LaLiga レアル・マドリー × バレンシア 〜前後半の守備の違い〜

 

 

はじめに

LaLigaを手に入れるため止まれないレアル・マドリー。今回ホームに迎えるのは難敵になり得るバレンシアだ。ここ数年のデータから見ると、圧倒的にマドリーが優位に立つ。だがコロナウイルスの影響で今置かれている状況は、かなり難しいものになっている事は間違いない。そしてリーグが再開されて2試合目。注意すべき事は多くあっただろう。それでもマドリーはバルセロナを離さない。ベンゼマの2発、大怪我から復帰したアセンシオのゴールにより、結果は大勝。だが決して簡単な試合だったとは言えないだろう。前半は守備が嵌まらず、淡や先制点を奪われそうになる。(VARによってゴール取り消し)だが後半からしっかりと守備の修正を行った事で流れを引き寄せ、勝利を手にした。ではなぜ前半の守備が嵌まらなかったのか、そして後半からどのように修正をしたのか。これについて解説していこう。

 

スターティングメンバー

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レアル・マドリーの前半の守備

ではまずはマドリーの前半の守備から紹介していこう。

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マドリーの基本の配置は前半4-3-3ではなく、4-4-2のダイヤモンド型に見えた。アザールのポジションが曖昧で、バルデルデがサイドに張り出したり、ハーフスペースを取る事があったので一概には言えない所はあるが、守備時は確実に4-4-2のダイヤモンド型だった。

だからバレンシアGKからCBにパスが送られるとアザールがCBにプレスを行う。

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その時に中央の3枚、ベンゼマとOMFの位置に入るモドリッチはそれぞれCB、DMFの位置を取るCHパレホを捕まえる。

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さらにボールサイドのIHクロースは絞るSHを捕まえる。逆のIH(WG)のバルデルデはSBにプレスに行ける距離感を保ちつつ、SHへのパスをインターセプトできる場所を選択する。

このようにプレスをかけてはめ込む事で以下のように追い込んでいく。

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この場面になり、赤丸のCBに捨て球を蹴らせたら御の字だが、バレンシアはしっかりとパスを繋ぐ事が多かった。だからCB間のパス交換になる。そこで逆のCBへのパスの移動中にIHバエルデルデはSBへ、SBカルバハルはSHへ、DMFカゼミロは段差をつけたCHへ、ボールとは逆サイドのIHクロースはスライドして中央を埋める。

これで高い位置で完全に嵌め込む事でボールをこの辺りで回収しようという意図がハッキリと見えた。

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先程と同様にCBに捨て球を蹴らせる、または赤のエリアでボールを奪う。これができるのも、マドリーの選手がバレンシアの選手よりも「個人能力」で上回る事ができているから。最近の言葉で表すと「質的優位」に立っているからだ。

このようにジダン監督はいつもと違うやり方でバレンシアのボール回しに対応していく事で優位に立とうとした。だがこの守備は結論、上手くいかなかった。ではなぜ上手くいかなかったのか。

 

バレンシアが前進できた理由

この大きな理由はこの場面にある。

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この場面で空いてくる場所をバレンシアは上手に使った。

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CBに捨て球を蹴らせる事、SBからのパスを狙われていたバレンシア。だが上の図のようにCFがマドリーSBカルバハルの背後を使う事でプレスを回避する。

このエリアでバレンシアCFのロドリゴがヴァランを背負いながらも起点を作れていたので、カウンター気味の攻撃でマドリーを追い詰めた。

だがマドリーのハーフタイムでの修正により、バレンシアは敗戦に追いやられる事となる。

 

レアル・マドリーの後半の守備

前半の戦いをみたジダン監督。ここでしっかりと、そしてハッキリと決断できるのが確実にジダン監督の良さの1つだろう。では具体的にどのように修正していたのか。

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まず変更したのが「普段通り」とも取れる4-4-2の守備だ。CB間のパスの移動中に、IHのモドリッチが1枚前に出る事で4-4-2の形を取る。この時にモドリッチはしっかりと背後でCHパレホを消しながらプレスを行えるので、このような守備を実行する事ができる。

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そしてCB間のパスが終わるとマドリーの配置はこのようになる。IHクロースとDMFカゼミロが中央の選手を捕まえ、バルデルデがSBとSHを捕まえれるポジションを取る。ここでも個人能力の高さ、バルデルデの走力と守備時ポジション取りの巧さで2枚を捕まえる。

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そして多くの場合はSBにパスが出る。そうするとバルデルデがプレスを行い、カゼミロが1列前へ。ここでもカゼミロが2枚を見る事で成り立つ守備となっている。

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このようなプレス形態にした事で、前半は高い位置を取っていたSBがバックラインに残る事が多くなる。これでバレンシアCFが流れてボールをキープする際にも対応できる。その理由がCFが流れる「場所」を埋めているから。さらにCBのヴァランがサイドに釣り出されることもなくなる。

このようにしたことでバレンシアの「逃げ道」を無くすことができた。

この変更により、マドリーは高い位置でボールを 回収し続け、カウンターでゴールを奪い、勝利を手にすることができた。

 

まとめ

確実にこの試合で注目すべき点はマドリーの守備戦術だろう。前半と後半の守備のやり方が大きく変わったことで流れを引き寄せ、勝利をも手繰り寄せることができた。

この決断を下し、そしてきちんと選手に伝え、それをはっきりピッチで表現して見せるジダン監督とその選手たち。ここまでアトレティコマドリーを抑え、リーグ最少失点なのも頷くことができる試合内容だった。時間が許すのならば、この試合を見返してみてほしい。

 

終わりに

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