【スペースが見えるがゆえの苦戦】コッパイタリア決勝 ユベントス×インテル

皆さん、どうも。今回はコッパイタリア決勝戦のユベントス×インテル、イタリアダービーについて触れていこうと思います。

この試合もまた、とても熱くて面白い試合になりました。サッカーってやっぱりいいね!

ユベントスはこの決勝で勝たなければ今季無冠に終わってしまう状況、一方のインテルは国内三冠を、そして11年ぶりのコッパイタリアのタイトルを手にするために、両者死力を尽くしてぶつかりました。

超満員の会場も含め、とても熱いスタジアムでの一戦はインテルに軍配が上がりました。立ち上がりの10分、そして逆転ゴールを許すまで、とても苦しみましたが、それでもユベントスが耐える選択をしてからの攻撃の迫力と補完の仕方はさすがだと感じましたし、それを選択することができるシモーネ・インザーギ監督の決断力と選手層もまたインテルが強さを誇っている所以なのではないでしょうか。

では今回は特に前半にインテルが攻守ともに苦しんだ理由を中心に話しを進めていこうと思います!どうぞ最後までお付き合いください!

 

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インテルが上手く行っていた時間帯

冒頭でも少し触れましたが、インテルは流れが変わったディバラのシュートから逆転ゴールを許してユベントスが下がる選択肢を取るまでは苦しんでいたと表現しても間違いないと僕は感じました。

逆にそれまではユベントスの迎撃プレッシングを上手く躱して攻撃を仕掛けることができていました。

ではまずはインテルが狙って行った前進についてに触れていきます。

ブロゾビッチがライン間に残る場合

まずはブロゾビッチがライン間に残る場合を考えていきます。

まず行っていたのが、シュクリニアルとデフライとブロゾビッチとハンダノビッチで1stプレッシングプレーヤーのヴラホビッチに対して数的優位を維持するところから始まります。この時にブロゾビッチにはディバラが、シュクリニアルにはクアドラードが出てくるようにユベントスは設定しているように見えました。

この土台を作り出すことで、右CBダンブロージオが1つ前にポジションを取ることでベルナルデスキを止めること、さらにダルミアンでサンドロを止めることができていました。逆ではペリシッチがダニーロを止めています。

これを行った意図はライン間にスペースを作り出すことです。このライン間をジェコもしくはラウラロに使わせることでプレスをひっくり返すことを行います。

だからバレッラがブロゾビッチと並行になってラビオを引っ張り出します。さらにライン間で浮くためにチャノハノールとジェコ(ラウタロ)でキエッリーニとデリフトを止めておきます。

これでライン間で2トップのどちらか、時にダルミアンがレーシーバーになることが可能になります。では肝心のセンダーはどのように作っていたのでしょうか。

これは以下の図をご覧ください。

このように降りてくるバレッラを経由してヴラホビッチの背後、もしくは外側でデフライが受け直すことでフリーな状態を作り出します。ここでフリーになれるのは先ほども触れたようにダンブロージオがベルナルデスキを止めているからです。

だからベルナルデスキに対して以下の3つを突きつけることが可能になります。

  1. 門を閉じる
  2. デフライに出ていく
  3. 門が広がるがダンブロージオを意識する

この3つを突きつけていました。

ベルナルデスキが1を選択すれば外側から、2を選択すれば段差ができるので、彼のプレスの方向を見て縦パスか外側から、3を選択すればライン間へ縦パスを打ち込んでいくことで攻撃を仕掛けていきます。

当然、ライン間でラウタロかジェコがボールを受けることができればザガリアがスライドしてくるかCBが対応に出てくるので、サイドを変えるか、そのまま縦に行くかを選択することが可能になっていきます。

だからこそ、インテルはユベントスの迎撃プレスを回避することが可能になっていました。

さらにブロゾビッチのポジショニングによっては他の方法もありました。

次はブロゾビッチが最終ラインに降りるパターンについてを考えていきましょう。

 

ブロゾビッチが最終ラインに降りる場合

では以下の図をご覧ください。

このようにブロゾビッチが最終ラインに落ちたときにはユベントスは4−4−2の形で守備を行っています。ディバラは「ブロゾビッチがライン間に立つ場合のみ」ブロゾビッチ番を託されているようでした。

インテルはこれを利用してこの試合、ヘルプを行わずにDF–MFのライン間に立つチャノハノールにボールを届けていくことで攻撃を仕掛けていくことも行っていました。そしてここに届ける方法はハンダノビッチからのミドルパスが中心になります。

当然このパスの成功率を上げていくために上の図のような振る舞いを行います。

まず行うのがバレッラのポジショニングです。中心点をとっていくことで2CHを前に意識付けさせます。さらに2トップで2CBを止めておくことで、チャノハノールがフリーでボールを受けることができるようになっていました。

 

このようにしてインテルはボールを前に進めて攻撃を仕掛けていくことができていたのですが、スペースを作ることができ、さらにそのスペースを見える眼が長けているがゆえに苦戦していったように僕には映りました。

 

ではユベントスの守備も含めながら、インテルがなぜ苦戦を強いられてしまったのかについてを考えていきます。

 

なぜ苦戦を強いられたのか

インテルが苦戦を強いられる理由には「スペースを使うために長い距離を縦に出ていく」ことが大きな要因になっていると僕は思いました。

当然これにはユベントスの守備の人の消し方と前に出ていくタイミングが抜群に上手かったこと、そしてキエッリーニとデリフトに対してジェコが苦戦したこと(これはユベントスと対戦した過去の試合でも同様なことが起きていたし、他の試合でも上のパスでジェコが苦戦することがあった。だから頼んだ、ジェコ!でボールを打ち込むのは少しかわいそうだなと感じた)も大きく関係していることも忘れてはいけません。

 

ではなんでインテルは長い距離を縦に出て行ってしまったのでしょうか。

これは攻撃を仕掛けてく中で以下の図の場所にスペースできたからです。

このようにチャノハノールに対してミドルパスを打ち込まれて前進されることを嫌ったユベントスはスペース+人ではなく、人を意識して守備を行っていくようになります。特にCHとCBのその意識は強くなっていきました。これでバランスを取っていたのがSHのクアドラードとベルナルデスキです。彼らが広がるCBにも背後でのWBでの消し方も、そして2トップのカバーもできる絶妙なポジショニングも見事でした。

インテルは人を捕まえたれた分、上の図の白いエリアを使っていこうと考えました。ここを使っていくことで、スペースに走り込むことで相手を動かせることを身を持って知っているインテルの選手たちだからこそ、ここに人を送り込みます。

そしてここに走り込むのがブロゾビッチであり、シュクリニアルでした。

では彼らがそこをを使ってしまうとどうなってしまうのでしょうか。

このように長い距離を走っていくことでボールを引き取ろうと試みるのですが、先ほども触れたようにユベントスのマークを捨てて前に出ていくタイミングが完璧だったため、前向きにここを潰されてしまっていました。

前に出て引き取ることを選択肢たインテルは、弾き返されてしまうと守備の人数を1枚削った状態での対応になってしまいます。だからこそスペースを使われてしまい、ピンチに陥ってしまっていました。

そして徐々に前に人をかけれなくなり、ジェコ頼んだ!のロングパスが多くなってきてしまい、ボールを明け渡すことになってしまっていました。

インテルはスペースを使って動かすことを知っているがために、それが仇となってしまった印象です。何度も触れますが、ユベントスCBの前に出ていくタイミングが抜群だったことも忘れてはいけないことです。

 

外起点から質で叩くユベントス

ボールを保持できるようになったユベントス。迎撃プレスが嵌まらなくて出鼻を挫かれる形になりましたが、徐々に試合の流れを握っていきます。いくら調子が上がらなかった今シーズンとは言えど、ユベントスはユベントス。選手の質は一級品です。

そして起点を作り出す場所はチームとして共有しながら、そこから先は個人の質でなんとかしていた印象を僕は受けました。

まずユベントスはインテル2トップの脇で起点を作り出すことを行います。特に右サイドのダニーロを中心にポイントを作っていた印象です。

ここでIHを釣り出すか、動きを加えながら差し込むかの2択が中心になると思うのですが、ユベントスはCHでIHを止めといてディバラを中心にローリングを行いながらボールを引き取っていきます。

特にディバラがボールを引き取る際のCBとの離れ方や狭い空間でもボールを失わず、さらにその空間でもターンをしてしまう技術はさすがだなと感じましたし、ヴラホビッチの背負ってプレーできる精度の高さやベルナルデスキのドリブルのコース取りも見事だと感じました。ここもインテルが苦戦を強いられた要因の1つだと思います。

 

進み方を変えようとしたインテル

後半に入るとインテルは前進の方法を若干変えていました。常に高い位置でSBを止めることを行っていたペリシッチが下がってくるようになり、SBの背後を取っていくことで、跳ね返されたときのリスクヘッジを取っているように見えました。それが後半立ち上がりに行ったチャノハノールがSBの背後に抜け出していく動きです。

これを行っていくことで、CBを動かしてサイド攻撃を完結させようと考えたのではないでしょうか。

ですが早い段階で同点ゴール、そして逆転ゴールまで奪われてしまい、前に出る他ない状態に追い込まれてしまいます。

ユベントスの逆転ゴールが決まった際のスタジアムの雰囲気は画面越しでも色んなものを感じることのできるものでした。やっぱり満員でサッカーを観戦できるっていいな。

 

下がったユベントスに対するインテル

逆転ゴールを奪ってからのユベントスは下がることを選択肢ます。ユベントスはボヌッチを投入して5−3−2で戦うことを決断します。

これに対してインテルは外側のCBでボールを持てること、それがゆえのにクロスが増えていくことをシモーネ監督は予想していました。だからこそのディマルコとダンフリース、コレアの投入だったのではないでしょうか。ランニングで奥を取れる、そしてクロスの上手なディマルコ、ジェコの代わりに高さを補完するためのダンフリースの投入、相手を縦に動かすための手前で時間を作れ、そしてドリブルで時間を作り出しコレアを投入していくことで、ボックス内の人数を薄くする狙いがあったんだと思います。

僕は後付けで考えることができますが、これを現地でしかもリアルタイムで見極め、決断するフットボールの監督、そしてそれを実行に移す選手たちには脱帽しかありません。これでインテルは猛攻に出て、そしてPKを獲得して同点、延長戦も攻撃を仕掛け続けて逆転まで持っていくことに成功しました。

 

おめでとう!インテル!

前半の戦いを見ているとキツイか?と思っていましたが、勝利まで持っていくのはさすがだなと思いました!今季タイトル2つ目おめでとう!

残るはリーグタイトル。延長戦までもつれ込んだのはキツイかもしれませんが、勢いはさらに増しそうです。週末の試合も楽しみですね!

いやーセリエAもめちゃくちゃ楽しいけん、みんなにも見てほしいです!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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【過多と過少】プレミアリーグ第33節 アストン・ヴィラ×リバプール

皆さんどうも。

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では今回はプレミアリーグ第33節のアストン・ヴィラ×リバプールについてを考えていこうと思います!

リバプールはトッテナム戦から中3日。アストン・ヴィラはバーンリー戦から中4日。決して勝ち点を落とすことができないリバプールはクラブのレジェンドが率いるアストン・ヴィラのホームに乗り込みました。

ジェラードが監督になってから、好戦的でスリリングなフットボールを展開しているアストン・ヴィラ。決して簡単なチームではありません。個々のクオリティも高く、本当に良いチームです。さらにリバプールには週末にチェルシーとのFA杯の決勝があり、できるならばターンオーバーをしながら戦いました。

開始早々の失点からすぐに追い付くリバプール。焦らずじっくりとアストン・ヴィラを1つずつ動かしながらゴールに迫っていく姿は強いなぁ…と改めて感じました。

では今回はアストン・ヴィラの守備網をどのように掻い潜り、掻い潜る際にどのよに動かしていたのかを考えていくので最後までお付き合い頂けると嬉しいです!

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アストン・ヴィラの守備

リバプールのプレス回避を考えていく前に、ざっとアストン・ヴィラのプレッシングについてに触れておきます。

ジェラード監督が就任してからというもの、アストン・ヴィラの守備はかなり前から圧力をかけつつ、さらにサイドを圧縮してボールを回収していくものになりました。特にIHとDMFの運動量は必須で、彼らの走力があるからこそ成すことができるものだと僕は考えています。当然、3トップの限定も上手なことも忘れてはいけません。

ではアストン・ヴィラはどのようにしてプレッシングを行っていたのでしょうか。

アストン・ヴィラが追い込む場所はサイドを圧縮したいので当然SBになります。ここでSBに誘導していくためにワトキンスとイングスはファンダイクとマティプの前に立って牽制を行います。」さらにファビーニョにはコウチーニョを当てることで、中央経由を徹底して防ぎます。また中盤3枚はSBに出れる距離とジョーンズとケイタを消せる距離を保ちつつ、門を広げないことを考えながら立ち位置を取ります。このポジショニングかなり繊細で重要なものになっていることは間違いありません。

こうしていく中で、中央からの前進とライン間をぼかすことで、シンプルな外循環にさせることを狙っていると思います。仮にしたのパスではなく、上のパスで一気に最前線まで前進しようとするのならば、コンサとミングスという高さと強さを併せ持つCBなのでシンプルに跳ね返すことができます。そして2ndボールを中盤3枚で回収していくことでダイレクトに攻撃を仕掛けることを考えています。

当然「蹴らせて回収」は不確定要素を取り除ける割合が少ないので、外側から圧縮を最優先に守備を考えます。

ではサイドに誘導した場合はどのようになるのでしょうか。

SBにボールが出るとここにはIHを押し出します。この時に他の中盤2枚はしっかりとスライドを行っていくことで、空いてしまうスペースをカバーしていきます。逆IHが絞り込むことでアンカー脇を消していく作業です。

これでSBに対してIHが内側から外側に向かって出ていくことができるので、SBは「縦パス」を選択しやすくなります。これでWGに出るパス、もしくは斜めに降りてくるCFへ出てくるパスにそれぞれのゾーンの選手がアタックしていくことでボールを回収します。

ここの圧縮が間に合えば、かなりの確率でボールを回収できていましたし、なかなかこの強度の囲い込みから脱出できるチームはないのではないでしょうか。

そしてここでボールを回収することができれば、2トップとコウチーニョを中心に早い攻撃に移行していきます。ショートカウンターの威力を保つために、ジェラード監督のアストン・ヴィラはCBに対して2トップを当て嵌めているのではないでしょうか。

2トップが攻め残りというか、プレス残りをしていることで、奪ったボールを前に付けれる選択肢を増やすことができます。

このようにしてアストン・ヴィラは守備を考えながらリバプールに真っ向から勝負を仕掛けていました。

ではリバプールはこのプレッシングをどのようにして躱してゴールに迫ったのでしょうか。

 

過多と過少

リバプールは1つずつ剥がしていく中で、門を広げながら過多と過少を局所で作り出してアストン・ヴィラの遅れとズレを生み出しました。

ではどのようにこれらを生み出していたのでしょうか。

主に前半に行っていたのがこれ。結論からいうとSBとIHの距離を作り出すことで新たな展開を促していました。

ではSBとIHとの距離を作り出すために何を行ったかというと、コウチーニョのところで数的優位を作り出すことです。この役割を主に担ったのがケイタです。彼がファビーニョの付近まで降りていくことでマッギンを誘き出します。これはアストン・ヴィラのプレスの基盤に「中央経由の前進を防ぐ」というものを利用したものだと思います。

だからこそこれでアーノルドとマッギンの距離を広げてアーノルドがフリーでボールを持てるようになっていました。

これでアーノルドが時間とスペースを持って右足を振ることができれば、一気に逆サイドへ展開、背後への展開、少し持ち出してアーリークロスなど、いろんな展開を作り出すことができます。だからこそアストン・ヴィラはここにSBを押し出すことを選択したくなります。

しかし、アストン・ヴィラSBには近くにWGがいることでマーカーを捨ててまでプレスに出ることに躊躇します。この躊躇を消すためにディアスとマネが入れ替わる形、もっというと縦関係のような形になることで、アストン・ヴィラのSBに対して「マーカーレス」の状態を作り出します。これで躊躇なくアーノルドまでディニュが出ていくと、その背後をディアスもしくはマネがランニングで使っていくことで一気に背後を取ります。ここのボールを落とすことができるのも明確にディニュとアーノルドの距離を作り出しているからです。

このようにして主に前半はプレスを回避していた印象です。だからこそアーノルドからの展開が多く、右から左の展開が増えていたのだと思います。

さらにリバプールは後半から以下のようなやり方も組み込んでいきます。

後半からは左からの展開を多くするために左でのタスク過多をアストン・ヴィラに突きつけます。そのためにアーノルドが内側に入ってファビーニョの横、詳細にいうならばイングスとコウチーニョの門の先に入るようになっていました。これでIHケイタが逆まで流れて、ルイスを止める役割を果たします。さらにIHジョーンズが外側に出ることでSBキャッシュを止めます。これでSBツィミカスとファンダイクがボールを持てるようになっていました。特にツィミカスがボールを持てるようになっていました。

そしてジョタが背後と斜めを作り出しながらキャッシュの背後を取りコンサを動かさば、手前にマネ、背後にディアスのような形も作ることができるようになっていました。ここでルイスに上手くタスク過多の状態を作り出すことで、縦パスを打ち込むだけの時間を作り出して攻撃を仕掛けていたのは見事だなと感じましたし、この展開を作り出してからのチアゴ投入は反則だろとも感じました。

それにしても強いです、リバプール。ディアスも恐ろしや。

 

雑感

ジェラードが監督になってから割とアストン・ヴィラのサッカーも見てきました。嵌ればかなり破壊力抜群で、剥がされてしまうと苦しくなるのはここまで見てきた通りですが、それでも彼らのフットボールにはロマンを感じますし、何より好戦的でフルスロットルなフットボールは見ていてバチバチで楽しいです。

そしてその土俵に上がると思っていたリバプールでしたが、まさかのそうではくてしっかりと剥がしながらの前進。いなすことでスペースを作り出して、圧倒的な個の能力でぶっ叩く。いやー、ドS。クロップドS。怖い。

今日の試合でマンチェスター・Cと暫定ですが勝ち点で並んだリバプール。シティにプレッシャーを与えれたという事実は間違いなく明日の試合に少なからず影響するでしょう。明朝のシティ vs ウルブスの試合も見てみようかな。

ぜひ皆さんもこの試合を見返してみて下さい!リバプールの回避を見ると楽しいかもです!

 

最後までありがとうございます!

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【コンテの策】プレミアリーグ第36節 リバプール×トッテナム

皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第36節のリバプール×トッテナムについてを考えていこうと思います。

リバプールは前人未到の4冠のために、トッテナムは来季のCL出場圏内確保のために、お互いに是が非でも勝ち点3をもぎ取る必要がありました。このような状況下で熱い試合にならないはずがなく、蓋を開ければめちゃくちゃ面白い試合でした。

コンテ監督がしっかりとリバプールに対して準備してきたものを当てたことで、リバプールはかなり苦しみ、そしてトッテナムは試合を通して確かな手応えを感じていたはずです。

では今回はリバプールに当てたコンテの策を中心にマッチレビューを行っていきますので最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

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コンテの策とは?

ではコンテが用意していた策についてを考えていきます。結論から述べると、トッテナムはロングカウンターで試合を決定付けようと考えていました。

そのために、トッテナムは一度自陣に下がり切るか、もしくはミドルブロックを形成していました。

この時にボールを持たれる場所をCBにし、さらに門をしっかりとと閉じて外循環にさせていくことで、背後のスペースを埋めてスピードを殺すことに成功していました。

ボールを持たせる場所

基本的にトッテナムは5−4−1で守備ブロックを形成することで、MF–DFのライン間を見せず、さらに一番奥のスペースも見えないようにしていました。さらに選手間の距離も近くしたことで、リバプールの選手に縦パスを打ち込ませないようにしていたました。

だから上の図のようにリバプールは最終ラインでボールを保持できるようになっていましたし、逆に言うとトッテナムはリバプールに最終ラインでボールを持たせることに成功していました。

ですが、このままボールを持たれ続けたら当然勝てる訳ではありません、CL出場のために勝利が必要なので、効果的にボールを回収してカウンターに出れるように設定していました。

ではトッテナムはどこでボールを奪うことを考えていたのでしょうか。

最も奪いたい場所はやはりSBの所になります。ここでボールを奪うことができれば、「越えるべき相手」が最も少ない状況で攻撃に移ることが可能になるからです。そしてここに出ていく選手は基本的にSTになっていました。とくにクルゼフスキサイドにボールを誘導していくことで、ボールを回収(出し手)⇨起点(ケインが受け手)⇨背後(ソン)のカウンターを狙っているように見えました。

ソンとケインのプレーポジションを見てみても、ソンの方が最前線に近く、クルゼフスキの方がよりロバートソンの近くに寄っているようなポジションになっているので、

これは狙っていたことなのではないでしょうか。

(以下のリンクを参考)

https://www.whoscored.com/Matches/1549891/MatchReport/England-Premier-League-2021-2022-Liverpool-Tottenham

 

当然、SBの所でボールを回収できることは難しいです。なぜなら距離が少しできていること、さらに背後にレシーバーが多くいるので、プレスをかける時に消すべきものがたくさんあるからです。

だからSBで奪うのではなく、次のプレー、もしくはその次のプレーでボールを回収することを考えます。それがSB⇨WGのパスです。ここにはしっかりとWBを当て嵌めにいくことで、制限を与えます。

当然、この時に一番やられてはいけないのが「4」のラインの手前でボールを受けてリズムを作る、相手を動かそうとしていたチアゴから縦パスを打ち込まれることです。だからこそ、ここにはCHベンタンクールが牽制をかけることで外循環に仕向けるようにしていました。

これでホイビュアがしっかりとスライドを行うことで、WGに対しての選択肢を削ってボールを回収、仮に斜めに打ち込まれてもホイビュアのスライドとロメロの前向きの対応によってボールと人にアタックすることが可能になっていました。

だからこそボールを前向きに奪うことができ、さらにはセンダーに対しても制限をかけれている+背後のスペースを消しているので裏を取られる回数も少なかったのではないでしょうか。

そしてボールを奪ってからは基本的にケインを探します。

まずは先ほども述べたように、サイドで局所的な数的優位を作り出してのボール回収を試みます。ここで奪えない場合は大体、クロスからの攻撃を仕掛けられることが多くなっていました。いや、動かされていないのでクロスからの攻撃を仕向けるようにしていたのかもしれません。それでもロバートソンとアーノルドからのクロスを許容するのは少しリスクがあることな気がしますが。

とりあえず、入ってくるクロスをしっかりと跳ね返していくことで、2ndボールを回収していきます。

この回収したボール、もしくはサイドで奪ったボールをまずは縦に持ち出すことを考えていました。ここで背後ではなく、手前のケインを探すことを行います。ここでケインがポイントを作り出すことができれば、ソンのランニング、厚みを加えるセセニョンとエメルソンのランニングも促すことができます。だからこそ、トッテナムの選手は背後ではなく、ケインを探していました。

受け手となるケインは常にファンダイク、ファビーニョ、コナテから離れた場所で起点を作ろうと努力します。なぜなら彼らを背負って、または動かさずしてボールをキープすることはかなり困難なことだからです。

彼らの対応も最高峰のものなので、試合のポイントの1つはここで潰し切れるか、それともキープして時間を作れるか否かになっているように僕には映りました。

ここでボールをキープすることができるのであれば、ケインとソンの阿吽の呼吸でカウンターを発動することもできますし、逆にリバプールはここで潰し切れれば再び攻撃を仕掛けることができます。

1つ、ここの攻防を見ていてもかなり楽しめる試合だったのではないでしょうか。ケインもファビーニョもずるいのは確かです。笑

 

このようにしてトッテナムはリバプールに対して向かっていくことで、蜂の一刺しを狙い、要塞アンフィールドから勝ち点3を持ち帰ろうと試みていました。コンテ監督も選手も試合を通して、かなりの手応えはあったのではないでしょうか。

 

コンテの策の補足

少し補足です。

守備の部分でプレスに出る明確なタイミングもありました。それがWGが幅を作った所から列を飛び越えて降りてくる場合です。この場合にはWBがそのままついていくことによって、全体が前向きに出ていく、もしくはプッシュアップするための合図になっていた印象です。全部が全部、リトリートしながらカウンターの機を伺うのではなく、時には制限をかけていく中で、ボールを回収しようと試みていました。

 

そしてもう1つの補足が保持の局面です。トッテナムはボールを奪うとケインを探すことを最優先としていましたが、やはり潰されている、消されていることもあります。むしろビッグプレーヤーなので、マークされていることは当然です。背負った状態でもボールを扱える選手ではありますが、それだけではかなりの負担がかかります。それこそブラック企業並みに。

だからこそ、彼らは保持の局面も作り出すことを行っていました。リバプールの3トップに対してしっかりとロリスを含めた4枚で広がりを持ちながらプレスを呼び込み、WBで時間を作る、もしくはその1つ奥のWBにボールを届けるようにプレーする場面を見受けることができました。

トッテナムの先制点はセットプレーからの流れではありますが、しっかりとエメルソンが空間で受けれるようにポジションを取り直した所から生まれた攻撃です。

他にもデイビスやロメロがサラーとディアスから距離を作り出しながら、ボールを引き取り、WG–IHの門を広げる作業も行っていましたし、WBでSBを釣り出すことでその背後でSTが受けれるような設定もありました。これを行っていく中で、ファビーニョを中央から退かすこともでき、初めてここでケインや逆STがボールを割と自由にピックアップできる場面もありました。

この保持の局面を恐れずに行ったことで、リバプールを引き込み、相手を動かし、カウンターを完結させるためのスペースを作り出すことができていました。

このような振る舞いもあったことを補足として触れさせて下さい。

 

チャンスはトランジション

コンテの策によってリバプールが全く攻め込めなかったかと言うとそうではありません。現にこの強固な守備をこじ開けて見せました。さらには際どいチャンスも幾つか作り出しています。

ではどこにそのチャンスがあったのでしょうか。

それは彼らがここまで上り詰めた理由の1つ、トランジションの局面になりました。先述したように、トッテナムはリバプールの速さをまずは消すことを行ったため、外循環かつ背後を消すことを考えていました。

だからこそ、無理やり差し込もうとすると奪われてカウンターを受け手しまいます。ですが、今のリバプールにはチアゴがいて、そして保持の局面で相手を動かすことを行います。だからヘンダーソンが外側に流れてローリングしてみたり、ディアスがベンタンクールとクルゼフスキの門の先に立ってみたり、差し込む方法を探っていました。そしてボールを失った瞬間に、まずは縦方向を消すことを行います。これはケインを消すと同時に、センダーに対して制限をかけれる距離と強度を保っているので横パスを選択させることができます。これがともて重要で、この時間で一気に圧縮してボールを回収、もしくは斜めで受けるSTやケインに対して2〜3人の人数をかけることで、ネガティブトランジションを完結させることができていました。

そてネガトラを制することにより、前に出てこようとしていたトッテナムの何人かのベクトルをひっくり返すことができます。これがこの試合のトッテナムの隙であり、リバプールがチャンスを生み出せる時間になっているように僕には感じました。

もちろん個人の力で打開していく場面もありましたが、狙ってチャンスを生み出せていたのはトランジションからが多いと僕は感じました。

 

当然クロップ監督はハーフタイムでも修正を加えています。

その修正というのがマネの中盤のヘルプです。主にCHベンタンクールとホイビュアの門の先に立つようになっていました。これがトッテナムの中盤4枚を横の引き伸ばすことができる要因になっていたと思います。

これがあったからこそ、前半は内側に立つことが多かったアーノルドが外側で起点を作る回数が多くなったり、ロバートソンもさらに攻撃に出られるようになっていました。だからこそ、ヘンダーソンに変えてジョタを投入して4−4−2にして攻撃の迫力を強化していました。その結果が同点ゴールに繋がったと思いますが、にしてもディアスの個人技がやばかったのもありますね。

 

22本のシュートを打ちましたが、反撃もここまで。逆転ゴールをこじ開けるまでにはいきませんでした。

 

雑感

お互いに喉から手が出るほど欲しかった勝利。特にリバプールはマンチェスター・Cに引き離される形になってしまいました。リーグ優勝するためには引き続き残りの試合の全勝は必須です。あとはウルブス、ウェストハム、アストン・ヴィラに託す他ありません。果たして未踏の境地へ辿り着くことができるのか、欧州サッカーもクライマックスもクライマックス。引き続き目が離せませんね!

一方のトッテナム。彼らもまた勝利が必要でしたが、それは叶いませんでした。ですがライバルチームのアーセナルとのダービーが残されています。本当の勝負はここでしょう。ここでライバルを叩いたチームが欧州最高峰の戦いに臨めるのではないでしょうか。

いやー、面白い試合だった!みなさんもぜひ見返してみてね!!!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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ではまた次の記事で!

 

【サンフレを選んでくれてありがとう】J1第12節 サンフレッチェ広島×鹿島アントラーズ

皆さん、どうも!今回はJ1第12節のサンフレ×アントラーズについてをざっと考えていこうと思います!

詳細レビューはYouTubeで行っておりますので、気になる方は以下のリンクからご覧下さい!

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皆さんはこの試合見ましたか?

あ、この記事を開いているということは流石に見ましたね。笑

この試合はお互いに中盤での潰し合いになると思っていましたが、蓋を開けてみれば案外そうでもなく、サンフレの保持とプレスによってアントラーズを苦しめていた試合になりました。

サンフレを応援しているのでホームでの完勝はとても嬉しかったですし、何より荒木が報われて良かった!昨シーズン、悔しすぎる敗戦を彼は味わっていましたし、本当に良かった!

 

前置きはこのあたりにして、試合内容に目を向けてみましょう。

まずはサンフレのプレッシングの局面から。サンフレが考えていたのは「レシーバーとセンダーを引き伸ばすこと」ではないでしょうか。

これを行っていくために、ボールの循環を外回りにして選択肢を削っていく守備をまずは突きつける。これでボールを失いたくないアントラーズは、CHやSHのヘルプを必要として、どんどん選手が下がってくる。これで上田と鈴木⇆センダーの引き伸ばしに成功。

というのがサンフレの考えたプレッシングだと僕は思いました。だからこそ、サントスとベンカリファで三竿と関川に向かっていくように仕向けていましたし、WBはSBまで出てきていました。

このプレスで重要な役割を担ったのが、満田とボールと逆のCFです。ここの縦スライドをサボってしまうと逃げられる確率が上がってしまうので、ここは徹底していました。

だから遅れは少なかったですし、森島が前に出てきてプレスを行うこともできていました。これは満田の縦の戻りがかなり質が高く速いから、森島が前に出る選択ができたんだと思います。

また鈴木が流れて受ける場合はWBが対応し、SBには森島が出ていくことを基本形としていました。

レーンの移動とライン越えの対応がかなり明瞭になっていて、「遅れ」自体が少なかったですし、闇雲に突っ込まないので、3CBが動かされてスペースが空いてしまうことが少なくなっていました。

だからこそ鈴木優磨がサイドに流れたりラインを越えて降りて行ったときのマークの受け渡しがかなりはっきりしていて、かなり安心してみることができました。スキッベさん、受け渡しを整理していくれてありがとう。

これで外回りにしつつ、選手間の距離を引き伸ばして、そこから広がった空間で2nd

ボールを回収することができていた印象です。

当初は中盤での潰し合いになると思っていましたが、サンフレの引き伸ばし方がうまかったので、完全にサンフレが中盤でも優位性を維持することができていました。

 

いやー、めちゃくちゃ強いんよ、サンフレのCB陣。安心安全。

 

もちろん、保持の時間軸でもサンフレは優位に立つことができていました。これは動かす場所があって、それがSBです。ここのSBの背後を上手く使っていくためにベンカリファとサントスの2トップになっていたんだと思います。

その方法はYouTubeで解説させて頂いているので、そちらをご覧いただけると嬉しいです。

特にSHを動かしてからの門を通すか、WBに渡してSBを動かすかの選択の仕方はさすがだなと思いましたし、全てがハイプレス、もしくはゲーゲンプレスで試合を完結させようとしないところも好印象です。

それにしても満田と森島のサポートの上手さとランニングのタイミングはほんとすごかった…!!!

そんでサントスがサイドに流れてスペースで前向きに引き取ったときの迫力も言わずもがな。サントスはベンカリファと満田と組んだこの形がかなりやりやすそうな気がしました。

攻撃でも明確にどこを動かすかを決めたいたので、アントラーズにとってかなりの有効打になったのではないでしょうか。

 

ほんとにざっとですけど、振り返ってみました。とういうよりも感想か。笑

 

首位のチームに勝って、この内容。スキッベさん、サンフレを選んでくれてありがとう。週末がより楽しいものになってますよ!!!

これからも楽しくて面白い、そして勝利を届けられるチームを構築してって下さい!

最後まで読んでくれてありがとね!!!

 

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【隠せるか否か】プレミアリーグ第34節 アーセナル×マンチェスター・U

皆さん、どうも。今回はUCL出場を賭けた大事な一戦だった、アーセナル×マンチェスター・Uについてを考えていきます!

この試合はプレスをかける際の「隠せるか否か」が明暗を分けたと思いました。マンチェスター・Uには隠すことができずに門が広がり遅れが出てしまっていました。門が広がってしまうのはボールの出しどころに制限がかかっていないことも大きく関係していたと感じました。

対するアーセナルはウーデゴールやエンケティアがしっかりと背後に立つマティッチやマクトミネイを確認してCBに向かっていきました。だからこそ外に誘導し、しっかりと後ろがついてくることができていました。ゆえにコンパクトになり、ボールと人をアタックすることができ、ボールを回収することが可能になっていました。

では今回はこのビッグマッチについてを考えていきましょう!

 

スターティングメンバー

 

隠せるか否か

こちらはYouTubeで解説させて頂きました。

内容はいかになります。

  • マンチェスター・Uのプレス
  • アーセナルのプレスについて
  • アーセナルの回避について
  • 後半に修正を加えたマンチェスター・U

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今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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【ダービーの行方】プレミアリーグ第25節 チェルシー×アーセナル

皆さん、お久しぶりです。今回のビッグロンドンダービーはブログでも行っていこうと思います!

皆さんはビッグロンドンダービーをご覧になられたでしょうか?

チェルシーは週末の試合でFAカップを勝利して決勝に進出。一方のアーセナルはリーグ戦3連敗と苦しい状況下にありました。しかし勢いや流れが全く関係なくなるのがダービーです。そして撃ち合いを制し、連敗を断ち切ったアーセナル。さらにCL出場圏内争いが熾烈なものになってきました。

では早速ですが、この試合についてを考えていきますので、最後まで目を通してい頂けると嬉しいです!

YouTubeでも解説してますのでぜひ!

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スターティングメンバー

 

向かっていく守備と押し戻す守備

まずはアーセナルの守備についてを考えていきます。彼らチェルシーに対して向かっていく守備と押し戻す守備をはっきり使い分けることでチェルシーの攻撃を食い止めることに成功していました。

ではまずは向かっていく守備についてに触れていきます。

プレスをかけるときの担当
かなり人を意識していた

アーセナルがハイプレスを仕掛けるときには上記のような担当になっていた。予想では3バックになっていましたが(攻撃時は3バックみたいになっていたけど)、蓋を開けてみると4−2−3−1のいつもの形でした。この方法を行う上で、何が大切だったかというと「プレー時間を削る」ことです。特に外側のCBのサールとジェームズに対して判断を迫らせることを行っていました。

これを行っていくことで、チェルシーの前進を窮屈なものにしていくこととWBを低い位置に押し戻していくことを考えていた印象です。特にWBを押し戻すことができれば、アーセナルからするとSBを押し出すことができるので、前に人数をかけることができてハイプレスを完結させることが可能になります。

そしてこの試合では中盤もかなり人を意識していたので、中央経由の前進を食い止めることができ、制限がかかった中からCB⇨CFもしくはGK⇨CFのロングパスを選択させていたので、ホールディングとガブリエウがしっかりと跳ね返すことができていました。基準を作り出すルカクに対して仕事をさせなかったのが、この試合の大きな分岐点の1つだと思います。

だからこのハイプレスではCBから出てくるパスとCF(前線)へのロングパスを跳ね返して回収していくことをアーセナルは考えていたのではないでしょうか。

 

では押し戻すときはどのように振舞っていたのでしょうか。

押し戻すときはゾーン中心

押し戻す守備は基本的に自陣で行うことが多くありました。この守備を行う時は4−4−2(4−4−1−1)になり、ゾーン中心に考えていました。こうすることで中央を消して最終ラインにボールを保持させ、そして外回りのボール循環にさせます。

押し戻すタイミングはほぼ決まっていて、SHの手前にWB降りてきた時とCBが持ち出してきた時に、人を押し出してバックパスを選択させます。こうすることで、チェルシー全体を押し戻して再び前進のフェーズに後退させていました。そして後退のフェーズに移行させると、アーセナルは再び前から圧力を加えていくことで、ボールを回収していくことを考えていきます。

当然、強引にゾーンに割って入ろうとチェルシーはしてきます。これに対しては入ってきた人とボールに対してしっかりとアタックしていく中で、ボールを回収していました。そしてカウンターに出て攻撃を完結させることも叶っていた印象を受けました。

4ゴールというインパクトの強い数字が残りましたが、僕はアーセナルの押し戻す守備と向かっていく守備の上手さがこの試合に大きく影響を与えたと感じました。

 

列落ちに苦しんだチェルシー

では一方のチェルシーの守備はどうだったのでしょうか。チェルシーはアーセナルのビルドアップに対して苦しんだ印象を受けました。特にスミスロウの列落ちとウーデゴールのカンテを退かすプレーに苦しんでいた印象です。

 

アーセナルの前進に対してチェルシーも基本的に人を意識してハイプレスを行っていきます。ですが上記のように、アーセナルはSbタヴァレスを押し出すことでスミスロウを内側でプレーさせるようにしていました。

ここの3バックへの可変にチェルシーは苦戦を強いられてしまいます。特にロフタスチーク、もしくはマウントの場所で常に数的不利な状況下に持ち込まれてしまい、簡単に2ndラインを超えられてしまうことが多く見受けられました。これはスミスロウがCBジェームズとの距離を作り出すこと、さらにタヴァレスが高い位置にポジションを取ったことにより、スミスロウが浮いた状態になってたので、2ndラインを越えられてしまっていました。またウーデゴールに対してはカンテがついていたのですが、ここでカンテを釣り出されてしまうと、そこの空いた空間を使われてしまい、逆サイドへ展開される場面をありました。

だからSHサカ vs CBサール(もしくはアロンソ)の対戦も多くありましたし、ここで主導権を握られてしまって苦しい状況に持ち込まれてしまっていました。

スミスロウの列落ちがあったからこそ、チェルシーは苦しみ、うまくハイプレスが嵌まらなかったのではないでしょうか。

だから前半の終わり辺りでロフタスチークとカンテを並べることで空間の管理をしっかりと行い、さらにハーフタイムでシウバを投入することで、「読み」による潰しを効かして修正を行いました。さらにCBにもしっかりと制限をかけることで、ボールの出ところを潰すもしくは精度を落とすように手を加えていました。

ひたすらにスミスロウとウーデゴールの動きによって、かなり苦しんでいた印象を僕は受けました。

 

上手く前進できない理由

特に前半のチェルシーが上手く前進できない理由は2つあったと思います。それが「CBの持ち出し」と「CFのヘルプ」です。これが大きく影響を与えていたと思いました。

まずはCBの持ち出しがない状況から。このように外側のCBがボールを持ったときにアーセナルSHを呼び込むことができます。ここで問題だったのがCBの立ち位置です。右から左、もしくは左から右にボールを動かしたときに、SH⇆CBの距離を作ることができていれば簡単に持ち出すことができたはずです。

ですがこの試合では上の図のようにSHに向かって来られてしまうようになっていました。だからここでヘルプを行うのがWBになります。当然、SHの陰に隠れていたらボールを引き取ることができないので、SHの陰から出るように下がってボールを引き取ることを行います。ここで他の選手はWBでボールを失わないようにSBとCHを流れるCFとIHでピン止めします。

こうすることで一旦は起点を作り出すことができるのですが、パスの出しところがない分、アーセナルに圧縮されてしまいます。

このようにマウントのマークを行っていたエルネニーがアロンソまで出ていくこと、さらにサカがプレスバックを行うことで圧縮されてしまいます。当然中盤もスライドを行っているので、ボールホルダーからするとかなり窮屈な状況です。

ここでCFルカクとハヴァーツの違いがはっきりと出てきていました。ルカクは中央に構えてCBを止める役割を果たすストライカーで動きはあまり加えられません。一方のハヴァーツは動きを加えながらパスコースを作り出して前進を助けていく選手です。そして現在のチェルシーにマッチするのはハヴァーツです。だからこそ彼が先発に名を連ね、印象的な活躍をしているのではないでしょうか。

現にこの試合でもハヴァーツが入ってからは効果的にボールを循環させることができていました。これは1つパスコースを作り出すことで、圧縮されたところから抜け出し、新たな展開を促すことができるからです。

ルカクがいる場合はもう少し彼に向かって長い球を送り込んでも良いのではないでしょうか。信頼されていないからか、彼への長いパスは極端に少ない印象です。前半26分あたりのロングパスからのトランジション、そして速攻という場面を作り出せるのを見ると、強引に前進する方法も取り入れても良いと感じました。

兎にも角にも、現在のチェルシーには確実にハヴァーツが必要ですし、実地でシウバがサールのポジショニングを支持して修正しているのを見ると、サールの成長とリュディガーが必要だなと感じた一戦でした。

 

本当に安全圏…?

アーセナルの調子が悪い時のビッグロンドンダービーに限ってどこか負ける印象が僕にはあります。だからこそダービーは怖く、同時にハラハラします。仮にここでアーセナルを叩くことができていれば、CL圏内は確実だったと思います。ですがここから難しい対戦相手が続く中で、果たして安全圏と行けるのかは少し不安です。だからこそ、このダービーでの敗戦をしっかりと受け止めて、もう一度喝を入れ直して、勝利を取り戻してもらいたいです。FA杯を制し、CL出場を手にし、しっかりとシーズンを締め括れるようにこれからも応援していきましょう!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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【矢印の共有】プレミアリーグ第32節 サウサンプトン×チェルシー

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皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第32節のサウサンプトン×チェルシーについてを考えていこうと思います。

CLレアル・マドリード戦の敗戦を受け、しっかりとリアクションを見せたかったチェルシー。正直試合前は少し不安がありましたが、蓋を開けてみれば6得点を叩き込む完勝でした。より縦の意識を強めたのか、サウサンプトンの矢印の向きを可視化していくことで攻撃を仕掛けていました。

では今回はチェルシーがどのタイミングで矢印を可視化し、そしてどのようにして攻撃を仕掛けていたのかを考えていきますので最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

 

 

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矢印の共有の上手さ

チェルシーの矢印の可視化を考えていく前に、少しだけサウサンプトンの守備に触れていきます。サウサンプトンは基本的にプレッシングをかけていくことを行います。

そこで2トップのプレッシングだとチェルシーの3バックに圧力がかかりにくくなります。だからこそ以下のような捕まえ方を行っていた印象です。

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3バックに圧力をかける
+
中央のラインを越えさせない

3バックには基本的に2トップとS=アームストロングが牽制をしていました。これで逆SHのエルユヌシが中盤に入り気味になっていました。この時に意識しているのが中央からラインを越えられないことです。これで外側に誘導して狙って奪う、もしくは中央に入ってくるパスを圧縮して回収という狙いがあったと思います。

この守備は基本的に前向きの守備になるので、チェルシーはそれを利用して攻撃を仕掛け、そして速い段階でその矢印をひっくり返し、引き伸ばすことを終始行っていました。

 

矢印共有のタイミング

ではどのタイミングでそれを行っていたのかをまずは考えていこうと思います。

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まずプレッシングを呼び込む、いわゆる矢印を決定付ける場所はCBになります。これはサウサンプトンの守備方法と大きく関係しています。

ここがチーム全体で矢印を可視化するタイミングになっていた印象を僕は受けました。

この方法は主に左サイドで行われており、上の図のようにリュディガーがボールを持つと、アロンソが高い位置を取ってSBをピン止め、コバチッチがウォード=プラウズのベクトルを呼び込むポジショニングをします。

これで個人・組織ともに前向きのベクトルの度合いを強くしていました。

チェルシーはこれを利用して、マウントが横に動くことでリュディガーからボールをピックアップします。当然、アロンソがSBを止めているのでマウントまでジャンプして出ていくことが難しくなっています。

だからこそ、マウントがCHの脇、もしくはその背後で時間を持てることが多くなっていたのではないでしょうか。

そしてここから逆サイドに展開する、アロンソもしくはヴェルナーを使ってさらに攻撃のスピードを上げていくか、ドリブルで持ち出すか、様々な選択肢の中からより良いものを選択してました。最も選択することが多かったのが縦に早くなるプレーです。これはもしかするとトゥヘル監督から指示があったのかもしれません。

より縦に早く攻撃を仕掛けることで、前向きのベクトルと後ろ向きのベクトルと作り出してサウサンプトン間延びさせることを考えていたように僕は感じました。

だからサウサンプトンは引き剥がされるなら、後ろを5枚にして構えて間延びを防ごうと考えたのだと思います。

 

ここまでが左サイドの話です。では右サイドはどのようになっていたのでしょうか。

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右サイドではWBにロフタス=チークが起用されていました。ここに彼が起用されることによって、まずが左サイドから右サイドへ展開するときの中継役として機能することが可能になります。さらにマウントの1点目のように抜け出して深さを作ることもできます。今触れたのは主に崩しとその一歩手前のことです。

個人的には組み立てのところでロフタス=チークをWBで起用した意図が見えたように感じました。

それが上の図のような局面です。このような局面がかなり多く見受けることができ、確実にトゥヘル監督が落とし込んでいることではないでしょうか。(アスピリクエタでもジェームズでも行いますが、ロフタス=チークの方がよりこの回数が多かったです)

まずクリステンセンがシウバとアダムスから距離を取ることから出発します。当然、ここでも矢印の共有が行われます。それが右サイドと同様にクリステンセンにパスが入った時です。

左サイドと少し違うのがクリステンセンが距離を取ったことで「パス到達する時間」があることです。これはプレスを引き込むことも考えられていますが、他の選手がポジションをとる時間を稼ぐことの方が比重が大きいように感じました。

だからこそハヴァーツ(ヴェルナーのこともあり)が幅を作り出してSBを止め、カンテがSHを止め、マウントがCHを止めることができていました。こうなると空いてくるのがロフタス=チークになります。

ここでロフタス=チークがボールを受けることができれば、彼の推進力を生かしながら、もしくは展開力を生かしながら崩しを考えていくことができます。さらにキープ力があるので、カンテの飛び出しも促すことも可能です。

 

当然、これが全てではなく状況によってプレーする人が変わることも前進方法が変わることがあります。これを行ってことで、中央からの前進も速い攻撃も効力を増していた印象です。

このようにして、チェルシーは矢印の共有を行ったことで簡単そうに前進をしていました。いざプレーしてみるとかなり複雑で難しいことを行っています。タイミング、見るものの多さ、繊細なポジショニングとその修正など、到底僕にはできない芸当です、ほんと凄い…。

 

矢印をひっくり返す

前進から崩しに移ると、矢印をひっくり返して攻撃を完結させます。これはアロンソのゴールシーンを見ていただけると分かりやすいと思います。

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前進の時点でフリーになれる場所がCHの脇となります。ここからどのように攻撃を考えていたかというと、まずはサウサンプトンのDF陣のベクトルを後ろ向きにすることです。だからこそヴェルナー(もしくはハヴァーツ)とマウントが背後のランニングを行っていきます。この時に「1人で2人に影響を与える」ためにDFの中間にランニングコースを取ります。これでどっちつかずの対応を強要させることで、2人が対応を行わないといけない状況を作り出していました。

当然、最優先は背後にランニングした選手です。この抜け出しが存外に上手いのがヴェルナーでありハヴァーツです。ハヴァーツが先発で起用される理由の1つはこのランニングの上手さにありますし、この試合でヴァルナーが幾度となく決定機を迎えられたのもこのランニングによる影響が大きく関係していると思います。

この最優先のパスを消された場合に、初めて逆サイドを選択します。ランニングで「背後に引っ張っている」状態を作り出せているので、間延びを作り出すことに成功していました。

ランニングのキャンセルとそれに伴うポジショニングのセンスが抜群なマウントがいることで、中央でボールを引き取ることができていましたし、マウントを経由していくことで逆サイドのアロンソにシュートチャンスを提供することができていました。

 

このように矢印の共有と引き伸ばしを繰り返し、そして試合を通して一貫して行ったことで大勝を収めることができたのではないでしょうか。

 

いざ、ベルナベウへ!

公式戦2連敗の中で迎えた難しい試合でしたが、大勝を収めたことで選手を休めることもできましたし、何よりも自信を取り戻せたのではないでしょうか。戦術やコンディショニンなど、多くの要素がサッカーにはありますが、やはり最も大切なのは気持ちだと思います。サッカーはより感情的なスポーツで、その選手の除熱や興奮がサポーターまで届き、熱狂を巻き起こします。だからこそ、この大勝を収めた試合はアウェイにも関わらず、チェルシーサポーターの声が響いていましたし、その情熱とチームの熱意が画面越しに伝わってきました。

難しい試合なのは重々承知の上ですが、彼らならやってくれると僕は信じています。逆境に強いのがチェルシーだと勝手に僕は思っています。いざ、ベルナベウで大逆転勝利を!!!

 

最後までありがとうございます!

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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