- スターティングメンバー
- モウが準備した策
- スパーズのエラーを狙ったリバプール
- 勝負に出たのはトッテナム
- リバプールのプレス対応
- 待っていたのは劇的な展開
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【Premier League 13節】
リバプール vs トッテナム
スタジアム:アンフィールド
結果:2−1
リバプール
26’ サラー
89’ フィルミーノ(CK)
トッテナム
33’ ソンフンミン
スターティングメンバー
眠い目を擦りながら、見たかいがあった。いや、眠気など一瞬で消え去った。シーズン前半の首位攻防戦とあって、立ち上がりからかなり激しい戦いとなった。リバプールという世界王者を相手を抑えて、リーグテーブルで首位に立つ挑戦者、トッテナム。ここで彼らを叩くことができれば、単独首位に躍り出ることができる。もちろん、逆も然り。
両選手、両監督、共に力の入る重要な一戦となった。
試合の内容も、首位攻防戦にふさわしい局面でのバトル、戦術的な駆け引きと修正。
この試合を見て興奮せずにはいられなかった。
では今回は未だ冷めない興奮を抑えながら、この試合の狙いや修正を解説していこう。
モウが準備した策
モウリーニョはいつもの4-2-3-1を使用せず、4-4-2を選択。これには『サイドで潰す』という、明確な意図があり、そしてその先の展開、SBでボールを掻っ攫い、その背後を使ってのカウンターという武器を手に、王者の喉元にその刃を突きつけた。
ではどのように守備を行うことで、モウ・スパーズはリバプールに相対していたのだろうか。
いつも通りと表現すべきか。モウリーニョはビッグ6相手には持たせることを必ず選択する。当然のことながら、この試合でもリバプールにボールを明け渡すことを選択した。これを嫌がらないのが実にモウリーニョらいし。
そして上の図のように、バックスでボールを持たれることを許容することで、2トップで中央をまずは締めることでサイドにボールを追いやる準備を行う。これでボールサイドのSH、SB、CHはマンマークの色合い強く、人を捕まえる。これを行ったのは、先にも触れた、サイドで潰す狙いがあったからだ。
そしてサイドにボールを遅らせると、以下の場所でボールを回収する。
このようにSBにボールが出ると、SHが決まって対応を行う。SHがSBに対応に出たと同時に、CF(主にソン)が縦スライドを行い、そのカバーを行う。SHが縦スライドを行ったので、場所が被らないように、CHも縦スライドを行い、ハーフスペースを埋めれる立ち位置へポジションを移す。もちろん、WGに対してはSBが対応を行う。これで、ボールの出所を潰しつつ、スペースを埋めることで、赤のエリアでボールを回収、または「クロスを上げさせて」弾くことで守備を行っていた。
そして奪ったボールは必ず、と言っていいほどSBの背後に供給する。
このSBの背後にボールを供給することがボールを奪った先のトッテナムの狙いで、主にここにCFソンが抜け出すことで起点を作っていた。だからこの試合、ソンをCFに置くことで、守備の立ち位置により、自陣深い位置に下がることを避けさせ、スペースへ抜け出す距離を短くさせた。そしてこのスペースでCBを釣り出し、起点を作ることでSHのオーバーラップを促すことで逆CFのケインをフリーにしてカウンターを完結させることを狙っていた。
もちろん、ソンが単独でボールを持ち運び、攻撃を完結させることもある。現に、同点ゴールではSBの背後に抜け出して単独でゴールを奪っているし、このパターンは今季のトッテナムの大きな武器となっている。
このように、モウリーニョはマン・シティ、アーセナルを破ったように、チェルシーと引き分けた時のように、守備から試合に入り、カウンターという武器を手に王者に挑んでいった。
だが、この守備はスパーズ右サイド、リバプール側からすると左サイドでエラーを起こしてしまう。
スパーズのエラーを狙ったリバプール
20’29~のリナプールの攻撃。トッテナムは右サイドでエラーが起きる。
王者リバプールはこのエラーを見逃さなかった。この攻撃の直後から、右サイドからの攻撃が多かったリバプールは左サイドからの攻撃の色合いを強くする。
そしてこのサイドからサラーの先制点を生み出すことに成功した。
ではトッテナムの右サイドではどのようなエラーが起きていたのだろうか。
まずリバプールは4-4-2で守るチームを崩す時の定石通りに2トップの脇のスペースをCBが持ち上がる。これを行うと同時にSBが高い位置で幅をとり、WGがSBのピン止めを行う。こうなると、持ち運ばれる時に困るのがトッテナムSHだ。彼はSBのマンマークを行うのか、CBの牽制にいくのか、この判断に迷うことになる。
そしてSHシソコが選択したのはCBへの牽制。これを行うことで、リバプールは大外かつ高い位置で幅を作るSBロバートソンがフリーになれることが多くなっていた。
この「エラー」を確認すると、さらに混乱を招くために、以下のような動きが多くなる。
そのさらに混乱を招く動き。それがSBとSHの入れ替わりだ。この単純な入れ替わりでなぜ混乱を招くことができたのか。これはSBオーリエはタスク通りにマンマークを行い、シソコはマークの受け渡しを選択していたからだ。
ここのエラーが起きたのが先述した20’29~のシーンだ。
さらに追い討ちをかけるように左サイドへのサイドチェンジも増やしていくリバプール。そして生まれたのが先制点だった。
このように、サイドチェンジを行うことで、大外のSBロバートソンがフリーでボールを受けることができるように。そしてSBがボールを受けると、+1を作るためにCFがボールを受けにくる。これでIHとCFでCHに対して数的優位を作り出すことが可能に。
これでCHに対して数的優位を作れたのでワンツーで簡単に取ることが難しかったハーフスペースを攻略。さらにCFが流れたことで開いた中央のスペースにWGサラーが入ることで、ゴールを奪うことに成功した。
このエラーを見つけ出した途端に、そこを突いていく一種のずる賢さを持ち合わせているリバプール。しっかりと相手を見てサッカーをしていることが分かる攻撃の仕方だ。
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エラーの対応
この失点直後、モウリーニョはすぐに対応策を授ける。それがライン間で受ける、ハーフスペースに抜け出すカーティス・ジョーンズを抑えることだ。そのために、CHホイビュアとロチェルソの立ち位置を変えることで対応を打つ。この対応の仕方で、モウリーニョがホイビュアへの信頼度の高さが分かる。彼がいれば、前半は凌げると踏んだのだろう。そして実際に、この入れ替えにより、なんとか抑えることができ、ハーフタイムの修正まで持ち堪えることができている。
勝負に出たのはトッテナム
ハーフタイムを挟み、勝負に出たのは若干、劣勢に立っていたトッテナムだった。まずモウリーニョはハーフタイムで立ち位置の変更を行う。
このようにロチェルソとシソコの位置を入れ替える。これでマークの受け渡しのエラーの部分を明確に対応を行う。実際に、後半からはSBオーリエ vs WGマネの構図が強調され、ここのバトルもこの試合の1つの見所となっていた。
さらに、引いて守備を行うのではなく、前のプレスの意識も強めた。
上の図のように、モウリーニョは明確にプレミア初先発のCB、ウィリアムズを狙うように指示を送る。だからこそ、CBファビーニョを予め捕まえれる立ち位置をCFが取り、SHとCHが前に出てそれぞれSBとIHを捕まえるようなポジションを取るようになっていた。そして余ったCFはDMFを捕まえることで、GKからCBウィリアムズへパスを出させるように仕向ける。そして彼にパスが出ると、一気にプレスの強度を強める。
このようにDMFを捕まえていたCFがCBへプレスを行うと同時に、他の選手も前に出てそれぞれ選手を捕まえる。この時に逆のSHとCHがスライドすることで、マークを行っていた。このプレスには縦のスライドの走力が必要になる。だからこそ、CHにシソコを添え、横のスライドとスペースの管理が得意なロチェルソをSHに移したのではないだろうか。実際にこのプレスを行うことで、ボールを奪い、ショートカウンターを打ち、際どい場面も何度か作っていた。
リバプールのプレス対応
このプレスを受け、ピンチになることを許容するほどリバプールもお人好しではない。むしろこのプレスが分かっていたかのように、リバプールは次のように対応を行った。
上の図のように、SBが少し低い位置へ移動することでSHを釣り出す。こうなると、SHの背後にスペースが生まれる。ここへCFフィルミーノが降りることでボールを引き出す。このようにCFの役割を超えた気の利くプレーができるフィルミーノ。さらにここにSBやCHがプレスにいけないのが、それぞれのマーカーにより、ピン止めされているから。この一連のプレーにより、トッテナムのプレスを止めることに成功したリバプール。
これで徐々にサイドを制圧していき、クロスからの攻撃を強めて行った。
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プレス対応されてから
モウリーニョもすぐさまプレス対応をされてから、その修正を行った。その修正がロチェルソに変えて、モウラの投入だ。よりスピードのあるモウラを投入することで、「ブロックを作ってカウンターを狙う」という意図をチーム全体に伝えた。現に彼が投入されてからは、前からのプレスが行われず、SHがSBの対応に走ることが多くなる。そして機があればスプリントで前に出ていくシーンを多く見受けることができた。
このようにモウリーニョもすぐに対応を行うことで、この天王山に勝ちにいく姿勢を見せていた。
待っていたのは劇的な展開
試合が進むにつれてサイドでの1vs1とスペースの取り合いと埋め合いが強くなり、リバプールはサイドから、トッテナムはカウンターで、勝機を窺った。そして待っていたのは劇的な幕切れだった。再三、サイドからの崩しを行っていたリバプール。それでも耐えていたトッテナム。GKロリスも当たり、流れの中での対応はトッテナムに分があったが、セットプレーは別物。一瞬の隙を突き、この日も精力的に働いていたフィルミーノが決勝点を叩き込んだ。この試合終了間際のゴールでアンフィールドが爆発した。少ない観客でも、その声援はスタジアムが揺れるほどのものだった。
一方のトッテナムからすると、一気に地獄へ突き落とされるゴール。ここまで耐え抜き、レギロン投入で、ドローで終えることも厭わない展開にまで持ち込んだが、決勝ゴールを奪われてしまった。カウンターで牙を剥いた彼らからすると、重いゴールだった。
残された時間でトッテナムも攻撃を仕掛けたが、反撃も虚しく試合終了。
ハイレベルで熱い戦いは、劇的なゴールで幕を下ろした。
両者の戦術的立ち振る舞いと局所でのバトル。トッププレーヤーと名監督が行ったこの試合。振り返って見ても鳥肌が収まらない。この試合を見ていない皆さん、すぐにこの試合を見て欲しい。そして観戦した皆さん。是非とももう一度、見返して見て欲しい。
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