首位でW杯ブレイクへ!【現実味を帯びてきたリーグ優勝】プレミアリーグ第15節 ウルブス×アーセナル

皆さん、どうも!今回はプレミアリーグ第15節のウルブス×アーセナルのマッチレビューを行なっていきます。

硬直した前半とその硬直を崩すべく行なったアルテタ監督の微調整についてをYouTubeで解説しましたので以下のリンクからご覧下さい!

 

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次回の考察もお楽しみに!!!

【守備者に影響を与えるために】プレミアリーグ第14節 アーセナル×ノッティンガム・フォレスト

皆さん、どうも。今回はアーセナルの試合のレビューを行なっていきます。この試合で5ゴールを奪ったアーセナル。セインツ戦からの学びが多い中で、この試合で行った守備者に影響を与えるために行ったこと。これについて考えてみました

YouTubeで解説してますので、どうぞご覧ください!!!

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次回の解説もお楽しみに!!!

【試合考察:捕まった時にどう考えるか】プレミアリーグ第13節 サウサンプトン×アーセナル

皆さん、どうも。今回はプレミアリーグ第13節のサウサンプトン×アーセナルについてを考えていきます。

疲労も関係しながらドローで終えた一戦ですが、しっかりと自分たちの色を出せていたと思います。だからこそ、決め切れるところで決めきれなかったのが悔やまれる試合だったと思います。

今回も何が起きていたのかをしっかり僕なりに考えてみましたので、どうぞご覧下さい!

こちらはYouTubeで考察してますので、以下のリンクからどうぞ!

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ではまた次の考察もお楽しみに!

【ソシエダを先導する久保】LaLiga第10節 レアル・ソシエダ×マジョルカ

皆さん、どうも。今回はLaLiga第10節のソシエダ×マジョルカについて考察をしていきます。この試合の勝利でLaLiga7連勝、公式戦8連勝になりました。そんなソシエダを先導している1人の日本人、久保建英です。

攻撃面での貢献はもちろんのこと、守備面での貢献度の高さも忘れてはいけないところです。彼のプレスの強度は、ソシエダのプレッシングを先導しているのは間違いないでしょう。だからこそ、ソシエダはハイプレスからのショートカウンターのクオリティが LaLigaの中でも高いのだと思います。

では早速ですが、この試合で何が起きていたのか、そしてソシエダがどのようにしてプレスと攻撃を完結させていたのかを考察していきましょう。

 

こちらはYouTubeで徹底考察してますので、どうぞご覧下さい!

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スターティングメンバー

 

マジョルカの守備を崩すために

ここがまずこの試合の焦点になると思います。5−4−1のブロックを形成して、ソシエダをゴールから遠ざけることを行います。

ではまずはマジョルカの守備の設計についてを考えてこうと思います。以下の図をご覧下さい。

まず5−4のブロックは基本的にペナ幅で形成していました。これでお互いの門を狭くして、内側に差し込めない状況を作り出します。さらに縦のラインもかなり狭くして、ライン間のスペースもなくしていました。

どこかを狭くすれば、どこかが広がるのは当然のことで、マジョルカはソシエダCBとSBを割と放置することを選択していました。そしてロドリゲスはゲバラを消すことを行っていました。

もちろん、完全放置ではなくてSTの手前にいるときは次のように牽制をかけます。

このようにダニロドリゲスがリコに対して内側から外側に出ていきます。この時に意識するのがWBとCBとSTとCHでメリーノとシルバを閉じ込めることを意識していました。これでSBに対してはWBではなく、STが対応する形をとり、マジョルカは「3CB脇」を上手に隠すこと、埋めることを行っていました。だからソシエダはマジョルカのゴールに近づくことが難しくなっていた印象です。

 

ではSTのラインをSBが越えて受けたときはどのようになっていたのでしょうか。

以下の図をご覧下さい。

このようにSTが斜めに出ていくのではなく、横に対応することを選択します。ここでもWBはSBに出ていくことは少なかったです。だからこそ、ジローナ戦やエスパニョール戦のような3CB脇強襲を行うことが難しくなっていたのは確実です。

 

何度も言いますが、基本的にマジョルカは横と縦をかなり狭めてゴールから遠ざけて、入ってくる時点でスペースと時間を奪えているので、これでボールを回収してカウンターを打つ形で守備を進めていきます。

 

ではこれに対してソシエダはどのようにしてこの守備ブロックを崩していたのでしょうか。

 

回してズレを作るソシエダ

久保、シルバ、メリーノ、メンデスのローテーションはロマンに満ち溢れていると僕はいつもソシエダの試合を見ています。

この試合でもローテーションを行って、相手を止めること、マーカーをズラすこと、それによって作った遅れとスペースを利用した攻撃を仕掛けていました。

ではどこを回していたのかをまずは触れていきます。

まず回るのは久保とメリーノとシルバのところです。とくに久保がサイドに広がってWBを止めることを行うことは設計されていることです。これはどの試合でも久保が外側に流れて大外を止める、もしくはそこでボールを引き取ってドリブルで仕掛けていくことが多くなっています。だから久保のアシスト数が増えているのではないでしょうか。

さらに久保が流れたことでシルバがIHの立ち位置に入り、メリーノが2ndラインの手前に降りてリコの並行を作り出します。

ここの回しはメリーノがライン間に留まり、シルバが2ndラインの手前と並行を作り出すこともあります。

ではどのようにここから崩しを行っていたのかを考察していきましょう。以下の図をご覧下さい。

まず崩しのスタートになるのが、ここではリコとメリーノです。これはダニロドリゲスに対して数的優位の状況を作り出しているので外から差し込むか、1つ中から差し込むかの違いになります。

そして先にも述べたように、久保がゴンザレスを止め、寄ってきたシルバがルッソ止めることを行います。ここでライン間にパスが入ると、リコかメリーノがレイオフを作り出します。例えばリコが久保にパスを出すとメリーノが3人目になるようなイメージです。シルバに出たらメンデスが3人目になることもありました。

そしてここのコンビネーションで、ズレを作りながら狙うのがハーフスペースです。ここはCBにライン間の対応を行わせて一番奥にスペースを作り出します。

これでレイオフもしくは外の久保から、シルバのテクニックから逆のメンデスが抜け出してフィニッシュワークまで持っていくことが多くなっていました。

もちろんここのローリングと崩しを省いて、スルロットへのクロスでのフィニッシュまで持っていくこともありました。

 

ではもっとサイドを意識した攻撃についても考察していきます。

これはSBがSTを動かしたときにダニロドリゲスとバタグニアの門を広げつつ、シルバにボールを届けます。これで内側を取るので目線を内側に集めることができます。これで大外にポジションを移している久保が斜めに抜け出すことで決定的な場面を作り出すことが可能になっていました。

シルバからのあの決定機は決め切りたかった、惜しい!!!!

ソシエダの崩しは止めながら、マークの受け渡しを強要しながら、そして門を広げてライン間に差し込む、相手の喉元を抉る崩しを行えるのは、見ていてワクワクするな!と毎試合思います。その過程もぜひ皆さんにも楽しんでもらいたいところの1つです。

 

もちろんCKから先制点を奪い、マジョルカがゴールを奪うために重心を少し高くしたということも関係していますが、スペースを創出して、しかもテクニックレベルが高い選手が多いからこそ僅かなスペースで崩しを行えるのはとんでもないなと思いました。

 

そしてこの試合も攻撃からだけではなく、ハイプレスからも攻撃を作っていくこともできていました。

次はハイプレスの局面から攻撃に持っていく方法についてを考察していきます。

 

ハイプレスからクオリティ発揮!

冒頭でも少し触れましたがソシエダのハイプレスとショートカウンターはLaLiga屈指のクオリティを発揮しているのではないでしょうか。

ではどのようにプレスを行っていたかを考えていきます。以下の図をご覧下さい。

まず基本的な担当から。この試合はマジョルカが3バックだったので、トップ下のシルバがライージョに向かっていくことを行います。この時に久保とスルロットは外側のCBを捕まえます。特にスルロットはナスタシッチを予め捕まえる立ち位置を取ります。

これができるのはシルバのプレッシングの巧さがあるからこそできることで、プレスの口火役を久保が担っているからできることだと思います。これは後ほど詳しく話します。

中盤より後ろはCHにはIHがマンツーマンを行うことで近くを見せないようにさせます。そして最終ラインでは3トップvs4バック+アンカーで常時数的優位を作り出すように設定されています。

こうなるとWBが浮く形になるのですが、ここは久保とスルロットとシルバで3CBに対して制限をかけているので、時間を奪っています。それが「探す時間」と「判断する時間」と「技術を発揮する時間」です。この3つをソシエダの1stプレス隊はかなりハイレベルで行えることがプレスを完結できることに大きく関係していると感じています。

 

ではここからどのようにしてプレスを完結させていたのかを詳細に触れていきます。以下の図をご覧下さい。

ソシエダは久保サイドにボールを誘導していくことを基本形にしています。だからソシエダのプレスの口火役は久保になっていますのは明確です。だからルッソにボールを出させると久保が勢いを持って向かっていきます。この時に久保はWBを消しながら向かっていきます。だからルッソは外を見れず、なおかつメリーノも内側を消しているのでGKへのバックパスが多くなっていました。

もちろん、逆サイドの選手たちも連動します。ここの連動と移動のスピードもソシエダを大きく支えています。逆IHメンデスは中央までスライドして、ゲバラがダニロドリゲス付近までズレていきます。スルロットはCHとCBの中間点をとります。

これでGKも逆を見ることが難しくなっていたのだと思います。

だからこそ、ソシエダはここのエリアでボールを回収すぎることが可能になります。

このようにCBにプレスを行った久保はそのままジャンプしてGKライコビッチに向かっていきます。ここの強度がかなり高いので、ライコビッチは逆をみる時間がなく中央に打ち込むことが多くなっていました。ここの強度の高さは継続して行われていることで、何度かGKで引っ掛けて得点をする、ビッグチャンスを作り出すシーンもありました。

そしてこの久保の強度を持ってミスを誘発し、中央でボールを回収してダイレクトにゴールに向かっていくことができるようになっています。

このようにしてソシエダは敵陣で守備と攻撃を完結させるような戦い方でマジョルカを、対戦するチームを苦しめていることが確実です。

 

猛攻を耐え乗り切ったソシエダ

幸先良く先制し、ビッグチャンスを作り出して試合をもっと早く終わらせることも可能だったソシエダですが、そこが敵いませんでした。そしてマジョルカは猛攻に出ます。マジョルカが後半から長いパスを使って、プレスを回避し始めて自陣に釘付けにされることが多くなります。前節のレビューでも話しましたが、ひっくり返されたときのリカバーに少し課題のあるソシエダ。だからこそ、構えて押し返すことを選択しつつ、マジョルカの攻撃に耐え切り、公式戦8連勝を手にしました。

守備でも攻撃でもチームを先導する久保の活躍とソシエダのサッカーにこれからも魅了されていこうと思います。ぜひ皆さんもソシエダの試合を見てみて下さい!

 

最後までお付き合いありがとうございました。また次回の記事もお楽しみに!

【内で止めて外から入る】プレミアリーグ第11節 リーズ×アーセナル

皆さん、どうも。今回はPremier League第11節のリーズ×アーセナルについてを考えていきます。

今季首位に立つのは勢いと確かな強さと共に直向きに走り続けるアーセナル。そのアーセナルがアウェイに乗り込むのはエランド・ロードです。リーズはマーシュ監督と共に、敵陣でボールを掻っ攫い、直線的にゴールに向かっていくチームになっています。

そのリーズに対してアーセナルは特に前半、内側と外側を上手く使い、さらに内側で人を止めることで外から差し込むこと、縦に早く攻撃を仕掛けていくことでサカのスーパーゴールを生み出しました。

後半はリーズの修正に苦しみましたが、耐え切って見事に連勝をキープしました。

では早速リーズ×アーセナルでどのようなことが起きていたかを考察していきましょう!

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スターティングメンバー

 

前半の立ち振る舞い

嵌り切らない前半のリーズのプレス

リーズのプレスが「完璧に嵌り切った」かどうかというと嵌り切ったとは言えないと思います。当然、チャンスを作り出すシーンはありましたが、後半の戦い方と比較したときに嵌り切ったとは言い難いと僕は感じました。

ではまずはリーズが考えていたプレスを考えていきましょう。下の図をご覧下さい。

こちらの図を見る通り、リーズはロドリゴとハリソンがトーマスを消すことから始まります。特にハリソンがトーマスを見るタスクがありました。そして基本的にシニステラがホワイトを見る形を取っていたので、少し前に出るような立ち位置になっていました。ここまで述べたことは主に「意識する」ぐらいのマークの仕方で、マルティネッリとサカにはそれぞれクリステンセン、ストライクが、ウーデゴールにはロカがマンツーマンで対応を行っていました。

ここは明確なものだったので、かなりマーカーに対して近い位置から守備を行っていました。僕はマンツーか気にする程度かゾーンなのかを判断しています。

そして最も複雑でキツいであろうタスクを託されていたのがアーロンソンです。マーシュ監督からの信頼が厚い彼が行っていたタスクは次のものになります。

  1. ジャカを消すこと(中央を消す)
  2. 冨安までジャカを消しながら出ていくこと
  3. バックパスを出させてプレスの本スイッチを入れること
  4. 外誘導でSBに奪わせること

この4つです。若きアメリカ人は、レッドブルグループ出身ということだけあってプレスの迫力と内側から外側に出ていく時の背中での消し方、プレスのランニングコースは目を見張るものがありました。

だからこそ、リーズは以下のようにプレスを完結させていこうという狙いが明確に見えました。以下の図をご覧下さい。

このように2トップが牽制を行いつつ、SBにパスを出させるとそこにアーロンソがプレスを行っていました。先ほども述べたように、アーロンソが内側から外側にプレスをかけるので、ボールを引き取った冨安は外のマルティネッリにパスを選択することが多くなっていました。

このアーロンソのプレッシングにかなり苦しんでしまった冨安。前方へのパスが難しくなって、ガブリエウへのバックパスが多くなっていました。危ないシーンも多くあって、かなり苦戦した印象です。

さらにアーロンソが冨安間で出て行っているので、それに呼応して中盤はお椀型(シニステラも加えて)にスライドを行います。当然のことながら最終ラインもスライドを行って圧縮を行っていました。

これで赤色のエリアでボールを回収して一気にゴールに向かっていくことを考えていたように思います。

ではアーセナルはどのようにしてこのプレスを回避していたのでしょうか。

 

最前線の状況を見たプレス回避とは?

ここからはアーセナルが行ったリーズのプレスに対する回避を考えていきます。

では以下の図をご覧下さい。

まず最初に見られたパターンがこちらです。このパターンはロドリゴとハリソンが門を閉めているときはガブリエウが2トップの外側を持ち出すことが多くなっていました。これを行うために冨安がロドリゴとリンクを作り出すこと、そしてそれに伴ってトーマスが横にずれてハリソンを少しホワイト側に動かします。これでガブリエウが持ち出すスペースができるので、ここから内側に差し込むか、展開を促すかを選択していました。

さらに冨安が内側に入ってきてボールを引き取る場合もありました。以下の図をご覧下さい。

この場合はガブリエウとサリバのやり取りの中でロドリゴを動かします。さらにそのやり取り中にトーマスがハリソンをロドリゴと逆に動かします。これでロドリゴとハリソンの門を広げて冨安がボールを引き取ることができるようになっていました。これは開幕からジンチェンコが行っていることで、冨安もこれを行えるだけの器用さと技術と理解度があるのでできることだと思います。

さらにアーロンソをジャカが、クリステンセンをマルティネッリが止めていることもあり、冨安がスペースと時間を得ることができていました。ここからもっと前方に進むためのパス、もしくは展開を促せるパスを出すことができると、もっともっと良い選手になれるのではないでしょうか。そもそもDFの選手があのレベルでプレーできるのが狂っているんですが…笑

 

そしてこれを行うようになると、もちろんアーロンソの立ち位置が変わってきます。それが冨安の近くに立つようになっていました。これに対してアーセナルは以下の対応でプレスを回避していきます。

やはり最初に見て決定するのは、1stプレッシングプレーヤーの門の広がり方と閉じ方です。ここを見て先述した内側から進む方法と外側から進む方法です。

その時にアーセナルが加えた適応がジェズスが降りてきて門の先の受け手を1枚増やすということです。これによってロカとシニステラに対して縦に数的優位を作ることが可能になります。さらにそのサイドで四角形を作り出すことで右サイドでも保持と崩しまで持っていけるようになっていました。

もちろん、左側からはアーロンソの外側にジャカが立つことでそこで起点を作ることができるようになっていました。これで左だとマルティネッリ、右だとサカが大外から背後を取る攻撃を仕掛けていました。

サカのスーパーゴールはロドリゴのサイドチェンジのミスにより生まれたものでしたが、何よりも逆足であの角度からニアハイをぶち抜けるサカは意味がわからん。。。

 

リーズの修正

良い形を作りながらも少しづつ嵌り切らないプレッシング。マーシュ監督はハーフタイムでその修正を加えます。まずは人を変えました。

ロドリゴに変えてバンフォードを投入し、アーロンソをトップ下に配置、ハリソンを右SHに移しました。バンフォードの投入は、より中央で起点を作ることとクロスからの迫力をもたらすことを狙ってのことだと思います。

アーロンソを中央に移したのは、より前方へのプレスの圧力を強めること、そして内側から外側の抜け出しを促して全体を押し上げることを考えていたからだと思います。

さらにプレッシングの修正がかなり嵌まっていました。だからアーセナルは後半はかなり苦しんでいた印象です。

ではリーズはどのような修正を加えたのでしょうか。以下の図をご覧下さい。

まず明確に変えたのが2トップのプレスの振る舞いとSHの立ち位置です。2トップはガブリエウとサリバにはっきり向かっていくようになっていました。この時にトーマスを消しながら進んでいくのですが、もしそのコネクションが切れてしまいそう、もしくは切れてしまった場合は、アダムスが出ていくことが多くなっていました。だからこそ、かなりフルスロットな試合展開になっていきます。

さらに冨安とホワイトの近くには予めSHを近くに立たせるようにします。これで下からの持ち出しに制限をかけていきます。

最終ラインに対して制限をかけたので、アーセナルの選手の出ところを潰すことに成功していました。アーセナルはプレーする時間を奪われるので、パスの精度と的確なポジショニングと繋がりを作ることが薄くなっていき、ミスを誘発される形でボールを失うことが多くなっていたのは後半の展開を見れば明白でした。

 

そして奪った先でのアーロンソのフリーランとそれに関係してのバンフォードのポストプレー。どんどん人が前に入っていくリーズの熱量は物凄いものだと感じました。

 

耐えて手にした勝利

アーセナルはそれでも耐え切って手にした勝利。ノースロンドンダービー、リバプールとの激闘、勝ち切ったELでの一戦。モチベーションを維持するのは決して簡単なことではなかったはずです。それでも勝ち切れる強さがあるのが今のアーセナル。ここからどこまで連勝を伸ばすのか、またしても悲願のリーグ優勝までまた一歩近づきました。これからもアーセナルの試合も追っていこうと思います。

 

最後までご朗読ありがとうございました。次回の記事もお楽しみに!

 

【試合支配】クラシコ(LaLiga第9節)レアル・マドリード×バルセロナ

皆さん、どうも。今回は世界でも最も熱い試合の1つでもあるエルクラシコについてを考えていきます。

この試合を一言で表すならば、レアル・マドリードの支配でしょうか。バルセロナにボールを持たせることで、試合を支配し、中央から人を流して、管理するエリアを広げるかタスクを過少にしていくことで、サイドからカウンターを刺していくことでバルセロナを圧倒していました。

ではクラシコのレビューを行っていきましょう!最後までお付き合い頂けると嬉しいです!

 

 

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ではレビューをお楽しみください!

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持たせるレアルと持たされたバルセロナ

試合を支配したのはレアルマドリードでした。その方法はミドルブロックを形成し、「CBに対して出す場所を無くす」というものでした。ではどのようにしてレアルはボールを持たせるために守備を形成していたのでしょうか。

以下の図をご覧下さい。

レアルのミドルブロック

レアルのミドルブロックはかなり人を意識しながら守備を行います。クラシコに合わせてきたのはモドリッチのところでしょうか。普段のレアルはモドリッチとベンゼマが前に出て4−4−2の形でプレスを行うことが多いです。

ですがこの試合は上の図のようにブスケツのところにモドリッチを当てる守備を採用していました。それに伴ってペドリとフレンキーにはそれぞれチュアメニとクロースが意識してマークを担当していました。

当然、幅を作り出すデンベレとハフィーニャにはSBが対応を行っていました。少し形が崩れる場所はヴィニシウスのところとバルデルデのところです。基本的にバルセロナSBの立ち位置を意識してポジションをとるのですが、それでもミドルブロックの時点で影響されないのはヴィニシウスの守備位置です。確実にここはバルデルデよりもヴィニシウスを残すという選択肢を取っています。これはカウンターの脅威を残すため、さらにバルデルデの圧倒的な走力を考慮してのものでしょう。改めて化け物だ、バルデルデ。

そしてベンゼマのところはある程度の持ち出しの許容はありました。ベンゼマは割とクンデを消すような立ち位置を取ることが多かった印象です。

だからガルシアがボールを持ち出せることが多かったのですが、この先がレアルの考えた守備。ガルシアに持ち出されたときのレアルの振る舞いは「持ち出したところで、パス出すないやろ?」のスタンスに僕は見えました。

バルセロナの受け手を消すことを意識しながらライン間をコンパクトにすることで、バルセロナをブロックの外に追い出していきます。

だからこそ、バルセロナはボールをライン間に差し込むことができずに、ペドリやフレンキーがブロックの手前に降りたり、ライン間で待ったとしてもボールを受けれない、もしくは引っ掛かるので、外回りのパスを選択することが多くなっていた印象です。

バルセロナが迂闊に縦パスを差し込めないのは、レアルが縦パスを引っ掛ければヴィニシウスやバルデルデのカウンターを受けてしまうからです。

常に脅威をチラ見せしておくのは、ボールを保持するチームに取ってとてもストレスの溜まるものだと思います。

このようにしてレアルはバルセロナにボールを保持させてノッキングを起こさせ、焦らしてミスを誘発させてボールを回収することが多くなっていました。もちろん、対面で1vs1になったときの上手さと強さもあるので、守備で相手をコントロールしながら試合を支配していた印象を強く受けました。

 

レヴァンドフスキでの前進

前進に苦しみ、崩しの入り口を見つけることが難しくなっていたバルセロナ。しかし前進する糸口をレヴァンドフスキで見出します。その見受けられた方法が以下になります。

中央の花道を開ける

この方法はレアルの「人意識」の守備を利用した形になります。さらにレアルが時折ハイプレスを行うときにこの方法を使うことができるようになっていました。

上の図のように、IHが外側に広がりながらチュアメニとクロースを外側に引き摺り出します。これでテアシュテーゲンからレヴァンドフスキへのロングパスで前進を行っていました。

ここでCBから離れながらなおかつ遅れてくるCBを背負いながら収めてしまうレヴァンドフスキは流石だなと思いましたし、そこからWGへのパスもしくはペドリやフレンキーの3人目で崩しに入っていくことも見受けることができました。

それでも中盤を締められること、もしくはミドルブロックに移行されてしまうと、この方法は難しいものとなっていた印象です。

 

管理エリアを広げる or タスク過少

そして攻撃を仕掛ける際に、レアルは最前線、もしくは1.5列目にあえて人を配置しない、もしくは人をいなくさせることを意識しながらフィニッシュを考えます。

だから手数をかけずに、サイド奥を取れるようになっていますし、相手を押し込んでマイナスのクロスでフィニッシュを多く作り出すことが可能になっています。

そして押し込んだ中で、フィニッシュを作れないと判断する場合は遅攻を選択できます。

ではどのように攻撃を仕掛けていたのか考えてみましょう。以下の図をご覧下さい。

まず行うことがあります。それがGKとCBで時間を作ることです。この時間を使ってSBがかなり高い位置を取っていきます。これでデンベレとラフィーニャを押し下げてCBとGKに時間を与えて安定してボールを保持することができるようになっています。相互関係。

この時にバルセロナはペドリを押し出してレヴァンドフスキと2トップの形をとりながら4−4−2で守備を行っていました。当然、アンカーのチュアメニを2人で消しながらプレスに出ることを行います。

しかしレアルはこの2枚のプレスを無力化できます。以下の図をご覧下さい。

無力化できるのはSBが高い位置を取ってWGを押し下げているからです。だから上の図の白のエリアにかなりのスペースができるようになっています。いわゆる2トップ脇を上手く使いながらポイントを作っていきます。仮にここへWGがCBに外切りのプレスを行うのならば、チュアメニがズレて縦パスのコースを作り出すか、モドリッチ・クロースが縦パスを引き取ります。内側を切りながらプレスを仕掛ける場合はSBがそのまま引き取ることも可能です。

そしてここからレアルは人を回しながら崩しに入っていきます。

まずはヴィニシウスサイドから。こちらのサイドはクロースが降りてメンディと入れ替わりながら攻撃を組み立てていきます。これはよく見るパターンで、下地でサイドにスペースと動ける時間を作り出すことができているから行えることです。

この入れ替わりでまずはバルセロナのマーカーの混乱を引き起こします。そしてヴィニシウスは最終ラインを止めるために駆け引きを行っています。

さらにここにベンゼマが加わることで菱形を形成します。ベンゼマは割と右サイドの絡みが多くなっている印象です。こうなると中央に人がいなくなる状態になりまずが、これが「管理のエリアを広げる」もしくは「タスク過少にさせる」の状態になります。

このままクンデが対応すれば、当然背後のスペースも気にしながらベンゼマの対応を行わなければならず、逆にその場に止まればタスク過少になります。

他の選手に目を向けてみましょう。クンデが対応に出ないと、フレンキーの管理のエリアとタスクは多くなり(寄ってくるモドリッチとメンディとベンゼマ)、当然セルジロベルとの管理のエリアとタスクも多くなります。(ヴィニシウスと寄ってくるベンゼマ)

またクンデが対応に出るとセルジロベルトとガルシアの管理のエリアが広くなります。これはクンデの背後を気にすることになるからです。ここにラインと駆け引きしているヴィニシウスが抜け出していくことで先制点は生まれています。

ここの管理の人は違いましたが、このゴールが生まれるまでのボールの動かしとクロースの粘りはさすがでしたし、あの泥臭さからあのパスを出せるクロースはすごい。

さらにボールと同サイドで前進が難しそうな場合は、チュアメニやモドリッチを景趣しながら逆のトライアングルにボールを届けて攻撃を仕切り直します。

このようにして攻撃を組み立てて崩しに入っていきます。

 

もちろん、中央から人をいなくさせて攻撃を仕掛けていく中でサイドを変えていく攻撃もありました。以下の図をご覧下さい。

このように中央にブロックを作り出すブスケツ–フレンキー-ガルシア-クンデを動かし他ときにモドリッチかベンゼマで時間を作り出すことができます。

ここから一気にサイドを変えていくことで攻撃をスピードを上げて攻撃を仕掛けていきます。この方法はベンゼマよりもモドリッチからのものが多かった印象です。

そしてここからサイド奥を取るとクロスから攻撃を仕掛けていきます。

このように逆で作っていたベンゼマとヴィニシウスが入っていくとマイナスが空いてきます。(メンディが入っていくこともあります)ここのクロスの3人目が入っていくのは人を見て決めている印象です。

これでマイナスのクロスを打ち込んでフィニッシュまで持っていくことが多いです。バルデルデもモドリッチもクロースも、ミドルがとても上手いのでこの攻撃の効力は最大限に生かされています。

 

そしてクロスに対して人を揃えれないときは遅攻に切り替えます。サイドの奥を取ったときに、レアルの選手は1人でも時間を作ることができるので、サポートを待つことが可能になります。だからこそ、全体をレアルは押し上げること、そしてサイド奥を取っているので、バルセロナを押し下げることができるようになっていました。

 

基本的にこの3つで攻撃を考えながら、最も効果があり、そして効率的な攻撃でゴールまで迫っていた印象です。ここの選択にほとんど間違いがないのが恐ろしいです。

 

優雅で余裕、そして泥臭く

レアルの試合を見るといつも余裕があって、優雅でそして泥臭く勝ちにいくなと感じます。試合の支配の仕方も多くの選択肢があるように見えますし、何よりも王者のメンタリティを感じました。スタッツ、スコア以上にバルセロナを圧倒しているように感じました。若手とベテランの融合もそうですし、レアルマドリードというチームに魅了されました。

ぜひみなさんも、クラシコを見てみてください!

 

ではまた次回の記事もお楽しみに!

【プレスと空洞】プレミアリーグ第10節 アーセナル×リバプール

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皆さん、どうも。今回はアーセナル×リバプールのマッチレビューです。

開幕からなんとここまで1敗のアーセナル。ここまでくると、なぜマンチェスターユナイテッドに負けたんだよ。と思います。

強度もチームとしての成熟度も飛躍的に成長したアーセナル。ジェズスの存在も言わずもがなです。

そして今節ホームに迎えたのは強敵リバプール。不調とはいえど、リバプールはリバプール。

かなりエキサイトした試合になると、僕はワクワクしてました。

結果は3-2の打ち合いで、とても面白い試合でした。

そしてリバプールから勝利をもぎ取るためのアーセナルのプレス。リバプールのお株を奪うようなプレスは見事でした。

それでもリバプールはしっかり微調整を加えながら回避をしていました。

その掛け合いについてはYouTubeで解説しましたのでぜひこちらをご覧下さい!

 

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僕が気になったのはプレス回避をしていく中での中盤の局所空洞化。チアゴとヘンダーソンにスペースを与えながら列を越して前にパワーを付け加える。ヌニェスを生かすためなのか、オートマティックにプレーすることで対策されるのを防ぐためなのか。

ただネガトラのところで圧縮し切れずにカウンターを食らう場面は多々ありました。

試行錯誤を繰り返すクロップリバプールと絶好調アルテタアーセナル。

これから両チームの行方が楽しみです!