プレミアリーグ マンチェスター・シティ × アーセナル ~崩したマン・シティ、崩れたアーセナル~

 

 

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[前書き]

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プレミアリーグ マンチェスター・シティ×アーセナル ~崩したマン・シティと崩されたアーセナル~ Premier League ManCity × Arsenal Match Review

 

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はじめに

実に100日ぶり。ブンデスリーガ、ラリーガに続き、ついにプレミアリーグが帰って来た。そして再開いきなりのビッグゲーム、マン・シティ×アーセナル。早朝のこのビッグマッチを起きて見ないとうい選択肢はなかった。そして始まった試合。やはりどのリーグと比べても、展開が早い。だからプレミアリーグが好きなのだ。さらには世界屈指の監督もこのリーグにいるので、戦術的にも面白い。なんて良いリーグだ。その典型的なチームがグアルディオラ率いるマンチェスター・シティだ。さらに今回相対するのは、ペップの右腕だったアルテタ率いるアーセナル。どのような戦術の掛け合いになるのか、楽しみだった人が多いはずだ。結果から述べると、3-0でマン・シティの圧勝。試合初めは苦戦を少し強いられたが、アーセナルの負傷交代の影響、さらに退場者もあり、圧勝となった。だがそれ以前にやはりマン・シティの適応力は異常だった。では今回はアーセナルがどのように試合に入り、そしてマン・シティがどのように対応していったのか。これに触れていこう。

 

スターティングメンバー

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アーセナルの守備

やはりアーセナルは守備から試合に入る。そしてこの守備の方法が少し変わっていた。

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これがアーセナルの基本的な守備の配置で、2CBに対してCFのヌケティアが対峙し、特にラポルテに対してプレスを強めていた。さらに例の如く、アンカーを消して中央を使わせないために、マークを施す。そしてここのマークを行うのがOMFのウィロックではなく、3列目、CHゲンドゥージだった。だから守備時、高い位置からの守備の時はポジションを入れ替える事で、上の図のような形をとっていた。

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そしてCBガルシアにパスを出さると、SHのオーバメヤンが立ち位置で縦パスを消す事でSBにパスを出させる。

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そしてこのように人を捕まえながら、外周りのパスにさせる事で赤のエリアでボールを回収して、ショートカウンター、または組み立て直しをする事でボールを保持し、試合の流れを掌握しようと試みていた。実際、試合の立ち上がりはこの守備が案外嵌っており、アーセナルがボールを回収するシーンは多く見受ける事ができた。

 

ボールを前に運べたアーセナルとシティの守備

ボールを回収したアーセナル。攻撃を組み立て直すことも多く、そしてその方法で何度かマン・シティのゴール前まで迫ることに成功した。

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まずマン・シティが確実に消しにCBマリとCHのゲンドゥージ。この2人を捕まえるためにWGのマフレズ、DMFのギュンドアンがそれぞれ前に出てマークを行っていた。

この守備に対してアーセナルは完璧に適応。だからアーセナルは後ろから丁寧に繋ぎ、続けてマン・シティのゴールに迫ることに成功する。ではどのようにボールを回してしたのか。

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まずアーセナルはWGのマフレズとDMFのギュンドアンを前に呼び込むためにCB間、またはGKとCBマリでパスを交換する。ここでWGマフレズはCBマリに外を使わせないように「外切り」を行ってプレスをかける。どこか宿敵リバプールを彷彿とさせるものだった。そうするとやはり空くのがSBのところ。さらにここが空く理由はもう1つあった。

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従来、マン・シティの守備はSBに対してウォーカーが前までプレスに出るのだが、WGが外切りしている事、そして何よりもSHのオーバメヤンの存在があり、ピン止めされている事でアーセナルSBはフリーでボールを受ける事ができた。

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このようにGKからWGまたはそのままCBマリから、頭上を越すパスでSBにパスを送る。

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そしてここを潰すため、自由にさせないためにIHがプレスに出てくる事が多かった。そうすると1列前にポジションを移しているCHのセバージョスがライン間で簡単にボールを受ける事で、マン・シティの2ndラインを突破でき、ここから一気にギアを上げて攻撃を完結させる。このように丁寧なビルドアップから続けて2度、マン・シティの守備を破る事に成功した。

 

これに対してマン・シティは守備を若干変更する。

 

マン・シティの守備の変更

これは大体30分手前あたりで見えた変更だ。この変更により、アーセナルのビルドアップを封じ込め、アーセナルの負けパターン、「ロングパス一辺倒」に持ち込む事ができた。

ではマン・シティはどのような守備の変更をしたのか。

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このようにWGのマフレズがプレスをかけると、CFのジェズスが中央のゲンドゥージを捕まえる立ち位置をとる。これでDMFのギュンドアンは中央深くに残る事ができる。

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中央にギュンドアンが残す事ができるので、GKまたはCBからSBにパスが渡った際、IHのデブライネがプレスに出てもライン間のスペースがガラ空きになる事がなくなる。このようにしてマン・シティはアーセナルのビルドアップを封じ込めた事で、アーセナルの選択肢を無くし、ロングパスを選択させる事でボールを回収していった。

 

マン・シティの多彩なビルドアップ

一方の攻撃はどうだったのか。アーセナルの守備により、中央を存分に使えなかった試合の立ち上がり。だが、シティは多くの手段を持ち合わせているので、中央から前進する事ができるようになる。そう、あくまでも中央からだ。「まず中央、そしてサイド」というプライオリティーを改めて示してくれた試合でもあったと個人的には感じている。

では中央を使うためにどのような方法を取ったのか。

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まずはこのようにIHのデブライネが降りてくる。これはよく見られるパターンだ。こうすることで、まずはDMFのギュンドアンを助ける目的があった。これで中央で2vs1の形を作れる。さらなるパスコースを創出するできる。それがSBへのパスコースだ。これができるのも、IHデブライネの降りてくる『場所』が良いから。だからここでもSB +IH vs SHの構図を作れる。ここでアーセナルCHが1列前に出てくれば良いのでは?と思うかもしれない。だがそれはできない。その理由がこちら。

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CHが1列前に出れない理由はWGのマフレズが中に入って来ているから。守備の最大の目的は「ゴールを守る事」だ。その目的を達成するために必要な事の1つが「前進させない」事だ。だから仮にCHがここで前に出てしまうと、マフレズへの縦パスで一気に2ndラインをひっくり返されてしまう。このようにしてアーセナルの守備を掻い潜っていった。

もちろん、アーセナルも黙っている訳がなく、IHに対してCHがプレスに行ける状況を作り出す。だがこれにもしっかりとマン・シティは対応する。

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このようにアーセナルはIHが降りた時の対応を施す。CHが前に出て、SBがWGを捕まえるという形だ。だがこれにもシティはこのように対応する。

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今度はCFのジェズスが中央に降りてくる事で対処していく。ここでフリーになれるのは、CBが深い位置まで着いていくか否かの判断を迫らせる事ができるからだ。この一瞬の迷いがシティに時間を与える。そしてこれで前に出たCHをひっくり返して容易に2ndラインを突破する事ができていた。

このようにしてアーセナルの守備を尽く突破していき始めたのが守備の変更があった30分あたりから。これでCBのルイスのミスも相まり、前半アディショナルタイムに先制点を奪う事に成功した。

このミスがなくとも、アーセナルがゴールを破られるのは時間の問題だっただろう。

 

後半からのアーセナルの守備とシティの攻撃

ハーフタイムを挟んで始まった後半。後半に入り、アーセナルも若干の守備の修正をしたいた。

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このようにDMFにはOMFが、IHにはCHがマークを行い、「守備時のポジションチェンジ」をなくし、よりタスクをシンプルにした。さらにIHが降りて組み立てる事を嫌ったので、SH、特にオーバメヤンが1列前に出てCFヌケティアと両CBを捕まえた。この前半のシティのような守備の弱点はSBが開いてしまう事だ。

そしてシティは最後方にGKエデルソンというとんでもない発射台を備えている。
 だからマン・シティはこのように攻撃を仕掛けていく。

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GKエデルソンからSBのウォーカーが高い位置でボールを受ける事で、アーセナルSBのティアニーに対してWG +SBで数的優位を作り出す。

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そしてこのような状況を作り出した事でマフレズが抜け出す事が簡単になる。現にこの試合の2点目となるPKはこの形で手に入れたものだった。

 

このファールで1発退場となったダビド・ルイス。そして1人少なくなったアーセナルは為す術なく敗戦。少し残念だったが、それでも退場者が出るまで、とても面白い試合内容だった。

 

まとめ

再開直後のビッグマッチ。アーセナルは負傷交代に退場と不運に見舞われてしまったが、11人きちんと揃っていても勝てたかどうか怪しい試合だった。アーセナルが弱いというわけではなく、マン・シティの適応力と崩し方、そして引き出しの多さと弱点の見極め方、全てにおいて異次元のレベルにあるからだ。だからこそ、この試合も危なげなく「省エネ」で試合を進める事ができていた。しっかりとグアルディオラの考えを表現している選手達。やはり、土台がしっかりとしているチームはどんな状況でも強い。LaLigaのマドリー、ブンデスのバイエルンもそうだった。逆転優勝をするのは非現実的だが、CLの日程も正式に発表された。果たしてどこまでここからコンデションを上げ、勝利を重ねていくのだろうか。そしてどのようなサッカーを披露し、観戦するものを楽しましてくれるのだろうか。これからもとても楽しみになるような試合内容だった。

 

終わりに

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