【前進はできるが…】Premier League 33節 アーセナル vs エバートン

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両者共にもう黒星は許されない。そんな中で迎えたビッグマッチ。アーセナルはヨーロッパ大会の参加権の確保のために、エバートンはCL出場の一縷の望みを繋ぐために。激闘となることは必至の試合だった。そして結果はエバートンの勝利に終わる。だが内容に目を向ければ、「アーセナルはこれで負けてしまうのか」というものだった。PK取り消しという不幸もあったが、内容とは裏腹に結果が伴わないこともサッカーの面白さの一部だろう。では今回はアーセナルの前進方法についてに触れていこう。

 

 

 

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アーセナルの前進について

早速、アーセナルの前進について触れていこう。個人的にこの試合でのアーセナルの前進は良かったと感じた。しっかりと狙いを持ってエバートンのプレスラインを上手に掻い潜っていた印象だ。

ではどのようにアーセナルはプレスラインを越えていたのだろうか。

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可変するアーセナルの形

まずはアーセナルのビルドアップの形から。アーセナルはSBにジャカが入っていることで3バックの形を簡単に作り出せる。こうすることで右SBが高い位置を取ることが可能になる。さらにCHトーマスが2トップの間(中央)に残り、スミスロウとセバージョスがIHのようなタスクを担う。左SHのペペは常に幅を作るようになっていた。

ではここからどのように前進していたのだろうか。

この試合では主に3つの前進方法を見受けることができた。

①:SHの背後を取る

一番頻繁に見受けることができたのがセバージョスがSHの背後に流れてボールを引き出す動きだ。

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SHの背後を取る

エバートンは3バックに対してリシャルリソン、ハメス、C・ルーインを当てに行く守備を行う。これに対してアーセナルはジャカ、マリ、ホールディング、トーマスの数的優位に立てているので、割と自由にボールを持つことができていた。そしてジャカにボールが渡ると、CHトーマスが顔を覗かせる。こうすることでCHアランをピン止め。さらに同時にセバージョスがサイドに流れる。これでジャカからセバージョスがボールを受けてフリーになれるようになっていた。ここでフリーになれるもう1つの理由が、ペペが幅を作ってSBをピン止めしているからだ。これで、1stプレスラインを越えて攻撃の起点を作り出していた。

 

②:CHの背後を取る

次に見られたのがミドルパスでCHの背後を取る方法だ。

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CHの背後を開ける動き

このようにセバージョスとスミスロウが最終ラインの近くに降りることでエバートンCHを釣り出し、DF-MFのライン間を開ける。

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ミドルパスでプレスライン突破

そして上の図のようにCBもしくはGKからミドルパスを打つことでCFヌケティアへボールを届ける。これでプレスラインを突破する方法も見受けることができた。

 

③:ハーフスペースを取る

そして3つ目がハーフスペースをシンプルに取るパターン。これは左サイドで多く見受けることができた。これには理由があり、SHペペが常に幅を作っていることで、SBを外にピン止めしているからだ。ではなぜハーフスペースを取れたのだろうか。

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セバージョスがHS攻略

この場合もジャカにボールが出るとCHトーマスが顔を覗かせることでCHアランを釣り出す。これでセバージョスがアランの斜め背後を取ることでボールを引き出す。この時にCFヌケティアがボールサイドCBの近くに立つことでCBをピン止め。これでセバージョスが前向きにボールを持つことができていた。

このパスは非常に難易度が高いが、ジャカがSBに入っていることでこのプレスラインの越え方ができていたのではないだろうか。

 

前進はできるがその先は?

特に前半はエバートンの守備がコンパクトなこと、さらにプレスバックは早かったことで、攻撃を完結させることが難しくなっていたのは否めない。だが後半に入り、エバートンも前に出てくる頻度が上がった時の攻撃の完結方法に少し物足りなさを感じたのは事実だ。サイドの崩しのアイディアが少ないこと、崩した先のクロスが短調なこと、マイナスのクロスの選択肢を準備し切れてないこと、など色々あったように感じた。これはラカゼットがいるとまた変わってくるだろうが、ここの改善はマストだろう。リーグでのヨーロッパの大会出場権獲得が現実的に難しくなってきたアーセナル。望みはヨーロッパリーグだ。来週闘うのはエメリ率いるビジャレアル。難しい試合になることはわかり切っている。果たしてどのように戦っていくのか。とても楽しみだ。

 

 

 

 

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【内容の改善の攻守】Jリーグ 11節 鹿島アントラーズ vs ヴィッセル神戸

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相馬監督に代わり、公式戦3戦目。今節対戦した相手はビッグネームをかき集め、そして今季こそ上位進出、リーグタイトルの獲得を目指すヴィッセル神戸。この難敵相手に、アントラーズは良い内容で戦うも、勝利を掴めなかった悔しい結果に。では今回はこの試合の内容についてレビューをしていこう。

 

 

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ビルドアップについて

まずはビルドアップについて。この試合でアントラーズは『SBを押し上げて幅を作ること』、『三竿が降りること』、『SHが中に入りOMF化すること』を行っているように見えた。

ビルドアップについてはYouTubeでも解説しているので、こちらもご覧になってもらいたい。

 

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ではこれについて解説していこう。

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基本的な配置

まずこちらがこの試合でのアントラーズの基本的なビルドアップの配置となっていた。

上の図のように三竿が「CBの外側」に降りることが多くなっている印象で、そうすることでSBが高い位置で幅を作り出すことが多くなっていた。こうすることで、最終ラインでヴィッセル2トップに対して数的優位を作り出すことができていた。さらに、SBを押し上げたことでSHが中に入ることが多くなる。これがこの先の前進に大きく有利に働く要因になっていた。

ではどのようにプレスラインを越えていたのだろうか。

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荒木のヘルプ

基本的に2CBと2CHでプレスラインを越えようと試みるのだが、ヴィッセルも中央経由で前進させないように、3列目中央に残るCHを消す立ち位置をとるようになる。このようになったときに、OMFの荒木が下がってヘルプを行う。これが相馬監督になってかなり整理された局面ではないだろうか。これがあるからこそ、特に三竿が「迷ってボールを持ちすぎる」ことが少なくなり、シンプルにプレーがしやすくなっている。

さらに、これはあまり見られなかったが、ヘルプを行った荒木が消された場合にはSHが追加でヘルプを行うことで前進の手助けを行っていた。だからこそ、土居や白崎が下がってボールを引き出す動きを見受けることができた。

 

そして相手のプレスを見て、以下のようにライン突破を行っていく。

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CHが出てきた場合

このように荒木がヘルプを行った時にCHが捕まえにくれば中に絞ったSHに縦パスを打ち込むことで前進する。

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SHが捕まえにきた場合

またSHが中に絞って捕まえにきた場合はシンプルに幅を作るSBで時間を作ることが簡単になる。

 

このようにしてアントラーズは前進することができていた印象だ。もちろん、三竿や町田が2トップの脇を持ち上がって縦パスを入れる場面もあった。だからこそ、特に町田からのパスも多くなっていた。この設定ならば、町田のポテンシャル(もちろん犬飼も)を存分に活かすことができるのではないだろうか。

(YouTubeではビルドアップについて詳しく話しています。ぜひご覧下さい!)

 

攻撃の局面

ではビルドアップでプレスラインを越え、攻撃の局面に入るとアントラーズはどのように攻撃を仕掛けていたのだろうか。この試合で見せた攻撃の設計は前節の徳島戦とは少し色合いが違った印象を受けた。

では攻撃について解説していこう。

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攻撃時の大体の配置

この試合のアントラーズはSH、OMF、CFmp4枚がかなり近い距離でプレーをしていた。これは確実に徳島戦と変わっていたことだ。かしまわりさんが『白崎をフィニッシャーに設定したいのかも』触れていたが、まさにそのように見えた。特に前半はそのように設計されているように映る。

もっというと、CFの背後にSHを配置することでクロスに対して浮いた位置でフィニッシュに持ち込めるように設計されていた。

だからこそ、上の図のように前線4枚が近い位置でプレーしてヴィッセル全体を中央に寄せて、SBを大外でフリーにするように設定。さらに、これを行うことでCBも時間とスペースを持てるようになっていた。

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CBの持ち上がりとパスコースの確保

そしてCBの持ち上がりから相手を動かして攻撃を仕掛けていく。特に町田の持ち上がりと縦パスがかなり効いていた。この時に外側と内側のパスコースを確保していることで、彼から有効なパスを供給できていた。さらにCHの三竿もCBと入れ替わりで下がり、サポートを行うことで町田の逃げ道を作っていた印象だ。

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クロスからの攻撃

そして上の図のように、SBからのクロスから攻撃を完結させる。この時にSBで時間が持てるのは、SHが中に入ることでヴィッセルSBをピン止めしているから。だからこそ、その遅れの分だけSBが外で時間とスペースを得ることができる。(CB→SH→SBの経路で時間を作ることもある)

これでクロスを供給する場所が先ほども少し触れたように、CF上田の背後のSH、もしくはCHまたはOMFへのマイナスのクロスで攻撃を完結させる。このクロスの質、特に永戸からのパスはかなり質の高いものだった。だからこそ、簡単にシュートで終えることができていたのではないだろうか。

もちろん、SBからの攻撃が厳しい時はリセットすることも可能になっている。

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リセットと逃げ道

このように、SBの攻撃が行き詰まった時にCBのサポートを使うことで一度攻撃をリセットする。そしてCBから逆サイドへの対角のパス、またはシンプルなクロスを供給、縦パスで展開を変えて攻撃を仕掛けていた。

 

このようにしてアントラーズは攻撃を仕掛けていた。徳島戦とは違った攻撃を見せたことは良い感触なのではないだろうか。

 

ヴィッセルの前進とアントラーズのプレス

ではアントラーズのプレスはどうだったのだろうか。個人的にはこの試合も嵌っていたと感じるものだった。その狙いが完璧に出て、わかりやすかったのが立ち上がりの1:00~からと15:30~のシーンだ。

これは前節の徳島戦と同様に、サイドで奪うことを狙っていた。

 (以下が前節の徳島戦のレビュー)

www.soccer-bunseki.com

 

ではこの試合のプレスの掛け方について触れていく前にヴィッセルの可変するビルドアップについてを解説していこう。

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ヴィッセルの可変

この図のようにヴィッセル神戸はサンペールがCBの間に降りることで3バックの立ち位置をとる。こうすることでSBがWBの役割、SH井上がCHの立ち位置へ、CF郷家がSTの立ち位置を取るようになっていた。唯一立ち位置がはっきりしていなかったのがSHのマシカだ。だから彼が機能することがなかったのではないだろうか。だがゴールシーンでも見せたように、彼のポテンシャルはかなり高いので、これからチームに馴染んでくると、これまた厄介な選手になりそうだ。

ではアントラーズはこのビルドアップに対してどのようにプレスを当て嵌めに行ったのだろうか。

 

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プレスの当て嵌め方

このようにアントラーズは「SHのプレス」が スイッチとなっていた。(外側のCBに出るとSHがプレスを行う)

この時にOMF荒木の立ち位置で、中央へのパスコースを消す。こうすることで幅を作り出す選手へのパスを選択させる。もちろん、ここを潰しに行くのがSBだ。ここでボールを奪うことで一気にショートカウンターに持っていく。当然、背後ではスライドを行ってリスク管理。SBの近くに立っているSHをCBがスライドして捕まえ、さらにCHを近くに立つことで2枚で対応。こうすることで徳島戦で行われていた、「中央→落とし→サイドチェンジ」のプレーを根元から消しにかかっていた。だからこそ、この試合はサイドチェンジを打たれる回数が前節より圧倒的に少なかった。

このようにして、アントラーズはプレスを当て嵌めることで守備を行い、攻撃に繋げていた印象を受けた。

 

ストライカー、上田

そして最後に触れたいのが上田だ。この試合の同点ゴールを挙げた上田。身体の向きの作り方、そしてボールを受けるタイミングと場所。トラップのボールの置き所。身体の強さはもちろんのことながら、繊細さも持ち得る。1プレーでゴールを仕留め切る。まさにストライカーだ。確実に上田は日本を代表するストライカーになるだろう。ここからゴールを量産して、規格外のストライカーへ成ってもらいたい。

 

 

 

 

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【アントラーズの守備はどのように変わったのか?】Jリーグ10節 徳島ヴォルディス vs 鹿島アントラーズ

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ザーゴの解任。果たしてこれは吉と出るのか、凶と出るのか。これが気になる方は多いのではないのだろうか。そして迎えた相馬新監督の初戦。この試合を見事に初戦を勝利で飾った。何よりもどんな内容であれ、勝利が必要だったこの試合で勝てたことは大きな収穫だ。そしてこの試合で明確に変わったのが守備だろう。

今回はどのようにアントラーズの守備が変わったのかについて触れていこう。

 

 

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アントラーズの守備について

  • ザーゴと何が大きく変わった?

まず触れていきたいのがザーゴ前監督から相馬監督に変わり変わったのがプレッシングだ。ザーゴが中心に見据えていたのがハイプレスだ。これが嵌ればショートカウンターでかなりの威力を発揮していた。だが今季は1stプレスが上手く決まらず、思った場所(中央でCHまたはCBで奪いたい)に誘導できずに、サイドで起点を作られ、広い方へ展開されて攻撃を受ける場面が多くなっていた。

そして相馬アントラーズの初戦となったこの試合。相馬監督が採用したのはミドルプレスだ。このミドルプレスの採用と奪いところのをサイドにした設定により、守備に安定感が出ていた。この変更がザーゴと大きく変わった主な点ではないだろうか。

では守備の詳細について触れていこう。

 

  • 振る舞いと誘導する場所

では早速、ミドルプレスについて触れていこう。まずは振る舞いと誘導する場所について。

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ミドルプレス時の振る舞い

基本的にアントラーズはザーゴ前監督の時と変わらず、4-4-2で守備を行う。この時2トップの立ち振る舞いをするのがOMFだ。そしてCFとOMFでまずはCHを消すことを最優先する。さらに、SHも少し中寄りに立つことでCHに牽制できるポジションを取る。またSBは基本的にSHのマークの担当を行う。これで誘導する場所と絶対に使わせない場所を決めていた。それを以下の図に示した。

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誘導する場所と使わせない場所

このように絶対に使わせたくないのが中央のスペースだ。ここを使わせないために、前線~中盤の6枚で中央寄りのブロックを作り出す。これでサイドにスペースを与えることで、そこに誘導していく。

このようにアントラーズは守備の立ち振る舞いと誘導する場所が設定されているように感じた。

ではどのようにプレスをかけてサイドに誘導していくのだろうか。

 

  • プレス誘導の方法

では早速プレス誘導について解説していこう。

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プレス

このように、プレスのかけ始めは基本的にCF上田が行っていた。基本CF1枚でプレスを行うため、最前線で数的不利になってしまうが、ここは許容していた印象だ。そしてCF(たまにOMF)が前に出ると、CH(特にレオ)が前に出てCHを捕まえる形を取る。これでCF上田がプレスをかけて、外側のCBにパスを出させると守備の誘導が始まる。

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追い込むのはサイド

上の図のようにCFが2度追いをかけ、外CBにリターンパスの選択肢をなくさせる。これで外にパスを誘導する。そして外にパスが出ると、SHが中→外にプレスをかけることで1vs1の状態で対応を行う。さらにその先のSBもSHに対して1vs1の状態を保つ。中盤ではCH(特に三竿)が縦パスのコースを消し、逆SHがサイドにパスで出た時点で一気中央に絞る。これでサイドでボールを回収していく。

特に整理されたのが、『1vs1の状態を作ってあげる』ということではないだろうか。基礎の個人能力が高いレベルにあるアントラーズだからこそ、1vs1の状態を作り出すとボールを回収する確率をあげることができる。だからこの試合はサイドでの勝負に勝つことができ、さらにサイドで起点を作られることが少なかった。そして試合を通して、守備の安定感が増していたのではないだろうか。

 

  • SHのプレスが間に合わない時は?

もちろん『SHが中に入りすぎている』『前に出過ぎている』という状態の時もある。こうなるとSBへのプレスが間に合わなくなる。ではこの場合はどのように対応していたのだろうか。

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SHの斜め後ろを取られる

このようにSHの斜め後ろを取られる場合、アントラーズは次のように対応していた。

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SBで時間を作られた場合

この図のように、SBで時間を作られるとSBが対応に出ることが決まりとなっていた。この時に、SBが開けたスペースはCHが埋める。ここの縦スライドが間に合うのは、ミドルプレスを採用したことが大きく関係している。例えば、ハイプレスだと2トップがプレスに出た際、どうしてもCHがついて前にいかなけらばならなくなる。この時に仮にSB⇆SBの距離が遠いと、そのプレスの時間の間にSBの背後にボールを出されることになる。ここのスペースを埋めるために、CHがスペースを埋めようと試みても、前に出ている分、そのプレスバックが間に合わなくなる。

だがこの試合はミドルプレスを行うために2トップがCHを消しているので、CHが前に出る回数が少なくなる。(特に三竿)だからこそ、SBがプレスに出た際にSBの背後のスペースを埋める距離が短くなっている。

だからこそ、SBの背後のスペースを埋めることができていた。さらに1枚前に出ているCHも縦スライドで3列目に戻る距離も短くなっている。これで縦パスのコースも消すことも可能に。そしてSHがCHを捕まえることで逃げ道を無くしていく。そしてサイドを圧縮していくことでボールを回収していた。

このように設定したことで、サイドで起点を作られて広いサイドに展開されることが極端に少なくなっていた。

 

  • ハイプレスを仕掛ける場合は?

もちろんハイプレスを仕掛ける場合もある。このハイプレスのスイッチは以下のようになっている印象だった。

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ハイプレスのスイッチ

このようにハイプレスのスイッチは『CB間の1つ飛ばしのパス』だ。このパスを出させるために2トップの一角がCBにプレスをかける。この時にプレスをかけないCF(OMF)は中央のCHを捕まえる。これでCB間の1つ飛ばしのパスを選択させる。このパスが肝になる。この「ボールの移動時間」を作り出すことで、SHとSBが相手に対して距離を詰めれる時間を作り出す。これでSHとSBがマーカーに距離を詰めて、遠くを見せないようにプレスをかける。さらにCHも縦パスを消す立ち位置を取ることでサイドを狭くしていき、ボールを回収していた。このようにハイプレスを仕掛ける条件も明確になっていた印象を受けた。

 

  • プレスがよく分かるシーン

外に追い込む:28:40~

ハイプレスのスイッチ:33:00~

CHのプレスバック:57:38~

時間のある方はぜひ上記のシーンだけでもチェックしてみて欲しい。

 

  • YouTubeでの解説

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ザーゴの遺産もある試合

確かに前進する場面で、ロングパスを入れ込むことは極端に減り、ワンタッチでのコンビネーションプレーが多くなった印象を受けたが、全くもってザーゴの色がなくなったかというとそうではない。

32:00~のハイプレスで中央で奪い切るシーンや、14:30~からのCBが広がってCHが降りることで、徳島CHを釣り出して、その背後に荒木がポジションを取り、沖からミドルパスを受けるシーンなど、ザーゴが残したものもある。

相馬監督はザーゴが残したものをそのまま引き継げるのは大きいのではないだろうか。何はともあれアントラーズはこの試合に勝つことができたことが良かった。果たして監督交代は劇薬となるのか。これからもっと直向きに勝利を積み重ねていって欲しい。

 

 

 

 

 

 

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【駆け引きの行方】UCL 2nd leg ドルトムント vs マンチェスター・シティ

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これぞ最高の舞台。次のラウンドに進むため、最高峰の選手達が凌ぎを削る。そして次のラウンドへの切符を勝ち取ったのはペップ率いるシティだった。鬼門のラウンド8を切り抜け、悲願のUCLのタイトルへ邁進していく。では今回はそんなトップレベルの戦いで何が起きていたのか。マッチレビューを行っていこう。

 

 

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ドルトムントの守備

まずは先制点を奪い、突破に向けて大きく前進していたドルトムントについて触れていこう。

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基本スタンスは外回り

ドルトムントの基本スタンスはライン間へのパスを徹底して消すことで、ボールの周りを外にさせることだ。だからこそ4-5-1で守備を行う。(後に触れるがもう1つ理由がある)

これでCBにボールを持たせて、外にボールを出させる。(主にSBにパスを出させる)そしてここのボールが出るとSHがSBへ、SBがWGを捕まえる。

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このエリアで奪えればベスト

そして人を当て嵌めることでサイドでボールを奪いにかかる。ドルトムントとしてはここでボールを回収することができればベストといったところだろうか。

もちろん、ここでボールを回収できない場合もある。だからこそ、以下のように設定されていた。

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深くに進入された場合

このようにハーフスペース深くを取られてしまう場合はCBが必ず対応を行う。ここのカバーの遅れが出ると一気に形成が不利になるので、そこのメンタルのケアも兼ねて、DMFジャンが中央に降りてCBの役割を果たす。だからこそ4-5-1で並ぶことで、ジャンがバックラインに降りる距離を短くし、さらにIHが下がってハーフスペースのケアを行う回数を極端に減らした。(だから次に説明するCBへの牽制が行える)

さらに、CBもこなすことのできるジャンだからこそ、カバーを行うCBは思い切ってプレーができていた。

後半のPKを与えてしまったシーンは少し不幸だったが、きちんとカバーを行っていたことがわかる1つのシーンではないだろうか。

ではもう1つのパターン。CBに持ち出された時はどのように振る舞っていたのだろうか。

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CBに持ち出された時

このように、シティCBが持ち出すと基本的にIHが牽制を行う。これで縦パスを消して外にパスを出させる。もちろん、後ろの選手はきちんと連動してタスクを実行。IHが出た時点で、SBはIHをマークできる立ち位置を取り、SHは低い位置を取りWGを消す。これで外でボールを持ったSBにスペースを見せないことでIHが戻る時間を作り出す。そして再び守備に移っていた。

このようにしてドルトムントは守備を行っていた。

 

ドルトムントの持ち運び

次にドルトムントのビルドアップだ。これでドルトムントはこの試合をより面白くする先制点を生み出した。ではどのように持ち出していたのだろうか。

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配置とシティの守備

まずはシティの守備と配置について。基本的にシティはWG外切りのプレスを行う。この時のマフレズはゲレイロを消すことが基本タスクになったようになっていた。

これに対してドルトムントはCBとGKとDMFで菱形を作って前進を試みる。さらにWGが高い位置を取ることでSBをピン止めする。また右SBモリーはフォーデンの背後に立つことが多くなっていた。

そして以下の方法でプレスを回避する。

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出口となるジャン

まず1つ目の出口となっていたのがDMFジャンだ。菱形の頂点に立つジャンへのパスでドルトムントは1stプレスを回避していた。この時のデブライネのプレスの強度により、フンメルスから入れ込むのか、逆CBアカンジから打ち込むのか、の選択を行っていた。そして中央の空間でジャンが前を向いて展開する場面を多く作り出すことができていた。

さらにもう1つ。それが対角のパスだ。

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対角のパスで回避

このようにデブライネのプレスの時点でDMFジャンへのコースをキレイに消された場合はCBまたはGKからSBへの対角のパスでプレスを回避。ここにスペースを作り出すために、SB(主にモリー)がWGの背後にたち、WGがSBをピン止めするように設定されていた。

この方法でドルトムントはジャンが起点になり、ハーランドへの背後のパスから先制点を決め切って見せた。さすがはここまで残っているチームだ。ビルドアップのレベルも存外に高かった。

 

シティのプレス修正

先制点を取られたシティ。まずペップが変更したのがプレスのシステムだ。

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シティのプレス修正

行った修正がみられたのは失点直後。この直後からIHベルナルドが前に出てプレスを行うようになる。これでデブライネ(プレスをかけない選手)がDMFを捕まえるタスクに。さらにWGに関しては一列低い位置に立ち、SBのスペースを埋める。さらに中央でもDMFとIHでドルトムントIHと人数を合わせることができるようになっていた。これでシティはドルトムントの前進を止め、ボールを回収できるようになっていた。

 

見出した攻撃の糸口

先制点を奪ったドルトムント。もちろん彼らは1−0で勝ち抜けできる。だからこそ、ブロックを作り出し、スペースを消して守備を行い、そして怪物ハーランド中心のカウンターであわよくば追加点というプランに変更。

シティはブロックを作られることに慣れているとはいえ、トップオブトップのプレーヤーが集中して守備を行うと崩すのは至難の技だ。だがシティの選手はしっかりと活路を見出した。

ではどのように攻撃を仕掛けていったのだろうか。

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段差を作り出す

このようにIHが降りてくることでドルトムントIHを釣り出す。これでIH⇆CBのパス交換を入れた上でSBに広げる。ここで重要なのがCBが持ち運んでIHを釣り出すのではなく、IHがドルトムントIHを釣り出すことが重要になる。

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段差からの縦パス

このようにSBが広げた時点で、下がったIHがサポートを行う。このIHがサポートを行うことで、ドルトムントIHを下げさせない。(また下がったとしても遅れが出る)これでIHからライン間に降りてくるデブライネのパスで中央を突破していく。

このようにしてシティは攻撃を仕掛けていった。さらにSBが幅を作り出すことで、SHとIHのギャップを広げてWGへの縦パスを入れれる場面が前半に何度か見受けることができた。

そして後半になり、攻撃の方法を少し変更。両SBが幅を作り出すことでさらにSBとIHのギャップを広げて中央を突破できるようになっていた。だからこそ、サイドで深い場所を取れるようになっていたし、そこからのクロスも入るようになっていた。

 

鬼門を突破したシティ

鬼門となっていたラウンド8。ここを突破し、いよいよタイトルが見えてきた。次は難敵中の難敵PSGとの一戦になる。だが彼らも十分に打ち負かすだけの力量はあるはずだ。ここまでくると本当に些細なことが大きく結果に反映してくる。果たしてPSGとの一戦はどのようなものになるのか。とても楽しみだ。

 

 

 

 

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【スタンスの違うロングパス】J1リーグ 第9節 コンサドーレ札幌 vs 鹿島アントラーズ

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勝利を取り戻したいコンサドーレと連勝を狙うアントラーズ。両チームとも苦しい出だしになっていることは間違いない。そしてこの両者の対戦は2-2の痛み分けに終わった。だが追い付き最後まで攻め続けたコンサドーレとリードしながら追いつかれてしまったアントラーズの心境は天と地の差だろう。では今回はコンサドーレとアントラーズのスタンスの違うロングパスについて考えていこう。

 

 

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ロングボール合戦だった前半

この試合の前半の印象はきっと『ロングボール多いな』というものではないだろうか。個人的にはこのように感じた。スタンスは若干違ど、中盤を省略することが多く、早めに最前線へロングパスを供給していた。だから特に前半は「最終ライン(またはGK)から真っ直ぐ」ロングパスを供給することが多くなっていた。

では少しお互いのロングパスをスタンスを考えていきたい。

  • コンサドーレのスタンス

まずはホームのコンサドーレのスタンスから。

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ビルドアップの形

まずはコンサドーレのビルドアップの形から。コンサドーレはCB宮澤とCH深井が最終ラインに降りることでCBに幅を作らせてWBを押し上げる。これを行うことでWBの金子と菅がWGの立ち振る舞いをする。さらにSTがハーフスペースを自由に使えるようになるので、中央に残る高嶺のサポートを行いながら、中央の下のパスコースも確保する役割を担う。

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ロングパスを打つ時の決まり

そしてこのようにSTが降りて縦パスを引き出す動きを加えるとCFがハーフハーフスペースへ流れ、逆STが中央のレーンへ移動する。これでバックラインから一気に最前線のCFロペスへボールを供給。

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2ndを回収して前進

これでサイドで数的優位を作り出して2ndボールを回収して前進することが多くなっていた。

ここで断っておきたいのが、コンサドーレはこの前進方法が中心というわけではないということ。この方法を使うことでアントラーズの最終ラインを下げさせて、降りるSTへの縦パスを打ち込めるようにしていた。この2つの方法を使うことでコンサドーレは前進していこうという狙いが見えた。だからこそ、アントラーズはチャナティップや駒井が前を向いてドリブルされる場面が見受けられた。さらにロングパスを使うことで全体をボールサイドに寄せて、逆サイドのWBをフリーにすることができるようになっていた。(これについては後述)

コンサドーレがロングパスを使うスタンスは主に『2つの選択肢を迫る』ことにあるように僕には映った。

ではアントラーズのスタンスはどのようなものなのだろうか。

 

割と嵌ったアントラーズの守備

追い付かれたとはいえ、割と嵌っていた前半の守備。ではどのように嵌りどこでボールを回収できていたのだろうか。

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外回りで嵌めれる立ち位置

アントラーズはコンサドーレの可変するビルドアップにより、2CB(CBとCH)に対して2トップで当て嵌めることが簡単になっていた。さらにSHが最初にハーフスペース(STへの縦パス)を消すことでボールを外回りにさせることに成功した。

そして以下の場所でボールを奪い切ることが多くなっていた。

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SB×WBでボールを回収

このように幅を作るCBにパスが出るとハーフスペースに立っていたSHが内側から外側にCBにプレスに行けるので、中へのパスを消すことができる。もちろん、その背後のケアとしてSTにはスライドしてCHがマークを行う。(だからこの試合シウバvs駒井のバトルがよく観られた)これで幅を作り出すCBに「WBへの縦パス」のみの選択肢を残す。そして狙ってWBへパスを出させるのでSBが優位に立ってボールを回収することが多くなっていた。

さらに次のような回収方法もある。

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CBで跳ね返す

この方法はアントラーズの割と得意な方法だ。先ほども触れたようにコンサドーレが最終ラインから「真っ直ぐ」CFへロングパスを打ち込むことが多くなっていたので、CBの犬飼と町田が弾き返せることが多くなっていた。このようにしてアントラーズはボールを回収することができていた。

 

  • アントラーズのスタンス

ではアントラーズのロングパスをスタンスについて触れていきたい。そのスタンスの結論から述べると、「カウンタープレスを打つため」にロングパスを選択していた。

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カウンタープレス→カウンター

このように2トップのエヴェラウドと上田の圧倒的な質的な優位性を生かすためにシンプルにロングパスを供給する。この試合はコンサドーレにCB犬飼を消されていたので、GKや町田、SBからのパスが多くなっていた。そしてCFが競り勝てば、もう片方のCFが抜け出すかSHが抜け出すことで一気にゴール前まで攻め込む。競り勝てない場合は、青色のエリア付近にボールが落ちることが多くなるので、そこでボールを回収して擬似カウンターのような攻撃を仕掛けていく。この時にアラーノが拾えばドリブルで持ち出すことが多く、土居が拾えば味方に預けて自分はサイドの奥深くを取りにいくことが多くなっていた。

このように、アントラーズのロングパスのスタンスは「2トップの質的優位性」を最大限生かすため、そして「カウンタープレスを発動させる」ためのものになっている。

 

対角のパスを多用された理由

後半に入り、コンサドーレは明確に「対角のパス」を多用する。これによりアントラーズはプレスを躱され、好き放題にチャンスを作られてしまっていた。

ではなぜアントラーズは対角のパスを使われてしまったのだろうか。

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嵌まらなくなるプレス

まずアントラーズのプレスが嵌まらなくなったことに大きな原因がある。その理由はコンサドーレの最終ラインの人数が大きく関係。後半に入ると、コンサドーレは最終ライン3枚でビルドアップを行っていた。だからアントラーズは数的不利な状態に陥る。さらにボールサイドCBは幅を作り、WBを押し上げる。こうなると、上の図にもあるように、SB、SH、CB2枚がそれぞれピン止めされる。

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サイドチェンジを打たれる

このようにピン止めされたこと+ボールサイドを圧縮するために全体をボールサイドにスライドさせるアントラーズ。これにより、幅を作るCBが遠くを観れる時間とスペースを得れるので、精度の高いサイドチェンジを打つことができる。これで逆WBがオープンスペースでボールを受けることができ、そこからドリブルで仕掛けられてピンチになることが多くなっていた。

この対角のパスはアントラーズの弱点になっているのは言うまでもない。SBの背後とSBの外側。ここを使われる前に潰すことができなくなっているので、ア現在苦しい状況に陥っているのではないだろうか。

そしてこの試合はなぜか、ボールの出どころにプレスを行うことがなかったので、このような展開に持ち込まれてしまっていた。

 

修正を試みた4-2-3-1

この対角のパスを撃ち込ませないためにザーゴ監督は4-2-3-1に変更した。4-2-3-1

と言っても、守備時は三竿がバックラインに降りて5-4-1となっていた。これを行ったことで、対角のパスを打たれた時に場所を埋めれていたので、このパスの効果を半減することができていた。だが前線の選手はボールホルダーにプレスを行い、バックラインの選手は一度場所を埋めてからという意識があったため、間延びが起きてしまい、2ndボールを回収することが難しくなり、押し込まれる展開になってしまっていた。勝てない状況が続いているため、このような意思統一ができなくなっているようにも映った。そして修正直後のPKも混乱を招いたのも押し込まれてしまった要因になっているだろう。

 

沖に助けられたアントラーズ

この試合、沖がスーパーだった。彼のビッグセーブ連発によりアントラーズは何とか敵地で勝ち点1を拾うことができた。キックに注目されることが多いが、彼のショットストップの能力も十分トップレベルにある。さすがはこの若さでアントラーズの守護神を勤めているだけはある。さらに試合終盤に見せた低い弾道のパントキック。このパスを出せることにも驚いた。果たしてこれからどのような成長を見せていくのか。これも楽しみだ。

上田がゴールを奪えたことなどの良い点はあったが、手遅れになる前にとにかく早く勝利を取り戻してもらいたい。

 

 

 

 

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【ポルトの守備を掻い潜るために】UCL Round 8 1st Leg ポルト vs チェルシー

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ユベントスを見事に下してラウンドを進めたポルト。一方でランパードを解任し、新たにトゥヘルを招聘して見事に復活を遂げたチェルシー。いうまでもなく、ヨーロッパを代表するビッグクラブ同士の対決だ。ポルトはユベントス戦でも見せたように、手堅く戦い、そしてテンポの良い早い攻撃でチェルシーから勝利をもぎ取ろうと試みた。相対したチェルシーはしっかりとポジションを取り、ボールを動かしていくことでポルトから勝利をもぎ取った。

では今回はいかにしてチェルシーがポルトの守備を掻い潜っていったのか。これについて触れていこう。

 

 

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ポルトの守備について

まず触れていかなければならないのがポルトの守備だ。彼らはどのようにしてチェルシーの攻撃を食い止めようとしていたのだろうか。

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守備開始の立ち位置

まずは守備開始時の基本的な立ち位置から。まず左SHが一列前に出て2トップの立ち位置を取ることが多くなる。さらに逆SHがバックラインまで下がることで5バックを形成。これで中盤はCHをオタビアとウリベが捕まえる形になる。そしてグルイッチがDMFの立ち位置を取ることでCHとSTのケアを行えるポジションに入る。

そして以下がそれぞれの立ち位置でのタスクになる。

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それぞれのタスク

まずチェルシー3バックに対しては2トップでの牽制になるのだが、ここでの彼らのタスクは『外側のCBにボールを持たせること』になる。だから中央CBのクリステンセンはボールを持てることが多くなっていた。これに関係して中盤3枚は『トライアングルを形成しつつ、絶対に縦パスを入れさせないこと』が主なタスクとなる。

そしてバックラインでは5バックになっているので、WBの立ち位置の選手がSTのマークの担当となる。

これで以下のように守備を行っていく。

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守備のスイッチが入ると…

この図のように外側のCBがボールを持つと、2トップの一角が守備のスイッチをいれる。これで、もう片方のトップが中央のCBを消せる立ち位置を取る。

さらにCHを捕まえているオタビアがCBの視界に入ることでSTへの縦パスのコースを消す。さらにそれに連動してSTを捕まえていたWBがSBまで出て、STにはCBが、CHにはDMFの立ち位置を取っているグルイッチが擦れてマーク。

そして以下の場所でボールを奪い切る。

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ボールを奪う場所

まず最優先で奪いたい場所はWBの所。ここでボールを奪えれば一気にひっくり返して早い攻撃を仕掛けることができる。またCBがWBへのパスを選択肢ない場合は、『上のパス』を選択するようになる。これはオタビアがCBの視界に入っていることで、上のパスを選択するように仕向けている。そしてこれでSTやCFへの上のパスを弾き返すことでボールを回収していた。

 

チェルシーはポルトの守備に割と苦しみ、満足にボールを前進させることができなかった。だが、それでもチェルシーは活路を見出して攻撃を仕掛け、見事に勝利を掴んでいる。ではどのようにチェルシーは前進し、攻撃を仕掛けていたのだろうか。

 

チェルシーの回避方法

ではここからはチェルシーの回避方法について考えていこう。

  • この試合のチェルシーのスタンス

まず初めにこの試合のチェルシーのスタンスについて少し触れておく。この試合はどちらかというとCBの攻撃参加も少なく、パスの本数もいつもより少なかった。これはポルトの強みの1つであるショートカウンターを消すことに重きを置いているように見えた。

さらにWBと3トップが常に背後を狙うことでシンプルに攻撃を完結させようとしているように見えた。

守備位置をいつもより下げ、プレスで出てくれば背後へボールを供給する。これが主なこの試合のチェルシーのスタンスのように個人的には映った。

だからこそ先ほども少し触れたように、いつもよりもパス本数が少なかったのではないだろうか。

ではここからは、『ポルトがプレスで前に出てきた時』のプレス回避について解説していこう。

  • マウントのサポート

まず最初に行ったことはこちら。

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CFとSTの立ち位置を動かす

まず行ったのはSTとCFの立ち位置を動かすことだ。特にSTマウントがCBに捕まらない位置まで下がることでハヴァーツとヴェルナーを2トップの関係に動かす。

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横のサポートで数的優位

マウントが降りることで狙われているWBがに対して横のサポートを行うことができる。もちろんCH1枚でも行えるのだが、マウントがサポートに参加することで数的優位を作り出して横のサポートをより簡単に行えるようにしていた。

そしてこれよりも多く見られたのが背後へのパスだ。

 

  • 背後へのパス

最初に行ったマウントのサポート。その際にヴェルナーとハヴァーツが2トップの関係になっていたことは先ほど少し触れた。これが肝となっており、背後へのパスを供給することができていた。

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背後へのパス

このようにCBからボールを受けるWBがワンタッチで背後に落とすボールを供給。この時にCFハヴァーツがハーフスペースに流れていることで『1枚で2枚』を引きつけることが可能に。これで背後のスペースをスピードスターのヴェルナーがシンプルに使うことで攻撃を仕掛けようと試みていた。

 

さらにWBへの対角のパスでの背後も見受けることもできた。

 

  • WBへの対角での背後

これはポルトのプレスがCBに掛かりきらない時に行えるものだ。

ではどのように対角のパスを打ち込んでいたのだろうか。

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WBへの対角のパス

このようにバックラインでパスを回した際に、必ずプレスが掛かりきらない場合が出てくる。この掛かりきらなかったプレスを見逃さずにCBがすかさず対角のパスを打ち込む。このパスを多く選択していたため、パス本数が少なくなっている要因の1つだろう。そしてこの時にヴェルナーも背後に走ることで中に人を寄せる。これで逆WBがフリーでボールを受けれるようになっていた。

 

  • STのピン止め

ここからは後半に主に行っていたことになる。背後を使うというスタンスは基本的に変わらないのだが、後半からは割と手前でボールを持てるようにもなっていた印象だ。

ではなぜ手前で受けれるようになったのだろうか。

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手前でフリーになれる理由

このようにSTがサイドに流れてWBへプレスを行う選手をピン止め、さらにCFもハーフスペースに流れることでCBをピン止めする。これでWBがフリーでボールを受けれるようになる。さらにここからサイドチェンジのボールを打ち込むことで逆WBがフリーでボールを受けることが多くなっていた。チルウェルの追加点はこのような展開からサイドを変えたことでミスを誘って生まれたゴールだろう。

 

このようにしてチェルシーはシンプルなスタンスで攻撃を仕掛けていくことでポルトの良さを消しつつ、プレスを回避した。そして少ないチャンスでゴールを奪って見せた。

 

この展開は少し苦しい?

個人的に感じたのは「背後を狙い続ける」展開は少し苦しいように感じてしまった。今までがボールを握って試合をコントロールする戦いだったので、このように感じてしまったのかもしれない。だが、やはり個人的にはこの展開は苦しいのではないかと思った。その理由がCHのジョルジーニョとコバチッチと3トップの距離がどうしても広がってしまうので、弾き返された時の2nd回収に苦しむからだ。仮にカンテが万全の状態で試合に出ていたとしたらまた印象は変わっていたかもしれない。少し間延びをしてしまうことに一種の苦しさみたいなものを感じた。だが確実にこの試合の「ゲームプラン」なのでまた普段通りの戦いに戻るだろう。

大きくベスト4入りに前進したチェルシー。このまま気を抜かずに進める所まで突き進んでもらいたい。

何はともあれ、WBA戦の大敗から再び勝利を手にしたことに安心した。週末のパレスとのリーグ戦、ミッドウィークのCLセカンドレグ、来週のシティとのFAカップ準決勝。ここまでなんとか乗り切ってもらいたい。

 

 

 

 

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【勝利を掴んだデスマッチ】Jリーグ第8節 鹿島アントラーズ vs 柏レイソル

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この一戦に勝つのか負けるのか。これ以上、負ける訳にはいかない両者。まさにデスマッチだ。そしてこのマッチに勝ったのはいつもと少し顔ぶれと立ち位置が変わったアントラーズだった。では今回はこのデスマッチのレビューを行っていこう。

最後までご覧いただけると幸いだ。

 

 

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嵌め込んだ守備

特に前半に言えることなのだが、この試合の前半の守備は今季のリーグ戦の中で最も良い守備を行えていたと個人的には感じた。ではどのようにアントラーズは守備を嵌め込んでいたのだろうか。

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嵌め込むための準備

まず上の図が嵌め込むための準備の図だ。この試合、アントラーズは4-2-3-1で臨んだことで、最前線で数的不利な状況に陥る。だがこの状況が功を成す。CF上田がCBに牽制を行うことで『CB間のパス交換』を促す。これが後々のSHのプレスのタイミングを決定する判断の助けになる。さらに4-2-3-1にしたことで、2CHに対してOMFとCHが1枚出ることでマークを簡単に行う。レッズ戦は2CHを捕まえるためにCHが前に出た瞬間に、背後に立つOMFにライン間を使われて前進されることが多くなっていた。だが、この試合はCH(特にレオシウバ)が1枚残ることができていたので、CHの背後を使われることが少なくなっていた。

そして『CB間のパス交換』の間にSHがプレスを仕掛けるタイミングと時間を得ることができ、さらにその背後のSBが前に出る時間を作り出すことを可能にしていた。

そして以下のように追い込んでいく。

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奪い所の制限

このようにSHがCBにプレスに出て、SBに対してはSBが真っ直ぐプレスに出ることで縦を切ることができる。これで、レイソルSBの視線を中に向けることができる。さらに最終ラインではしっかりとスライドを行うことでケア。もちろんOMFには中央に残ったCHがマークを行うことで奪い所を明確にしていく。

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中央4つの奪い所

このようにアントラーズは『中央に4つ』の奪い所を設定。中央に奪い所を設定できるのはアントラーズの絶対的な対人の強さがあるからこそできることだ。だからこそ、この試合はレッズ戦と違い、ライン間で潰せることが多く、敵陣でボールを回収することが多かった。

 

(レッズ戦については以下の動画で喋ってます)

www.youtube.com

 

もちろん、SBのプレスが間に合わない場合はSHが2度追いを掛けるようになっていた。こうすることで、SBの背後を消すことで一気に背後を取られることを防ぐ。ここの整理が明確に整理されていたことも守備が嵌った1つの要因だろう。

リスクを取りに行ってプレスを完結させるのか、それともリスクを消すことを優先するのか。今季で一番の判断の良さだったのではないだろうか。

 

4-2-3-1とビルドアップ

では次に触れていきたいのが4-2-3-1とビルドアップの関係に触れていきたい。

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基本は舩橋が降りる

このように基本的には舩橋がCBの間に降りることで両CBを広げる。こうすることでレイソル2枚のプレッシングプレーヤーに対して数的優位を保つことが可能に。さらにCBが開いたのでSBを高い位置に押し上げると同時にレイソルSHをピン止め。ここまではよく見る形だ。そしてこの試合はトップ下を配置したことで、展開を変えることができた。この日OMFに入ったアラーノが自由に動くことでボールを引き出す動きを加えつつ、レイソルの中盤を動かすことができていた。(上の図の青のエリアが主なアラーノの行動範囲)

そして以下のように前進していく。

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アラーノとSHの関係で前進

このようにOMFアラーノが3列目に残るCHのヘルプを行うことでレイソルCHを釣り出すことで段差を作り出す。これで、中に入るSHへ縦パスを打ち込むことができていた。もちろん、CHが出てこないのならばそのままアラーノがボールを受けて展開を広げ、レイソルSHが中に入ってアラーノを消すのならばSBへシンプルにパスを出すことできる。

さらに、レイソルが中央を固めてくると以下のように展開する。

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逆サイドへ逃げる

このようにレイソルが中央を固めた場合は舩橋経由で逆SBへ展開。ここで犬飼→舩橋→町田→永戸ではなく、犬飼→舩橋→永戸へパスを出せるので、永戸が時間を持つことができていた。さらにSHにエヴェラウドがいることで、中に入るとSBとSHを中に寄せることができることも大きく関係していた。これでここから起点を作って攻撃を仕掛けることもできていた。

 

このように前半に関しては攻守において、とても良い試合を演じて見せた。だが後半に入り、レイソルの修正により、一気に雲行きが怪しくなってしまったのも事実だ。

ではここからはレイソルの修正でなぜアントラーズが苦しんだのかを触れていこう。

 

レイソルの修正に苦しんだ理由

ではここからはレイソルの修正に苦しんだ理由を触れていこう。

まずはレイソルがどのような修正を加えていたのかについて。

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3-5-2に変更したレイソル

まずレイソルは後半から3-5-2に変更を行った。この変更を行われたことでアントラーズはプレスを嵌め込めなくなっていく。

ではなぜプレスが嵌まらなくなったのだろうか。

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プレスが嵌まらない理由

このようにレイソルは3バックの形にした際、ボールサイドCBが幅を作り出すようになる。こうなるとCF上田の所で数的不利になる。さらにCBが幅を作り出すことでWBが押し出される。また中央では3枚がきれいに当て嵌っているのでピン止めされている状態になる。

だからこそ、以下のようなことが起こっていた。

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困ったSHとSB

このようにCBが開いたことで困ったSH。ボールホルダーにプレスに行くのか、幅を作るCBにプレスに行くのかに迷うことになっていた。さらに、その背後のSBもWBをマークするのか、CBまで出るのかに迷うことになる。

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SHがプレスに出ると…

仮に上の図のようにSHがボールホルダーにプレスに出てしまうと幅を作るCBに起点を作られてしまう。これでSBが縦関係で数的不利になってしまう。さらにこれに追い討ちを掛けるように、CFがSBの背後に流れることで一気に展開を早められてしまっていた。

さらに、SHの一瞬の迷いによる遅れを補うためにOMFアラーノがプレスを行うこともあった。

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アラーノがプレスに出た場合…

このようにアラーノがボールホルダーにプレスを掛けるとどうしても中央の椎橋が空いてしまう。こうすると逆サイドのWBへ簡単に展開されてしまう。

 

これらのような修正を加えられたため、アントラーズはプレスが嵌まらなくなっていた。そしてアーリークロスを入れられてピンチを迎えることが多々あった。この展開はやり方は違えど、『サイドで数的不利を作られてしまう』という部分でレッズ戦と酷似している。このような状態に陥った時に『プレスを無理やり行ってしまう』ことに課題を感じた。

 

何はともあれ勝ったことに意味がある

後半、劣勢に陥ったアントラーズ。先制点直後の失点。またしても自滅するのかと思ったが、執念で勝利をもぎ取って見せた。課題が多く残って、内容はどうあれ、『勝ったこと』に意味がある。さらにこの試合でロマン満載のプレーを見せた舩橋。彼のターンの技術とサポートの位置関係の巧さ。この若さで見えている景色が異次元ということをこの試合で示して見せた。これからの成長に期待せずにはいられない。

何はともあれ、勝ったという事実はこれからの試合に大きな影響を与えてくるだろう。

 

 

 

 

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