はじめに
札幌vs広島。お互いにシーズン序盤は上位につけていた両チーム。だがここ最近は調子を落とし、連敗が続いていた。広島は前節、4ゴールの大勝で札幌にも勝って勢いに乗り、中断期間に入りたい。一方の札幌もここで勝って悪い流れを払拭したい。お互いに是が非でも勝利が必要ということをひしひしと感じ取れた。
そんな中で勝負を決めたのは一本の『ロングボール』。札幌はいつもの自分たちの形ではない方法からゴールを決め、勝利を挙げた。この『ロングボール』の有効性について、今回は解説していきたい。
コンサドーレ札幌(3-4-2-1)
札幌の戦い方
- 前線をWB含む5枚にし、各レーンに人を配置して攻める
- 三角形を作り、細かいパスで崩す
- サイドの追い込み、ボールを奪う
サンフレッチェ広島(3-4-2-1)
広島の戦い方
- 5-4のブロックを作りカウンター
- 遅攻時はサイドを中心に攻め込む
ロングボールの有効性
これはこの試合、改めて感じることのできた試合だった。ロングボール(アーリークロス)を使うにあたって必要な条件はいくつかあるが、これは後で紹介しよう。
まずは札幌のゴールシーンを見てもらいたい。
ロングボール(アーリークロス)の有効性。札幌らしからぬゴールシーンだが、ブロックを作るチームには条件があるがとても効果的。 pic.twitter.com/Eem9ZpLA2m
— サッカー解説と分析 ~違った視点からの観戦~ (@jHgW2UrDVwTxdFs) June 1, 2019
これが札幌の決勝点。ではまずロングボールの有効な点を解説していこう。
ロングボールの有効点
- 一気に前に行けること
- ファーストプレス、もしくはセカンドプレスを無力化できること
- 相手の中盤をひっくり返せること
- カオスな状況を作り出せること
- セカンドボールを拾い、ショートカウンターに持って行けること(人数が揃っている場合)
ざっと挙げるとこの五つが有効な点だ。欲を言えばボールを動かして目線を変えていれば尚良い。ではここでロングボールを使うにあたって、必要なざっと条件を紹介しよう。
ロングボールの条件
- CFのボールの収まりが良いこと
- セカンドボールを拾うための人数を揃えること
- 間延びしないためにラインを早く上げ、コンパクトに保つこと
- 幅を取りDFの距離を広げること
基本的にはこれが条件として必要だ。これらが揃うと、ロングボールは圧倒的な効力を持つ。ハイプレスを行うチームはもちろん、ブロックを敷いている相手にも有効だ。
そして今回の対戦相手、サンフレッチェ広島は引いてブロックを敷いていた。
では広島になぜ有効だったかを説明していこう。
なぜロングボールで得点が取れたのか
広島のブロックは5-4だった。これは札幌のレーン間の移動と配置にぴったりとはまり、広島はしっかりと守れていた。さらには4のラインでカバーシャドウをして縦パスを入れさせなかったので、札幌はテンポが上がらずにいつものようなリズムの良い攻撃ができなかった。しかし、札幌は何度もサイドを変え、広島の目線を変え続けた。
何度かロングボールを入れる場面があったが、タイミングが早いのと、どうしても時間があるのでワントラップしてから、ロングボールを入れていた。
これではロングボールの威力は半減してしまう。だが得点シーンはワンタッチで放り込んだ。こうすると、中盤をひっくり返すことができる。
これは縦パスを入れさせてもらえなかった札幌にとって大きなことだ。
これで広島の中盤は背走せざるを得なくなる。これはなかなかこの試合ではなかった状況だった。そして9番の鈴木武蔵のところにフリックしたボールが渡ったことも大きかった。この試合、ボックス内で前を向いてもらうことができなかったが、ここで初めて抜け出すことができ、純粋な1v1を作りだせた。そしてボールをハンブルし、24番早坂のゴール。このゴールのポイントをまとめるとこうなる。
ゴールのポイントのまとめ
- 目線を変え続けたこと
- この試合初めて、ワンタッチでロングボールを入れたこと
- 中盤を背走させたこと
- 鈴木武蔵がボックス内で前向きで抜け出せたこと
これらがゴールを奪えた理由だ。
まとめ
この試合、改めてロングボールの重要性に気づくことができた。だが札幌の基本的な戦い方がポゼッションで相手を動かすことで攻め込むというものだから、より効果的だったのだろう。要所でこのロングボールを使うことができれば、札幌はまた一つ強くなりかもしれない。ロングボールを支えるだけの人と条件は揃っている。
札幌らしくないゴールだったが、これも一つの戦い方として持っていれば優勝争いにもう一度絡めるだろう。
終わりに
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