はじめに
とうとう18-19シーズンが幕を閉じた。様々な感動と興奮があったこのシーズン。逆転劇も多く、どのリーグも優勝争い、CL出場権争い、残留争いを最後まで繰り広げる、とても印象深いシーズンだった。
そんな中でリバプールはプレミアリーグで97ポイントを獲得しながら、優勝できなかった。最高のチームだったが、優勝できないという不運に見舞われ、苦難のシーズンだった。しかしこのヨーロッパ最高の大会で優勝し、シーズンを締めくくった。この大会で勝つということは、運だけで勝つということは不可能なことだ。クロップ監督も言っていたが、今シーズンのチームは本当に最高のチームだろう。
そしてこの試合も今シーズンの苦難を表すような試合展開だった。トッテナムにボールを持たれ、守備の時間が多くなり、苦しんだ。この最高の試合に解説を加えることはいらないかもしれないが、リバプールが苦しんだ理由を興奮がやまない中、冷静に解説していこう。
リバプールの戦い方(4-3-3)
- ハイプレスでショートカウンター
- 中央に追い込みボールを奪う
- シンプルに裏へのボールを供給
トッテナムの戦い方(4-2-3-1)
- ポゼッションを高める
- 23番と7番が中に絞り、SBのスペースを作る
- 3番の脇のスペースを中心に攻める
- ビルドアップで丁寧に押し上げる
リバプールが苦しんだ理由
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苦しんだ理由①:3番の脇のスペース
まず挙げなければいけないのはこのスペースだろう。ここのスペースを突くためにトッテナムは4-2-3-1の形にしたのだろう。トッテナムは攻撃時このような形をとる。
23番の右サイドのエリクセンが中に絞り、左サイドのソンフンミンがトップの一角に入る。これでSBが上がれるスペースを作り、中央に人数を集めることで押し込むことができていた。そして押し込むためのキーパスが17番や8番からの縦パスや、Sbからの斜めの縦パス。3番のファビーニョはこの脇のスペースを使われるので、対応が難しくなっていた。
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苦しんで理由②:WGの頭を越すSBへのパス
これが二つ目だ。リバプールのプレッシングは中央に追い込み、縦パスを引っ掛け、またはスイッチングプレーのボールを引っ掛けてショートカウンターに持っていく。
詳しいプレッシングはこちらから。
だがこの試合はプレスをかけた際、GKまでボールを下げられてそこからSBへのハイボールでプレスを剥がされていた。特に前半はこの対応ができていなかったので、かなり苦しんでいた。トッテナムはここから、エリクセンとデリアリにボール預け、攻め込んでた。
さらに、5番と14番が外に開くと、SHのエリクセンと、STのアリがボールを受けに降りてくる。
このトッテナムのビルドアップがリバプールのプレッシングを掻い潜り、リバプールはボールを奪えず、苦しんだ。
だが後半からCHのスタートの位置を3mぐらい外目にすることでSBにも縦パスにも反応できるようになっていた。ハーフタイムでのここの修正がしっかりと効いていた。
まとめ
これらがリバプールが苦しんで理由。トッテナムはしっかりとスカウティングをして、ボールを保持することを選択し、きちんと狙いを持って攻め込んできた。だが最後フィニッシュのところであと一歩届かずという試合内容だった。
感想
このビッグマッチ。トッテナムの出方がとても面白いものだった。試合を通してトッテナムの時間が多かったのは事実だ。しかし、フィニッシュの場面で立ち塞がったのがファンダイクとアリソン。何度もピンチを救い、全体を引き締めていた。ソンフンミンのトップスピードのドリブルに追いつき、止めたのは圧倒的だった。寄せるタイミング、スタートのポジショニング、全てが最高のものだった。リバプールの失点数が1試合平均0.7なのもこれを見たら理解できる。本当に最高で最強のDFだ。
トッテナムのポジションの変更も面白かった。後半、ビルドアップがうまくいかなくなり、ゴールが必要になると、8番に代え27番を投入。これで23番がDMFになり、後ろからの組み立てに加わり、再び流れを引き寄せていた。この変化を恐れない采配はポジェッティーノ監督の強みだろう。さらには終盤のジョレンテを入れ、4-2-2-2のような形にし、シュートを浴びせたが、アリソンの牙城は崩すことができなかった。だがこの試合でトッテナムが強い理由が改めてわかった。決勝まで来たのは必然だっただろう。
両者ともにグループステージを2位通過しているチーム。そのチームがお互いに決勝に辿りつくのだから、いかにこの大会のレベルが高いかがわかる。様々なドラマを起こし、たくさんの感動をサッカーファンに与えてくれた両チーム。ここで18-19シーズンは終わってしまうが、すぐにまた19-20シーズンがやってくる。来季のCL、EL、リーグ戦、すべての大会での感動と興奮を心待ちにしていよう。
終わりに
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では次回もお楽しみに!バイバイ!