長谷部 誠(ハセベ マコト)
1984年 1月18日(35歳)
フランクフルト所属
サッカーをあまり知らない方も必ず一度は耳にしたことがある名前だと思う。
日本代表通算114試合に出場した彼ももう35歳。
そんな長谷部選手は今キャリア最高の状態でプレーをしている。
なぜここまで好調なのか、所属クラブのフランクフルトで重宝されているのかを説明していく。
まずフランクフルトで長谷部選手は3バックの中央でプレーをしている。
ここでプレーをしている理由が3つある。
早速一つ目。
- 攻撃の起点
もともとDMFでプレーをしていたので配給に関しては本職のCB陣と比べると明らかに上のレベルにいる。
ではなぜ中盤で起点を作るのではなく、最終ラインで起点を作るのか。
長谷部選手がここでボールを持つとほとんどの場合はCFが牽制を行いにくる。
そうするとフリーになるのは単純に考えると右のCB、CMF。
大抵はCFがプレスをかける時、右CBのパスコースを切りながらプレスに来るため
実質はCMFへのパスが一番出しやすい状況が生まれる。
ここからが重要になる。
現在のサッカーで配給が上手なCBが重宝される理由もまさにここにある。
例えばCMFがボールを受けに来たとする。
そうすると、DMFが寄せてくるかこないかで長谷部選手の判断も変わってくる。
寄せてきた場合。
CMFを囮にFWへ楔を入れれば良し。これで一気に攻撃のチャンスが広がる。
逆に寄せてこない場合は、簡単にCMFへボールを渡せば良い。
ではもっと複雑な状況へ。
DMFがFWへの縦パスを牽制しながら、CMFにプレスに行った場合。
ここで長谷部選手の真価が見られる。このDMFとの駆け引きが上手なのだ。
DMFが出てくれば、LWGが開くのでここに浮き玉のパスを、
それもリスキーならCBを経由しLWGへ。はたまた、FWへの浮き玉のパス。
ここのプレービジョンが秀逸なのだ。
さらにここで彼が起点を作ることで相手のラインが全体的に上がり、
背後のスペースへロングボールを出すこともできる。
実際に昨シーズンから、この形は何度も作っている。
- DFラインの統率
これが一番彼がここで起用されるにおいて、重要な点だ。
3バックでコンビを組んでいるのは19歳と26歳。まだポジショニングや試合の流れを読むことに長けているとは言い難い。
そこでこの35歳がいる。
戦術理解度と試合を読む眼、彼はこれも秀でている。
寄せる場面、ステイする場面、この指示を幾度となく送っていることが試合を観ているとわかる。
もちろん空中戦はこのコンビを組んでいる2人に任すことが多い。お互いに相互補完しあってこの関係が成り立っている。
- 対人戦
長谷部選手はあまり1v1が強いイメージがなかったが、実はかなり強い。
ポジショニングが良いことも関係しているが、寄せるタイミングと距離がかなり上手い。
ボールを受ける前まである程度の距離を保ち、トラップの瞬間を狙う。
ここのタイミングが秀逸なので、プレーを見る機会があればぜひ観ていただきたい。
以上の3つが35歳にして、キャリア最高の時間を過ごしている理由になっているのではないだろうか。
もちろんここまで培ってきた経験があるからこそ、ポジションを変えても活躍できるのだろう。
さすがは国を背負って戦うチームをまとめていただけはある。
残りのサッカー人生、より華やかなものにしてもらいたい。
最期までご朗読ありがとうございます。
今回から、個人に焦点を当てて解説をしていこうと思います。
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