っているSBにパスを出す。ここにボールが出ると、アトレティコはプレスを開始。まずボールサイドのCFが近くに立ち、サイドチェンジをさせないようなポジションを取る。そうすると、SBは良くも悪くも「前」しかパスコースがなくなる。ここでSHが中央を完全に消しながらSBに牽制を行う事で、SBはWGへのパスを選択せざるを得ない状況に陥る。ここでいつもならSBからSBへのサイドチェンジ、またはCBに戻して逆へ展開できるのだが、先述したCFの立ち位置が巧妙なのでそれができない。またIHにはCHがマークしているので、ここにもパスが出せない状況だ。そしてWGにパスが出るとSBとSHでプレスをかける。

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そしてこのようにSHとSBで数的優位を作り出す事でボールを奪い切る。またSBがプレスに出るので、SBとCBの間にスペースができてしまい、ここをIHが使う事が多い。ここでCBが出て対応するチームが多く、これで崩されるシーンをよく見る。だがアトレティコはCHがついていく事で対応。これで完全にWGでボールを奪う事に成功する。

IHが下がる⇨SBが幅を取った時の守備

もちろんこれだけで終わらないリバプール。いつものようにIHが下がる事で、SBに幅を取らせ、WGがハーフスペースにポジションを取るように配置を変える。これに対してもしっかりと守備を構築していたアトレティコ。

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このようにIHが下がって組み立てに参加する場合はCFが牽制を行う。この時の決まりが「決してCHがIHについていかない」こと。リバプールはCHを釣り出す事を狙いとしているので、決してCHがここに出て行くことはなかった。そのかわり、CHはSHとCFのカバーができるポジションを取る。IHが下がった事で高い位置をとったSBに対してはSBがマークを行う。またハーフスペースに入っているWGに対してはSHがマークを実施。これでSB vs SBの構図を作り出す。そしてこの構図こそが、リバプールSBの『クロス』を封じる戦術だ。

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それぞれ、利き足と同サイドのポジションにいるリバプールのSB。完全な1 vs 1の状況になっているので、利き足の前に立つ事でいつものようなクロスを上げさせなかった。だからこの試合は「マイナスのクロス」が多かったのではないだろうか。

アトレティコのカウンター

では少しだけ、アトレティコの攻撃について触れておきたい。アトレティコはWGでボールを奪った時にロングカウンターを仕掛けていた。その方法がこちら。

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このようにボールをWGで奪った場合のみ、CFへのパスコースが空いてくる。ここに1度楔を打ち、その間にもう一枚のCFがSBの背後を取る事で、一気にスピードを上げてロングカウンターを発動する。これで何度かリバプールのゴール前まで迫る事ができていた。

クロスの対応

そして最後がファイナルサードでの守備。試合を通してどのゾーンでも「中央」を完全に締め、外にボールを送らせるアトレティコの守備。これはもちろん、ファイナルサードでも同様だ。そして先程触れたように、最後はクロスを上げさせる事で、ボールを跳ね返す作業に徹する。

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このように基本的にボックスの中には7人のプレーヤーがいるので、クロスからのチャンスは限りなく0に近くなる。さらに、先程触れたように、SBのクロスも赤の四角のエリア辺りになってしまうので、チャンスになる事は少ない。このようにして徹底的に中央を分厚くし、そしてクロスを跳ね返す事で、アトレティコはリバプールに枠内シュートを打たせなかった。

結局アトレティコが封じたのは?

では結局、アトレティコが封じたのは何だったのか。それは「速攻」と「CBからのロングボール」と「SBのサイドチェンジ」の3つ。これらは全てリバプールの最大の強み。ここを消すために、しっかりと準備し、そしてこの良さを潰す事にせ成功した。現にCBからの最初の有効なロングボールがあったのは、30分辺り。(見逃していたらすいません)さらには36分あたりで初めて有効なSBからSBへのサイドチェンジを繰り出す事ができていた。これまでのリバプールの試合観てきた方ならわかるかもしれないが、圧倒的にこの長いボールが少ない。それだけアトレティコの守備が機能していたということだろう。さらには3トップが抜け出してシュートを打つシーンは1つもなかった。(これも見逃していたらすいません)この試合で準備してきたアトレティコの守備がいかに凄かったかがわかるものではないだろうか。

まとめ

アトレティコ、シメオネ監督が準備してきたこの守備戦術。この守備こそがリバプールを止めるための術なのではないだろうか。もちろん、絶対に立ち上がりで先制点を奪うんだ!という意気込みとゲームプランが実ったからこそ遂行できたものだと思うが、それでもこの試合のアトレティコの守備には感動を覚えた。「これぞまさにアトレティコ」という試合だったのではないだろうか。だがそうとはいってもホームで、しかもリードは1点。次はアウェイ、アンフィールドでの戦いだ。バルセロナがここで劇的な逆転負けを喫したのも記憶に新しい。アンフィールドでは全てが可能になるかのような、異様な雰囲気がある。ここで戦うリバプールはまさに無敵。このリバプールを相手に、アトレティコはどのように戦うのか。2nd legがとても楽しみになる、良い一戦だった。そしてシメオネの、アトレティコの守備の美学を見れ、一種の感動すら覚える試合だった。ぜひ皆さんももう1度観直してみてはどうだろうか?

終わりに

最後までお付き合い頂きありがとうございます!

ではこの場を借りまして、5つの事について紹介させて下さい。簡潔にまとめているので、この4つの事も覗いて頂けると幸いです!

 

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改めまして最後までお付き合い頂き、ありがとうございます!また次回の記事でお会い出来る事を楽しみにしています!

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