サッカー戦術分析ブログ〜Football Base〜

Jリーグ・プレミアリーグ・セリエAを中心に解説をしていきます。

FA カップ ボーンマス vs アーセナル 〜CHのバックライン参加・不参加〜

 

 

はじめに

ボーンマスとの前回対戦、それはアルテタ監督の初陣だった。その時はアーセナルが追いついて1-1のドローゲームに終わった。コンペティションは違うが、アーセナルは又してもアウェイでのボーンマス戦。過密日程ということもあり、メンバーを少し落とそての一戦となった。ドローゲームが3試合続く中、ようやく手にした勝利。そしてこの試合で、どういった状況でCHがバックラインに参加するのか、参加しないのか、終盤にどのように守っていくのかの改善点が見受けることができた。では今回はこの2つについて紹介していこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

これがお互いのスターティングメンバー。では早速、CHがバックラインに参加する場合としない場合、終盤の守備の改善点について解説していこう。

 

CHのバックライン参加の有無

アーセナルのビルドアップは基本的にCHのジャカがバックラインに入ることで3バックを形成し、ボールを前進させていく。だが、これだけだとプレスを呼び込んだ時にはめられることが多かった。そこで、アーセナルはCHがバックラインに参加する場合、しない場合を使い分けるようになる。

バックラインに参加する場合

まずはバックラインに参加する場合を紹介しよう。

2トップでのプレス

まずはボーンマスのプレスに起因してのCHのバックラインの参加。

(黒⇨ボーンマス 白⇨アーセナル

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ボーンマスは2失点を喫するまでは4-4-2の形で守備ブロックを形成。WGが2トップの一角に入ることで2CBに対してプレスをかけながら、中央に位置するCHへのパスコースを消す。さらにIHとDMFも牽制することで4人で囲う形だ。こうすることで、DMFとIHがCFとOMFの縦パスを消すことができ、中央を締めることができる。

このように2トップでプレスをかけてくると、CHがバックラインに入ることが多かった。これはバックラインで数的優位を作るためにこのような形をとる、さらに、このようにすることで、ボールとは逆サイドのWG、SBがフリーになるので、サイドチェンジで打開することも可能だ。シンプルにバックラインでの数的優位を作り出すため、SBを押し上げるため、サイドチェンジで展開を変えるためにCHがバックラインに参加する。

IHを釣り出す働き

さらにもう1つ。戦術した2トップでのプレスに加えて、IHを釣り出すためにバックラインに参加する。よくわかるのがこの試合で奪ったゴールだ。

まずはこれを見て欲しい。

 

 これを噛み砕いていこう。

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このようにCHがバックラインに参加することで、IHを釣り出すことに成功。ここでCHがバックラインに下がったので、SBが入れ替わるように高い位置を取る。これで黒丸の部分でSBはスペースを持つことができる。そしてバックラインでサイドを変え、逆のSB、WGをフリーにする。これで赤の四角のエリア、ライン間に広大なスペースができる。そしてこの試合、CBのムスタフィからSBのサカへの斜めのサイドチェンジが見られた。またこのゴールのようにOMFのウィロックからSBへのサカへのサイドチェンジも多く見られた。このようにサイドチェンジを有効にするため、そしてライン間にスペースを生むためにCHがバックラインに参加する。ここを上手に使うことのできる、エジル、ウィロックの存在がアルテタ監督のアーセナルで重要なタスクを担っている。

 

これらがCHがバックラインに参加する場合だ。

 

CHがバックラインに参加しない場合 

では次にCHがバックラインに参加しない場合を考えてみよう。

1トップでのプレス

2トップの場合にバックラインに参加するのであれば、1トップの場合はもちろん参加しない。

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このようにボーンマスは2失点後、4-5-1のブロックで守備をすることが多くなる。こうなるとCHはバックラインに下がることが少なくなり、SBのベジェリンが3バックの一角を担うことが多くなる。こうすることにより、SBのサカが引き続き高い位置を取ることができ、さらにはCHがCBからの縦パスのコースを作ることができる。これが1つ目のCHがバックラインに参加しないパターン。そしてもう1つある。

ディフェンディングサード

そしてもう1つ。これがディフェンディングサードから丁寧にボールを運ぶ時。この時には必ずと言っていいほどCHがバックラインに参加しない。アルテタ監督が就任してからの数試合はCHがバックラインに参加することが多かったが、ここ数試合は参加することがなくなった。その理由が、先ほども少し触れた「CBの縦のサポートを作るため」と「相手のプレスを呼び込まないため」だろう。何試合も相手のプレスを呼び込むことでロングボールを蹴らざるを得ない状況に陥っていたアーセナルはここをしっかりと改善していた。後ろから丁寧にビルドアップする場合はCHがバックラインに参加しない。

 

CHがディフェンディングサードでバックラインに入らない確かな理由がある。それがこちら。

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これは80分10秒からのビルドアップ。ボーンマスは75分の交代で3バックとなり、前からのプレスを強めた。上の図のようにCHがバックラインに入ったことで、ボーンマスのプレスを呼び込む。そしてCBがWGへの縦パスをカットされてしまい、シュートまで持って行かれてしまった。CHがバックラインに入り、ビルドアップをすると、この縦パスを奪われた時に、赤の四角のエリアをカバーする選手がいなくなってしまう。今までの試合でこのような状況が多く見られたので、ディフェンディングサードからのビルドアップでCHがバックラインに入ることがなくなったのだろう。

 

これらがCHがバックラインに参加しない場合だ。

 

試合終盤の守り方

アーセナルは先述した80分10秒からのビルドアップ失敗から、配置を変えて試合を締めにかかる。これでリスクを管理し、試合を終わらせにかかったことがわかった。

ではどのように試合を終わらせにかかったのか。

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このようにCHのジャカがCB化して5バックの形をとり、中央に残るCHの脇のスペースをWGのウィロックとOMFのセバージョスがCH化することで埋める。これで5-3-2のブロックを作り、2トップを残すことでワンチャンスのカウンターの可能性も残し、試合を終わらせにかかった。今までは4-4-2のブロックで守り切ろうとして守れなかったので、このような準備をしていたのではないだろうか。とても良いリアクションだと個人的には感じた。だが試合終盤に失点してしまったので、まだ改善は必要そうだ。

 

まとめ

試合終盤に失点をしてしまい、またもやクリーンシートがお預けとなったアーセナル。先制点を奪えるだけに、勿体ない感じがする。裏を返せば、守備が良くなれば、勝ち点を拾えるということだ。守備の修正、テコ入れが終われば、タイトルレースに復帰できるのではないだろうか。そしてそのテコ入れには確実にバックラインの補強が急務だろう。この試合でもCBのムスタフィが怪我で交代をしてしまった。左SBとCBの層が明らかに薄く、アルテタ監督もやりくりに苦しむだろう。冬のマーケットももうすぐ閉幕。果たしてローンで誰かを連れてくることができるのか。はたまたこのままのスカッドで戦うのか。補強の有無でこれからのリーグ戦、カップ戦の戦いに影響を及ぼすだろう。アルテタ監督の対応と修正にこれからも注目していきたい。

 

まとめ

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