サッカー戦術分析ブログ〜 Sixth Sense〜

Jリーグ・プレミアリーグ・セリエAを中心に解説をしていきます。

CL マンC vs アタランタ 〜対応の掛け合い〜

 

はじめに

サッカー界に衝撃を与える戦術を用い、そして見るものを魅了するサッカーをチームに落とし込むグアルディオラ。そしてこのチームに対抗するのがこちらも斬新な戦術を用い、セリエA、そして世界を驚かせたアタランタ率いるガスペリーニ。この2人が率いるチームが対戦するとなると見逃すわけにはいかない。そして予想通り、この試合はとても情報量が多く、観る者を魅了し、そして考えさせる一戦だったのではないだろうか。自分なりの解釈になるが、この試合の「対応の掛け合い」を紹介していこう。

スターティングメンバー

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SofaScoreより引用

 

対応の掛け合い

アタランタの準備とマンCの準備

試合開始〜15分あたりまでこの試合の主導権を握ったのはアウェイチームのアタランタ。マンCが準備してきたことに対して、アタランタが準備してきたことが上回っていた。ではお互いにどのような準備をしてきていたのか。

マンCの準備

マンCは上の図のように、CBが一枚(主に16番)一列前に出ることで、ダブルボランチの形をとり、ビルドアップを試みた。これはアタランタの守備がCBに対し、プレスをかけてボールを蹴らせると読んだからではないだろうか。だからCBにDMFのフェルナンジーニョとロドリ(CBが怪我、怪我明けでコンディションが整っていないことも関係)がCBで先発出場したのだろう。CBがDMFのラインまで上がることで2トップに対し、3バックで対応ができるので、数的優位でボールを持つことができる。さらにアタランタのSTが1枚なのでCBが上がることでここでも数的優位を作り出すことができる。これでラインを突破し、強力な前線に良い状態でボールを届け、攻撃を仕掛けるという狙いがあったのだろう。

(白⇨シティ 黒⇨アタランタ

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このようになる予定だったのではないだろうか。

アタランタの準備

そしてマンCの準備に対するアタランタの守備戦術。このようなポジションチェンジになぜ対応できたのか。それはマンマークを採用していたから。監督が用意してきたことを完璧に遂行していたのでマンCを苦しめることに成功した。その方法がこちら。

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マンマークの役割がこちら。

CB⇨CF

DMF⇨ST

SB⇨CH

WG⇨WB

IH⇨サイドのCB

CF⇨中央のCB

これを徹底することでマンCのパス回しを外回りにさせ、ライン間を使わせなかった。さらに狙い所がSBまたはSBからのパスとなっており、ここで引っ掛けることでショートカウンターを何度か打ち、さらにWBが幅をとり深い位置を取るためマンCのWGを自陣に押し返すことができた。この守備戦術が嵌り、マンCを苦しめ、アウェイながらも堂々と戦っていた。

アタランタの準備に対するマンCの対応

アタランタに苦しめられたマンC。もちろんマンCがこのまま主導権を握られていたわけではない。しっかりとアタランタの守備に対応し、主導権を奪った。その対応方法がこちら。(17分のGKからこの対応策を取る)

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このようにCB(16番)が上がるのをやめ、SBが一列前にポジションを取るようになる。これでWGへのパスコースを作り出す。この目的が個人技で上回る選手を1vs1で仕掛けさせるため。これが一つ目の対応策。そして極め付けがIHがポジションを下げてボールを受けること(組み立てに参加)。これがアタランタの守備戦術を混乱に陥れた。普段は1.5列目にいるはずのIH(特に17番)が2列目まで降りることでマンマークをしていたCBがついて行くか迷うことになる。「果たしてあそこまで出て行っても良いのか」、「スペースを空けてまでマークに行くべきか」と。これでマンCは17番で時間w作れ、徐々にボールを持てるようになり、主導権を握って行く。これがマンCの対応策。

マンCのIHに対するアタランタの対応

もちろんアタランタもIH(17番)をいつまでもフリーにさせるわけがなく、すぐに対応をしていた。その方法がこちら。(だいたい28分あたり)

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このようにマンマークの相手を変えることで対応を打った。降りるIHに対してCHが、SBに対してCBが対応することで再びボールを中央に入れさせることを難しくさせた。

これで再び立ち上がりのような守備戦術が機能し始めた。これがアタランタの対応。

アタランタCHのマークに対するマンCの対応

これに対しても対応をするのがマンC。ここまで個人戦術のレベルが高いのだから強いのは当たり前と感じてしまう。その対応策がこちら。(32分の攻撃から)

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このようにIHが大外をとることで、マンマークしてくるCHのポジションをずらすことができる。だからCHは大外までついて行くか迷うのでIHは大外で一瞬フリーになることができる。ここから内側に入ったWGが抜け出すことでチャンスを作り出す。この攻撃は再現性のあるもので、PK獲得のシーンや36分38秒〜、43分40秒〜、56分のゴールシーン、63分のゴールシーンなど、似た形で攻撃を仕掛けている。この攻撃でアタランタを試合終盤まで苦しめることができていた。

大外をとるIHに対するアタランタの対応

アタランタはIHにボールを出させないようにするためにプレッシングの強度を上げることで対応をしていた。ボールの供給源にプレスをかけることで、時間を奪い、パスの精度を落とすことを試みた。この対応は前半まではうまくいっていたのではないだろうか。

プレッシングに対するマンCの対応

そしてここでマンCが上回る。ハーフタイムで確実に指示があったであろう、GKからのロングパスとミドルパス。これでマンCは優位に立った。GKのゲームへの参加がいかに大切で、そして強みになるのかがわかるものだった。(主に後半から。47分あたり)

ミドルパス

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ミドルパスの場合はこのようにSBにパスを出すことが多くあった。質が高く、そして早く強いボールなので、SBは時間とスペースを持つことができる。これは質が高いボールなので、アタランタCBの対応が間に合わないからだ。そして徐々にこのような攻撃お増やして行く。

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このようにアタランタはハイプレスかつSBでCBを釣り出すことでライン間にスペースができ、逆のIHがボールを受けることができる。そしてWGがハーフスペースに抜け出すことで攻撃を仕掛けられるようになっていた。これがミドルパスで優位性を作り、対応していた状況。

ロングパス

この場面が顕著に現れていたのが48分19秒と53分35秒の場面。これも再現性があるもので、WGが抜け出す場面が多くあった。これはアタランタがGKまでプレスに来なかった(行けなかった)かつGKエデルソンのキック精度が高いので仕掛けれた攻撃。後ろから丁寧に繋げないのなら背後を狙うというお手本のような攻撃だ。もしもアタランタがGKまでプレスを仕掛けていたら2トップvs2CB +GKで数的不利になりボールをつながれファーストプレスを突破されてしまう。だからこそGKまでプレスをかけることができなかったのだ。これがあるのでマンCはさらに上のステージのサッカーを展開できている。

まとめ

蓋を開けてみれば5-1の圧巻の勝利を納めていたマンC。このように対応に対応を重ねることで相手を上回り、勝利を収めることができる。このような対応をとることができるのもグアルディオラ監督の指導と選手個々人の戦術レベルが高いからできることだろう。アタランタも個人では劣るがチームとしてしっかりと準備してきたものを遂行し、そしてこちらも対応に対応して最後まで戦い抜いた。お互いに戦術的な変更点と狙いがはっきりと読み取ることができた試合だったので、とても勉強になり、そして面白い試合だった。これからもこの2チームの試合は追っていきたいと思わせてくれる一戦だった。ぜひ機会があればマンCとアタランタの試合をチェックしてほしい。

 

終わりに

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