どうも。皆さんはソシエダの開幕戦は見ましたでしょうか?
久保建英が完全移籍で加わったLaLiga屈指のチームでもあるレアルソシエダ。ボルシアMG戦のプレマッチしか見れていないので、余計にワクワクしたLaLiga開幕。
そして我らが久保建英は2トップの一角として先発出場しました。そして見事にフィットして決勝ゴールを奪う活躍っぷり。まだ判断を下すには時期尚早ですが、それでも期待せずにはいられない開幕戦となりました。
では今回はソシエダの戦い方と久保建英の関係性についてを考えていきましょう!
こちらはYouTubeでも考察していますので、どうぞご覧ください!
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では早速、ソシエダの戦い方と久保建英の関係性に考えていきましょう!
「影響」と「門の先」
まずはソシエダの前進から触れていきましょう。ボルシアMG戦でもそうでしたが、この試合のソシエダは4−4−2のダイヤモンド型。以下がスターティングメンバーとなっています。
改めて見ると、アンカーにスピメンディ、IHにメリーノとメンデス、トップ下にシルバ、久保の相棒にはイサク。改めて見るとかなり豪華なメンツですね!
ではここからどのようにソシエダが前進しているのかを考えていきましょう。
まずは前進を開始する際の基本的な立ち位置についてを考えていきます。以下の図をご覧ください。
カディスの守備の相まってですが、この試合ではCBがCFに対して数的優位な状態を維持することができていました。これに際してDMFのスピメンディはペレスに捕まっている状態です。ですが、2CB +DMFでカディス2トップに対して3vs2の数的優位で土台を作り出すことができています。
さらにソシエダの特徴の1つとして挙げられるのがSBの立ち位置ではないでしょうか。ソシエダのSBはまずSHの手前にポジションを取ります。初めからSHのライン、背後に潜り込むことは行わず、「手前で幅」を作り出します。(ここについては後ほど触れていきます。)
この試合ではこれがカディス2ndラインに大きく影響を与えていました。表現するならば、ビルドアップの素地に2CBとDMF、そして両SBの2−3の形と表現することができるでしょうか。
またIHとOMFはそれぞれカディス2ndラインの門の先にポジションをとるように意識付けされていました。そして2トップのイサクと久保はCBの近くに常に立ち続け、カディスCBを止める役割を担っています。
これでソシエダが放置するのがSBです。これが1つのポイントです。これも後に触れていくので、是非とも読み進めてください。
ではここからはソシエダの前進のパターンについて触れていきましょう。
CBが持ち出す場合
まずはCBが持ち出すパターンからです。
このように2CBのやり取りの中でCFを動かせば、必ずどちらかがボールを持ち出すことが可能になります。ノルマンもスペルディアもこの持ち出すドリブルと差し込むパス、どこが動いてどこにスペースがあるかを見つける眼がかなり優秀です。
だからこそ、持ち出すドリブルの安定感がありましたし、その先で2ndラインに影響(上の図の赤丸の選手たち)を与えることができていました。
以下の図をご覧ください。
まずはCHを引っ張り出した時です。これはIHがライン間に留まることでフリーになれるので、CBから引き取れるように角度を作る作業に徹します。メリーノもシルバもメンデスも角度を作るプレーが抜群に巧みです。
またCBからダイレクトに引き取れない場合はSBを使ってライン間でボールを引き取ります。これはボールを動かすことで角度を作るので、意識することは隠れないことです。これでSHの外側か内側、どちらからでもライン間でボールを引き取ることが可能になっていました。
このパターンはCHを引っ張り出した時です。では次はSHを動かしたときを考えていきます。
このようにCBでSHを引っ張り出せば、外側の角度ができるのでシンプルに外側から前進が可能になります。ここで先述した「SBはSHの背後に潜らない」が繋がってきます。仮に先にSHの背後に潜ってしまうと、SHにカバーシャドウで消された状態になってしまい、角度を作るには自陣方向に下がらなければならなくなります。こうなるとボールを引き取ったときに前を向くプレーに時間を若干要してしまいます。だからこそ、潜るのではなく手前にいることで、角度を作るプレーと前を向く時間を省いているのです。そして1stタッチで前にボールを置けば、前に敵がいないので簡単に前進することが可能になります。
これがSHを動かした時とSHの手前にSBがポジションを取る理由です。
では最後にアンカー消しを行なっている選手を引っ張り出した時のパターンです。
このようにスピメンディを消した選手が対応にくる場合はそのまま方向転換してスピメンディを使います。これで中央で前向きの選手を作ることで展開を広げていきます。
CBが持ち出した場合は基本的にこのようなパターンがありました。
ではCBの持ち出しを抑えられたときはどのように振る舞っていたかを考えていきます。
IHの列落ち
この場合もしっかりとオートマチックにプレーできるように落とし込まれている印象です。だからこそ、迷わず安定して前進ができるのでしょう。
ではこのパターンを考えていきますので、以下の図をご覧ください。
基本的にCBの持ち出しが抑えられる場合はCBの前に2トップが立った時です。この場合になると、ボールサイドIHが列落ちをしてヘルプを行います。このプレーもしっかりと2ndラインに影響を与えれるプレーになっています。
さらにこれは久保がCFに入っていること(STの役割)が大きく関係しています。
以下の図をご覧ください。
このようにIHが列落ちのサポートをした場合は門の先で久保が受けれる立ち位置、SBがSHの背後に潜り込み、そしてイサクがCBを止める役割を担います。イサクと久保の役割分担の補完性とSBが潜るタイミングと久保とユニットを組む際のサポートの上手さが際立っていた印象です。
これでカディスのボールサイドSHとCH、そしてSBに対して影響を与えることができます。この3枚の対応の仕方を見てしっかりと前進していくルートを決定していきます。
外側のルートから解説していきましょう。
このように列落ちしたIHでSHを斜めに引っ張り出すことができれば外側にパスコースを作り出すことができるようになります。ここにパスを供給することができれば、多くの場合はSBを釣り出すことが可能になり、そしてその背後を久保が突いていける設定がなされていました。
ここの久保の抜け出しこそがソシエダに入って大きく変わったところではないでしょうか。これまでは、並行のサポートで足元にボールを要求することが多かった印象です。だからこそ、そこから崩しの組み立てをしなければならなくなり、崩しに参加する回数が少なくなっていました。
ですが、ソシエダでは崩しに参加し、そこで良さを多く発揮することができています。バイタルで仕掛けたり、ラストパスを供給したり、自らシュートを放ったり。これができるのは、ダビド・シルバの存在が大きいです。彼が2手先、3手先のサポートを行うことができるので、崩しに参加すること回数が増えています。ダビド・シルバの見聞色は凄い、鍛えすぎて未来が見えとる。
当然、崩しの組み立てに絡むパターンもあります。これは久保がIHの役割を担うパターンです。
このようにIHで前を向く、もしくはIHとCBのやり取りでCHを動かした先でCBが前向きになったときにCHとSHの門の先で久保がボールを引き取ります。相変わらず門の先かつライン間でボールを引き取る上手さとボールを扱う技術は一級品です。また久保へ差し込めずともスピメンディ経由でシルバに届けることができます。
カディスからすると、常に後手を踏んでしまうのでかなり難しかったのではないでしょうか。
このように影響と門の先を上手く利用しながらソシエダは攻撃を組み立てていくことができていました。
久保とソシエダの相性は!?
僕個人的な見解は「かなり相性が良い」です。久保の役割はフィニッシャーと崩しに特化されていくと感じています。だからこそ、彼のインスピレーションと技術を存分に発揮できるのではないでしょうか。
そして彼がバイタルで思い切ってプレーできるのはネガトラと他の選手との距離感が大きく関係していると思います。ここはYouTubeで解説していますので、どうぞこちらもご覧ください。
オープンチャットでもらった質問に答えるよ!
ではここからはオープンチャットにあった質問に答えていこうと思います!
以下がオープンチャットのリンクになります!参加待ってます!
オープンチャット「レアルソシエダ追っかけようぜ!」https://line.me/ti/g2/bT752mqGa2RPwoCItK-msC8OwOqGXcrY1R3-Zg?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default
Q:試合を消化していく事に良くなっていくとは思いますけどソシエダの2CB+アンカーで行うビルドアップが少し引っかかるシーンが少し多かったのが気になりました。
A:カディスが失点し、ハイプレスに切り替えたことが大きく関係していると思います。前半のカディスはミドルプレスで、ある程度CBで時間を保つことができていました。ハイプレスに慣れるまでの時間が少し引っかかることが多かったかのかなと感じています。もちろん、そのアジャストの時間を短くしていくことは大切だと思いますし、例えばCBからCFへのミドルパス・ロングパスでの上の前進も組み込んでいけるともっと安定した前進ができると思います。もしかするとここが課題かもしれません。
Q:久保とダビド・シルバの位置が重なってたのが、徐々に修正されてたような気がするので、そのあたり気になります。
A:久保とシルバの立ち位置が重なるのは、見ている場所と受けたい場所が似ているからだと思います。ですがレビューでも書かせて頂いた通り、久保のプレーベクトルの変化が重なりの修正になっていたのだと思います。久保がサイドに流れたり、背後に抜け出すプレーが増えていることが、共存の大きなきっかけになりそうです。
Q:久保よりも寧ろイサクが噛み合ってないシーンが多く見られた印象でした。
それでもサイドに流れてボールを受けたシーンなど要所要所で個の力は感じましたが。
戦術的に彼に期待するプレーはなんでしょうか?
また、2トップとして、久保との関係性はどのように見えましたか?
A:イサクに期待するプレーに関してはフィニッシュの部分です。2シーズン前の17ゴールを記録したときのようにフィニッシュに特化してもらいたいと個人的には思います。そうすればイサクに意識を取られるので、久保やシルバが良い形でバイタルプレーすることが可能になり、フィニッシュワークの幅が広がりそうです。
もう少しクロスに対しての嗅覚が上がれば得点を量産できる気がしました。
また触れられている通り、幅を作ったときの深さと、持ち出しの際の上のパスの起点とるプレーを期待していきたいです。
久保との関係性は可もなく不可もなくです。まだプレーして日が浅いことが大きく関係していると思いますが、擦り合わせは必要だなと感じました。抜け出しのタイミング等が若干ずれている印象を受けました。
それぞれの役割分担は相性が良いと思います。CBを止めれるイサクとライン間を泳ぎ、ボールを手前で引き取れる久保建英。そして二人とも深さを作ることが可能です。あとはコンビネーションのところでどのぐらい擦り合わせれるかだと個人的には感じています。期待大です。
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