帰ってきた日本の10番 香川真司、ベルギーリーグで点取り屋の才能を開花させた鎌田大地。今回もワクワクするメンバーが揃った。
そんな中でのコロンビア、ボリビアとの2連戦。
その試合を解説していく前に、森保JAPANの基本戦術を紹介していく。
そして今回は攻撃に焦点を当てて解説をする。
早速攻撃のパターンを説明していく前に、基本的な攻撃時のポジション。
両WGがレーン2と4に位置し、SBが大外のレーン1と5に位置する。
OMFはレーン2〜4を行き来し、CFはレーン3の幅で仕事をする。
基本的にはこのようなポジショニングで戦っている。
では本題の攻撃のパターン。
- ロングボール
この攻撃パターンを繰り出す時は基本的に相手のプレスが早い時と、前半、後半の初めの時間帯。この前のコロンビア戦の前半はこの戦い方だった。ビルドアップの時点でリスクを負うことなく、前に押し上げることができるこのパターンに必要不可欠なのが
最前線でボールを収めることができる選手。それが日本だと大迫。
1トップの大迫(コロンビア戦だと鈴木武蔵)にめがけてロングボールをアバウトに放り込む。ここでボールが収まる大迫が重宝されるのはすぐに理解できるだろう。
1トップにボールが収まってから、2列目の中島、南野、堂安がボールを受けてコンビネーションなり、単独突破なりで攻撃を完結させる。
またボールが収まらないにしてもセカンドボールへの対応が早いので、回収できるか、
バックパスを選択させ、守備の陣形を整えることができている。
これができる理由として、
1つ目に2列目の3人が突破力、走力があること
2つ目に2列目、3列目のこぼれ球の予測、反応が早いこと
3つ目に中盤を飛ばしているので、相手の中盤は後ろ向きに対応しなければいけなくなるからだ。
3つ目について少し触れていきたい。
鈴木にボールが入ると、DMFのラインの相手選手の目線は赤矢印の方向になる。
一方で中島、南野、堂安の目線は攻撃方向になる。
守備側は自分のゴール方向に目線が向いていると、後ろからボール保持者を追いかけるしかなくなるので、無力化される。
さらに、先に述べた2列目の3人にかなりの突破力と前への推進力があるので、この方法は理にかなっている。
このような狙いがあるので、1トップにボールが収まる選手を配置することを好んでいる。
2. サイドで起点、逆サイドでフィニッシュ
この攻め方が一番多いパターンだ。
ビルドアップの時点でサイドの堂安、中島にボールを届けることが多い。
そしてそこにボールが入ったら攻撃のスイッチが入る。特に左サイドの中島はボールを受けに降りてきて起点を作る。
実際に左サイドの中島がいなかったアジアカップでは苦戦を強いられていた。
原口はより縦への突破力があるが、起点になることができる選手ではない。
しかし中島はボールを持てて、運べて、パスを出せる。さらにはミドルシュートも持っている。
彼が森保JAPANのキープレーヤーであることは間違いない。
ではどのような形で攻め込むのかを説明していく。
イメージは大体こんな感じ。
左サイドで起点を作ることが多く、決定的な場面のほとんどに中島が絡んでいる。
(3/22のコロンビア戦は右の堂安が起点になることが多かった)
中向きでボールを持ち、その外をSBがオーバーラップ。
そうすると、中島が中に切れ込んでいくことが容易になる。そこでキーになるのが南野。彼のポジショニングが絶妙なので、ワンツーなり、ボールを預けるなり、コンビネーションでも崩せる。
この左サイドでボールを保持し、注意を引きつけて、右サイドの堂安が斜めに走りこんでフィニッシュ。
斜めに走り込むと左利きの堂安は利き足でシュートを打つことが可能に。
そのために右サイドに堂安、左サイドに中島が配置されている。
さらにこの2人はボールを持てるのでSBが高い位置を取ることができる。
これが全体的の攻撃時のポジション。
こうするとSBの前にスペースができるのでそこを使うこともできる。
コロンビア戦の室屋は有効にそのスペースを使っていた。
3. 新しいパターン
このパターンがこれから浸透していくかどうかは定かではないが、個人的には面白いと思ったので紹介する。
最前線に南野か鎌田を配置。そしてトップ下に香川。DMFに小林と柴崎。
この配置はなかなか面白いとコロンビア戦を観て感じた。
香川が入ることで、攻撃の起点が中央になるのは簡単に予想がつくだろう。
さらに、ボールがリズムよく回るのでDFに後手の守備と選択肢を多く与えることができる。
サイドにスペースもできるので、堂安や中島、乾や宇佐美に時間とスペースを与えることが可能に。
鎌田のボールの受け方と抜け出しがうまいのでロングボールを使うより、ショートパスを繋ぐ方が彼は活きてくる。彼の決定力を使わないのはもったいないだろう。
そして1番面白いと思ったのが、小林の飛び出しだ。
香川がボールを受けに降りてくると、スペースが生まれるのでそこを果敢に小林が使う構図。このパターンも攻撃に厚みが出て面白いと思うのでぜひオプションの一つとして続けて欲しい。
おもに2パターンの攻め方で森保JAPANは成り立っている。
この使い分けをすることで、相手に混乱を与え、攻め込むことを可能にしているのは間違いない。
さらに無駄に繋ぐが少なくなり、縦への意識も従来の日本代表よりも強い気がしている。だから見ていて面白い試合ができるのではないだろうか。
これからのさらなる進化を期待できる森保JAPANをぜひ皆さんも応援してほしい。
次の記事は日本代表の守備の仕方についてまとめます。
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