変わりつつあるチェルシー

プレミアリーグでマンCに0-6の大敗。そして続くFAカップマンUに0-2で負け、FAカップから姿を消したチェルシー

サッリ監督の解任報道が盛り上がる中で、マンCとのカラバオカップ決勝。

共にゴールが生まれる事がなくPKでチェルシーは負けてしまったが、

サッリ監督にとって収穫の多い試合だったことに間違いない。

そしてリーグ戦でのロンドンダービー。この試合は2-0の勝利。

ビッグ6から勝ち点3を奪えてことは大きな意味を持つ。

そしてこのトッテナム戦でその変化がはっきりとわかった。

その変化について触れていこう。 (今までと何が違うのかを比較したい方は他の記事を読んでからこの記事を読んでもらいたい)

 

 

では早速、何が今までと変わりつつあるのか。

結論から述べると守備の意識。

マンC戦0-0 トッテナム戦2-0。共にクリーンシート。この意味がわかるだろうか。

そう守れるチェルシーが帰ってきたのだ。

マンCとのカラバオカップ決勝のこのシーンを紹介しよう。

この動画を観てもらいたい。

 

 

 

こういったシーンが幾度となくあった。

チェルシーは守備時4-4-2の布陣をとりブロックを敷いている。

こうする事で、中央にボールを入れれないマンCはブロックの外でボールを回さざる得ない。

詳しく説明していこう。

 

f:id:football-analyst:20190303210121j:plain


まず赤のラインが4-4-2のブロックを敷いている事を示している。

そしてもう一つ、黒丸のところ。

4-4-2にしている事で、チェルシーの弱点だったジョルジーニョの脇のスペースを埋めることができいる。

さらにサイドが変われば、ボールサイドの選手がプレスに行き、逆サイドの選手が一列下がって4-4-2の形を再形成していた。

マンCはこのようなブロックを敷かれたことにより、中央にボールを入れることが非常に難しくなり、ブロックの外でボールを回させられていた。

もう一度この事を頭に入れた上で動画を観てもらいたい。

 

 

 

見方が少し変わったのではないだろうか。

 

ではさらに細部まで触れていこう。

チェルシーはマンCの選手がミドルサードの終わり付近に入ってくるとプレスを開始。

しかも中央に入ってくるとスイッチが入る。(サイドにボールが出た場合は中央に侵入させないように牽制をし、バックパスを選択させる)

その場面の解説。

f:id:football-analyst:20190303212228j:plain

①の選手はサイドが変わったので、1列下がったポジションをとり直す。

そしてボールホルダーがミドルサードの終わり付近にドリブルで侵入。

ここからプレスのスイッチが入る。

次の場面へ。

f:id:football-analyst:20190303212754j:plain

①がプレッシングを行い、②③④が連動してポジションをとる。

②は黒丸へのパスコースを消し、④は黄丸へのパスコースを消す。

③は赤丸への縦パスをカットできるポジショニングへ移動。

 

そして次。

f:id:football-analyst:20190303213128j:plain

黒丸のところで完全な3v2が出来上がる。

②(ジョルジーニョ)は引き続き縦パスのカットを狙う。

①はジョルジーニョのカバーポジションをとるためにスライド。

ボールを奪う場面へ。

f:id:football-analyst:20190303213419j:plain

ここで縦パスを①が引っかける。もしもここで縦パスが通ったとしても、②が良いポジションをとっているので、インターセプトできただろう。

 

この細部まで理解してもらった状態でもう一度。

 

 

 

大分、観る視点が変わったと思う。

 

このようにして、チェルシーはマンC戦とトッテナム戦を無失点で乗りきった。

 そしてもう一つの要因がジョルジーニョの守備意識の改革。

''守れない人"というレッテルを貼られていた彼だが、直近の2試合は見違えるほどに守備の意識が高まっていた。

対人の脆さは残るが、後ろのマーカーの確認を幾度となく行い、必要ならば身体を張る。

今まで見られなかった光景をこの2試合で見せてくれた。

その象徴的なシーンを2つ紹介する。

 

 

 

青の背番号5がジョルジーニョだ。

今までの彼はプレスバックの質が低く、そのせいでDFラインと中盤の間に大きなスペースができてしまっていたが、しっかりとこの2試合は守備のタスクもこなしていた。

 

一つ目の動画は縦パスを奪いきれず、スピードが上がってピンチになったシーン。

だがジョルジーニョがプレスバックを行い、中央への(アグエロへのパス)パスをカット。もしもここでアグエロにパスが渡っていたら、シュートまで持って行かれただろう。

 

二つ目は、味方が帰陣するまでの時間を作るための遅らせる守備。

今までだと、この場面で簡単に振り切られていただろう。

しかしこの2試合はしっかりとボールホルダーに着いて行っていた。

 

トッテナム戦に関しては、インターセプト4回、タックル成功数6回と、共に両チームトップの数字を記録している。

この数字からもジョルジーニョが守備意識の改革をしたかが理解できるだろう。

 

以上の2つが直近の2試合で変わった点だ。

ここからの残りの試合をサッリ監督は

このブロックを敷いて構える戦い方を続けていくのだろうか。

はたまた、ハイプレスに戻すのだろうか。

個人的には結果が残った前者の戦い方を少なくとも今シーズンは続けて欲しい。

結局は守れるチームがタイトルを獲得するのだから。

これからのチェルシーの戦い方に注目してみて欲しい。

 

ぜひ、これをきっかけに(サッカーを観る機会があれば)

守備時、そのチームが引いてブロックを敷くのか、リバプールのようにフルスロットフットボールを展開するのかを意識して欲しい。

またどのエリアに入ったらプレッシングのスイッチが入るのかも意識して欲しい。

 最後まで読んで頂きありがとうございます。

次の記事もぜひ読んでみて下さい。

面白いと思ったらツイッターもやっているので、フォローもお忘れなく。

twitter.com