はじめに
昨日に引き続き、この試合でも大逆転が起こった。トッテナムもワールドクラスのエース ケインを欠くなかで、臨んだアウェイでの一戦。様々な強豪を倒してきたヤングアヤックス。だが1st legで見えてきたヤングアヤックスの弱点。それを見事についてきたトッテナム。この偶然ではない大逆転。これを解説していこう。
アヤックス(4-3-3)
トッテナム(4-3-1-2)
逆転の布石の1st leg
これが勝因だろう。これを読んでいただければアヤックスの弱点がわかる。
これを受けて2nd legもこの戦い方を貫くだろうと予想していたが、前半は全く違った。
丁寧にビルドアップをし、攻撃を作っていく。これでトッテナムは自らの首を絞め、前半で2失点を喫した。正直これで勝負ありと思ったが、後半から1st leg 同様の戦い方に
シフトチェンジし、見事に勝利をもぎ取った。
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逆転のきっかけ①:18番の投入
ジョレンテを入れることでファーストプレスを躱すことができ、より簡単に前に進むことができた。彼にボールが収まるので、SBが安心して高い位置をとれ、アタッキングサードで幅を取れるようになっていた。
さらに収まらなくても、ルーズボールを作り出し、そのセカンドボールを回収。ここでトッテナムは優位に立ち、後半から一気に流れを引き寄せた。
セカンドボールに対しトッテナム(黄色)は前向きにボールに向かえて、アヤックス(黒色)は後ろ向きにボールに向かう。これは中盤を飛ばし、ターゲットの18番に向かってハイボールを入れるメリットだ。そうすることでアヤックスの選手を背走させることができ、優位に立った。仮にボールを拾われても、後ろ向きでボールを持っているのでカウンターを喰らう可能性は限りなく低い。このようにして流れを引き寄せた。
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逆転のきっかけ②:7番と27番の幅
18番を入れたことで、7番と27番がレーン1と5にポジションを取ることが多くなった。特にミドルサードでこのポジションをとる。そうすると、アヤックスの距離を広げることができ、プレッシングの距離を長くすることに成功していた。
そして体力を削り、プレッシングとカウンターの強度と精度を落としていった。
さらにアタッキングサードに入ると中に絞り、SBが上がってくるスペースを作り、
クロスに対する人数を増やし攻撃に厚みを作っていた。
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逆転のきっかけ③:23番のDMF起用
これも大きな要因だろう。全て①と②は繋がっているのだが、23番の存在無くしてこれは成立しない。①の18番へのロングボールやアーリークロスを高い精度で供給できるエリクセンをこの深いいちに置くことにこの試合は意味がある。
それはなぜか。前半アヤックスは2点とり、自陣に引いてブロックを作っていた。
これでトッテナムは全くもってチェン巣を作ることができなかった。
後半に入り、23番をDMFにして中盤の底に位置させることで、アヤックスのラインを少し引き上げた。アヤックスはどうやっても18番に収められるので、パスの出所の23番を潰しに行くことで前に出てくる。そうすると、ライン間、もしくはDFの背後のスペースが空く。ここを27番と7番が使い、攻撃に転じる。
このようにして、先手を打っていた。
さらに、彼が中盤の底にいることで効果的なサイドチェンジができて、アヤックスの選手間を広げることができた。
23番を中盤の底にしたこの判断は英断だった。
まとめ
正直、前半で2失点した時点でアヤックスが決勝に進むだろうと思ったが結果は全く違ったものになった。ハーフタイムでしっかりと修正をし、変化を恐れないポジェッティーノ監督はさすがだと感じた。さらに後半だけで3ゴール奪うとは。流石に度肝を抜かれた。だがこれは偶然ではなく、彼らが引き起こし、ひたむきに勝利に向かった結果だろう。昨日のCLに引き続き、今日も多くの感動を与えてもらった。
決勝がとても楽しみだ。
終わりに
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では次回もお楽しみに!バイバイ!