Football Base 〜サッカー戦術分析〜

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PL リバプール vs マンU 〜リバプール、漫画の世界へ〜

 

 

はじめに

リーグ戦、無敗。その内訳は22試合21勝1分け。圧倒的な数字を残し、首位を快走しているリバプール。そして今節、ホーム、アンフィールドに迎えるのはリーグ戦で唯一ドローゲームを演じた宿敵、マンチェスター・ユナイテッド。前回のもどかしい試合内容を払拭すべく、欧州王者はホームで圧倒的なパフォーマンスを披露。マンUを前にしても何も恐れることなく戦っていた。そして2-0の勝利を納め、無敗記録を伸ばしている。では今回はこの伝統の一戦を振り返っていこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

リバプールは定石の布陣。怪我をしていたファビーニョがベンチに戻ってきたのが大きな朗報だろう。南野もこの試合のベンチマンバーに入ったが、出場はなかった。

一方のマンU。ビッグクラブ、ビッグ6と試合を行うときはほぼ決まって3バックの形。ここに、この試合のマンUの狙い、スールシャール監督の狙いが詰まっていた。

では早速、試合内容に触れていこう。

 

マンUの狙いとは?

まずはじめに触れたいのが、マンUの狙い。3バックで挑むのには大きな理由があり、立ち上がりは流れを掴みつつあった。ではその狙いを紹介していこう。

(黒⇨リバプール 白⇨マンU

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平たくいうと、マンUは徹底的に人を捕まえ、捨て球を蹴らせる、またはSBでボールを奪うことを狙っていた。CBに対しては2トップ、DMFに対してはOMF、高い位置で幅をとるSBに対してはWB、IHに対してはCH、3トップに対しては3バックがマンマークを実施。そしてSBにボールが入ると、上の図のような形になる。割と高い位置からプレスをかけるマンU。その時に完全に5バックになるのではなく、WBがCHと同じ高さにいることで、SBにボールが入った時にすぐにアプローチに行くことができていた。そしてボールサイドのWBがプレスに行くと、逆のWBはバックラインに入ることで、4バックの形、全体で見ると4-3-3の守備ブロックを形成。これで高い位置でボールを奪い、徹底して背後にボールを送り、CFのジェームズとマルシャルを走らせること、彼らのドリブル突破で勝利を目指した。

 

それでも起点はSB

マンUの策で若干苦しんだリバプール。それでも起点を作り出すのはSBだった。10分あたりから方法が変わり、一気にマンUを押し込んでいく。

ではどのような方法でSBで起点を作り直したのか。

SBに時間を作る方法

SBで起点を作るためにはSBに時間を与えなければならない。そのために、どのように時間を作っていたのか。

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このようにDMFがバックラインに入ってサポートをする事が多いリバプール。だが、マンUのプレスに出方を見て、バックラインに降りずに、中央でボールを引き出そうとすることに変更。こうするとIHが斜めに降りることができ、さらにDMFがバックラインに入った時よりも、SBが低い位置で幅をとることができる。こうすると、WGも幅をとる選択ができるようになる。こうすることで、SBにプレスをかけていたWBと距離ができるのと、WBの背後にWGがいるので、WBは思い切ってSBにプレスに行けなくなる。

この方法でWBとの「距離」を作り、「時間」を生むことでSBに良い状態でボールを持たせることに成功した。

 

SBからの縦パス

そして時間ができたことで、SBからの縦パスが入るようになる。これで一気にマンUの懐を抉り、一気にスピードがあり、厚みのある攻撃を仕掛けていった。

ではどのように縦パスを入れていたのか。

左サイドの場合

左サイドの場合はこのように縦パスを入れ込むことで攻撃を仕掛けていった。

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このようにIHが斜めに降りることで、CHを釣り出し、CFへの縦パスのコースを確保。ここからCFがしっかりとボールを引き出し、一つ前で起点を作る。その時に逆のIHがCFが開けたスペースにフリーラン、さらにWGもハーフスペースに入ることで、中央に人を集める。こうすることで、逆のSBが上がることができ、サイドチェンジをして局面を打開する選択肢も持てるようになる。これが左サイドで縦パスを入れた時のパターン。

右サイドの場合

右サイドの場合はこのようになる。

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まずCBがボールを持った時にIHが前にフリーランでCHを引っ張る。こうすることでDFラインを下げる目的が一つある。ここでもちろんCBからIH、またはWGにボールを配球するパターンもある。ここのロングキックの精度が高いからこそ、SBが活きてくる。そしてCBがロングキックを選択しなかったら、SBへパスを供給。このタイミングでIHが引っ張ったので、入れ替わるようにCFが降りてくる。左サイドと同じようにWGが幅をとることでWBをピン留め。これで時間ができたSBはCFに縦パス、またはIHに縦パスを送ることでスピードを上げる。さらにリバプールの十八番である、SBからSBへのサイドチェンジ。これも時間ができているので可能だ。

 

このように左右ともにやり方は違うが、IHとWG、そしてCFが絡むことでSBに時間とスペースを与え、そしてSBからのパスを引き出すことで攻撃を仕掛けている。

リバプールを止めるためにはここを潰さないといけない」というマンUスールシャールの考えは大いに理にかなっていると思ったが、それの遥か上を行くだけの能力を元リバプールは持っている。

 

プレスを回復するための高精度ロングキック

これはリバプールに与えられた特権。押し込まれる、またはハイプレスを仕掛けられてうまく時間を作り出すことができない時に発動する。それがバックラインからの高精度のロングキック。CB、SB、またはGKから相手DFの背後へのロングパスを出すことで、プレスを回復する。これは前線にマネとサラーという、シンプルに走力のある選手が揃っているからできることだ。背後にボールを落とすことで、敵陣に押し込み、クロップ監督の十八番、ゲーゲンプレッシングを発動させる。

この試合は特に

 

ロングキック⇨背走させる⇨カオスを作り出す or 嵌め込む⇨ゲーゲンプレス

 

のこれらの形がよく見られた。さらにそこからぷrすが嵌っていくという、リバプール側、クロップ監督からすると、とても痛快な試合内容だったのではないだろうか。

 

まとめ

まさにSBが司令塔となり得るチーム、リバプール。サイドで起点を作られるとこんなにも試合内容、はたまたサッカーの内容が変わるので、相変わらず、とても興味深いチームだ。まさにサッカー漫画、『アオアシ』の世界線だ。さらにこの現実のチームはSBだけでなく、CB、CF、DMF、IHとほとんどのポジションの選手が司令塔になれる。そして大外からトドメを刺すようにスピードスターが切れ込んでくる。ここまで戦術的にも、メンバー的にも、そしてメンタル的にも完成されたチームを止めることはできるのだろうか。今シーズン、リーグ戦で唯一のドローゲームを演じた、古豪となりつつあるレッドデビルズでも止めることはできなかった。もう優勝は決まったも同然だろう。あとは、『いつ』、『どのように』優勝するかが問題だ。まだ早いかもしれないが、もはや悲願のプレミアリーグ制覇を手中に収めたリバプール。残りのコンペティションでどれだけのタイトルを獲得することができるのか。これからの戦い、そして南野がどのように絡んでいくのか、とても興味深く、楽しみだ。

 

終わりに

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主にこの3冊で勉強しました。まだまだ読み漁っていき、面白い本があればまた紹介しようと思います。ぜひみなさんもこれらの本を読んで、そして試合を観て、このブログで自分の試合の解釈を確認していただけると幸いです。

 

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