【綻びを作ったアーセナル】Premier League 24節 アーセナル vs リーズ

f:id:football-analyst:20210215205318j:plain

 

難敵リーズを打ち破ることで、再び自信と流れを取り戻したいアーセナル。これから大事な試合が続くからこそ、この試合で勝利を取り戻す必要があった。そして取り戻した勝利。この試合で見せたゴールは全て「リーズの綻び」を突いたゴールだった。

今回はそのリーズの綻びをアーセナルがどのように突いたのかを解説していこう。

 

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20210215210037p:plain

 

リーズの綻びを作ったアーセナル

リーズの守備は?

まずはリーズの守備から。もちろん、彼らの守備のスタンスは全く変わらず、ブレることもない。言わずと知れた「徹底されたマンマーク」だ。だが、この試合のスタンスは少し違い、CBに対してSHが外切りでプレスを行うことが多くなっていた。(特に前半。後半はSBをマンマークする通常の形に戻る。)これを行ったことで、特に前半はベジェリンとセドリックに逃げられることが多くなっていた。

これを踏まえて、この試合のアーセナルのスタンスを解説していきたい。

 

いつもと違うジャカの位置

まず気付いたのはジャカの立ち位置がいつもと違うことだ。バックラインに入らずに、中盤に残ることが多くなっていた。これにはどのような意図があったのだろうか。

f:id:football-analyst:20210215213038p:plain

まず1つ目の意図としてあったのが『SBにスペースを残すこと』だ。このように、ジャカが下がらなかったことで、IHをピン止めすることが可能になる。これで、レノからのパス、またはCH経由のパスでSBがフリーになることが散見された。

ではなぜジャカが下がるとスペースがなくなってしまうのか。これを説明していきたい。

f:id:football-analyst:20210215213701p:plain

仮にこのようにジャカが降りたとする。そうすると、リーズIHを引き連れてバックラインに下がることになる。こうなると、CBにプレスをかけるリーズSHがプレスをかける必要がなくなり、SBの近くに残ることになる。こうなると、アーセナルは逃げ道がなくなってしまう。

だから、この試合はジャカがバックラインに入ることが少なく(ほぼ見られなかった)SBを逃げ道として設定していたのではないだろうか。

 

CBとCHで数的優位

この逃げ道を作ったことで、リーズSBに対してプレスの迷いを与えることができる。だからこそ、アーセナルはCBとCHで数的優位を作り出すことができるようになる。

f:id:football-analyst:20210215215502p:plain

このように、SHにプレスの迷いを一瞬与えることができたので、CBとCHの4枚で2IHとCFに対して数的優位を作り出すことができていた。

この状況を作り出せたことで、アーセナルはゴールに向かうことができていた。

 

決めてはCBの持ち運び

ゴールまでの道筋のきっかけを作り出したのは、CBの持ち運びだ。これで、アーセナルはチャンスを数度に渡り創出し、そしてゴールを奪った。

ではなぜ、CBが持ち上がるとチャンスに繋がることが多かったのだろうか。

f:id:football-analyst:20210215220347p:plain

このように、CBが持ち上がることで前進されたくないリーズはCHをマークしているIHが対応に出てくる。この時に、IHは『CHの場所』からプレスを行うことになるので、満足に縦パスを消しながらプレスをかけることが難しくなる。これこそが、アーセナルの突破口になり得る。これで、SHが中に入ることで縦パスを引き出し、マーカーのいなくなったCHにセットパス。これで、一気に展開して攻撃を仕掛ける。

先制点も、追加点となるPKのシーンも、4点目もこのような形でゴールを奪っていた。

このようにして、アーセナルは勝利を取り戻すことができた。さらに嬉しいことにエースのハットトリックというおまけ付きの勝利だ。

これで後に続く試合の大きな弾みとなるはずだ。

 

世界一『諦めの悪い』チーム

世界で一番、諦めの悪いチームかもしれない。いくらビハインドを負ったとしても彼らは諦めない。この試合でも、そのメンタルがあったからこそ、意地の2ゴールを奪って見せた。そしてその先頭に立っているのが、紛れもなく「監督」だ。多大なビハインドを負ったら、諦めてしまう監督は少なくない。だが、ビエルサは違う。最後まで闘うのだ。その諦めの悪さとサッカーへの情熱がピッチに立つ選手にも伝わる。画面越しの僕にもその情熱が伝わってくるのだから、選手たちは奮い立たされることだろう。だからこそ、彼らの試合は見ていて面白いし、心に響くものがある。(もちろん、戦術的にも面白い)

真摯にサッカーと向き合っているビエルサだからこそ、世界一諦めの悪いチームを作り上げることができているのだろう。

引き続き、彼らの試合も追っていきたい。

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

さらに質の高いものを皆さんに提供できるように精進しますので、これからもよろしくお願いします!

 

「サッカー、一緒に考えん?」

サッカーを学べ、楽しめるサッカー専用オンラインコミュニティです!

サッカー好きの皆さんの参加をお待ちしております!

 

Instagramで活動しています。月額300円です!

以下が活動内容になっております。

 

☑︎サッカー、一緒に考えん?

→毎週(月)(金)にライブ配信を行います。

マッチレビューをする試合を予め伝え、議論しながら試合を振り返ります。

もちろん、見るだけの参加もOK!

 

☑︎毎週フットボール

→毎週(水)にサロン限定の記事をシェアします。

内容は用語の再定義や観戦に必要なこと、相手の動かし方や視野など、多岐に渡り有益な情報を提供しています。

インプット、知見を広げることに最適です。

 

☑︎質問コーナー

→月1(月末)に質問コーナーを設けています。

月初に質問を募り、その質問に答えていきます。気になることを質問してください!

 

☑︎一緒にライブ観戦

→不定期でライブ観戦を行います。

その場で気付いたことをリアルタイムでシェアしていきます。

 

☑︎有料記事の無料閲覧

→サロンメンバーは有料記事を無料で閲覧可能です。

 

☑︎無料記事更新のお知らせ

 

申込方法は各種SNSへDMをして下さい!

ご連絡お待ちしております!

 

Twitter

赤澤暢哉【サッカー、一緒に考えん?】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

詳細

note.com

 

最後まで目を通して頂きありがとうございます!

では次回の記事でお会いしましょう!

【見て進む強さ】Premier League 24節 マンチェスター・シティ vs トッテナム

f:id:football-analyst:20210214194748j:plain

 

どのチームがマンチェスター・シティを止めるのか。ディフェンディング・チャンピオン、シティの天敵、リバプールでも彼らを止めることはできなかった。ならば、ペップと幾度となく闘ってきた、モウリーニョ。前回対戦は徹底されたゲームプランで、見事に勝利を収めていた。だが、その『モウ・トッテナム』でも止めることができなかった。これで『ペップ・シティ』は破竹の16連勝。今回は「見て進む」強さを示したこの試合のレビューを行っていこう。

 

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20210214195504p:plain

 

序盤の進み方

『SBが中に入ること』

今、特にカンセロが中盤化することがとても注目されている。だが、この試合の序盤は『SBが中に入ること』が少ないように感じた。

これはシティの選手が相手を見てサッカーをしてるという裏付けにもなるのではないだろうか。では序盤はどのように、前進をしていたのだろうか。

まずは1つ目のパターン。

f:id:football-analyst:20210214202414p:plain

このように、トッテナムは4-4-2のミドルブロックで守備を開始するように設定されていた。だから、ケインとモウラでロドリ消しを行い、外周りにさせようと試みる。

これに対して、シティSBは中に入らずに幅を作ることを選択。こうすることで、WGがポケットにポジションを取ることが多くなっていた。そしてWGが中→外に抜け出すことで、手前のスペースを空ける。

f:id:football-analyst:20210214202710p:plain

WGが引っ張って手前のスペースを空けるので、そこへIHが入る。この時にSBでSHを釣り出すことで、さらにそのスペースを広くする。これで、IH縦パスを受けるエリアが広くなり、ベルナルドやギュンドアンがボールを受けることが容易になっていた。

これで前進すると、逆SBが中に入り、逆IHも割とボールサイドに寄ってサポートすることが多く見受けることができた。

これが1つ目の前進の方法だ。

では2つ目のパターンはどうなっていたのだろうか。

f:id:football-analyst:20210214203022p:plain

2つ目のパターンはこのように、SBもWGも幅を作り出す。

これを行うことで、IHがレイオフでボールを受けることが可能に。

f:id:football-analyst:20210214203126p:plain

このように前進すると、パターン①と同様、逆SBが中に入る。さらにDMFロドリがサポートを行うことも多くなっていた。

どちらかというと、パターン②がより多く見られ、IH→DMF→逆SBの順でサイドチェンジを行い、攻撃を仕掛けることが多かった印象だ。

 

このようにして、シティはトッテナムの守備網を掻い潜っていく。

 

スターリングとフォーデンの入れ替え

前半の途中から、左右のWGを入れ替えることで、攻撃の方法を明確に変えていく。

この変更の意図としてあったのが、『ハーフスペース中心の攻撃』へ、明確にシフトしていくことだ。

前回対戦時、トッテナムは『CHがハーフスペースをケアする』ことでシティの攻撃を食い止めた。だからこそ、中央を消し、幅を作るWGへボールが出た時に、SBが自信を持ってWGへ対応にいくことができていた。

気になる方は、前回対戦のこの記事をご覧いただきたい。

 

www.soccer-bunseki.com

 

だが、今回の対戦。モウ・トッテナムはなぜか『CHがハーフスペースをケア』することを捨てる。これを見たペップ・シティは左右のWGを入れ替えることで、「SBとCBのギャップ」を広げた。

f:id:football-analyst:20210214204413p:plain

 このように、利き足のサイドにWGが配置された。このメリットは大きく2つある。利き足がタッチライン側になるので、ボールを置いた際に、プレッシャーにくるSBから遠い足にボールを置くことが可能になる。この『一足分』の距離で体感の時間が大きく異なる。さらに、利き足なので、SBを釣り出した際に、ハーフスペースへ流し込むことも、縦突破することもより簡単になる。

これでシティはIH(主にギュンドアン)がハーフスペースを突きまくることで、先制点に繋がるPKとギュンドアンの追加点を奪うことができていた。

また先ほど少し触れたように、同サイドが詰まるとこのように逆サイドへ逃げることも可能になっていた。

f:id:football-analyst:20210214205234p:plain

このように、前進したタイミングでSBが中に入っているので、DMFからすぐにボールを受けることが可能になっていた。これで逆サイドに展開し、再びハーフスペースを使って攻撃を仕掛けていく。さらに、SBがこの位置を取っていることで、下がって起点を作るケインの邪魔をすることも可能に。

これでシティはパーフェクト・ゲームという形で前回対戦のリベンジを果たした。

 

『CHがハーフスペースをケア』から考える

これは、この試合で僕自信が感じたこと。これを少しシェアしていきたい。

まだきちんとまとまっていないので、しっかり伝えることができないかもしれないが、読んでもらいたい。

この試合で感じたこと。それは『CHがハーフスペースをケアする』ことは少し古くなってきているのではないかということだ。

ではなぜそう感じたのか。まずはこれを見てもらいたい。

f:id:football-analyst:20210214205836p:plain

このように、WGに対してSBが対応に行くと、必然的にSBとCBのギャップが広がる。ここをCHやIHが下がって埋めることで、対応を行うことが主流になっているように感じることがあった。

だがこれだと、一瞬でもCHのケアが遅れると、マーカーに対して背走している状況に陥ることになるので、かなり不利な状況での対応になってしまう。

さらに、「背走しながらも人がいる」ので、一瞬CBのカバーも遅れてしまう。現に、この試合も、リバプールでさえ、ここの遅れでPKをシティに与えてしまっている。(トッテナムは背走したホイビュア。リバプールは一瞬カバーの遅れたファビーニョ)

だからこそ、「ハーフスペースの埋め方」や「ケアの仕方」の見直しが必要になってくるのではないだろうか。

そこで、お手本となり得るのが、マンチェスターUの守り方。

以下の図を見てもらいたい。

f:id:football-analyst:20210214210425p:plain

彼らはSBが対応に行くと、CBがスライドしてハーフスペースをケア。そして逆CHが中央に降りることで、スライドして空いたスペースをケアする。

こうすることで、背走のリスクを無くし、さらにCHも前向きに対応することが可能になる。後ろに重たくなってしまうというデメリットがあるが、失点しにくいという点では、確実にCHが下がってケアするという点において軍配が上がる。

 

ハーフスペースの攻防が激しくなっていく中、必ずまた新しい守備戦術が生まれる。その瞬間を見逃さずに、しっかりと見ていきたい。

個人的にはその方法がそろそろ出てくるように感じている。

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

さらに質の高いものを皆さんに提供できるように精進しますので、これからもよろしくお願いします!

TwitterとInstagramのフォロー、拡散もしてもらえると嬉しいです!

また、オンラインサロンもしているので、少しでも気になる方は詳細を覗いてみて下さい!もちろん、参加もお待ちしております!

 

 蹴球塾『サッカー、一緒に考えん?』

f:id:football-analyst:20210201234306j:plain

サッカー好きの、サッカー好きのための、サッカー好きによるオンラインコミュニティーです!

サッカーを考え、サッカーを楽しむコミュニティーになっています!

ぜひご検討ください!

note.com

 

  •  料金

年会費3,600円または月額300円

どちらかご選択ください。

 

  • 活動内容 

①:サッカー、一緒に考えん?

このサロンの一番の特徴です!

InstagramまたはFacebookでのライブ配信を行い、サロンメンバーとコメントでやり取りをしながら、サッカーについて考えていくコンテンツです。

プレビューやレビュー、観戦の方法やサロン主が考えているプレーについてをライブ配信でシェアしていきます!

(アーカイブも残すので、見逃してもご覧いただけます)

【コンテンツの目標】
一緒に考えることで能動的に学び、サッカーをもっと知っていくこと。
観戦ポイントを抑えることで、一歩踏み込んだ観戦をすること。

②:メンバー投稿

自分が作成したプレビューやレビュー、動画などを投稿することできます。
考えたものをアウトプットすることで、もっと理解を深めることが可能です!

【コンテンツの目標】
アウトプットをして自分なりに思考を整理する
多くの人の考えに触れて視野を広げる

③:サロン限定記事・動画

ライブ配信と似た内容になりますが、空き時間などに読める記事や動画をシェアしていきます!インプット中心のコンテンツです!

【コンテンツの目標】
インプットを行い知識の幅を広める

④:ゲスト招待

できる限り多くの方をお招きし、ライブ配信で皆さんとサッカーについて話していくコンテンツです!

 

⑤:チーム分析のヘルプ

試合映像を使い、分析の手伝いと意見交換ができるコンテンツです。
現場レベルの映像を使うので、指導者・分析官を目指す方におすすめです。

 

  • 放送媒体 

蹴球塾Instagram
非公開Facebookグループ

Instagram→ライブ配信中心
Facebook→記事・動画中心(ライブ配信のアーカイブを投稿する予定です)

お手数ですがこれらのアカウントが必要です。

 

  • 申込方法

各種SNSのDM

football.bunseki@gmail.com

いずれかにご連絡ください。

 

Twitter

赤澤のぶや【オンラインサロン 蹴球塾 主宰】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

全てのサッカー好きと出会えることを心より楽しみにしております!

 

蹴球塾 代表 赤澤 暢哉

 

 

【だからトゥヘルはこうしたのでは?】シェフィールド・U vs チェルシー

f:id:football-analyst:20210208215126j:plain

 

これで3勝1分。初戦こそ、スコアレスドローだったが、チェルシーは無敗を続け、順位を着実に上げている。そして今節相見えるのが最下位のシェフィールド・Uだ。トッテナムとのダービー直後の試合。難しいことは百も承知だっただろう。だからこそ、トゥヘルはシェフィールド・Uに合わせて少し戦い方を変えた。

 

『だからトゥヘルはこうした』

 

憶測の域は出れないが、これを考えていこう。

 

 

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20210208215555p:plain

チェルシーは3-4-1-2の配置から、この試合は3-4-3に変更して試合に臨んだ。ヴェルナーを左STに添え、ジルーをCFに。さらに左WBにチルウェル。ではこの意図はどこにあったのか。

 

まず触れたいブレイズの守備

まずは触れたいのはブレイズの守備だ。チェルシーはこの守備に苦戦を強いられる。ではどのようにブレイズは守備を行っていたのだろうか。

この試合のブレイズは割と前からプレスを行うことを主としていた。だからこそ、以下のようにプレスの準備をし、プレッシングを行っていた。

f:id:football-analyst:20210208221318p:plain

このように、2トップでまずはCHを消すことを最優先。この時に3枚の中盤も距離を保つことでCHジョルジーニョとコバチッチを閉じ込める。もちろん、チェルシー3トップは3バックでマンマーク。WBはまずはバックラインに入り、そこからチェルシーWBに対応を行っていた。

ここから、左右のプレスの方法が違っていた。

まずはリュディガーサイドからのプレスから解説していこう。

f:id:football-analyst:20210208221752p:plain

この時のスイッチはCFがクリステンセンにプレスをかけた時。これと同時に中盤の選手がジョルジーニョとコバチッチを捕まえ、WBに対してもしっかりとWBが前に出て対応を行う。もちろん、下がってボールを引き出すSTにもマンマークで対応。これで、リュディガーのパスの選択肢を消すことでミスを誘い、ボールを回収することで、ショートカウンターを打っていた。

ではアスピリクエタサイドはどうなっていたのだろうか。

f:id:football-analyst:20210208222115p:plain

こちらのサイドは、アスピリクエタにパスが出るとプレスのスイッチが入る。ここにプレスを行うのがIHだ。この時に最優先に考えることは『前進させないこと』だ。だから、2トップは絶対にCHを離さなかったし、WBも牽制程度の対応だった。これで、リュディガーサイドにボールを誘い込むことで、回収を行う狙いがあった。

 

これが前プレスのブレイズの守備だ。押し込まれた時も、マークの担当は同様で、特に3バックは3トップのマンマーク、WBはWBの対応で守備を行うことで、チェルシーにバイタルエリアとハーフスペースを使わせなかった。

 

だからトゥヘルはこうしたのでは?

では、本題に入っていこう。ブレイズの守備を考慮し、きっとトゥヘルは3-4-3で挑んだのではないだろうか。

ではなぜ、3-4-3だったのか。それは「左サイドからの組み立てを作り出すため」だ。リュディガーが狙われることを考慮し、そのパスコースを創出することを狙った。

f:id:football-analyst:20210208223024p:plain

だからこのようなパターンを多く見受けることができた。上の図のように、ヴェルナーがサイドに流れて、ハーフスペースを開ける。ここに斜めに降りてジルーが縦パスを引き出す。世界最高峰のポストプレーヤーがいることで、周りは安心してここにパスを供給することができる。この気持ちの安心感はかなりのメリットだ。さらに、開いた中央にマウントが流れることで、バランスを保つ。

さらに、ブレイズCBの守備を逆手に取ることで、このような抜け出しも可能になっていた。

f:id:football-analyst:20210208223710p:plain

このようにジルーでCBを釣り出し、張ったヴェルナーでもCBを動かすことができるので、その背後を外からヴェルナーが抜け出すことができていた。

このようにして、まずは左サイドからの攻撃を組み立てた。

さらに、マウントの動きで他の動きを付け加えていく。

f:id:football-analyst:20210208224400p:plain

このようにマウントがDMFの脇に降りることで、マーカーのCBに「タスク過少」の状態を作り出す。これでマウントは一瞬、フリーになれる。さらに、これを行うことで、WBを一列高い位置を取れる。これで、ヴェルナーが縦パスを行うことで、マウントまたはWBチルウェルへのレイオフで、前進していた。

 

実際に、先制点はこの似た形でヴェルナーが縦パスを引き出すことでCBを釣り出し、WBへレイオフ。これで、ハーフスペースの奥が空き、そこに自分で作ったスペースにヴェルナーが抜け出す。このような攻撃を仕掛けるために、トゥヘルは3-4-3にしたのではないだろうか。

 

押し込んだときの攻撃

ではプレスを突破した後の攻撃はどのようになっていたのだろうか。

これは主に、「WBが斜めにハーフスペースを使う」ように設定されていたように映った。

f:id:football-analyst:20210208225431p:plain

このように、ここでもSTヴェルナーがボールを引き出す。これで、ハーフスペース奥にスペースを作り出す。この時にヴェルナーは中盤の脇に降りることでCHにレイオフを行う。これでボールを受けるCHからWBへのスルーパスで奥を取ることが散見された。

ではなぜ、ここでCHが一瞬フリーになれるのか。それはヴェルナーが「中盤の脇」に降りたことで、ブレイズIHは目線がヴェルナーに移る。これで、CHを一瞬見失う。この時間で、CHがフリーになれていた。この設計もトゥヘルはしていたのではないだろうか。

 

3-4-1-2に戻す

そして62’の交代でオドイとアロンソを投入。これで、3-4-1-2に戻す。こうすることで、マウントがライン間でフリーになれる。これは、ハーフスペースにオドイとヴェルナーが立つことで、仮に中央のCBがマウントに対応にいくと、斜めに抜け出されるから、マウントがフリーになることが多かった。これで、チェルシーはより簡単に攻撃を仕掛けれるようになっていた。

そしてもちろん、マウントで起点が作れるようになるとアスピリクエタの攻撃参加も見られるようになる。だからこそ、3-4-1-2になって右サイドからの攻撃が増えていたし、CHからのクロスでアロンソに合わせようとする場面も見受けることができた。仮にこの展開を見込んでのチルウェルとアロンソの交代だったとしたら、末恐ろしいものを感じる。

 

幸先良すぎる4戦無敗!

難しいタイミング、難しい相手だっただろう。だがそれでも工夫を凝らし、勝利を手にした。トゥヘルと共に、チェルシーがどんどん進化して行っている。攻撃の改善もさることながら、注目すべきは守備意識の向上だろう。ネガトラの反応は早くなったし、帰陣も早くなった。これで、被シュート数も圧倒的に減った。絶対にこれだけで済まされる話しではないので、これから『トゥヘルが落とし込みつつある守備』についても考えていきたい。

ぜひ、トゥヘル・チェルシーに注目してもらいたい。

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

さらに質の高いものを皆さんに提供できるように精進しますので、これからもよろしくお願いします!

TwitterとInstagramのフォロー、拡散もしてもらえると嬉しいです!

また、オンラインサロンもしているので、少しでも気になる方は詳細を覗いてみて下さい!もちろん、参加もお待ちしております!

 

 蹴球塾『サッカー、一緒に考えん?』

f:id:football-analyst:20210201234306j:plain

サッカー好きの、サッカー好きのための、サッカー好きによるオンラインコミュニティーです!

サッカーを考え、サッカーを楽しむコミュニティーになっています!

ぜひご検討ください!

note.com

 

  •  料金

年会費3,600円または月額300円

どちらかご選択ください。

 

  • 活動内容 

①:サッカー、一緒に考えん?

このサロンの一番の特徴です!

InstagramまたはFacebookでのライブ配信を行い、サロンメンバーとコメントでやり取りをしながら、サッカーについて考えていくコンテンツです。

プレビューやレビュー、観戦の方法やサロン主が考えているプレーについてをライブ配信でシェアしていきます!

(アーカイブも残すので、見逃してもご覧いただけます)

【コンテンツの目標】
一緒に考えることで能動的に学び、サッカーをもっと知っていくこと。
観戦ポイントを抑えることで、一歩踏み込んだ観戦をすること。

②:メンバー投稿

自分が作成したプレビューやレビュー、動画などを投稿することできます。
考えたものをアウトプットすることで、もっと理解を深めることが可能です!

【コンテンツの目標】
アウトプットをして自分なりに思考を整理する
多くの人の考えに触れて視野を広げる

③:サロン限定記事・動画

ライブ配信と似た内容になりますが、空き時間などに読める記事や動画をシェアしていきます!インプット中心のコンテンツです!

【コンテンツの目標】
インプットを行い知識の幅を広める

④:ゲスト招待

できる限り多くの方をお招きし、ライブ配信で皆さんとサッカーについて話していくコンテンツです!

 

⑤:チーム分析のヘルプ

試合映像を使い、分析の手伝いと意見交換ができるコンテンツです。
現場レベルの映像を使うので、指導者・分析官を目指す方におすすめです。

 

  • 放送媒体 

蹴球塾Instagram
非公開Facebookグループ

Instagram→ライブ配信中心
Facebook→記事・動画中心(ライブ配信のアーカイブを投稿する予定です)

お手数ですがこれらのアカウントが必要です。

 

  • 申込方法

各種SNSのDM

football.bunseki@gmail.com

いずれかにご連絡ください。

 

Twitter

赤澤のぶや【オンラインサロン 蹴球塾 主宰】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

全てのサッカー好きと出会えることを心より楽しみにしております!

 

蹴球塾 代表 赤澤 暢哉

 

 

【闘う集団】Premier League 23 アストン・ヴィラ vs アーセナル

f:id:football-analyst:20210207212447j:plain

 

今季の台風の目。それは『闘うチーム』アストン・ヴィラだ。それに相対したのは調子を上げてきたアーセナル。上位戦線に生き残るために、かつての威厳を取り戻すために。負けられない戦いがここにはあった。

試合内容の根底にあったもの。今回はこれについて触れていこう。

 

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20210207213135p:plain

 

アーセナルの逃げ道

基本、4-4-2の形でプレスを行ってきたアストン・ヴィラ。これに対してアーセナルはジャカが下がって3バックの形になる事で前進していた。

f:id:football-analyst:20210207220359p:plain

まずこれがこの試合の基本的な配置になっていた。とは言ってもほぼいつも通りの形。ジャカがバックラインに入る事でSBを押し上げる。これで、2トップに対して数的優位を作る。さらにSHがハーフスペースを取り、スミスロウがある程度自由にスペースにランニング、顔を出す事で動きを加えていく。

そして以下のように、前進をしていく。

f:id:football-analyst:20210207220808p:plain

まずはCHジャカがSHトラオレを釣り出す。そしてスミスロウでCHマッギンをピン止めし、ハーフスペースに入ったSHぺぺがボールを受けに降りる事で、SBを釣り出す。これで、幅を作ったSBセドリックが時間とスペースをある程度ボールを持つ事が可能になっていた。

 

起点に成れなかったセドリック

幅を作って時間を持つ事ができたセドリック。だが、ここから先の前進の起点に成る事ができなかった。少し工夫にかけ、かと言って縦の突破もなかった。さらに追い討ちをかけるように、アストン・ヴィラCHマッギンのプレスのかけ方と蓋の仕方が秀逸だった。だからセドリックの選択の多くはバックパスになっていた。

仮にここで起点を作ることができれいれば、大きく試合の内容は変わっていただろう。

 

アストン・ヴィラのプレス修正

前半、SHトラオレが下がるCHジャカにプレスをかけることが多かった。このプレスが原因でSBセドリックがフリーになることが多くなっていた。だからこそ、ハーフタイムで以下の修正を加える。

f:id:football-analyst:20210207221545p:plain

主な修正がジャカに対してCHマッギンがプレスに出ることだ。この時に確実にSHへのパスを消すことを意識していた。さらに、その背後のスミスロウにはCHナカンバがスライドして捕まえる。こうすることで、SH経由のSBへのパスを消すことに成功し、SBに出たボールをSHが対応することで回収を行っていた。

 

プレス修正の対応

アーセナルはこれの対応の答えをすぐに見せる。それがこちらだ。

f:id:football-analyst:20210207222359p:plain

このように、SBベジェリンが主に中にポジションを取るようになり、SHサカが幅を作るようになっていた。こうすることで、CHトーマスの個人技からベジェリンがパスを受けて攻撃のスピードを上げていた。この時、ベジェリンがフリーになれていたのにも理由がある。それはSHサカが幅を作り出すことでSBをピン止めしていること、CHナカンバをOMFスミスロウがピン止めしていることが関係している。これにより、ベジェリンがフリーになれていた。だから、トーマス(ジャカの場合もある)→ベジェリンのボールの動かし方で、攻撃を仕掛けることが多くなっていた。

 

  • 痛かったトーマス離脱

またしても負傷交代。トーマスの離脱により、アーセナルの攻撃は停滞した。前進ができなくなってしまったのだ。トーマスが個人技で前を向くことや、針の穴を通す縦パスを供給していたのだが、彼の離脱により、アーセナルは『パスの出所』がなくなった。さらに、パスを出せるセバージョスではなく、ドリブラーのウィリアンを投入したことにより、アンバランスになり、それを助長するウーデゴールの投入。今回のアルテタ監督の交代策には個人的に少し疑問が残った。

 

明確なタスクと強さの関係

なんと言っても、この試合の根底にあったもの。それは「走る」「1vs1に勝つ」「球際に負けない」ということだ。このサッカーの根本と言える部分でアストン・ヴィラはアーセナルを上回った。だからこそ、アストン・ヴィラはこの試合に勝った。そしてそれを支えているのが明確なタスクだろう。アストン・ヴィラは奪ったボールを最初に必ずCFワトキンズに送り込む。ここでワトキンズが収めれば、グリーリッシュ、バークリーのサポートから早い攻撃を仕掛ける。また2ndボールを作ったときは、そこにCHが反応することで前進する。ワトキンズのサイドに流れる動きなど、多くの場所で起点と2ndボールを作れることが今のアストン・ヴィラの強さを支えているものの1つだ。そして何よりもディーン・スミスが落とし込んだ『闘う気持ち』こそが、彼らを支えている。『闘う集団』が弱いわけがない。強さを手に入れた彼らがどこまで進んでいくのか、これからの動向にも注目だ。

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

さらに質の高いものを皆さんに提供できるように精進しますので、これからもよろしくお願いします!

TwitterとInstagramのフォロー、拡散もしてもらえると嬉しいです!

また、オンラインサロンもしているので、少しでも気になる方は詳細を覗いてみて下さい!もちろん、参加もお待ちしております!

 

 蹴球塾『サッカー、一緒に考えん?』

f:id:football-analyst:20210201234306j:plain

サッカー好きの、サッカー好きのための、サッカー好きによるオンラインコミュニティーです!

サッカーを考え、サッカーを楽しむコミュニティーになっています!

ぜひご検討ください!

note.com

 

  •  料金

年会費3,600円または月額300円

どちらかご選択ください。

 

  • 活動内容 

①:サッカー、一緒に考えん?

このサロンの一番の特徴です!

InstagramまたはFacebookでのライブ配信を行い、サロンメンバーとコメントでやり取りをしながら、サッカーについて考えていくコンテンツです。

プレビューやレビュー、観戦の方法やサロン主が考えているプレーについてをライブ配信でシェアしていきます!

(アーカイブも残すので、見逃してもご覧いただけます)

【コンテンツの目標】
一緒に考えることで能動的に学び、サッカーをもっと知っていくこと。
観戦ポイントを抑えることで、一歩踏み込んだ観戦をすること。

②:メンバー投稿

自分が作成したプレビューやレビュー、動画などを投稿することできます。
考えたものをアウトプットすることで、もっと理解を深めることが可能です!

【コンテンツの目標】
アウトプットをして自分なりに思考を整理する
多くの人の考えに触れて視野を広げる

③:サロン限定記事・動画

ライブ配信と似た内容になりますが、空き時間などに読める記事や動画をシェアしていきます!インプット中心のコンテンツです!

【コンテンツの目標】
インプットを行い知識の幅を広める

④:ゲスト招待

できる限り多くの方をお招きし、ライブ配信で皆さんとサッカーについて話していくコンテンツです!

 

⑤:チーム分析のヘルプ

試合映像を使い、分析の手伝いと意見交換ができるコンテンツです。
現場レベルの映像を使うので、指導者・分析官を目指す方におすすめです。

 

  • 放送媒体 

蹴球塾Instagram
非公開Facebookグループ

Instagram→ライブ配信中心
Facebook→記事・動画中心(ライブ配信のアーカイブを投稿する予定です)

お手数ですがこれらのアカウントが必要です。

 

  • 申込方法

各種SNSのDM

football.bunseki@gmail.com

いずれかにご連絡ください。

 

Twitter

赤澤のぶや【オンラインサロン 蹴球塾 主宰】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

全てのサッカー好きと出会えることを心より楽しみにしております!

 

蹴球塾 代表 赤澤 暢哉

 

 

【プランと哲学】Premier League 22 節 トッテナム vs チェルシー

f:id:football-analyst:20210205181544j:plain

 

ロンドンダービー。上位戦線に生き残るために必ず必要な勝利。お互いに譲れない一戦。モウリーニョとトゥヘルが勝利を得るために準備したものは何だったのか…

今回はこのビッグマッチのマッチレビューを行っていこう。

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20210205182955p:plain

 

完全に3-4-3を信頼しなくなったモウリーニョ。おかげで盛大にプレビューの予想を外してしまった。笑

note.com

さらに、モウはチェルシー対策として4-2-2-2の布陣で挑む。

これに対してトゥヘルもソンのカウンター対策か、WBにジェームズ、CFにオドイを起用して3-4-1-2の形で臨む。

 

ではこの試合、お互いにどのような狙いがあったのか。

早速、解説をしていこう。

 

トッテナムの前半の戦い

まずはモウリーニョが打ったチェルシー対策から触れていきたい。

結論から、述べるとこの対策は嵌まらずに、後半からは準備してきた策(たぶん、プラン①)を捨て、戦い方を変えた。

では、前半はどのように戦っていたのだろうか。

トッテナムの前半のスタンスは、「CHを消すこと」・「背後のスペースを消すこと」になっていた。そのために以下のような守備を行う。

f:id:football-analyst:20210205190305p:plain

前半は上のような守備を行うために、トッテナムは4-2-2-2の形で臨んだのだろう。

だから、2トップで3バックを牽制する形を取る。とりわけ、アスピリクエタとリュディガーに対しての牽制は意識付けられているものだった。

ここに牽制をかけることで、配置的に不利に陥るWBにパスを出させないように設定していた。

さらに、中央のCHコバチッチとジョルジーニョを消すためにベルフワインとエンドンベレがSTの位置に絞り、彼らを徹底的に消した。

さらにその背後ではシソコとホイビュアがそれぞれのサイドに流れてきたマウントをマンマークする。これで、最終ラインは4vs2の形を保つことができる。

そしてチェルシーCBにロングパスを蹴らせて回収することを狙っていた。

だが、これは嵌まらずにチェルシーに突破されることになる。

 

アスピリクエタをソンにマークさせた理由

この理由を考察してみたい。トゥヘルが就任しての過去2戦。共にアスピリクエタサイドからの攻撃と組み立てが中心になっている。モウリーニョがここを消しにかからない訳が無い。そこで、アスピリクエタを消すタスクを担ったのがソンだ。ではなぜ、ソンだったのか。その理由は明白で、少しでも距離が出た場合でも、ヴィニシウスよりもスピードのあるソンなら、その距離をカバーすることができる。また、仮にシウバに牽制を行った場合でも、アスピリクエタへの牽制が間に合う可能性はヴィニシウスよりも圧倒的に高い。だから、モウリーニョはソンにアスピリクエタを消すためのタスクを科した。

そして失点に繋がるシーンは流れで左右入れ替わっていたソンとヴィニシウス。これでアスピリクエタを消すことができずに、背後にパスを送られてPKに繋がってしまっている。

 

チェルシーの振る舞いは?

チェルシーは過去2戦と変わらず、ボールを保持し、動きを加えることで、主導権を握りつつ、前進していく。ではどのように攻撃を展開していたのだろうか。

  • チャンネル・ハーフスペースのラン

まずプレビューでも触れていたように、やはり狙ったのはバックラインの背後、特にハーフスペースのランニングだ。

これは立ち上がりでも見せたように、CBアスピリクエタからのパスが多くなっていた。

f:id:football-analyst:20210205201418p:plain

立ち上がりでも見せたように、アスピリクエタがボールを持てる場合はソンの牽制が遅れた場合。やはり何度もバックラインで回せば、何度かアスピリクエタがボールをフリーで持てる場面は生まれてくる。

これで、ここからまずは2トップの動きを最優先に選択していく。それが立ち上がりのヴェルナーのシュートやPK獲得のシーンに繋がっている。

ではなぜ、これが有効だったのか。これはDFの視野に大きく関係している。

f:id:football-analyst:20210205202220p:plain

このように、2トップがハーフスペースとチャンネルをランニングすると、手前をランするオドイはダイアーの視野外、アルデルヴァイレルトの視野内に入ることで、アルデルヴァイレルトを引きつけることができる。

これで大外のヴェルナーがチャンネルをランニングすることで、SBオーリエと勝負することができる。さらに、オーリエよりも前に入れるので圧倒的優位に立ってボールを受けることが可能になる。

 

だからこのシンプルな方法がかなり有効だった。さらに、トッテナムは最近、背後の対応が雑になっているので、追い討ちをかけることができていた。

 

  • シウバからの縦パス

トッテナムの守備の関係上、中央CBのシウバである程度時間ができていた。モウリーニョがなぜ、彼をフリーにしたのかは定かではないが、チェルシーはシウバから簡単に前進することができていた。

f:id:football-analyst:20210205203506p:plain

散見されたのは、「3列目を飛ばしての縦パス」だ。上の図のように、マウントが斜め前にずれることで、CHを1枚引き連れて中央からどかす。これに呼応して入れ替わるように、主にCFオドイがボールを受けに開いた中央に降りる。

これで、CBシウバからボールを受けてCHでレイオフ。これで簡単に前進することができていた。もちろん、マウントがボールを受けるパターンもある。

このようにして入れ替わり、立ち替わり、「縦パスを引き出す選手」が変わることで、トッテナムCHを混乱させた。

さらに、CFが降りることでバックラインの背後にスペースを作り出す。

f:id:football-analyst:20210205210023p:plain

このように、レイオフしたCHからバックラインの背後にボールを供給する。この時に抜け出すのがマウント。彼はフリーランニングも上手い。かつてのランパードを彷彿刺さる。これでマウントが背後に引っ張ることで、アルデルヴァイレルトのカバーポジションの取り直しを促す。こうすると手前のヴェルナーが空くので、そこにパスを打ち込むことで、違った角度から攻撃を仕掛けていく。

このようにして、チェルシーは主に攻撃を仕掛けていた。

 

もちろん、ソンのプレスが間に合わない場合はアスピリクエタが持ち上がることで、攻撃を組み立てていく。これは、以下の記事で解説しているので、ここでは割愛させてもらう。気になる方はこの記事を読んでみて欲しい。

 

www.soccer-bunseki.com

 

このようにして、前半はチェルシーはトッテナムをほぼ圧倒していた。

 

チェルシーのプレッシング

特に前半。チェルシーはプレッシングでも優位に立つ。過去2戦からはあまり見られなかった守備の局面。プレッシングの一部をこの試合から見受けることができた。ではどのようにプレッシングを行っていたのだろうか。

f:id:football-analyst:20210205213308p:plain

このように、プレッシングを行う場合はWBが割と高い位置を取っていた。このポジションを取ることで、CHとの立ち位置で縦パスを消すことができていた。

さらに、バックラインでは常に数的優位を保つ。唯一数的不利になるOMFのところはCBの立ち位置とボールの持ち方により、捕まえる選手を決定している印象を受けた。この頭の良さもマウントは持ち合わせているのではないだろうか。もちろん、CHコバチッチやジョルジーニョが1列前に出てヘルプを行うこともあった。

これで、後ろから繋ぐトッテナムに対してプレッシングを行っていく。

f:id:football-analyst:20210205213743p:plain

このようにCBにパスが出ると、CFが外を切りながらプレスを行う。これで逆CBにパスを選択させる。これがとても重要になっており、このパス交換の間にWBがバックラインに帰る時間を作り出す。

逆CBにパスが出ると、ここでもCFがプレスを行う。この時のCFの振る舞いは「中央を消すプレス」になっている。

このプレスがスイッチになり、WBがSB、OMFがボールサイドCH、CBアスピリクエタがSTを捕まえ、ボールサイドCHは+1の局面を作り出す選手、カバーの役割を果たす。

これで、CBの視野をサイドのみ(赤のエリア)にして、ボールを回収してショートカウンターを仕掛けていく。

このようにして、チェルシーは何度かショートカウンターを仕掛けていた。

 

トッテナムの修正

  • 守備の修正

前半、嵌まらなかった守備戦術。これを放っておく監督ではない。だからこそ、後半からのトッテナムの振る舞いは前半と比べ、大きく変わった。

ではどのように変わったのか。

f:id:football-analyst:20210205215052p:plain

前半と大きく変わったこと。それは配置とプレスの意識だ。配置を変えたことで、3バックにもプレスを行えるようになり、CHに対してはソンとヘルプにCHのどちらかが行うようになる。さらに、WBにはSBが対応にいくことで、前進を阻む。このようにして前から圧力を強めることで、チェルシーに満足のいくビルドアアップをさせなかった。

そして敵陣で奪って早めに攻め切ることを狙っていた。

 

  • 攻撃の修正

もちろん、攻撃でも修正を加えていた。明らかに後半の方がロングパスが多くなっていた。これはシンプルにヴィニシウスを使って前進していこうというスタンスを取ったからだ。実際にこれを行ったことで、トッテナムは攻撃に迫力が出た。ヴィニシウスが作った2ndボールを回収しにいくことで、攻撃を仕掛けていた。

 

チェルシーの課題

過去2戦はプレッシングを行うチームではなかった。だがこの試合でトッテナムが行ったハイプレス。このプレスを躱せていたかというと少し怪しいと感じた。もちろん、回避できていたと言えばできていた。その方法はコバチッチやジョルジーニョ、マウントのターンの巧さで回避していた。いわゆる個の力だ。これはビッグクラブの持ち得る特権だから、良いと言えば良い。だがこの課題は昨季からあるものだ。昨季は個での打開がきつくなったと同時に調子を落とした。(そして昨季は解決策としてジルーへのロングパスを組み込んだ)今季の絶不調もそれだ。

だから、仮にチームとしての回避方法が見つからなければ、ランパードと同じ轍を歩むことになるだろう。

果たしてトゥヘルはこの方法を見つけ出すのか。いやきっと見つけ出すだろう。これから楽しみだ。

 

プランと哲学がぶつかった一戦

特にビッグクラブと対戦する時にプランを用意するモウリーニョ。そして落とし込みつつあるトゥヘルの哲学。このぶつかり合いがこの試合の1番の見所だったのではないだろうか。だからこそ、前半の戦いから、後半のプレミアらしい、スピード感のある戦いに偏移して行った。そして勝ったのがトゥヘルだった。まだまだ落とし込めていないものはあるかもしれないが、これだけの短期間でここまでの変化が見えるのだから、これからに期待を抱かない訳にはいかない。守備でもクリーンシートを続けている。被シュートも圧倒的に減った。これからいかにして進化していくのか。

しっかりと追い続けていきたい。

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

さらに質の高いものを皆さんに提供できるように精進しますので、これからもよろしくお願いします!

TwitterとInstagramのフォロー、拡散もしてもらえると嬉しいです!

また、オンラインサロンもしているので、少しでも気になる方は詳細を覗いてみて下さい!もちろん、参加もお待ちしております!

 

 蹴球塾『サッカー、一緒に考えん?』

f:id:football-analyst:20210201234306j:plain

サッカー好きの、サッカー好きのための、サッカー好きによるオンラインコミュニティーです!

サッカーを考え、サッカーを楽しむコミュニティーになっています!

ぜひご検討ください!

note.com

 

  •  料金

年会費3,600円または月額300円

どちらかご選択ください。

 

  • 活動内容 

①:サッカー、一緒に考えん?

このサロンの一番の特徴です!

InstagramまたはFacebookでのライブ配信を行い、サロンメンバーとコメントでやり取りをしながら、サッカーについて考えていくコンテンツです。

プレビューやレビュー、観戦の方法やサロン主が考えているプレーについてをライブ配信でシェアしていきます!

(アーカイブも残すので、見逃してもご覧いただけます)

【コンテンツの目標】
一緒に考えることで能動的に学び、サッカーをもっと知っていくこと。
観戦ポイントを抑えることで、一歩踏み込んだ観戦をすること。

②:メンバー投稿

自分が作成したプレビューやレビュー、動画などを投稿することできます。
考えたものをアウトプットすることで、もっと理解を深めることが可能です!

【コンテンツの目標】
アウトプットをして自分なりに思考を整理する
多くの人の考えに触れて視野を広げる

③:サロン限定記事・動画

ライブ配信と似た内容になりますが、空き時間などに読める記事や動画をシェアしていきます!インプット中心のコンテンツです!

【コンテンツの目標】
インプットを行い知識の幅を広める

④:ゲスト招待

できる限り多くの方をお招きし、ライブ配信で皆さんとサッカーについて話していくコンテンツです!

 

⑤:チーム分析のヘルプ

試合映像を使い、分析の手伝いと意見交換ができるコンテンツです。
現場レベルの映像を使うので、指導者・分析官を目指す方におすすめです。

 

  • 放送媒体 

蹴球塾Instagram
非公開Facebookグループ

Instagram→ライブ配信中心
Facebook→記事・動画中心(ライブ配信のアーカイブを投稿する予定です)

お手数ですがこれらのアカウントが必要です。

 

  • 申込方法

各種SNSのDM

football.bunseki@gmail.com

いずれかにご連絡ください。

 

Twitter

赤澤のぶや【オンラインサロン 蹴球塾 主宰】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

全てのサッカー好きと出会えることを心より楽しみにしております!

 

蹴球塾 代表 赤澤 暢哉

 

 

【トゥヘル・チェルシーについて(仮:攻撃編)】〜トゥヘルはオーナーを満足させられるのか?〜

苦しんだチェルシーを救ったのは、レジェンド・ランパード。

そのレジェンドを解雇し、招聘したのは「熱い男」トゥヘルだった。

そしてウルブス戦、バーンリー戦ではっきりと見せたトゥヘルの色と期待。

果たして彼はオーナー・アブラモビッチを満足させることはできるのだろうか…?

 

 

 

基盤になるフォーメーション?

f:id:football-analyst:20210201211602p:plain

f:id:football-analyst:20210201211613p:plain
トゥヘルが就任して使用した配置。それは3-4-2-1と3-4-1-2だ。この2つが基盤となりそうだ。初戦はトゥヘル自身も「今までで一番理不尽な選手の選び方だった」と語っている。だからまだ誰が軸となっていくのかは明確になっていない。だが、その中でも3バックとオドイは早くも信頼を勝ち得ている感じがある。彼らはこれからも試合にで続けていくのではないだろうか。

 

ビルドアップについて

2試合とも基本的に引いてブロックを作るチームだったことも関係するが、チェルシーはボールを握り、攻撃を組み立てた。

では彼らはどのようにビルドアップを行っていたのだろうか。

まずはビルドアップ時の基本的な形から触れていこう。

f:id:football-analyst:20210201213600p:plain

ビルドアップの時の基盤となる配置は上の図のように、3-2-4-1になる。基本的に3バックと2CHでボールを回し、WBが必ず幅を作り出す。この時にSTと同じ高さまで上がることが原則となっていた。もちろん、STは必ずハーフスペースを取ることを義務付けられている。そしてもう1つ。それがCHが中央の3レーンでプレーを行うことだ。これも約束事としてあったように映った。

 

この配置から、主に2つの方法で前進していく。(攻撃のスイッチが入る)

1つ目の前進方法がこちら。

f:id:football-analyst:20210201213939p:plain

バックスでパスを回すことで相手選手を釣り出して、 中央でプレーするCHにパスを打ち込める状況を作り出すこと。これが1つ目の前進方法となっていた。

そして2つ目がこちら。

f:id:football-analyst:20210201214126p:plain

2つ目はバックスでボールを動かしても、CHが開かない場合。この場合は主にアスピリクエタサイドからの前進となる。彼がドリブルで持ち上がることで前進を行う。

 

これら2つの方法で前進して行っていた。そして主にこの2つから攻撃のスイッチが入ることが多い印象を受けた。

 

攻撃のスイッチが入ってから

では攻撃のスイッチが入ってからはどのような立ち振る舞いをしていたのだろうか。

まずはCHがボールを受けることができた状況から解説していこう。

f:id:football-analyst:20210201215225p:plain

この攻撃が軸となりそうだ。STがハーフスペース兼ライン間でボールを受けることで、幅を作るWBを最大限に生かしていこうという狙いが見えた。だから、上の図のように、STがハーフスペースでボールを受けると、ハーフスペースを真っ直ぐ抜けるスルーパス、またはWBへのパスを選択する。これは各々、CBとSBの対応の仕方で、WBとSTはプレーを選択していた。

さらに、STがハーフスペースでボールを受けることで、SBを引き寄せてWBが良い状態でボールを受けることが可能になっていた。だから2試合ともに、オドイのドリブル突破が目立っていたのだろう。

特にオドイの特性をしっかりと生かす設計がされているように感じた。

 

ではSTがハーフスペースでボールを受けられない場合はどのようになっていたのだろうか。

f:id:football-analyst:20210201220927p:plain

STにパスを出せない場合は、2つのパターンがある。

まず1つ目がアスピリクエタのサポートを使い、角度を作り出すことでSTへのパスコースを創出する場合だ。これはリュディガーサイドではほとんど行われておらず、決まって右サイドで行われていた。

そしてもう1つが、逆WBへのサイドチェンジだ。中央を閉めているということは、全体が中に寄っていることになる。だからこそ、『必ず幅を作り出しているWB』へのサイドチェンジで一気に展開を変えることが可能になっていた。

このように、攻撃が設計されていた。

 

ではCHを使うことができず、アスピリクエタが持ち上がった場合はどのようになるのだろうか。

f:id:football-analyst:20210201221916p:plain

このように、アスピリクエタが持ち出した場合は3つの選択肢になっていた。この3つの選択肢を作り出すために、CHが必ず横のサポートを行うことで、CB、CH、WB、STで四角形を作り出す決まりがあるように映った。そしてこれを行うことで、以下の優先順位でプレーを選択していく。

まず1つ目。最優先として決められているのがSTへの縦パスだ。(ハーフスペースへの縦パス)これを行い、再びWBの特性を生かす。

2つ目にWBへのパス。これでWBに1vs1を仕掛けさせる。

3つ目にCHを経由してのサイドチェンジ、目先を変えての縦パスだ。

この3つの選択肢を全て潰されると、バックラインで再びボールを回すことで探りを入れていく。

 

攻撃のスイッチが入ると、これらのように設計されていた。

 

ファイナルサードの崩し方

では最後にファイナルサードではどのような振る舞いを見せていたのかを解説していきたい。

まず、「サイドを揺さぶること」と「ハーフスペースを取ること」が攻撃の狙いとしてあり、これらを効果的に使うことで、ゴールを奪おうとしていた。

では具体的に見ていこう。

f:id:football-analyst:20210201223839p:plain

まず1つ目が、シンプルにWBからのクロスだ。この時にも立ち位置の決まりがあるように見え、ボールサイドSTは必ずといっていいほど、ハーフスペースを取る。これで横のサポートをしつつ、CBとCHの意識を引きつける役割を果たす。これを行うことで、クロスのターゲットマンとなるCF、STそしてWBのマークを緩くすることが可能になる。これで、クロスからの攻撃を完結させる。また跳ね返されたボールを回収するため、プレスをかけて攻撃を遅らせるために、CHが中央でどっしりと構えていた。

これがまず1つ目の攻撃だ。

次にこちらが2つ目の攻撃の選択肢となる。

f:id:football-analyst:20210201224218p:plain

このように、WBからのシンプルなクロスではなく、ST経由(もちろん経由しないこともあり)でハーフスペースに立つCHへ落とし、そこから1タッチで逆ハーフスペースへボールを落とす。ここに入ってくるのが逆WBだ。この時にWBは視野外から入ることができるので、優位に立つことができ、決定的な仕事をこなすことが可能になる。

もちろん、CHが受けた時点で中央に差し込むこともあるし、自らフィニッシュを選択することもある。あくまでもプレー選択として、逆サイドのハーフスペースへ落とすことが多かったということなので、『絶対』とは限らない。ここは勘違いしないでもらいたい。

そして3つ目はアスピリクエタが遅れてサポートを行うパターンだ。

f:id:football-analyst:20210201224843p:plain

このように、アスピリクエタが遅れてサポートを行う場面は多く見受けることができた。この攻撃参加のタイミングが絶妙だ。これはコンテ監督の遺産と言ってもよいだろう。上の図のように、遅れてサポートを行うことでフリーになれることが多く、そこからクロスを供給することが可能になる。コンテ時代はこの攻撃でモラタへの多くのアシストを記録している。

もちろん、ここでもオーバラップやインナーラップなども織り交ぜる。

バーンリー戦で決めたゴールはカウンターだったが、アスピリクエタのランニングのコース取りが絶妙だったので、このゴールは生まれた。このタイミングを遅らせてサポートを行うメリットとして、相手の動きをしっかりと見て、スペースの確認をしっかりしてから、ランニングのコースを決めることができることだ。

3バックで、最初の立ち位置でハーフスペースにいることでできる攻撃の形だ。

 

3-4-1-2の可能性

では最後にバーンリー戦の後半から見せた3-4-1-2の可能性について触れていきたい。

基本的なビルドアップの方法は何ら変わりはないのだが、この形の最大のメリットとして、OMFに入る選手がライン間でのスペースを見つけやすいということが挙げられる。

f:id:football-analyst:20210201225706p:plain

これには理由があり、2トップになったことで背後に引っ張る選手が増えたため、ライン間にスペースが生まれやすくなる。さらに、3-4-2-1だとライン間に2枚の選手がいたが、3-4-1-2だと1枚なので、ポジションが被ることがなくなる。だからこそ、マウントは後半特に輝いた。

そしてマウントがライン間でボールを受けると、2トップが背後のランニングをいれる。

f:id:football-analyst:20210201230436p:plain

このように、マウントがボールを受けると2トップが斜めにボールを引き出す動きを加える。これで、抜け出すことができればビッグチャンスを作り出すことができる。またここでボールを出せなくても、2トップでバックスを引っ張っているので、サイドで幅を作るWBを使うことができる。これでマウントは後半から多くの選択肢を持つことができていた。

 

CFが流れるのは組み込まれていること?

この試合でアロンソが奪ったゴール。時折見せていたオドイの中に入っている動き。この時に加えていたのがCFがサイドに流れる動き。これは組み込んでいたのか、そうではないのか。ここは明確にはなっていないが、ハーフスペースを使う選手が変わるだけで、狙う場所とスタンスは変わらなかった。これは引き続き見ていく必要がありそうだ。

 

期待感満載のトゥヘル・チェルシー

期待感満載。2戦ともボールをある程度握ることができる相手だったが、その握り方は探りを入れる握り方と動かし方で、意図が明確に見えた。さらに、攻撃のスイッチが入れば、きちんとした狙いがあった。そして何よりも、稀代の才能を持つハヴァーツの躍動。マウントの攻守の貢献度の高さ、オドイの覚醒、アスピリクエタの復活。これほど明るい材料はない。あとは悩めるストライカー、ヴェルナーの復活を願うばかりだ。これからどのように進化を遂げていくのか。期待を持って、トゥヘル・チェルシーを追い続けていきたい。

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

さらに質の高いものを皆さんに提供できるように精進しますので、これからもよろしくお願いします!

TwitterとInstagramのフォロー、拡散もしてもらえると嬉しいです!

また、オンラインサロンもしているので、少しでも気になる方は詳細を覗いてみて下さい!もちろん、参加もお待ちしております!

 

 蹴球塾『サッカー、一緒に考えん?』

f:id:football-analyst:20210201234306j:plain

サッカー好きの、サッカー好きのための、サッカー好きによるオンラインコミュニティーです!

サッカーを考え、サッカーを楽しむコミュニティーになっています!

ぜひご検討ください!

note.com

 

  •  料金

年会費3,600円または月額300円

どちらかご選択ください。

 

  • 活動内容 

①:サッカー、一緒に考えん?

このサロンの一番の特徴です!

InstagramまたはFacebookでのライブ配信を行い、サロンメンバーとコメントでやり取りをしながら、サッカーについて考えていくコンテンツです。

プレビューやレビュー、観戦の方法やサロン主が考えているプレーについてをライブ配信でシェアしていきます!

(アーカイブも残すので、見逃してもご覧いただけます)

【コンテンツの目標】
一緒に考えることで能動的に学び、サッカーをもっと知っていくこと。
観戦ポイントを抑えることで、一歩踏み込んだ観戦をすること。

②:メンバー投稿

自分が作成したプレビューやレビュー、動画などを投稿することできます。
考えたものをアウトプットすることで、もっと理解を深めることが可能です!

【コンテンツの目標】
アウトプットをして自分なりに思考を整理する
多くの人の考えに触れて視野を広げる

③:サロン限定記事・動画

ライブ配信と似た内容になりますが、空き時間などに読める記事や動画をシェアしていきます!インプット中心のコンテンツです!

【コンテンツの目標】
インプットを行い知識の幅を広める

④:ゲスト招待

できる限り多くの方をお招きし、ライブ配信で皆さんとサッカーについて話していくコンテンツです!

 

⑤:チーム分析のヘルプ

試合映像を使い、分析の手伝いと意見交換ができるコンテンツです。
現場レベルの映像を使うので、指導者・分析官を目指す方におすすめです。

 

  • 放送媒体 

蹴球塾Instagram
非公開Facebookグループ

Instagram→ライブ配信中心
Facebook→記事・動画中心(ライブ配信のアーカイブを投稿する予定です)

お手数ですがこれらのアカウントが必要です。

 

  • 申込方法

各種SNSのDM

football.bunseki@gmail.com

いずれかにご連絡ください。

 

Twitter

赤澤のぶや【オンラインサロン 蹴球塾 主宰】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

全てのサッカー好きと出会えることを心より楽しみにしております!

 

蹴球塾 代表 赤澤 暢哉

 

【個と戦術と意識付けと…】Premier League 20節 トッテナム vs リバプール

 

個人戦術とチーム戦術。

プランを用意した両監督。意識付けと戦術。これを壊す個。

その先に待っていたものとは…

 

 

スターティングメンバー

f:id:football-analyst:20210129212652p:plain

 

策を授けたモウリーニョ

策士かつ名称。ゆえにスペシャルワン。(そう言われるのは他にもあるが…)

モウリーニョがビッグマッチとの一戦で準備を怠ることなど一切ない。

だからこそ、この試合でも選手の特徴を最大限に生かし、相手の良さを消しにかかる。

ではこの試合で、モウリーニョはどのような策を授けていたのだろうか。

 

  • 守備

まずは守備から考えていこう。守備のスタンスは、「まずは遅らせる」こと。そして「ブロックを形成する」ことだった。これを行うことで、トッテナムはリバプールのスピードを殺し、苦手な遅攻に持って行った。

だから、まずはこのように守備を行う。

f:id:football-analyst:20210130093254p:plain

このようにソンとケインでDMFを消し、CBに横パスを選択させる。ここでもう1つ重要になっていたことが、WBドハーティーはSBアーノルドを早めに捕まえることだ。これを行うことで、一気に展開されることを防ぎ、帰陣とブロック形成の時間を作り出す。そして帰陣を果たすとこのように守備を行う。

f:id:football-analyst:20210130093434p:plain

守備ブロックは5-3-2の形(時にソンも下がって5-4-1に)なる。この時に、WGマネとサラーに対しては必ずWBとCBで2vs1の状況を作り出す。こうすることで、ボールを外に回させる。これで横から入ってくるボールを跳ね返していこうという狙いがあったに違いない。(後に触れるがこれはリバプールの意識の違いで破られる)

この徹底したブロックの作り方と、スライドと帰陣の速さはまさにモウリーニョのチームだなと感じた。

そして、ビッグスターのケインとソンを中心にカウンターを仕掛けていく。

 

  • 攻撃

まずはカウンターから触れていこう。カウンターは今シーズン、もう1つ上の化物となったケインを中心に攻撃を仕掛けて行く。その時に、必要な条件は、前線の3枚が斜めになることだ。

f:id:football-analyst:20210130095735p:plain

このように、ボールを奪うと、まずはケインを探す。そしてそこへボールを送り込む。この時に、ソンとケインが入れ替わることで、段差を作り出すのと同時に、マークのズレを一瞬作り出す。この一瞬があればケインはほとんどのボールを収めることが可能になる。

そしてケインがボールを収めると、中盤に入っていたベルフワインがサポートを行う。これで、3トップが斜めの関係になる。これで、逆サイドのソンへのスルーパスを中心に仕掛ける。またここで、リバプールが先に場所を消すのであれば、ベルフワインが手前でボールを受けて仕掛けて行く。確認し、遅れて入るために、斜めの関係が重要になっていた。このように、カウンターは設計されていた。

では、ビルドアップはどのようになっていたのか。

f:id:football-analyst:20210130100304p:plain

このようにビルドアアップは、配置の優位性を利用して攻撃を組み立てる。(やはり大きな展開が多い)

3トップで3バックを捕まえれるが、その1つ前の中盤で数的優位を作り出すことができる。とりわけ、ホイビュアにはミルナーまたはチアゴがマークを行うことが多くなっっていた。だから、WBでまたはズレたCHがフリーになることが多くなる。

これで、WBからソンへのスルーパスかケインへの縦パス、CHに入れば一気に逆サイドへ送り、圧縮から逃げ出す。このようにして、ビルドアップでも大きな展開で、攻撃を仕掛けていた。

 

個人で剥がすトッテナム

この試合で、言わずもがな目立っていたケインとソン。そして特にあと2人。それがホイビュアとエンドンベレだ。特にカウンターの局面において、エンドンベレはプレスを個人で回避していた。チアゴ、またはミルナーのプレスをドリブル、深いターンで剥がすことで、リバプールのプレスを無力化。このようにプレスを1人で回避できる選手がチームにいると、一気に道は広がる。だからこそ、ケインとソンを中心としたカウンターを打つことができるのだ。さらに、ホイビュアはカバーとポジショニング、ボール奪取能力で、守備の強度を上げる。挙げ句の果てにはゲームメイクも行うのだから末恐ろしい。

 

戦術が崇高なものになっていく中で、圧倒的な個が輝く。やはり戦術を壊すのは個人能力なのだということに改めて気付き、切り取れば切り取るほど、サッカーとスポーツは1vs1が最重要なのだということに気づかされた。

 

背後と崩しの関係

トッテナムの安定した守備に苦しんだリバプール。だがこの日のリバプールは意識がいつもと違い、攻撃に迫力があった。その意識とはきっと「背後」の意識だ。だからこそ、遅攻になる前に、背後へのボールを送ることが多かったし、ブロックを作られても背後を狙うことを怠らなかった。

ではどのように背後を狙うことを行っていたのだろうか。

f:id:football-analyst:20210130104222p:plain

まず1つ目はIHが抜け出して、CFへのパスコースを創出するやり方だ。これを行うために、WGが外にズレてWBをピン止めしつつ、ハーフスペースを開ける。その開けたハーフスペースをIHが使うことで、フィルミーノへのパスコースを創出。これで、フィルミーノが起点を作り出すことができていた。そしてここからサラーまたはマネへのスルーパスで攻撃を仕掛ける。FAカップユナイテッド戦でもみられた攻撃方法だ。

2つ目がシンプルなアーノルドからマネへのロングスルーパスだ。

f:id:football-analyst:20210130104649p:plain

このように、WGが外に流れない場合はWBがSBへ牽制を行うことが多かったトッテナム。だが、ブロックを作った場合はアーノルドまで距離が遠いので、プレッシャーをかけることが難しい。そしてここから逆のマネへのスルーパスを送り込む。この時にマネはハーフスペースをまっすぐ抜け出すことで、背後を取りに行く。

トッテナムはCBロドンがこの動きを入れられることでマネを見失うことが多く、リバプールはここを中心に攻撃を仕掛けていた。

 

そして3つ目。ゴールシーンにもあったように、CBが持ち運ぶパターンだ。

f:id:football-analyst:20210130105453p:plain

このように、CBが持ち運ぶことで3CHを一枚釣り出し、さらにCFが下がることでホイビュアをピン止めすることで、CBロドンに対して決断の難しい状況を作り出す。ロドンは前にミルナーとマネがいるので、対応に迷い、一瞬の隙を突かれて背後を取られる。

この方法でマネが優位に立つことが多くなっていた。

 

失ったケインと4-2-3-1

ハーフタイムで失ったケイン。これにより、トッテナムは文字通り「詰み」だった。

4バックにしたことにより、プレス回避の場所がなくなり、後半開始早々に失点。さらに、さらにロングパスからのカウンターをケインがいなくなったことで打ち込むことができなくなった。

守備面では、WG vs SBの1vs1の状況が多くなり、対応仕切れない場面が散見された。5枚で守っていた時には、WBが抜かれたとしてもそのヘルプをCBがすぐに行うことができた。だが4枚になり、それが難しくなっていた。だからトッテナムは守備の安定性が亡くなったのではないだろうか。そして前に出ることでオープンな展開になり、リバプールの土俵に立ってしまい、敗戦を喫してしまった。

 

この試合の勝負の分かれ目は確実にケインを失ったことにあるだろう。

第一次モウリーニョチェルシー政権のドログバとランパードの役割を1人で果たす彼。このまま仮に長期離脱を強いられるようであれば、トッテナムは苦しい戦いが続くだろう。ここの解決策をいかにして見つけるのか。これからのモウリーニョの手腕にも注目だ。

 

Premier League 20節

トッテナム vs リバプール

トッテナム・ホットスパー・スタジアム

結果:1−3

【トッテナム】

49’ ホイビュア

 

【リバプール】

45’+4’ フィルミーノ

47’ A=アーノルド

65’  マネ

 

 

 

 

 

 

 

最後までご朗読ありがとうございました。

さらに質の高いものを皆さんに提供できるように精進しますので、これからもよろしくお願いします!

TwitterとInstagramのフォロー、拡散もしてもらえると嬉しいです!

また、オンラインサロンもしているので、少しでも気になる方は詳細を覗いてみて下さい!もちろん、参加もお待ちしております!

 

 サッカー、一緒に考えん?

こちらは緩くサッカーを一緒に考えるコンテンツになってます!主にInstagramのライブ配信で行います!ぜひフォローお願いします!

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

サッカーを愛する全ての人へ!

経験者、未経験者、学生、現役、コーチ、初心者、サポーター。

全てのサッカー好きが集まれるオンラインコミュニティーを立ち上げました。

サッカーを談笑でき、学べ、もっと好きになれるグループです!

 

【サロン詳細】

note.com

活動内容

『サッカー、一緒に考えん?』のライブ配信が多

観戦解説動画と記事:月2〜3本

チーム分析とそのサポート

自分のレビュー・プレビューの投稿

ゲストの招待

その他イベント

 

出演

赤澤 暢哉

☑︎ロンドンへサッカー留学

☑︎FA ライセンス Level 1・2取得

☑︎プレー歴15年

☑︎コーチ歴3年

☑︎高陽高校分析担当

☑︎戦術ブログ運営

☑︎Twitterフォロワー2,800人

 

Twitter

赤澤のぶや【オンラインサロン 蹴球塾 主宰】 (@soccer_bunseki) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/football_beer_book/

 

 

主なゲスト出演

江本一真

☑︎元TBS系アナウンサー

☑︎Jリーグ公式映像DAZN実況者

☑︎スカパー!「ルヴァンカップ実況」「天皇杯実況」

☑︎広島FM「江本一真のゴッジ」

 

Twitter

江本 一真 (@kazuma_emoto) | Twitter

 

Instagram

https://www.instagram.com/kazuma_emoto/

 

放送媒体

Instagramプライベートアカウント

Facebook非公開グループ

(InstagramとFacebookのアカウントが必須になります)

料金・お支払い方法

年会費:3,600円(毎年1月に更新)

月額:300円(毎月1日に更新)

当面の間、銀行振り込みのみ 

参加方法

赤澤暢哉の各種SNSのDM

football.bunseki@gmail.com

いずれかにご連絡下さい。

また質問等もこちらにお願いします。

 

サッカーを愛する全ての人に会えることをお待ちしています

もっとサッカーを好きになりたい。

もっとサッカーを好きな人と繋がりたい。

まだまだ果てしない、未知の領域があるサッカーを学んでいきたい。

 

『サッカーが好き』と言う気持ちを一心に、コミュニティーを作りました。

サッカーを愛する全ての人が、もっとサッカーを好きになれるコミュニティーに一緒にしていきましょう!

 

全てのサッカーファンに会えることを心より楽しみにしています!

 

蹴球塾主宰:赤澤 暢哉