Jリーグ 横浜FM vs 湘南ベルマーレ 〜マリノスSBが2列目まで上がる理由とメリット〜 

 

はじめに

首位を追走する横浜FM。混沌の渦中にいる湘南ベルマーレ。共に負けられない今節。やはり下馬評通りにマリノスがしっかりと勝ち切り、首位との勝ち点差は1。湘南はこの試合を落としてしまい、今シーズンの目標はJ1残留に。そしてこの試合で見せたマリノスのSBの取るポジションではないポジショニング。なぜマリノスのSBはこのようなポジションを取るのか。この試合で見えてきたSBが上がる理由を紹介していこう。

 

マリノスのSBが上がる理由

メリット1:WGへのパスコース

これが一番のメリットではないだろうか。前節の仙台戦から23番の仲川がCFではなくRWGで使われ、マテウスがLWGで起用されている理由だ。そのためにSBが上がる事でWGへのパスコースを作っている。ではどのようにパスコースを作っているのか。

(白⇨マリノス 黒⇨ベルマーレ

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まずこの試合のベルマーレの並びは3-4-2-1ではなく、4-4-2の並び。この並びの意図として、2トップで2CBを牽制し、その背後のCHを消すという目的があっただろう。だがマリノスのビルドアップ時にGKもパス回しに参加できるので、GK +2CBで数的不利を作られ、うまくプレスが嵌っていなかった。そしてさらにベルマーレを混乱に陥れたのがマリノスのSBの動き。これがWGへのパスコースを作る重要な動きになっている。

CBがボールを持つと、SBはベルマーレのSHとCHの間を抜け2列目の位置まで上がるり縦パスを受けれるポジションを取る。(主にライン間を意識してポジションをとる)そうすると、ベルマーレSHの意識がSBに向くので、WGへのパスコースができ、WGは時間とスペースを持つことができる。さらに、突破力のあるWGがSBと1vs1になるので、優位に立つことができる。この攻撃がここ数試合多いので、クロスからのフィニッシュが多くなっている要因でもある。これがSBが上がる一つ目のメリット。

メリット2:CHでの起点

これが二つ目のメリット。この試合の前半はCHからサイドを変えるボールは少なかったが、後半になりサイドチェンジをする回数が増えた。その理由がこのCHでの起点。ではどこでどのように起点を作り、そしてなぜ、SBが関わっているのか。これを解説していこう。

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このようにSBが2列目まで上がっていくのはメリット1と同じ。そしてここからマリノスCHがSBの開けたスペースに流れてボールを受ける。これでCHが時間とスペースを持つことができる。そしてバランスを保つためにCHが寄り、SBが中に入り込む。この出入りの繰り返しをオートマチックにできるのが今のマリノスの強さの根源でもある。もしもここで湘南のCHがついてきたならばCBはOMFへ縦パスを入れることができ、ついて来ないならばCHにボールを預け、展開を促す。このビルドアップが特に後半に多く見られたので、CHからサイドを変えるボールが増えていた。これが二つ目のメリット。

メリット3:クロスに対する人数

これが三つ目のメリット。メリット1でも解説したように、クロスからの攻撃がここ最近多く見られるマリノス。これはWGが縦に突破することが多いため。右利きの仲川がRWG、左利きのマテウスがLWG。これは明確に縦に突破してクロスを入れる意図があるのではないだろうか。調子の良い遠藤が先発から外れているのもこの戦術的な要因だろう。(遠藤は右利き)

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このようにここまでSBが上がっていることで、マイナスのクロスを受け、シュートを打つことができる。さらに、前節の仙台戦はSBがペナ内まで入り込み、クロスに合わせゴールを奪っている。これもビルドアップの時点でSBが2列目まで上がっているのでできる芸当だ。このクロスに対する人数を揃えること三つ目のメリットだ。

メリット4:マルコスジュニオールのサポート

これも重要なメリット。WGが幅をとるということは中央との距離が遠くなっているということ。(マンCやリバプールのように4-3-3の場合は別。マリノスの4-2-3-1だからこそ起きる現象)これを解消するためにSBがサポートを行う。

もしもSBが上がっていない場合だと、ほぼ孤立な状態になる。

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カウンターを仕掛けている時ならば良いのだが、丁寧に後ろから組み立てるとなるとここで詰まってしまう。だからこそこのようにSBが上がり、サポートを行う。

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これでサポートするので、ベルマーレは中央に人数を割かなくてはならなくなり、マリノスはこれを逆手にとり、サイドを攻略できる。このサポートが4つ目のメリットだ。

まとめ

このようにこの試合はマリノスのSBが上がっていくメリットと2トップでは2CBにプレスに行けないということが顕著に現れた。そしてマリノスの強い理由がスペースへの出入りと入れ替わりがオートマチックにできるのが理由だろう。この試合も様々なことを気づかせてもらえたマリノス。果たして逆転優勝をすることができるのだろうか。残りも試合もとても楽しみだ。

 

終わりに

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Jリーグ コンサドーレ札幌 vs セレッソ大阪 〜セレッソが狙ったライン間〜 

 

はじめに

前節、内容は良かったものの、CKからの失点で負けを喫してしまったセレッソ大阪。そして今節戦ったのがリーグで最もCKからゴールを奪っているコンサドーレ札幌。この試合もCKが多くあったが、前半の柿谷のゴールでしっかりと勝利し、上位をキープすることに成功。では今回はセレッソ大阪が狙った「ライン間」について紹介していこう。

 

セレッソがライン間を攻略するために行ったこと

セレッソ大阪が狙ったことはコンサドーレ札幌の「ライン間」。ここを狙うためにセレッソ大阪はどのような方法をとったのか。では早速その方法を解説していこう。

CHの距離

これは攻撃時、特に押し込んだ時に顕著に表れていた。そしてこれはいつもより距離が近かった。ではなぜ近かったのか。この試合の先制点であり決勝点のシーンを参考にその理由を紹介しよう。

まずみていただきたいのがこのサンプル動画。

 ではこれを参考に解説していこう。

(白⇨セレッソ 黒⇨札幌)

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一つ目のメリットとしてCHが近いことでコンサドーレ札幌を全体的にボールサイドに寄せることができる。これの何が良いかというと、サイドハーフが浮いたポジションをとることができるから。これは札幌の守備戦術上、2列目で浮いたポジションをとることができる。だからこそこの試合のセレッソのCHの距離がいつもより近かった。そしてセレッソCHがボールを持つと、必ず札幌CHがプレスを行う。これを行わないと全体をボールサイドに寄せられている札幌はスライドのため、遅れる、かつ走行距離(無駄な走り)が増えてしまう。だからCHに時間を持たせないために札幌CHはプレスを行う。

セレッソの狙いはここにあった。CHを釣り出す事であくのは当然ライン間(赤丸)。ここを上がってきたSBを使う事で数的同数から局所的に数的優位を作り出し、SBがフリーでボールを持つことができる。5バックの札幌はWBがここでプレスに行くが幅をとっているSHが気になるので遅れての対応になる。

セレッソのSHが気になる理由は前回のセレッソvsアントラーズで解説しているので気になる方はこちらもご覧になっていただきたい。)

Jリーグ セレッソ大阪 vs 鹿島アントラーズ 〜セレッソ大阪の工夫〜 - サッカー戦術分析ブログ〜 Football LAB〜

これで時間とスペースができたSBがライン間で上手くボールを受けることのできるCFに縦パスを入れることでここを攻略。そして最初の攻撃でゴールを奪った。このライン間の攻略をするために前節と違い、この試合はCHの距離感が近かった。

このもう一つの狙い

このもう一つの狙いとしてWBを敵陣に押し込むことを狙いとして持っていたのではないだろうか。4バックのチームが3バックのチームと試合するときにどうしても気になるのはWB。ここで起点を作られては後手の対応になってしまう。だからこそこの試合サイドを狭くし、局所で数的優位を作ることでWBを札幌自陣に押し込んだ。特に前半はこれがうまく行っていたのではないだろうか。

ミドルパス

上で解説したことは押し込んだ時のライン間の攻略方法。では次は攻撃を組み立てる時、所謂ビルドアップの時はどのような方法を使っていたのか。その方法が主に「ミドルパス」。これを多く使っていた。ではなぜこれを多く使い、有効だったのか。

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まず紹介しなければならないのがコンサドーレ札幌の守備。札幌は基本的に4-4-2の形でハイプレスを仕掛けることが多く、2CBに対してCFとST、CHに対してはCHとSTがほぼマンマーク。だからこの試合はCHがDFラインに入らずにビルドアップを行なっていた。入らない理由としてDFラインに降りて、自陣ゴール近い所に相手の人数を増やすことはデメリットしかない。だからCHは降りずに一列前にポジションを取った。このような守備を札幌は行うので、空いているのはもちろん3列目に残ったCHの脇かつライン間。ここにCBもしくはGKからミドルパスを入れることで優位に立つ。(ミドルパスを入れるのは主にCF20番のメンデス)さらにsのこぼれ球を拾うためにSHが中に絞る。ここである程度優位にボールを拾えたのはSBに対してWBがプレスに行っているから。このような守備戦術だったので、ビルドアップ時のミドルパスが効果的だった。

もう一つの経路

そしてもう一つの経路。それがSHへの縦パス。これは前節と似ていて、SHが中に入り込むことでフリーになるというものだ。

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このようにSHがファーストラインとセカンドラインのライン間でボールを受けることで、ある程度時間を持つことができる。その理由がCBはCFがいるのでプレスに行きにくく、WBはSBに付くとSHへ、SHへ付くとSBへパスを出されるので、ポジショニングと判断が難しいものとなる。だからこそここのパスも有効だった。札幌は終始、ボールの奪い所が定まっていないように感じた。

 

まとめ

何度か決定的なチャンスを作られることもあったが、さすがリーグ最少失点を誇るセレッソ大阪。耐えきり、勝利をもぎ取った。守備に目が行きがちなチームではあるが、攻撃の組み立てや、押し込んだ時の崩し方など、様々なところで工夫され、そして整理されているので、見ていて面白い。(もちろん守備も)コンサドーレ札幌の癖のある攻撃陣を0に抑えれたことはさらなる自信につながるのではないだろうか。残す試合もあと数試合。果たしてどこまで順位を上げることができるのか。とても楽しみだ。

 

終わりに

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Jリーグ セレッソ大阪 vs 鹿島アントラーズ 〜セレッソ大阪の工夫〜

 

 

はじめに

常勝軍団は難敵セレッソ大阪を敵地で破り、とうとう首位に浮上した。まさにこの試合も鹿島アントラーズらしい勝ち方でリーグタイトル獲得に歩みを進めた。そしてホームで敗れてしまったセレッソ大阪。だが内容は悲観するものではなく、強敵相手を追い詰めていた。その強敵の鹿島アントラーズ相手に施した「工夫」を今回は紹介していこう。

セレッソ大阪の工夫

左右非対称のビルドアップ

まず紹介したいのは左右のビルドアップの方法。この方法が右と左で違うものとなっていた。

左のビルドアップ

(白⇨鹿島 黒⇨セレッソ

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これが左サイドの基本的なビルドアップ。逆のSBがDFラインに入る事で3バックの形になる事でSBが幅をとることができる。 これをする事でSHがHSに入り込む。これで鹿島アントラーズのDMFはセレッソのDMFとSHを見なければならない状況に陥る。さらにSHがハーフスペースにポジションをとっているのでアントラーズのSHはSBとSHを見なければいけない。だから黒の四角のエリアで3vs2を作り出すことができる。この数的優位を作り出せていた事でセレッソは難なくボールを運べていた印象を受けた。この対処法として鹿島のSBがセレッソSBを見れば良いのだが、ここでSBが出てしまうとCFがそのスペースをつくのでSBは安易に出ることができない状況だった。これが左サイドのビルドアップ。

右のビルドアップ

では右サイドを経由する場合はどのようなものになっていたのか。それを今から紹介しよう。

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このように右サイドではSHが幅をとることが多くなっていた。そしてそのためにDMF(特に5番)がDFラインに入り、そしてSBが内側に入り込む。そうする事でSBが鹿島のSHを引きつけ、DMFが鹿島のDMFを引きつける。そうする事でSHがフリーでボールを受ける、またはボールを受ける事で鹿島SBをおびき出すことに成功していた。これが右のビルドアップの方法。

攻撃の工夫

では先ほど解説したビルドアップからどのように攻め込んでいたのか。

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まず、鹿島のSBを釣り出せた場合。これはシンプルにCF(主に20番)が抜け出すことで、CBとの1v1に持ち込むことで攻撃を仕掛ける。この攻撃はシンプルだが鹿島アントラーズを苦しめた。ではSBが出てこない場合はどのようなものだったのか。

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SBを釣り出せない場合はアーリークロスを上げることで攻め込んでいく。ではこれのメリットはどのようなものだったのか。それがこの5つ。

  1. とてつもなくコンパクトな鹿島のラインを下げさせる
  2. DFをひっくり返すことができる
  3. カウンターを受けるリウ区が減る
  4. SH水沼のクロスの精度を生かすことができる
  5. SH柿谷の動きを生かすことができる

これらのメリットがあったので、左と右のビルドアップが非対称になっていた理由だ。そしてセレッソがまず狙ったのは『SBを釣り出す』こと。さらにもう一つ狙ったのは『DMFを釣り出す』こと。これが主に左サイドで行われていた。

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これがその方法。SHが中に入っているので、ここに縦パスを入れるとDMFを中央から引っ張り出すことができる。そしてCBはリターンパスをもらい、中央のDMF(主にソウザ)へボールを預ける。DMFのソウザがここから展開をする事で、セレッソ大阪はボールを保持し、アントラーズを苦しめた。

まとめ

このように工夫を施しながら鹿島アントラーズを苦しめたセレッソ大阪。確実に試合を支配していたと言える内容だったのだが、それでもセットプレーからゴールを奪い、勝利をもごとることができるチームこそが鹿島アントラーズ。まさに「らしい」勝ち方だった。セットプレーでゴールを奪えるチームは不思議と強い傾向にある。いつかこのことについても考察をしてみたい。この勝利で首位に浮上したアントラーズ。より白熱する優勝争いと上位争い。果たしてどのような幕切れになるのか。とても楽しみだ。

 

終わりに

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せリエA インテル vs ユベントス 〜勝負を分けた守備戦術 ユベントス編〜

 

 

はじめに

王者が王者たる所以。監督が変わろうとも、メンバーが変わろうとも、しっかり勝ちきるのがユベントス。しかも大事な試合で勝ちきるのがなんとも「らしい」ものだった。サッリ監督もナポリチェルシー時代で好んで使用していた4-3-3を捨て、4-3-1-2という新システムをここ数試合で行なっている。そしてこの大一番で採用した守備戦術がこの試合の勝敗を分けた。では今回はそのユベントスの守備について紹介していこう。

スタメン

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WhoScored.comより引用

ユベントス守備について

中盤の守備構成

確実にこの試合の勝敗を分けた中盤での守備のせめぎ合い。今回はユベントスに焦点を当てて紹介していこう。それがこのようになっていた。

(白⇨ユーベ 黒⇨インテル

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インテルの中盤3枚に対し、ユベントスの中盤は4枚。ここで推移的優位を作れるので、インテルDMFに対してOMFが、CHに対してはそれぞれIHがマンマークを実施。マンマークをする事で、中央へのパスを遮断し、インテルの心臓であるDMF77番のブロゾヴィッチに仕事をさせなかった。ここでなかなかリズムを作れないインテルは外回りのボール回しになり苦しんでいた。インテルの中盤3枚に対してマンマークを実施するのがこの試合のユベントスの守備の狙いの一つだった。

外回りにさせる守備

上で解説したように中盤をマンマークで守備することにより、インテルは外回りにボールを回さざるを得ない状況に陥る。これこそがユベントスの2つ目の狙い。ではここからどのようにボールを奪っていったのか。

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CBに対してCFが逆サイドに展開させないように牽制する。そうする事でWBにパスを出させる。もちろんシステム上、インテルのWBが開く仕組みなのだが、ユベントスのSBがここまで出てくる事でWBで時間を作らせなかった。可変3バックに似た形でSBが出れば後ろは必ず3バックの形になりサイドを圧縮できる形に持っていっていた。さらにIHがCHを背後で消しながらプレスをかける事で数的優位を作り出し、ボールを奪いってショートカウンターを何度か仕掛けていた。特にこの状況を作り出していたのは右サイド。これは走力のあるクアドラードをRSBで起用していたので実行できたことだろう。参考までにこれがクアドラードのヒートマップとユベントスのヒートマップ。

クアドラードのヒートマップ

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WhoScored.comより引用

ユベントス全体のヒートマップ

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WhoScored.comより引用

これでユベントスインテルを苦しめることに成功していた。

ユベントスの2つの懸念

上手く守っていたように見えたユベントスだが、インテルは2つの「逃げ道」を見出していた、これがこの試合、ユベントスにとって懸念材料となっていた。ではインテルはどこに「逃げ道」を見出していたのか。

1つ目の逃げ道:WB

「WBで奪うことが狙いなのに逃げ道がWB?」と疑問に思うのが普通だろう。これは詳しく言うと「逆のWB」を逃げ道としていた。現にインテルのヒートマップはWBの位置が濃くなっている。

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特にインテルの右サイド、ユベントスでいう左サイドが特に濃くなっている。これは先程、解説したようにユベントスは右サイドを圧縮して奪うことが多かったのでこのようなヒートマップになっている。ではどのようにして逆サイドまで展開していたのか。

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このようにCBがサポートを自陣深い位置で撮ることでCFを引き連れ、GK、またはCBへのパスコースを作り出す。これは逆のCFの位置をみてパスを出す選手を決めるのだが、ほとんど決まってCFの頭上を越すパスでパスを出す。少しリスクは高いがこれで圧縮された状態から逃げ、逆のWBまでボールを届けていた。この形を何度か作られたのでユベントスは攻められる時間帯も少なくなかった。これがインテルの一つ目の逃げ道でユベントスの懸念の一つだ。

2つ目の逃げ道:CF

これが二つ目の逃げ道。ではどのように逃げていたのか。この方法は二つあった。

1つ目の方法

一つ目の方法はシンプルにCFのルカクへ向けての中盤の頭上を越すミドルパス。これがコンテ監督がチェルシー時代、そしてインテルルカクを欲しがった理由。背が高く、体の大きいCFがいることでできる逃げ道。ビルドアップに困った時にこの選択肢があると一気に楽になる。さらにCFルカクが勝負するのはユベントスDMFのピャニッチのところ。ここで勝負するのでほとんどの確率で空中戦に勝つことができ、ボールを収める、良い形でのセカンドボールを作り出すことができていた。

2つ目の方法

二つ目の方法がCHが外へ流れての縦パス。その方法がこちら。

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ユベントスマンマークを利用してCHが外に流れることでIHを引き連れる。そうする事でCFへのパスコースが一瞬できる。ここでCFはDMFの脇に降りる事でCBの判断を一瞬遅らせ、さらにDMFは視野外からCFが出てくるので対応が少し遅れることになる。これでCFは瞬間的に時間ができていた。この縦パスにもユベントスは苦しんでいた印象だ。

まとめ

二つの懸念がありながらも勝ちきることができるユベントス。まさに試合巧者、まさに王者という貫禄があった。もちろん、サッリ監督が守るのではなく、勝ちに行く采配をとったことも無視することはできない。もしも守りに徹していれば、失点して負けていた可能性は高かっただろう。この攻撃的な交代があったからこそ、ユベントスの勝利で試合は終わった。インテルにも大きな期待がかかるが今シーズン、または来シーズンもユベントスの覇権は続きそうな試合運びだった。それぐらいまだ他のチームとは差があるなと感じたものだった。果たしてユベントスはCLを制覇することはできるのか。そして復帰したブッフォンにそのタイトルを届けることはできるのか。今シーズンもCLはもちろんのこと、セリエAにも注目する事が必要かもしれない。

 

終わりに

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セリエA インテル vs ユベントス 〜勝負を分けた守備戦術 インテル編〜

 

 

はじめに

エル・クラシコナショナルダービーノースロンドンダービーマージーサイドダービーマドリードダービー、デア・クラシカー、そしてイタリアダービー。数ある白熱するダービーの中の一つで、その対戦カードがインテルユベントス。そしてこの試合の観客動員数は驚異の7万5千人超え。この人数をみればいかに注目度の高い試合かがわかる。それもそのはず、インテルはコンテ監督になり、リーグ戦無傷の6連勝、一方のユベントスはサッリ監督を招集し攻撃的サッカーで悲願のCL制覇の準備を整えている。今シーズンのセリエAの様子が違うことはサッカーを少しでも知っている方なら感じているはずだ。そしてこのイタリアダービーの結果はユベントスの勝利。この勝敗を分けたのはイタリアらしく、『守備』の部分だった。では今回はこの勝負の分け目になったインテルの『守備』について紹介していこう。

 

 

インテルの守備戦術

インテルの守備戦術はどのようなものだったのか。早速紹介していこう。

中盤の守備構成

まず解説しなければならないのがこの中盤の守備構成について。それがこのようになっていた。

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基本的な守備のブロックとしてインテルは5-3-2を採用。そしてユベントスの中盤の構成はダイヤモンド型でそれぞれのIHに対してそれぞれのCHがつくことで牽制、OMFに対してDMFがマークする事が決まり事としてあった。では浮いたユベントスDMFはどうしたか。ここでもインテルDMFがプレスに行く事が決まり事としてあった。ではこうするとどうなるか。

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ユベントスDMFがフリーでボールを持つと怖いので、そこの時間とスペースを奪うためにインテルDMFがプレッシングを行う。そうすると空くのが中央。そこのスペースをユベントスはまず狙う。インテルはここをカバーするためにCHが絞って対応をする。そして次の選択肢が赤丸のスペース。ここで時間を作れるので、ユベントスはここを中心に攻め込む場面が多い印象を受けた。

SBへの対応

ではインテルはこのSBへの対応をほったらかしにしていたかというとそうではない。きちんとプランを持って挑んでいた。その方法がこちら。

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 上でも説明したように、CHが中央に絞るためSBがフリーでボールを受けれる事が多かったユベントス。そしてここにインテルはWBをぶつける事で対応していた。このようにする事で、SBを前進させず、なおかつ絞ったCHは内側から外側に守備ができる。これで中央を固めつつ、SBへのプレッシングも行い守っていた。

 

なぜ守備網を破られたのか?

インテルDMFがユベントス DMFへプレスに行き、中央が空くという不安材料があったものの、試合を通してしっかりと守る事ができていたインテル。ではなぜユベントスに2ゴール挙げられてしまったのか。その理由は2つある。それがこれだ。

  1. CBが釣り出される状況に陥った事(DMFへのプレスが遅れる)
  2. 5-3-2⇨5-4-1の守備ブロックに変更した事

この2つが挙げられる。ではこれらに解説を加えていこう。

CBが釣り出される状況

これはどのような状況で怒っていたのか。それがこれだ。

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インテルDMFのユベントス DMFへのプレスが間に合わず、SBへ展開される状況下。この時にCBが釣り出される事が多かった。もちろん、SBにボールが出るとWBがプレスを行う。するとユベントス CF(特にロナウド)はその背後のスペースに投げれてボールを受ける事でCBを釣り出す事を行なっていた。そうする事で中央にスペースを空ける。インテルDMFのプレスバックが遅れるため、CHはIHかOMFを同時に見ないといけなくなる。そしてCFはサイドでボールを受け、IHのサポートを使うかスペースに入ってくるOMFを使うか、自らカットインしてシュートを狙うの選択肢を持てる。実際にCFロナウドクロスバー直撃のシュートを放たれたのもこのような形からだった。この状況下に持ち込まれるとインテルは後手の守備になってしまい、苦しい状況に陥っていた。

守備ブロックの変更

コンテ監督からすると悔やまれる守備戦術の変更。ゴールを奪うために取った采配が失点を招いてしまった。ではなぜ5-4-1にした事で失点してしまったのか。

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5-4-1にした事で2れる目の4枚でSB、IH、DMFを見れる状況ができてしまう。そうするとCHがSBにプレスに行ける状況、今までDMFはIHにプレスに行くことはなかったが行ける状況ができてしまう。ここの意識のズレが失点を喫してしまうことになる。SBからIHにパスが出たところでDMFがプレス。そこでDMFはSTにユベントス DMFへプレスに行って欲しかったのだろうがSTはIHを意識。そうすると空いているのは黒丸のスペース。今までならばCHが絞ることで埋めていたが、この状況下に陥ったことで中央が空いてしまった。そしてDMFにも時間ができ、中央に縦パスを通されて失点。変更直後の失点だったのでかなり悔やまれるものだっただろう。

 

まとめ

今回はインテルの守備について触れさせていただいた。ここまで無敗だったインテルユベントスに勢いで勝つかもしれないと期待を寄せていたのだが、やはりユベントスユベントスだった。しっかりと王者らしく、狡猾に勝利をさらっていった。だがインテルはまだコンテ監督が就任して最初のシーズン。そしてまだシーズン始まったばかりだがここまでの完成度を誇っている。これだけでも懇意sーズンのセリエAは少し違うぞという雰囲気を醸し出している。果たして古豪になってしまったインテルはこれからコンテ監督とともに復活を遂げる事ができるのか。今シーズンはかなり期待の持てるものになるのではないだろうか。

 

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Jリーグ サンフレッチェ広島 vs ヴィッセル神戸 〜サンフレ大勝の理由〜

 

 

はじめに

直近5試合で勝利のないサンフレと直近5試合で4勝1敗、全て複数得点と波に乗るヴィッセル神戸の一戦。対照的な勢いで臨んだこのゲームは蓋を開けてみればホームチームサンフレが6ゴールの圧勝。しかも内容もかなり良く、勝てない試合が続いた鬱憤を晴らすような試合だった。ではなぜここまでゴールを奪う事が出来たのか。今回はsれを紹介していこう。

 

サンフレッチェ大勝の理由

STとCHの関係

一番大きく関係しているのがSTとCHの関係。ではどのように崩したのか。

(黒⇨サンフレ 白⇨ヴィッセル

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だいたい上の図のような形で崩す事が多かった。基本的にサンフレWBが幅を取っているので、神戸のWBはサンフレWBをマークするタスクがあっただろう。そうする事で、STを捕まえるのはもちろんCBになる。そこでSTがハーフスペースからCBの脇に流れる事でハーフスペースを空けつつ、CBをサイドに引き連れる、注意を引く事ができる。そしてここのハーフスペースを使うのがCH。ここの「出ていく」事、「入っていく」事の関係性がとてもよく、これが神戸のDF陣を混乱に陥れた。

CBの持ち上がりと攻撃参加

上のSTとCHの関係性を生かすために必要だったのがCBの持ち上がりと攻撃参加。これがあることにより、数的優位を作り出し、そして大勝を収める事ができた。ではなぜ攻撃参加が出来たのか。

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 このようにサンフレの3バックに対して神戸は2トップ。ここで数的優位を作り出す事で、必ずサイドのCBのどちらかがフリーでボールを運ぶ事ができる。また神戸の2トップはあまりボールホルダーに対して守備を行なっていなかった。さらに神戸の守備の陣形が5-3のブロック。そうすると相手いるのがCBの前。ここにCBが進出する。そうするとこのような状況に持ち込める。

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持ち運ぶ事で、次の状況にも落ち込む事ができる。その状況がIH vs CH/CBの状況。ここでも数的優位を作り出せるので、圧倒的に攻撃側が優位に立てる。IHはCHのマークを捨てる、中央を空けてプレスに行くか、それともCBを自由にさせるのか、判断が難しい状況に陥る。そしてこの試合はIHがプレスにこない事が多かったので、ここから起点となるパスを出し、1点目、2点目を奪っている。

マイナスのクロスとサンペールのカバー能力

このマイナスのクロス。これがこの試合を決定づけるものになった。そしてこのマイナスのクロスまでの持って生き方は上で紹介したことに関連している。

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上で紹介したCBの持ち上がり。そこからSTの抜け出しでCBを釣り出す。そうすると、中のDFはクロスに対してラインを下げるので、IH、DMFのライン間にスペースができる。ここを本来ならば埋めなければならないのだが、DMFのサンペールとIHのイニエスタはここを埋める能力がある選手ではないので、ここにスペースができていた。STが作ったスペースをCHが走り込み、使うことでゴールを何度も脅かし、そして似たような形で2ゴール奪っている。このマイナスのクロスに対する、スペースを埋めれなかったので、この再現性のある攻撃を仕掛けたことにより、神戸は大量失点を喫し、サンフレは大勝する事ができた。

ドウグラスヴィエイラの存在

彼が戦列に復帰したことによる影響は大きなものをサンフレにもたらした。ロングボールをつけれ、そして収まるので2列目、3列目の選手は安心して前へ出ていく事ができる。そうすると自然と攻撃に厚みが増し、全体を押し上げる事ができる。コンパクトに保つ事ができるのだ。またクロスに対して高さと強さという武器ができるので、今回のようなマイナスのクロスが活きてくる。さらにはWBからのアーリークロスのターゲットにもなれる。このように攻撃面だけでも多くのものをもたらしてくれる選手なのだ。さらには守備面でもプレスをかけるスイッチの役割を担い、しっかりと前線から限定する事ができる。このように攻守に渡り、影響力のある選手がこの試合で戻ってきたことも大勝したおきな要因だろう。

 

サンフレの全ゴール(動画)

これが6ゴールを奪った全ゴールだ。とてもスリリングな面白い試合だった。

 

まとめ

なんとか上位争いに踏みとどまる事ができたサンフレッチェ広島。そしてこの試合で様々な良い点を見受けれる事ができた。もちろん6ゴールといったインパクトの強いものに目を惹かれてしまうが、2点を奪われてしまったが組織的な守備でこれからも堅守を誇るものになると感じさせる内容だった。さらにインテンシティも高く、走れる選手が揃っている。若手とベテランの融合が上手くかみ合っているサンフレッチェ。優勝は厳しいものかもしれないがなんとか首の皮一枚繋がっている。ここから勝ち続ければ奇跡の逆転優勝もありえるかもしれない。最後まで今年のJリーグも目が離せないものになっている。

 

終わりに

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Jリーグ ジュビロ磐田 vs 横浜FM 〜『観れる』マリノス〜

 

はじめに

まさかの首位FC東京の逆転負け。それによりとうとう勝ち点1差まで迫った横浜FM。そして今節は熾烈な残留争いの渦中にいるジュビロ磐田とのアウェイゲーム。ジュビロ磐田に苦しみながらもしっかりと勝ち点3を獲得し、また優勝に一歩近づいた。では今回は横浜FMについて紹介していこう。

 

横浜FMについて

マリノスが苦しめられた事とは?

マリノスジュビロ磐田に幾度となく苦しめられた。ではどのように苦しめられていたのか。それを解説していこう。

シンプルに背後を使われる状況

立ち上がりから見られたジュビロ磐田の明らかな狙い。シンプルで強力な攻撃を仕掛けられたのでマリノスは苦しい状況に陥った。そのジュビロの方法がこちら。

(白⇨ジュビロ 黒⇨マリノス

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まずSBで幅を作り、そしてCBへリターンパスをする事でCBで少しだが時間を作る事ができる。そこでSBは前進し、SHが中に入る。そうする事で、マリノスSBを釣り出す事に成功し、SBの背後のスペースが空く。本来ならばあまり空く事のないこのスペースだが、マリノスの相変わらずのハイラインなのでここのスペースが空いてくる。そしてCFがここに抜ける事で一気に押し上げる事ができる。またSBが一列前、SHが中に絞った事でこのようなメリットもあった。

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CFがサイドに抜け出したのでCBを釣り出すことに成功。そうすると中央のスペースが空くのでそこを内側に入ったSHが使う。ここでマリノスCHは頭を越されているので背走している状況。だから圧倒的に不利な状態になっていた。さらにはSBも背走している状況かつ、ジュビロのSBは前向きな状態。ここでも不利になっていた。この試合はこのような状況を作り出されることが多く、(特に立ち上がり〜15分あたり)ボールが行き来するのでボールを保持する事が難しく、苦しい時間がいつもより多かった印象があった。

DMFからのサイドチェンジ

次に苦しめられたのはジュビロDMFからのサイドを変えるボール。ジュビロはうまくDMFで時間を作る事で試合をコントロールする事が多かった。ではなぜマリノスはDMFで時間を作られてしまったのか。

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ポイントはマリノスCHの脇にCFが降りてきていた事。そうする事でCHはDMFまでプレスに出る事が難しくなる。その理由はDMFまでプレスに出ると中央を開けることになり、CFへの縦パスで一気にセカンドラインを無力化されるから。だからこそジュビロのDMFのどちらかはフリーでボールを受けれる状況が多くあり、そして時間を作る事ができてた。そこからサイドを変えることで幅を作り、目線を変え、そしてクロスから攻撃を仕掛ける事が多くあった。(特に50分〜65分あたり)これも苦しめられた理由の一つだ。

CFへの縦パス

最後にこれも大きく苦しめられた原因の一つ。良くも悪くもマリノスは前がかりりなプレスを試合を通して行うため、プレスがかかりきらなかった時にここにボールを入れられ、収められるとカウンターを受けてしまう。

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このようにCBからのミドルパスでCFルキアンにボールを収められる事、フリックされる事があったので、早い展開が多く続いていた。マリノスにはチアゴマルティンスというJ屈指のCBがいるのでこのようなパスを使うチームは少ないのだが、ジュビロ磐田はあえてここで勝負する事で何度かチャンスを作り出していた。

これら3つがマリノスを苦しめた理由だろう。

『観れる』マリノス

この試合、顕著に現れた『観る』こと。サッカーで『観る』ことは当たり前の事なのだがマリノスの『観る』レベルの高さに驚きを隠せなかった。では『観る』とは具体的に何を観るのか。主に4つに分けられる。

  1. 相手
  2. 味方
  3. ボール
  4. スペース

この4つをしっかり『観る』事が大切だ。もちろん、これをさらに深掘りしていくとまだまだあるのだが、今回はこの4つで考えていく。そしてこの試合、マリノスがよく『観て』いたのが「相手」だ。具体的に言うと「相手の出方」をしっかり観ていた。マリノスはどの試合でもやっている事なのだが、この試合は特に現れていたのではないだろうか。ではどのように『相手を観て』いたのか。それを少し紹介しよう。

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まずSHが行なっていた「SBが着いてこれる距離」の確認。これを行う事でSHあで時間を作れる事が多かった。さらにSBに対するジュビロSHのプレス。ジュビロSHは必ずと言っていいほどSBへプレスを行なっていた。だからSBはこの試合、いつもよりも内側にポジションを取る事が多かった。そうする事でSHをフリーにする事ができるからだ。またこのような方法も行なっていた。

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敢えてSBがプレスにこれる位置でボールを受ける事でスペースを作り、そこへボールを流してCHを走り込ませる方法。これも相手の出方を観れている、かくにんでき、そして共有できているのでこのスペースを使う事ができる。実際にこの形は仲川の追加点が生まれる前のプレーで行なっていた。ここでは二つの分かりやすい場面を紹介したが、この試合は特にマリノスの『観る』レベルが際立っていた。

 

まとめ

前節は追いつかれてしまい、勝ち点を失ってしまったが、今節はしっかりと追加点を奪い勝ちきることに成功した。観ていて楽しく、そして確実にやっていて楽しいサッカーだろう。そしてその根本にあるのがサッカー理解度の深さと観ることの徹底。だからこそ観戦者も気づく事が多くあるのだろう。Jリーグも残り少なくなっていたところで調子を落とさないマリノス。このままシーズンを突っ走る事ができるだろうか。そして栄冠を手にする事ができるだろうか。とても興奮する展開になっている。

 

終わりに

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