ニューカッスル vs マン シティ プレミアリーグ第24節<なぜニューカッスルは逆転できたのか>

ニューカッスルが逆転できた4つの要因

プレミアでの番狂わせはよく起こることだが、この対戦カードは過去のデータから見ても、ニューカッスルにとって頗る相性が悪い。だが、百戦錬磨の知将 ラファ ベニテス率いるこのチームは見事、プレミア覇者から逆転勝利をもぎ取ることに成功したのだ。

その要因を探っていこうと思う。

1. ゾーンディフェンス(フェルナンジーニョへの牽制)

 

プレミアリーグをよく観られる方はご存知かも知れないが、ベニテスはビッグ6(マンC マンU チェルシー トッテナム アーセナル リバプール)と対戦するときは5-4-1のフォーメーションで必ず戦う。相手にスペースを与えないために、この布陣を引く。

ごく一般的だが5レーンにDFを1枚配置することで、スペースを埋める。

その前にMFを4枚並べ、スライドして5レーンを行き来する。そして自分のレーンに入ってきたらプレスというノーマルなゾーンディフェンスを展開する。

ベニテスの場合は、その精度が格段に違う。横の距離感は4~5mを維持し、スライド。縦の距離感も絶妙だった。またシティのDMF、攻守の要のフェルナンジーニョには必ずヘイデンとロングスタッフが牽制をかけリズムを作らせなかった。

ライン間のポジショニングが上手なDシルバには挟みこんで対応し、

両WGには1v1の状況を極力短くし1v2で対応するという狙いがわかった。

ミドルサード終わりからプレッシングにいき、あとはボールを握らす展開。

この精度が異常に高く、決定的な場面は2~3回しか作らせなかった。

 

2. ロングボールの使用

奪ったボールをロングボールでロンドンに放りこむことで、シティの守備の生命線でもある早いプレスから逃れることができる。そのため、ベニテスはこのような作戦にでたと考えられる。この試合の2CBはストーンズラポルトだったため、空中戦でロンドンに劣り、ニューカッスルは空中戦において優位にたてた。

 

3. ルーズボールとアツとペレスの存在

ボールを奪い、ロングボール。これだけでは、かなり低いブロックを敷いているのでロンドンにボールが収まっても孤立してしまう。また、中盤の高い位置に人がいないので、2ndボールを拾われるのがオチだ。

しかしニューカッスルはボールを奪うと1〜2本パスを繋ぎ、ロングボールを入れる。こうすることにより、走力のあるアツとペレスが高い位置まで上がることができる。

ここでの2人の役割はもちろん、ロンドンのサポートとルーズボールの対応。2人のボールへの反応と走力は見事だった。

 

4. シティSBの裏のスペース

グアルディオラのサッカーはビルドアップの段階で2-3-2-3の形になり、SBがDMFと同じラインまで上がることが多い。ましてやニューカッスルはボールを捨てていたので、安易にビルドアップができていた。しかしここに罠があった。SBの裏のスペースだ。

普段なら、早いトランジションでボールを奪う、または遅らせ逆SBがスライドし3バックの形になるのだが、ベニテスニューカッスルは違った。ボールを奪うと後方にパスし、ロンドンめがけてロングボール。そしてもう一つがSBの裏のスペース。

アツとリッチーがここを虎視眈々と狙い、クロス。

この攻撃があり、ダニーロとウォーカーは思い切って攻撃に参加できていなかった。

そしてニューカッスルが最初の攻撃でSBの裏をついて攻撃を完結させたのも大きな要因だろう。

 

この4つの要因が大きな影響をもたらしたと思う。

開始1分の失点、最初の攻撃での完結、アツとペレス、リッチーの走力、ロンドンの空中戦の強さ。全てが見直してみると繋がっている。もちろん、シティの最後のクオリティーが低かったことも否めないが、その状況を作り出したのもベニテスの手腕だろう。

これでニューカッスルは次節に弾みのつく大きな勝利。

そして次はトッテナム。またジャイアントキリングを起こるだろうか。

熾烈な優勝争いと残留争いに目が離せない。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次はアーセナル vs マン シティにしようと思ってます。

そして、画像や動画を組み込んでの解説と分析をするので、期待していて下さい。

改めて、最後まで読んでいただきありがとうございます。