はじめに
紹介したようにポゼッションサッカーを展開する両チーム。そしてJリーグ屈指の好カード。やはりどちらも引かないとても面白い試合だった。
最後まで攻撃をし続けた両チーム。そんな中でも王者川崎フロンターレに対して名古屋グランパスは強さを見せた。ブレない名古屋グランパス、風間監督の信念。
そんなこの試合を今回は試合の流れを組みながら、ターニングポイントと両チームのキーマンについて解説していこうと思う。
川崎フロンターレ(4-2-3-1)
名古屋グランパス(4-4-2)
試合の流れ
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前半〜15分
この時間帯は両者ともにハイプレスを行い、流れを引き寄せようとしていた。
そんな中で流れを引き寄せたのは名古屋グランパス。しっかりといつも通りのポゼッションサッカーで、川崎を押し込んでいた。
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15分〜ハーフタイムまで
14分の川崎の攻撃で、一気に流れが変わる。川崎14番への縦パスが入り、そこからサイドを変えることで、16番がフリーに。スルーパスに抜けるがなんとか名古屋6番が止めた。ここから一気に川崎ペース。14番を中心に攻め込んで行った。
14番のライン間でのポジショニングが絶妙なので、名古屋の選手は捕まえ切れず、サイドを変えられることが多くなり、ピンチを招いた。同じような形で21分、24分と立て続けにピンチを迎えたがなんとか凌ぎきる。
押し込まれていた名古屋だが、45分に先制。FKから7番へのロングボールを入れ、その落としを11番がワントラップからボレー。スーパーゴールが決まり、名古屋が一点おリードして前半を終える。
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後半〜70分
この時間帯まではまたしても名古屋のペース。8番が高い位置を取ることで、よりボールが動くようになる。これをみて、川崎は54分に25番⇨9番にして形を4-4-2に。
これはあまり良くない交代だった。14番がDMFになったことにより、名古屋はライン間での対応に追われることが少なくなり、より前に出れるようになった。
だが、9番を入れた意図が69分に出る。GKからのロングパスを9番が16番に落とし、そこから9番が前に抜け出しシュート。これで川崎は同点に追いついた。
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70分〜80分
このゴールの後から川崎はペースを掴み攻め込む。その理由が14番と10番が中盤で前向きにボールを持てるようになったから。ここでボールが動き、ポゼッションを高めていく。それを受け、名古屋は80分に6番⇨27番の交代で再び流れを掴む。
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80分〜90分
ここから名古屋は怒涛の攻めに出る。83分に9番に代えて、25番を入れることで個人での打開力を上げる。そして7番のヘディング、25番のシュートと決定機は幾度もあったが決め切れず。試合は1-1のドローで終わった。
試合のターニングポイント
14分の攻撃
まず一つ目のターニングポイントが14分の攻撃だ。この攻撃によって、川崎は名古屋の攻略法を見出した。
14番がライン間でボールを受けることによって、サイドチェンジを有効に使っていく。
しかも14番に入るパスは斜めの縦パス。そうすると前を向くまでに時間がかからないので、円滑にスピードを落とさず攻撃ができる。これが効いた理由が名古屋の攻撃にある。名古屋はオーバーロードを使用し、奪われたボールをすぐに人数をかけて奪い返す。このプレスを斜めのパスで一気に無力化する。この斜めのパスが有効と気づくきっかけになったのがこの14分の攻撃だった。
69分の同点弾
この同点弾で再び流れをつかんだ。ではなぜ流れを掴めたのか。それは9番へのロングボールで得点を取ったことによって、名古屋の8番と2番のポジションが少し下がったからだ。なぜ下がったかというと、単純にセカンドボールの回収のためだ。そうすると、DMFの14番と10番が前向きでしかも時間がある中でボールを持てるようになったので、流れを引き寄せた。ここもターニングポイントだろう。
ハーフタイム
これは前半の川崎の出方に対しての修正だ。
その修正点がこちら。
- 8番の位置どりを高くする
- 14番と10番と25番への縦パスのコースを切ること
- 7番へのクロスを増やす
主にはこの三つだろう。だから前半にペースを掴まれていた名古屋は失点をするまで攻め込んでいた。
特に14番への縦パスを切ったことが一番大きかっただろう。サイドを変えられなくなったので、すぐにボールを回収でき、攻撃に写ることができていた。
そして8番のポジショニングが高くなったことで、バイタルエリアでのボールの動きと展開力が増した。この時間帯に点を取れなかったこが痛かった。
80分の交代
これでラスト10分を攻め込むことができた。6番に代えて27番を入れる英断。
これで29番をSBに変わって入った27番をLSHに。より攻撃的な布陣にシフトして攻め込んだ。
さらに追い打ちをかけるように25番を投入したことで、個人での突破力が上がり川崎を押し込んで行った。
7番のジョーの2本のヘディング、25番の前田のシュートこれが全て決まっていてもおかしくなかった。これが決まっていれば、、、と思ったグランパスサポーターは多かったことだろう。
お互いのキーマン
中村憲剛とシミッチ
お互いにタイプの違うパサーだ。ポジショニングで優位に立つ中村憲剛。
一方のシミッチはボールを受けてボールを捌く。
with the ball の中村憲剛と without the ball のシミッチ。
この2人について少し解説していこう。
スペースでの受け方が上手な中村憲剛。体の向きが常に半身なのですぐにライン間ですぐに前を向ける。さらにはDFの位置を首を少し振るだけで確認できる。
さらに立ち位置がここに立つことが多い。
赤のところではなく、青色のところ。ここでボールを受ける。いわゆるハーフスペースで受けることで、プレスを掻い潜り少ないタッチ数でボールを捌く。
これが中村憲剛のポジショニングだ。
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シミッチ
シミッチについては実際にプレーを見てもらった方が良いのだが、できるだけ文字で起こしていこうと思う。
しミッチのボールの持ち方はとても姿勢が良いので視野を確保できている。
そして体を開いてボールを持つので、身体と向きとは違う方向にパスが出せる。
だからシミッチのパスは引っかかることが少ない。これがシミッチの凄さだ。
ぜひ名古屋グランパスの試合を見ることがあったら、見ていただきたい。
まとめ
この試合はとても面白い試合だった。中盤での潰し合い、それぞれの良さの潰し合い、自分達の良さを出すための駆け引き。とても見応えがあるものだった。
流れを引き寄せるための駆け引き。このハイレベルな試合をライブで観れたことはとても価値あるものだった。これからもこの両チームのサッカーから学ばせてもらおう。
終わりに
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では次回もお楽しみに!バイバイ!