俺たちの日本代表がくれたもの。

サッカーは俺らを熱くさせる。

サッカーは俺らをむき出しにさせる。

サッカーは俺らを幸せにさせる。

サッカーは俺らを純粋にさせる。

サッカーは俺らの生きがいだ。

 

あっという間に過ぎ去った1ヶ月。

白黒だった毎日を熱狂で彩り、乾いた心を感動で潤し、その闘志で燻った情熱に火を灯してくれた。

そこにあった夢のような日々は、深く心に刻まれ、忘れることなど到底できない物語になった。

 

メッシの物語の完結で終わったW杯。振り返ると記憶に残る試合やチームが多かった。

新時代の怪物がいるフランス。強烈な歩みと共に突き進んだモロッコ代表。死のグループに屈さず、首位通過を決めてみせた日本代表。

 

月並みかもしれないが、僕は確かにサッカーの力を感じたのだ。

この1ヶ月は特に強く感じた。ありがとう、サッカー。

 

俺たちの日本代表がくれたもの

熱狂と興奮。勇気と感動。そして…。

 

日本中が興奮し歓喜した。

 

「代表戦、もちろん見たよな?」

 

これが話すキックオフとなる。睡眠時間がいくら短くても、この笛が鳴ると一気に目が覚めた。

 

「昨日の試合やばかったな!サッカーおもしれえ!」

 

サッカー熱が冷めている友達も、感情を爆発させて話しをしてくる。ここにも僕はサッカーの偉大な力を感じる。

 

「マジでやばかったな!あんな試合、そうそう見れんわ!」

 

そしてその熱は伝染する。僕らが興奮して話していると、一人、また一人と、周りに人が集まってくる。人は楽しそうなところ、熱狂できるところに集まりたくなるのだろう。

 

「昨日の日本代表、凄かった!勝ったじゃん!なんか感動した!」

「まさか勝つとは思わんて。興奮したわ!」

「サッカーわからんとか言ってすまん、日本代表をおもろかったわ!」

「一緒に闘っとるって感じになれて本当に楽しかった!」

 

スポーツとは無縁の女友達も、野球一筋の友達も、サッカーに興味ないしわからんと言っていた上司も、女バスの友達も、みんな口を揃えて伝えてきた。サッカーファミリーが増えることはとんでもなく嬉しいものだ。

ここまで人を興奮させ、感動させるスポーツを少なくとも僕は他に知らない。

 

調子の上がらない最終予選。絶望の底に叩き落とされた抽選会。きっと誰もが心の隅で「終わった…」と思ったに違いない。

それでも日本代表は自分たちを疑っていなかった。

 

強豪国に打ち勝つ。歴史を変えてみせる。

 

その疑わない強さが、日本中に熱狂と興奮、勇気と感動を届けてくれた。試合を見た人の心を掴み、日本中に最高の雰囲気を作り出した。

お祭り騒ぎの雰囲気は、サッカーに興味ない人、サッカーを見ない人も惹きつけた。

 

日本代表が僕たちに届けてくれたものは計り知れない。勇気、感動、疑わない強さ、信じ抜く大切さ。

そして日本代表が僕達に届けてくれた最大のものは「サッカー熱」だ。

サッカーがどれほど日常を彩ってくれるのか。サッカーがどれほど人生を豊かにしてくれるのか。

サッカーの熱にあてられた僕たちは、本能的にそれに気が付いているはずだ。

だからこそ僕たちはこの熱を広げていかなければならない。それで恩を返せるなんて微塵も思ってはいないが、これがサッカーへの貢献になるのは間違いない。

 

誰に何て言われようとサッカーは最高で、日々を彩ってくれることを僕たちは知っている。