【分析レビュー】Premier League 第7節 マンチェスター・ユナイテッド vs アーセナル

 

(分析レビューはスターティングメンバーから始まります。目次をクリックして頂くとそこまで飛べます。)

 

 

はじめに(自己紹介とサロンについて)

皆さん、ご機嫌よう。

一番初めに自己紹介から。

noteにまとめたので、読んでいただくと嬉しいです!

 

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 ここまで目を通していただき、ありがとうございます。

 

では早速、分析レビューを行っていきましょう!

 

スターティングメンバー

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ビルドアップを止めるアーセナルの守備

オールドトラッフォードを大の苦手とするアーセナル。こと、この試合に関しては守備をしっかりと行うことでユナイテッドの『早い攻撃』を止めにかかった。いや、早い攻撃を打たれる前に組み立てを止めにかかった。この守備を行ったことで、アーセナルは特に前半、ユナイテッドに満足にボールを繋がせず、攻撃へ移ることに成功する。

ではどのように守備を行っていたのか。

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まずこれがアーセナルの守備の基本的なスタートポジション。DMFはCFが消し、CBに対してはSTが外から牽制をかける。こうすることで、DMF経由のビルドアップを止めにかかる。またサイドでは、ボールサイドのWBがSBを高い位置で捕まえることでSBのパスコースも消す。そしてOMFとIHがポジションをとる中央では、この日、中盤の底でコンビを組んだエルネニーとトーマスが立ち位置をカバーエリアの広さで3枚をカバーする。これで中央にもパスを付けれないように仕向ける。最後にバックラインではCFに対しては両脇のCBがマンマークを行う。

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そしてDMF、IH、SBにパスを出させないようにすることで、CFのパスコースのみを残しておく。そしてここがボールを刈り取る場所として設定してあった。だからこそ、この試合ホールディングがCFを潰す場面が多く見受けられた。

そしてこれのリスク管理をするために、中央に位置するOMFをCHがスライドしてそこをケア。さらに逆WBもスライドしてIHを捕まえることでリスクを管理していた。

このようにエルネニーとトーマスのカバーエリアの広さ、特に『横のカバー』の強さと早さは目を見張るものがあった。

 

これでユナイテッドのビルドアップを止めることで早い攻撃を未然に防いでいた。個人的にこのようにはっきりとしたゲームプランがあると、いつもよりも強いイメージがある。

 

  • ユナイテッドの突破口

前半に見出した唯一のユナイテッドの突破口。これは20’49~の攻撃、グリーンウッドの決定機からこの突破口を見せ始めた。ではどのように崩そうと試みていたのか。

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まずアーセナルの守備の特徴を生かし、DMFがバックラインに降りる。こうするとCFが着いてくるので、そこに開いたスペースにOMFが降りる。だがここにはアーセナルの選手は着いていかない。ユナイテッドはこれを確認し、次のように動きを変えていた。

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まずDMFが開けたスペースに入る選手をIHに変更。こうすることでSTがIHを意識するようになる。こうすることでCBが時間を持ってボールを持てるようになる。

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さらにSTを中に寄せたことでCFが下がってボールを受けにくる。こうするとCBが深い位置まで着いていくか迷うことになる。さらにWBをSBがピン留めしているので、CFが『浮ける』ことがあった。こうなた時にユナイテッドはチャンスになる。

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そしてOMFがサイドに流れることで、アーセナルCHを中央から釣り出す。これもアーセナルの守備の決まりの1つ、「自陣ではCHがOMFをマークする」というものを逆手にとった動きだ。こうすることで中央を開け、入れ替わるようにCFが中央に入り込む。

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これでOMFにパスが入ると、そこに目線が集まるので、セットボールをSBが浮けることが可能になる。これはSBをマークしていたWBの身体の向きが変わり、OMFに視線が移ることでSBが視界の外になるので、フリーになれる。そして中央に入ったCFがボールをパスを受けることでチャンスを作り出していた。

 

このように中央を開けることができれば、ユナイテッドもチャンスを作る、またはチャンスを作りかけることができていた。だが、アーセナルの守備で上手く前進できていなかったので、多くのチャンスを生み出すことができなかった。

 

アーセナルの前進方法

では次はアーセナルの前進方法に着いて触れていこう。

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アーセナルは3バックで試合の臨む時のいつも通りの戦い方で前進していく。その方法がティアニーが幅を作って4バック化する方法だ。そしてこの試合でいつもと違っていたのが、2トップに対して数的優位を作る際、CHが降りるのではなく、GKは前に出て数的優位を作り出していたこと。こうすることでOMFの周辺にCHを立たせることができ、数的優位を一列前でも作り出すことができる。だから中央経由、または中央に一度クッションパスを入れ込むことができていた。

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だからこの図のように、1度中央につけることで中盤(IH)を中に寄せ、幅を作る選手で時間を作ることが可能になる。そしてそこを起点に前進することができていた。また幅を作る選手に対してはIHがプレスにいくことがユナイテッドの守備の決まりになっていたので、どうしても横幅をカバーしきれない状況に陥ることがあり、これも起因してアーセナルはサイドで起点を作ることができていた。

もちろん、他の前進方法も存在する。

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このようにCBとGKのパス交換を行うことで、CFのプレスを呼び込み、さらにCHが中央からずれることでOMFを引き連れる。これでCFラカゼットが中盤に降りてくることで、IHの注意を引き、ピン留めを行う。これと同時にWBのサカが前にポジションを移すことでSBをここでもピン留め。これでGKからのミドルパスで幅を作るティアニーがフリーでボールを受けれる状況もあった。

もちろん、CHの動き直しで中央でボールを受ける場面もあったし、トーマスとエルネニーは組み立て、前進の部分でもその能力を遺憾無く発揮していた。

 

後半のユナイテッドの修正

  • 攻撃の修正

前半、アーセナルのソリッドな守備により、思うように攻撃を仕掛けることができなかったホームのユナイテッド。その要因として「幅を作る選手」がいなかったこと「深みを作れなかった」ことが挙げられる。

だからスールシャール監督は以下のように修正を加える。

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このようにCFが1枚(主にグリーンウッド)がサイドに流れることで、幅を作り出す。逆サイドではIHポグバが幅を作り出すことが多くなっていた。こうすることで、CFが流れたサイドではCBに、IHが流れたサイドではCHに判断の選択を迫らせる。その判断とは、『中央を開けてまでサイドに着いてこれるのか?』というものだ。もちろん、ここに着いてこれる訳もなく、(リーズのマンマーク守備は例外)ユナイテッドはWBに対してSBと流れたCF(またはIH)で数的優位を作り出す。

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そして上の図のようにCBからロングパスを送り込むことで敵陣深くまで侵入していこうという意図が見えた。さらにこれを見せることで、アーセナルを下げることができるので、ボールを保持することが容易になる。また前半と違い、幅を作って横にボールを動かせるようになったので、相手を動かすことができるようになっていた。

このように、背後を見せるように修正したことで、手前にもボールが入るようになっていた。

  • 守備の修正

もちろん、守備でも修正を行う。中央を1度使われることを嫌ったユナイテッドは以下のように修正を施していた。

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その修正とはシンプルで、IHが絞ってCHを見るようになったことだ。前半はOMF1枚でCHを2枚見ていたが、後半からはIHとOMFでCHを見るように修正。こうすることでアーセナルに中央のパスを出させないように仕向ける。これでCBにパスを出させるとプレスを開始する。

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このようにCBにパスが出ると、CHを捕まえていたIHがサイドの選手を捕まえに行き、それに呼応してOMFとCFがスライドを行うことで中央を埋める。これでサイドを狭くしてボールを回収しようと試みていた。

だがやはりここでもIHのプレスの遅れ(3枚で横幅をカバーするのはきついのではないだろうか)が出てきてしまうので、何度かここを剥がされてしまうことがあったが、前半よりかは守備が機能していた。

 

まとめ

どちらかというと堅い試合になったこのビッグマッチ。その勝敗を分けたのは確実にゲームプランだろう。アーセナルは明確なプランの下、この試合を進め、見事に勝利を掴み取った。一方のユナイテッドはどのようなサッカーをしたいのか分からず、最後まであやふやのまま、試合の笛を聞くことになった印象を受けた。先ほども少し触れたが、ゲームプランがあると、アーセナルは格段に強くなるイメージがある。それもビッグ6と対戦する場合。現に昨季からシティやリバプール、チェルシーにも勝利を重ねている。ロマンチストのヴェンゲル(もちろんグアルディオラも)の下で育ったアルテタ監督が現実的なサッカーを採用することに、どこか面白みを感じれる。この試合も現実的で堅実なゲームプランでユナイテッドを、しかもオールドトラッフォードで打ち破ることに成功した。ここからアルテタ監督はチームを作り上げ、そしてその上に各々のプランを上乗せすることで、上位に進出していくだろう。これからも期待の持てるチームの1つだ。皆さんもこの試合を見返してみて欲しい。

 

試合結果

Premier League 第7節

マンチェスター・ユナイテッド vs アーセナル

スタジアム:オールドトラッフォード

Full Time 0-1 (前半0-0 後半0-1)

得点者

ユナイテッド:なし

アーセナル:69’ オーバメヤン(PK)

 

スタッツ

https://www.whoscored.com/Matches/1485261/Live/England-Premier-League-2020-2021-Manchester-United-Arsenal

 

終わりに

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最後まで御朗読ありがとうございました!これからも飽きることなく学び続け、より良いものを共有できるよう、精進して参りますので、これからもどうぞ宜しくお願いします。

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