【起点と斜め】プレミアリーグ第19節 ノリッジ vs アーセナル

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皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第19節ノリッジ×アーセナルについてを考えていきます。最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

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スターティングメンバー

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中央の起点

4−4−2で構えるノリッジに対してアーセナルはトーマスにアンカーのような立ち振る舞いをさせることで、ジャカを一列上げて中盤の形を変えて前進を行うことを考えた。だからこそ、アーセナルはノリッジ2トップの背後でポイントを作ることができ、このチームとして「1つ前進する」プレーこそが安定して試合を進めていくことができる大きな理由だった。

ではどのようにしてアーセナルはトーマスで起点を作っていたのだろうか。

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まず中盤の形の変え方から。このようにトーマスが2トップの間に立ち、ジャカとウーデゴールがノリッジCH脇を取るようになっていた。これを行うメリットとして、トーマスを中心(ノリッジ2CF–2CHの中心点)に、逆三角形を作ることが可能になる。さらに、もう1つ後ろの土台ではCとGKを含めた菱形を作り出せる。

こうなると中心点のトーマスを意識すれば、外側のCBとジャカ、ウーデゴールがボールを受けることができ、また反対に外側を意識すればトーマスへの縦パス、もしくはその先のラカゼットへの縦パスを打ち込むことが可能になる。

さらにもっと広げてみるのならば、4つの菱形を作り出しているので「縦パス」を打ち込みやすい状態にある。

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この図のように、アーセナルは自陣深くからのビルドアップは4つの菱形を形成して前進を試みている。この時に起点となるのが何度触れている中心点(2CF–2CH)のトーマスであり、ラカゼット(2CH–2CBの中心点)だ。ここに人を立てれているからこそ、ユニット狭めれば外、ユニットを広げれば中というように、縦パスを引き取ることが可能になっているのだ。

ここ最近のアーセナルのビルドアップが安定しているのは相手に対して「常に狭めるか、広げるか」の2択を迫り、そしてその逆を取っているからこそ、安定して前進が可能になっている。

この立ち位置の整理こそが、全体を押し上げる大きな役目を果たしているのではないだろうか。当然、トーマスのバランスの取り方、中心点をとるセンス、ガブリエウやホワイトの配球能力、ウーデゴールの引き取るタイミングと離すタイミングの巧さ、ラカゼットのボールの隠し方による収まりの良さがあるからこそ、このように安定して前進ができることも忘れてはならない。個人があってチームがあり、戦術があって個人があるのだ。

 

そして1stプレスラインを越えるとアーセナルは『斜めのパス』を多様することで攻撃のスピードを上げ、ノリッジを仕留めた。

では次は斜めのパスを打ち込むための方法についてに触れていこう。

 

斜めのパスを打ち込む準備

アーセナルは1stプレスラインを越えると、以下のような立ち位置を取ることが多かった。

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このように自陣からのビルドアップに似ているのだが、ここではGKラムズデールが当然いない。だからこそ、土台はホワイト、2CB、トーマスの土台になる。これでトーマスを中心に菱形を作り出す。さらにその先でもラカゼットを頂点、トーマスを中心点として菱形を作り出していた。

 

昨季までだと、ジャカが左落ちをしてCFがCHの脇を取る動きを加えてトライアングルを作り出す回数がかなり多かった。こうなると『頂点』がなくなり、MF–DFのライン間に縦パスを打ち込めなくなり、手前でのピックアップが多くなる。そうなると相手が前に出て来れるので、コンパクトになり、前進がかなり困難なものになる。

 

だが今季はジャカの左落ちの回数が極端に減り、その代わりにCH脇(ハーフスペース・菱形の一角)を取ること多くなる。だからラカゼットがラインの手前まで降りることが必要なくなり、縦パスを引き取ることが可能になった。そしてその収まりは抜群で、起点を作ることができる。

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このようにホワイトやガブリエウからの縦パスを引き取ることが多かったラカゼット。この試合はジャカとウーデゴールがCH脇を取っているので、中央に降りてCBを釣り出しつつ引き取ることが多かった印象だ。そしてレイオフでトーマスが前向きでフリーになれる。これで中央でフリーになれれば、様々な展開を促すことが可能だ。

この時に、多く出していたのが外側(SB)への斜めのパス。この斜めのパスが多い理由はノリッジのSHのプレスバックが遅い、もしくは守備時になぜか少し高い位置を取って段差ができてしまっているから、アーセナルは中央から外側への斜めのパスを供給することが容易になっていた。

さらにこのようなパターンもある。

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このようにラカゼットとウーデゴールの入れ替わりでCBを釣り出し、CHを押し下げるプレーだ。こうすると逆サイドのSHもしくはライン間に飛び込むウーデゴールに斜めのパスを差し込むことが可能だ。(もちろん逆も然り)

このようにして、アーセナルは左から右もしくは右から左の斜めの帯状のボールの動かし方をすることで、ノリッジに対して戻る場所、戻り方、目線の混乱、マーカーの混乱を引き起こして、5ゴールを叩き込んで見せた。

 

菱形とサポートの関係

僕はこの試合、菱形とサポートの関係を中心に試合を観戦した。アーセナルはこの関係を理解するにはとても良い関係性を作り出していたと思う。広がれば中央、狭めれば外側というように、『どちらも縦パス』の選択肢を持つことができる。さらにその縦パスを打ち込んだ後のサポートも菱形だと割と簡単に行える。例えば頂点の選手に縦パスがを打ち込めば、1つ背後の選手に斜めに落とせる。(ラカゼットに打ち込めば、ウーデゴールとジャカの斜めのサポートがあり)

さらに中央を通っているので、相手をひっくり返すことも可能になっている。だからこそ、先手、先手を撮り続けることができて、安定して前進を行える。さらに、外側を取れば、CHの門を広げ、そして中心点の選手へレイオフすることで、頂点の選手へ縦パスを打ち込むことも可能だ。

当然、チャンスがあれば、背後へのパスも供給できる。なぜなら中心点で時間とスペースを得ているから。

このようにしてアーセナルはビルドアップの土台と安定感を手にし、順位を着実に上げている。更なる進化を遂げ、再びCL常連チームに舞い戻ることができるのか。

これからも彼らの動向も追っていきたい。

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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