サッカー戦術分析ブログ〜Football Base〜

Jリーグ・プレミアリーグ・セリエAを中心に解説をしていきます。

LaLiga バレンシア vs バルセロナ 〜ボールを捨てるバレンシアの策〜

 

 

はじめに

週末に行われたビッグゲーム。それがバレンシアvsバルセロナバルセロナはバルデルデ監督を更正し、キケ・セティエン監督を招集。彼が就任してはじめのゲームでパス本数1005本、ポゼッション82%とグアルディオラ監督時代のバルセロナを彷彿とさせる戦いをグラナダ相手に演じた。コパデルレイでは苦しんだがグリーズマンの活躍により勝利を手にした。そして迎えたラ・リーガ。相手はリーグ戦、ホームで負けなしの難敵、バレンシア。この試合がキケ・セティエン監督にとって最初のビッグゲーム。この難しい相手にどのくらい戦うことができるのかが注目された。そして結果は2-0でバレンシアの勝利。内容でもバレンシアの方が良かった。ではなぜバルセロナはボールを支配しながらも敗戦してしまい、なざバレンシアは勝つことができたのか。今回はこの要因を紹介していこう。

 

スターティングメンバー

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引用:https://www.whoscored.com

バレンシアはソリッドな4-4-2で挑む形。唯一の懸念はスタートからロドリゴが使えないことだろうか。一方のバルセロナは4-3-3の形。4-3-3の形から3-1-4-2の形に変形するので、フォーメーションの表記が難しいところではある。では早速この試合について紹介していこう。

 

バレンシアの策

まず紹介したいのがバレンシアの策について。バレンシアのボールを捨てる守備戦術でバルセロナにボールを持たせ、危なげなくゴールを守った。その方法がこちら。

(黒⇨バレンシア 白⇨バルセロナ

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バルセロナのビルドアップに対してバレンシアはこのような守備ブロックを敷く。簡単にいうと三角形の形でブロックを作り出す。こうすることで何が良いのか。バルセロナのビルドアップ時、そしてビルドアップ完成の形は3-1-4-2または3-1-2-4。これに対応するため、このような形になる。まず2トップでDMFのパスコースを消す。次にセカンドラインで中央に位置するCF(グリーズマン)とWG(メッシ)へのパスコースを徹底的に消す。そしてバックラインで幅をとっているSBとWGを牽制。さらにCFとWGに万が一、パスが入ったらいけないのでCBでCFとWGを牽制する形をとる。こうするとバルセロナは黒の四角のエリアまでは簡単に運べるのだが、「そこから先」に進めない。そしてIHがボールを運び出すとここにSHがプレスをかけて徐々にサイドを圧縮してボールを奪う、またはバックパスを選択させて攻撃をやり直させる。これでバレンシアバルセロナにボールを「持たせる」ことに成功する。

バルセロナのネガトラを回避する術

バレンシアは守備を上手く機能させ、ボールを「持たせる」ことに成功する。そして「ボールを奪ってから」も上手く対処していた。バルセロナが厄介なのが、失ったボールをすぐに回収にかかること。これを掻い潜らないとバレンシアに勝機はなかったが、見事に掻い潜っていた。ではどのように掻い潜っていたのか。

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このようにボールをサイドまたは中央で奪うと、バルセロナは一気に圧縮してくる。CHに対してDMFとIHが、ボールホルダーに対してはCF(またはWG)とボールサイドのIHがプレスをかける。これでボールをすぐに奪還してカウンターを防ぎ、ショートカウンターを仕掛ける。いわゆるカウンタープレスだ。だがこれにももちろん弱点がある。バレンシアはそれを上手く突いていた。それが上の図で表した赤の四角のエリア。DMFがプレスに出ることが多いので、このスペースが空いてくる。ここにボールホルダーがシンプルにミドルパス、またはロングパスを送ることでプレスを掻い潜ることを試みた。もちろんバルセロナもここの対応を怠っているわけではない。ここに対してCBがしっかりと競りにいくことで自由にはさせなかったが、ここの競り合いに勝てるCFがバレンシアにはいた。ここでボールを収めてSHとSBが黒のスペースに出て行く。または赤線のようにCFが同サイドに出て行く。ここで肝なのがSBの背後を狙うこと。バルセロナはここにスペースができるので、SBの背後を使うことで時間を作り、バルセロナの選手を敗走させることに成功した。

 

このやり方でPKの獲得や先制点、そして追加点を奪っている。

 

バルセロナが前進できなかった理由

ではなぜバルセロナがボールを持ちながら、前進できなかったのか。それはバレンシアの守備も関係しているが、それ以前にサポートの少なさがあったのではないだろうか。

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特に前半のバルセロナ、55分に22番のビダルが入るまではこのような深刻な問題に陥っていた。幅をとった選手がボールを持つとほとんどの確率で上の図のように孤立してしまう。それはIHがその場に留まり、後ろのサポートを行なってしまうこと、中央にいるCF、またはWGのサポートの距離がシンプルに遠いことに起因している。こうなってしまっていたので、黒の四角のエリアで圧倒的な数的不利に陥り、バレンシアのブロックの外側でボールをひたすら回し続けるという状況に陥っていた。

 

後半のバルセロナの修正

このような状況に陥ってしまったが、ハーフタイムでしっかりと修正を施した。まず1つ目がこのような修正。

メッシのポジショニング

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WGのメッシのポジションがより中央、1.5列目のポジションになる。これでサポートの距離を改善する。実際に後半の立ち上がり、WGのファティのフィニッシュの場面はメッシが中央に位置し、良い距離感で抜け出している。

IHの飛び出し

そして2つ目。これがとても効いていた。それがIHの飛び出し。

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これは特に55分に投入されたビダルがよく見せたプレーだ。IHのデヨングはハーフスペースに飛び出すことが多く、ビダルは中央に飛び出すことが多く見受けられた。ビダルが中央に飛び出すことで、クロスのターゲットマンになり得え、そうすることでマイナスのクロスにメッシが合わせることができる。このようにして修正を行い、幾度となく、メッシにシュートチャンスを作り出すことができたが、決め切ることができなかった。どれか一本でも決まっていればまた展開は変わっていたのではないだろうか。

 

まとめ

結果もさることながら、内容でも勝ったバレンシア。このように決めたことを徹底して戦い抜けるチームはシンプルに強い。いくら格上相手だろうと勝利を掴む事ができるということを証明する試合だった。そしてその勝利にはきちんと裏付けされた守備戦術と攻撃戦術があり、バルセロナの良さを消し、弱点を突く、賢明なものだった。一方のバルセロナ。セティエン監督初のビッグゲーム。このように内容も奮わないものだと、メディアからの風当たりもきつくなるのではないだろうか。バルデルデ監督の時のソリッドな4-4のブロックがなくなり、守れなくなってしまっている。さらには良くも悪くも、カウンターを自ら「止めてしまう」ようになった。バルセロナらしいといえばバルセロナらしいが、果たしてこれが良いものかどうなのかはまだわからない。そうとは言ってもまだ3試合しかこなしていないキケ・セティエン監督。ここからどのような魅力的なバルセロナ作り、そして魅力的なサッカーを見せてくれるのか。とても楽しみだ。

 

終わりに

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