PL エバートン vs アーセナル 〜進歩がなかったアーセナル〜

 

はじめに

お互いに暫定監督最終試合。もちろんエバートンの監督となったアンチェロッティアーセナルの監督となったアルテタはスタンドから観戦。何度も何度も顔を抜かれていた。そして試合の内容の方はどうだったかというと、正直トピックスの少ない試合内容だった。そんなこの試合の自分なりに感じた事といえばリュングベリ暫定監督の不可解な采配。今回はここに焦点を当てて紹介していこう。

 

前節から成長のないアーセナル

前節のマンC戦と同様、アーセナルの守備の連動性は全くなく、そしてエバートンのバックラインに自由にボールを持たせる事となっていた。この「バックラインでボールを自由に持たせる」という状況に自分は疑問を感じた。リュングベリはこの1週間でどのようなトレーニングを積んできたのかと。ではどのように守備を行なっていたのか。

(黒⇨エバートン 白⇨アーセナル

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このように4-4-1-1のような形で構えるのだが、このCFの脇のスペースを使われることに問題があった。エバートンのバックラインにプレスまたは牽制を行わないのでCBがかなり余裕を持ってボールを持てる。ここでボールを自由に運ばれるのでSHが釣り出され、SBを使われて、SBの背後をSHに疲れるという悪循環に嵌っていた。これはまさに前節のマンC戦で開始早々に奪われた先制点と同じ問題点だっただろう。

これが前節のアーセナル vs マンCの詳細。気になる方はご覧になってほしい。

前節の詳細

www.soccer-bunseki.com

 

「手前」のパスとエバートンの守備

これもこの試合でアーセナルが特に前半、劣勢に回った理由だろう。劣勢に回ってしまった原因が、送るパスがほぼ「手前」のパスになっていたから。「手前」のパスというのは、いわゆる「足元へのパス」だ。この足元へのパスが多くなっていたので、動きがつかず、そして相手を混乱に陥れることができなかった。そしてこの手前のパスが多くなるのでエバートンの守備に嵌っていった。

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まずはエバートンの守備。これはチェルシー戦、マンU戦とほぼ同様だったが、この試合に関しては明らかに前2戦と比べプレスラインが高くなっていた。これはアーセナルCBの21番チェンバースにボールを持たせて捨て球を蹴らせるか、SBにパスを送らせることを狙っていた。SBにボールが出ると一気にサイドを圧縮。ここでSHに普段ならばDMFで起用されるデイビスを起用した意図に気づくことができる。上の図のように一気に圧縮する際に、エバートンCHはアーセナルCHをマーク、浮いてしまうアーセナルOMFを牽制することができる。主にここの守備を行い、中央を占めることが意図としてあったのではないだろうか。このようにアーセナルはどんどんと嵌っていく。仮にSBでSHをはがせたとしても「手前」のパスなので、すぐにプレスバックで嵌められてしまう。

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このように背後を取る動きがないので自然と足元のパスになる。SHはボールを一度受けてからドリブルを仕掛けようとし、CHは「その場」で受けようとする。CFにボールが出るのだがここでCFがボールを受けても孤立して結局奪われてしまう。これが手前で受けることが多く、そしてそれによりエバートンが守備をしやすかった理由。これで前半はエバートンが押し込むことが多く、そしてアーセナルは跳ね返すだけの守備対応が続くことになった要因だ。

 

後半に持ち直したアーセナル

ビルドアップの修正

前半のアーセナルの内容は見ていられないものだった。だが後半になり、持ち直したアーセナル。ではどこをどのように修正したのか。

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大きな修正といえばビルドアップの場面。このようにCHがバックラインに入り(主にジャカ)、片方のCH(トレイラ)がサイドに流れることで、中央のスペースを一瞬開ける。ここでOMFが縦パスを引き出すかCBが運ぶことでエバートンの守備を動かし、ギャップを作る。ここでOMFが前を向けることでSHが背後を取る動きをつける。これで動きが生まれる。そしてもう一つ。それがSBにボールが入った時。ここでも修正が入っていた。それはCH(時にOMF)のハーフスペースを使っての上がり。ここで「縦」の動きをつけたことで、ライン間でボールを受けることができるようになっていた。これで少し持ち直したアーセナル。だがリュングベリの迷采配で流れを絶ってしまう。

 

リュングベリの迷采配

果たしてリュングベリは何を感じ、そして何をピッチの選手に伝えたかったのか。まず32番スミスロウの交代。後半の修正により、動きが良くなっていたOMFを65分に交替させる意図が読めなかった。この交替の意図に理由をつけるとしたら28番のウィロックの方が抜け出しがうまく、ボールを受けた時の推進力があることだろうか。だが動きが良くなったスミスロウを交替させるには早すぎたのではないだろうか。そしてもう一つの交替。それが14番オーバメヤンを下げての9番ラカゼットの投入。この交替は率直に「勝ちにいっていない」と感じさせるものだった。オーバメヤンとラカゼットのコンビは昨シーズン、何度も見られ、そして良い連携が築けているはずだ。組織で崩しきれないこの試合のアーセナルが最後に頼るべきことはこの2人の個人技だったのではないだろうか。ここにも疑問が残った。

 

まとめ

この試合で見せたアーセナルの状態。サポーターも途中で帰るという散々なものになってしまった。このゴタゴタの中、監督を引き受けるアルテタがどのようなサッカーを植え付けるのか。彼もまたリュングベリと同様、トップチームの経験がない。果たしてチームの雰囲気は変わるのだろうか、そして試合の内容も変わるのだろうか。次節のアーセナルの試合に注目だ。そして一方のエバートン。監督交代のブーストが効果を発揮し、チームに勢いがついた時のアンチェロッティ就任。彼も実績はいうまでもなく、そしてエバートンの選手も申し分ないクオリティーを持っている。果たしてどのような化学反応を起こすのか。エバートンの試合も見逃せない。年末年始もしっかりと試合を行うプレミアリーグ。選手からしたら休みがほしいところではあるかもしれないが、フットボールファンからするとこれほど有り難い事はない。今年も残りわずか。皆さんも今年はプレミアリーグを見ながら年を越すのはどうだろうか?

(今回、批判的な内容になってしまった事お詫び申し上げます)

 

終わりに

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