セミファイナルのもう片方の試合。こちらもまたとても面白い試合だった。お互いに悲願のタイトル獲得に邁進し、全力を尽くしここまでたどり着いた。PSGはカウンターを武器にバルセロナ、バイエルンと強豪を薙ぎ倒してきた。シティもシティで、ボルシアMG、ドルトムントを退けてここまできた。
今回は誰もが頷くこのビッグマッチの一戦について解説を加えていこう。
はじめに
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PSGの守備とポジトラ
確実にPSGは守備とポジトラでシティを抑え込んだ。シティに中に入り込ませず、外回りにさせ、さらに奪うとカウンターで攻撃に出てシティの守備陣に恐怖心を植え付けた。ここまで何もできないシティを見ることは珍しいのではないだろうか。
これについてはこの動画で喋っているので気になる方はぜひご覧になってもらいたい。
では少しだけ、ここでもPSGのポジトラについて解説しておこう。
基本的にポケットを埋めてボールを回収する選手はCHに設定されていたPSG。だから奪った状態でほとんど3バック(5バック)の形になっていることが多くなっていた。そして一度ボールを落ち着かせる選択を取ることが多い印象だった。
この時に、CH(主にゲイエ)がDMFの立ち位置を取り、ディマリアとヴェラルディがIH、ネイマールがOMF、両SBがWBのような立ち位置を取るようになっていた。
こうすることで、4枚でプレスにくることの多かったシティに対して、2列目に残るロドリとギュンドアンに対して、ヴェラルディ、ディマリア、ネイマールで数的優位に立つことができていた。
そしてこの図のように、PSGは2つの逃げ道を取ることができていた。1つ目がWGの背後に立つSB、そして2つ目がレイオフの先のネイマールだ。外切りでプレスをかけてくるシティに対してIHに一度縦パスを打ち込むことで、シティCHを釣り出してフリーな選手を作り出す。(もちろんここにプレスがかからないならば、受け手は前を向く)
このようにしてPSGは前進をしていく。そして以下の図のような攻撃をよく見受けることができた。
このように、高い位置を取るSBがボールを持つことでシティSBを釣り出す。(プレスに来なければ持ち出す)
これでその背後をネイマールやムバッペが取ることで攻撃を仕掛けていく。さらにこネイマールがサイドに流れるとヴェラルディが中央に入るように設定されていた。これで早い攻撃を仕掛けて、シティに圧力をかけていた。
もちろん、中央でネイマールがボールを持てばそのままドリブルで前進していたし、ディマリアも然り。前半に関しては、特にネイマールとディマリアは気持ちよくプレーできていたのではないだろうか。
ペップの修正
シティがここまで攻撃に出れない、押し込まれる展開になる試合がかつてあっただろうか。(もしかしたらあったかもしれない…あったら教えて欲しいっす。)
このままPSGのペースで試合が進んでいくと思われたが、蓋を開けれるとペップの2つの修正により、シティは一気に流れを変えて逆転勝利をもぎ取って見せる。しかもアウェイゴールを2つ奪って。
ではペップはどのような修正を加えていたのだろうか。
①:立ち位置の変更
立ち位置と言っても、フォーメーションを変えたわけではなく、攻撃時の立ち位置を少し変えた。
行った立ち位置の変更は主に左サイドに見られた。上の図のように初めからギュンドアンとロドリが横並びになる。こうすることで、フォーデンが中に入るスペースを得れる。(初めから横並びになることで、場所が空いている)さらにフォーデンが中に入ることで、SBカンセロが幅を明確に作るようになる。そして極め付けは、前半ライン間で待つことが多かったデブライネがラインを跨いでボールを受ける動きを加えるようになっていた。
これで、中央を締めていたPSGは段差を強制的に作られるようになり、フォーデンやシルバへの縦パスを打ち込まれるようになっていく。さらに、中央に人が多くいるようになるので、大外のプレスが間に合わなくなり、徐々にサイドで深い位置を取られるようになる。これでSHが対応に下がることでカウンターに出ることが難しくなり、自陣に張り付けの状態に。
これでシティは高い位置でボールを保持できるようになり、消されていたサイドを変える逃げ道も確保。このように立ち位置を変えたことで攻撃に比重を置けるようになっていた。
②:守備の修正
これも流れを掴んだ大きな要因だ。特にバックスの修正が明確になっていた。
前半はネイマールとムバッペ、ディマリアの爆発的な推進力を警戒するがあまり、「待つ守備」を行うことの多かったシティ守備陣。
だが後半からは明確に前に出て潰すように修正されていた。
このように大きく変わったのが誘導する場所だ。まずプレスの形をベルナルドを前に出して4-4-2に、そしてWG中切りのプレスから外切りのプレスに変更した。
こうすることで外に誘導して「その次のパス」を潰すことに設定していた。このように設定したことで、バックラインの選手はパスを狙いやすくなり、前に出てディマリアやネイマールを潰すことができるようになっていた。これを続けることで彼らのプレーエリアを低くしていき、物理的にカウンターを発動できないようにした。
もちろん、剥がされてカウンターに出られることはあったが、これはディマリアやネイマールがスーパー過ぎただけで、この方法は守備陣に前で潰す勇気を植え付け、その結果、PSGを押し込むことに成功した。
このようにペップは簡潔かつ的確な2つの修正を加えたことで、前半の展開が嘘かのように流れを変えて見せた。
これぞ最高峰の舞台だ。
これぞ最高峰の舞台。段違いの個人能力と戦術理解と適応能力。トップの選手たちだからこそできる試合だった。もちろん監督も。何よりもペップの修正力の速さと簡潔さ、的確さに驚いた。そして逆転まで持っていくのだから末恐ろし。
このまま終わることがないのが2nd legだ。果たしてどのようなスリリングな試合になるのだろうか。1週間後がとても楽しみだ。
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