【時間調整】Premier League第4節 チェルシー×アストン・ヴィラ

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皆さん、どうも。今回はPremier League4節のチェルシー×アストン・ヴィラについてを考えていきます。

最後までお付き合い頂けると嬉しいです!

 

 

 

スターティングメンバー

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レビュー

☑︎アストン・ヴィラの守備

☑︎CBでの時間調整

☑︎斜めのパスと中央の縦パスが入った理由

 

この3つをYouTubeで解説させて頂きました。ぜひご覧ください!

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雑感

ルカクかっこよ。僕の感想はまずこれです。笑

インテルには感謝しても感謝仕切れません。

この御恩は一生…!!! 忘れません!!!!

 

では試合の雑感に入っていきましょう。

アストン・ヴィラは形を変えてチェルシー対策を行っていました。IHでCHを当て嵌め、外側のCBにはCFを当てにいくことで、チェルシーのビルドアップに制限をかけていきました。許容するのは中央のCB、チアゴ・シウバでした。

 

ですが、ここを許容してしまうことこの試合、アストン・ヴィラが守れなくなってしまう大きな要因となっていました。

ここはYouTubeで詳しく解説させて頂いています。チアゴシウバの時間調整の仕方によって、チェルシーは配置を整え、攻撃を仕掛けるための準備を存分にする時間を得ることができていました。

さすがのチアゴシウバ。仮にここで配置を整える時間を調整せずに攻撃を仕掛けていると、アストン・ヴィラが望んだ試合展開に持ち込まれていたことでしょう。

相手の土俵に乗らないための時間調整の仕方はさすがでした。そしてこれはGKメンディにも言えることで、昨季からの成長が見受けられる部分ではないでしょうか。

 

もちろん、ショットストップは健在。この試合もチェルシーは彼のセーブに助けられていましたね!

 

中盤に目を向けると、なんと言ってもコバチッチです。彼のボールの持ち出しによる優位性の作り方、そしてパス精度。彼もカンテ、ジョルジーニョと並んで世界最高峰ですね。

心配なのはサウール。デビュー戦となりましたが、ほろ苦いものになったのではないでしょうか。プレミアの早さと強度に戸惑い、ミスの連発。早くプレミアの水に慣れて、本来のプレーをしてもらいたいです!頑張れ!

 

試合全体としては、スリリングなものでしたし、アストン・ヴィラの狙いもチェルシーの対応の仕方も面白いものだったので、皆さんも見返してみてはどうでしょうか?

 

チェルシーの次の試合はCLです。いやー、こっちも楽しみですね!

 

ハイライト

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今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

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ではまた次の記事で!

オランダを司る青年

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皆さん、どうも。

代表ウィークでリーグ戦がない中、僕はオランダ代表を追って観ています。

とは言っても、緩く観てキャッキャ言いながら見ているだけなので、皆さんも緩く読んで頂けると幸いです。

 

 

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では早速、この試合についてを考えていきましょう。

 

ノルウェー戦のスタメン

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モンテネグロ戦のスタメン

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Chapter1:ビルドアップの形は?

まず触れていくのはビルドアップの形について。ここの段階でフレンキー・デヨングの立ち位置でビルドアップの形を決定している印象だ。

ではそのパターンについて紹介していこう。

1−1:デヨングがCBの間に降りる

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デヨングがCBの間に降りるパターン

特に見られたのがノルウェー戦。この場合は形としては3−4−2ー1になる。クラーセンとワイナルドゥムがCHの立ち位置をとることで、中央のパスコースを創出していた。

さらにSBが幅を作り出してWGが中に入る。僕の印象だと、この方法は少し窮屈に見えた。

逃げ道、もしくは出口が用意されてないように感じ、結局デヨングが持ち出して1枚剥がしてなんとかすることが多かった。

 

1−2:デヨングが左に降りる

ここに降りることがデヨングからするとプレーしやすく、さらに出口を用意でき、さらに可変による混乱を相手に押し付けることが可能になっていた印象だ。

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デヨングの左降りと可変

これがデヨングが左に降りた時の可変になる。一気にボールサイドによるポジションをとることが多かった。この左というのが重要で、CFに入るデパイも左に流れてプレーすることが得意なのだろう。

だから、彼が縦パスを引き取るような動きを加えることで、デヨングに対して出口を提供。さらにWGガクポが幅を作り出すので、縦パスを引き取ったデパイもガクポとコンビネーションを作り出しやすい状態だった。もちろん、ここから一気に背後にパスを出すパターンも持ち合わせていた。

 

そしてサイドを奥深くを取った時に、逆からIHワイナルドゥムがクロスに対して入ってきて、さらにニアにはクラーセンが遅れて入ってくるように設定されていた。

 

仮にボールを失ったとしても、ボールサイドに人を集めているので、すぐにボールを圧縮することが可能になっていた。

 

この形はとても良かったのではないだろうか。

 

1−3:デヨングの中央残り

そしてもう1つ。それがデヨングが中央に残る場合だ。このパターンがよく見られたのが主にモンテネグロ戦。

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デヨングが中央に残る時

この場合はSBとWGが縦関係で幅を作ることが多くなる。ここのユニットと関係性がかなりよく、特に右サイドのダンフリースとベルハイスのユニットはかなり良かった。縦に突破することで、そこからクロス、もしくはもう一工夫加えて攻撃を仕掛けることができていた。

 

もちろんここのパターンでも左サイドでプレーすることが好きなデパイは、左サイドのユニットに加わることが多く、だから左から右のサイドチェンジが多い印象で、そこから幅を作る選手(主にダンフリース)が縦突破でチャンスを作り出していた。

 

ここまで3つの方法を紹介したが、これにはやはり決まりがあり、その決まりというのが+1を作ることだ。そこで加わるのがデヨングで、彼の「降りる場所」と「立ち位置」によって周りの選手の立ち位置が大きく変わっていた。

さらに、彼はそこから持ち出して1枚剥がして半ば強引に優位性を作ること。局面を打開することができる。

この若さで、オランダという強豪国を司るフレンキ・デヨング。彼のプレーを見るためにオランダの試合を観戦するだけの価値があるのではないだろか。

 

Chapter2:フィニッシュはIHかも?

ビルドアップの関係上、CFデパイが中央から離れることが多々ある。そうすると中央に人がいなくなるのは至極当然の結果だ。さらにWGは幅を作り出してSBとユニットを組む。

こうなると『クロスに対して誰が入ってくるのか』という問題が浮上するのだが、オランダはそこの問題を解決している。

 

その解決方法が『IHが入ってくる』という答えだ。そしてオランダのIHはクラーセンとワイナルドゥムだ。彼らはクロスに入ってくる感覚を持っている選手だ。さらに、ビルドアップに絡み、ゴール前まで入ってくる走力も兼ね備えている。だからこそ、IHがフィニッシュ役になるという設定があるっぽい。

だからこそ、WGとSBが幅を作ってディフェンスラインを広げて「間」にIHが飛び込めるように、スペースを作り出している。

 

(もちろん、これはクロスからの攻撃に関してで、中央からもしくは外から中に入ってきた時はデパイがフィニッシュ役になることがある)

 

この攻撃がオランダの最大の攻撃になっているような印象だ。

 

まとめ

本当に緩いものになったが、ここまで読み進めてもらえていたら幸いだ。個人的にオランダは思い入れのあるチームで、かつての強さを取り戻しつつあるのが嬉しい限りだ。

もちろん、ベルカンプやファンニステルローイ、ロッベン、スナイデル、ファンデルファールト、フンテラール、ファン・ペルシーのインパクトには欠けるかもしれない。だが曲者が揃い、バックラインには強靭な選手がいる。これから険しい道が待っているかもしれないが、オランダには最強の青年がいる。フレンキー・デヨングのプレーにキャッキャ言いながら、オランダの試合をこれからも見ていこうと思う。

 

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ではまた次の記事で!

【混乱と不利の関係】Premier League 第3節 マンチェスター・C vs アーセナル

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今回はPremier League3節のマンチェスター・シティ×アーセナルについて考えていきます。

 

 

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 では早速、この試合についてを考えていきましょう。

 

混乱と不利の関係

今回はYouTubeの方でアーセナルの守備とシティの優位性の作り方についてを考えました。

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【チェルシーが考えたことって?】Premier League3節 リバプール vs チェルシー

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皆さん、どうも。今回はPremier League3節のリバプール×チェルシーについてを考えていきましょう。

 

 

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 では早速、この試合についてを考えていきましょう。

 

 

スターティングメンバー

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Chapter1:チェルシーが考えていたことって?

お互いに5ゴールの完封で2試合を終えており、調子も勢いもある状態で激突した。間違いなく強者のリバプールを相手に、トゥヘル・チェルシーはどのようなことを考えて、試合に望んでいたのだろうか。

 

1−1:敵陣での守備局面

まずは守備の局面から触れていこう。これは守るエリアの高さによってその方法が変わっていた印象だ。

まずは敵陣での守備局面について考えていきたい。

以下が基本的な敵陣の守備の方法で、追い込む場所となる。

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敵陣の守備方法

敵陣での守備方法は上の図のようになる。いつもと若干立ち位置が違ったのがWBだ。WBがバックラインまで戻らずに、SBを早めに捕まえられるようなスタートポジションを取ることが多くなっていた。

 

ここに敵陣での守備の考え方が詰まっていたのではないだろうか。その考え方というのが『SBに満足な状態でボールを持たせない』ということだ。

ご存知の通り、リバプールのSBのA=アーノルドとロバートソンのキックの技術というのは比類なきものだ。

だからトゥヘルはWBのスタートポジションをいつもよりも高くすることを決め、リバプールSBに圧力をかけてミスを誘導してボールを回収することを考えた。

 

これを完結させるために、CBとCHもしかっりとスライドして近くの人を捕まえることで、選択肢を消しながら判断を難しくして行っていた。

これでジョルジーニョのパスカットやスクリーンでボールを回収する場面を見受けることができ、そこからショートカウンターを打ちチャンスやチャンスを孕んだ攻撃を仕掛けることができていた。

 

1−1−1:SBと距離を取られた時

ここで考えなければらないのが、WB⇆SBの距離を取られた時だ。ここで距離を取られるとシンプルにプレスが間に合わずにSBからサイドを変えられるパスを撃ち込まれてしまう。さらにリバプールはSBから一気に背後に落とすパスを供給することが多かったので、この展開にも少しチェルシーは苦しんだ。だから、ハイプレスを仕掛ける回数を減らして、ミドルブロックを作り出すことを選択することが多くなっていく。

ではミドルブロックはどのように設定していたのだろうか。

 

1−2:ミドルブロックと攻撃の考え方

ではミドルブロックではどのようなことを考えながら守備を行っていたのだろうか。

まずはその方法から触れていこう。

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中央消しと外誘導

基本的にミドルブロックは『中央消しと外誘導』を考える。だから5−2−3のブロックを形成することが多くなっていた。この時にWGにはWBを当て嵌めるようになっていた。こうすることで、幅を作り出すSBの対応にはSTが内→外のプレスを行うように設定されていた。

そして以下のように追い込んでいく。

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運ばせて誘導

このようにSTが内側から外側にプレスをかけることでSBにボールを持ち出させる。この持ち出しがスイッチとなり、SBにWBが前に出て対応を行う。これでスライドを行ってWGも捕まえ中盤でも内側の選手を捕まえるようになっていた。

そしてここでポイントとなるのがSTの残り方だ。

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STの残り方とSBの背後

このようにSTが残っていることで、持ち出さしたSBの背後を使えるように設定されていた。だからこそ、上の図の青のエリアでボールを回収することを考えていた。さらにここで勝負させるのが対人の強いCBリュディガーとアスピリクエタだ。だからWGのマネとサラーはかなり苦戦したのではないだろうか。

これでボールを回収すると、一気にSBの背後にボールを落とすことで早い攻撃を仕掛けるように考えていたのだろうか。

 

1−2−1:刺されたくない縦パス

チェルシーが刺されたくない縦パスがある。それがCBからIHへの斜めの縦パスだ。

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刺されたくない縦パス

チェルシーはこのようにSTとCFの間を通される縦パスを打たれると一度後退を強いられることになる。その理由が、WBが出ていく時間とフルバックスがスライドするだけの時間を作り出すことができないからだ。

そしてIHにCHの脇、STの背後のスペースをIHに使われるので、STはプレスバックで対応を行わないといけなくなり、「SBの背後を使うため」に残ることができなくなる。さらに、SBがフリーになるのも懸念点だ。

このパスを通された時に、チェルシーは後退をして守備を再構築して押し戻すことを行っていた。このエネルギーを使ってしまうので、できる限りこの縦パスを通されたくなかったはずだ。

 

Chapter2:ローブロックと10人になってから

ではここからはローブロックと10人になってからの戦い方についてを考えていこう。チェルシーは基本的にローブロックを形成している時にも中央から追い出し、ゴール亜kら遠ざけることを基本として考える。だからそれぞれのレーンに入ってくる選手に対して前向きに対応できる立ち位置をとっている。

 

そして外側に誘導した後のクロス対応の仕方が秀逸だ。クロッサーと対峙するとまず消すのが利き足でのクロスだ。これは対峙する守備者の基本となる。利き足の前に立つことでクロスをブロックできる、もしくはクロスの精度を落とすことが可能になる。

さらに、仮に上げられたとしても消すクロスのコースというものがある。

そのクロスのコースというのが『GKとバックスの間のクロス』だ。定期的にチェルシーを見ている方なら、わかるかもしれないが、チェルシーはクロスからの崩されることが滅法少ない。さらにGKとバックスの間に早いクロスを供給されることも少ないのだ。

これは対峙する守備者に意識をさせ、さらにスタートポジションが明確になっているので、このような守備を行えるのだろう。

 

ではなぜ、GKとバックスのクロスを消すのか。

 

このクロスを消すことで、基本的にターゲットに対して直線もしくはマイナスのクロスになる。これでシューターはその場で飛んで、頭を振らないと威力のあるシュートしか打てない状態になる。さらに、SFに基本的に挟まれているので、当てるだけで精一杯となる。だから、チェルシーはクロスからの攻撃を簡単に跳ね返せるようになっている。

 

もちろん、外側に誘導するためにもう1つ行うことがある。それが「最優先で背後を消す」ということだ。

これを行うことで、GKとCBのライン間を消して背後の抜け出しを消す。さらにまずは場所を埋めることで、守備者は「前向き」に出ていくことができるようになっているのだ。

 

これでチェルシーはこの試合も10人になっても安定して守備を行うことができた。もちろん、苦しんだが僕的にはあまり失点の匂いはしなかった。

 

基準ができる強さ

嫌が応にもファンダイクvsルカクという構図は何度も見受けられたし、試合前からも取り上げられていた。それはそうだろう。ここで基準を作れるか潰せるかで、試合の流れは大きく変わる。そしてこの試合でもルカクは基準を作り出す。チェルシーの選手からすると、彼が前にいることでクリアがクリアじゃなくなり、『目がける場所』ができる。いわば灯台だ。そしてそこで時間を作ることができるので、チェルシーは10人になっても目の光が消えなかったし、何度かカウンターに出ることが適っていたのだ。

前回も触れたが、チェルシーに新たなオプションを付け加えたルカク。ここまで進化し、怪物になった彼がチェルシーに戻ってきたことに感謝したい。

 

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【相殺の守備】J1第27節 横浜F・マリノス vs 鹿島アントラーズ

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今回はマリノス×アントラーズについてを考えていきましょう。

 

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では早速、この試合についてを考えていきましょう。

 

 

スターティングメンバー

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Chapter1:鹿島のスピード相殺守備

こちらの守備についてはYouTubeで喋らせてもらいました。マリノスのパステンポとプレーテンポのスピードを相殺するためのプランを用意してました。だからこそ、彼らは「人→ボール→スペース」の順番で守備を行い、外側に誘導する事を実行してました。そしれそれが見事に嵌り切りました。

その理由と方法を喋ったので、ぜひご覧ください!

 

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Chapter2:マリノスの立ち位置の微調整

本来の躍動感のある攻撃を取り戻すべく、マリノスは修正を行う。それが57分の前線の総入れ替えだ。これによって、マリノスは空いた場所を作り出し、テンポを上げていく。ではどのような修正を行ったのだろうか。

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SHとSBの立ち位置の微調整

この図のように、マリノスが行った修正というのが「立ち位置の微調整」だ。その微調整というのが、WGとSBのポジショニング。57分の交代があるまで、内側に入るSBの立ち位置はアントラーズ2列目の手前に立つことが多かった。

だが交代からSBの立ち位置が2列目背後、MF-DFのライン間にポジションを取るようになる。これに連動してWGがSBから離れて曖昧な位置に降りるようになっていた。

 

これを行ったことでSBでSHを背後に引っ張り、WGが下がったところで受けるだけのスペースと時間を作り出す。さらにSBが対応に来て後ろ向きにトラップを促されても、SBでSHを引っ張っているので、数的不利な状態を作られず、純粋な1vs1に持ち込めることができる。

この1vs1を作れば、質的優位に立てるマリノス。前半は数的不利に陥ってその優位性を取ることができなかったが、57分の交代からここで優位性をとり始める。

 

ではそもそも、なぜ『SBが高い位置まで上がる』ことができたのだろうか。

これがアントラーズの守備が大きく関係していて、CBでボールを持てるのでSBがヘルプを行う必要性がないからだ。CF上田とOMF荒木に対して、マリノスはCB實藤と岩田、CH喜田、必要であれば天野という構図を作り出せるので、このような攻撃を仕掛けるに至った。

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瞬間的に数的優位を作り出せる

そしてWGがボールを引き取ることができれば、このようにアントラーズSBに対して瞬間的に数的優位を作り出すことが可能になる。この立ち位置に微調整により、外に誘導されながらも、そこを逆手に取って『外で起点』を作れるようになっていた。

 

ビッグチャンスをいくつも作り出すことはできたが、GK沖の牙城とアントラーズの場所の埋める早さに最後まで苦戦し、0で抑えられてしまった。だがスタンスは変えず、ちょっとした立ち位置の微調整で活路を見出すマリノスはさすがだと個人的には感じる試合だった。

 

2−1:アントラーズの修正

もちろん、すぐにアントラーズは修正を加えた。それが両SHの交代と2トップの交代だ。これを行うことで、再び守備の強度を取り戻すことに成功する。さらに、ライン間に立つSBに対しては明確にSHがプレスバックを行うことを指示し、場所を埋めることを行った。これで場所を埋めながら、この試合で行っていた奪ったらCFへを繰り返すことで、ロングカウンターでの『蜂の一刺し』で牙を向いていた。

すかさず交代でエネルギーを再び与えれたことが、アントラーズが守り切れた大きな要因だったことに間違いない。

 

ピトゥカ…!!!

上田も荒木もすごかった。だがなんといってもピトゥカだろう。彼が見えている場所もさることながら、そこを見つける眼の良さ。そしてそこにパスを供給できるアイデアと実行するだけの技術。さらには単騎で持ち運ぶこともできる。長い手を使いながら、相手の前にスルスルと入れ替わるように入っていく。このプレーでどれだけ周りの選手を助けていただろうか。特にこの試合のような展開になると、それが顕著になっていた。

そして何よりも飄々としているようで、がっつりファイターなのもまた渋い。

 

元々すごい選手でピトゥカのプレーにキャッキャしていたのだが、この試合のピトゥカは次元が1つ違った。イニエスタ同様、彼のプレーを日本で見れることに感謝したい。

 

前回対戦と違い撃ち合いとはならずに堅い試合になった。だが駆け引きのある中でのこのような展開だったので、かなり見応えがあった。ぜひ皆さんも見返してみてはどうだろうか。

 

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【試行錯誤のための引き出し】J1第26節 サガン鳥栖 vs 横浜F・マリノス

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今回はJ1第26節 サガン鳥栖×横浜F・マリノスについてに考えて行きます。

この記事が面白いと感じましたら、応援してくれると嬉しいです!

では早速、この試合についてを考えていきましょう!

 

 

スターティングメンバー

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Chapter1:サガン鳥栖の考え

上位対決となった大切な一戦。ホームにビッグウェーブに乗っているマリノスを迎え入れた。彼らが乗る波に飲まれないために、ホームチームは戦い方を少し変え、マリノスを転覆させようと試みた。

では彼らはどのような考え方を持って試合に臨んだのだろうか。

 

1−1:ハイプレス→ショートカウンターの考え方

まずはハイプレスの局面から考えていこう。

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プレスの当て嵌め方

まずはプレスの当て嵌め方。彼らは前からプレスをかけていくことで、マリノスの組み立てに圧力をかけて、満足に前進させないように仕向けた。

だから上の図のような個々のタスクとなっていた。CBまで当て嵌めにいくことで、GKからの近くの組み立てを牽制した。もちろん、中盤もきちんと当て嵌める形になり、極め付けはCBエドゥアルドはCFセアラに対してマンマークを行う。

 

これでボールの移動中にSBに対してWBが出ていくことになっていた。ここでWBが出ていくとここに連動してSHにCBが出ていくように設定していた。

そして以下のようにボールを奪うことを狙う。

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CBの選択肢を消す

まず考えていたのが、CBの選択肢を消すこと。この時にGK→CBのボールの移動中にWBがSBまで出ていくことを行う。ここのプレススピードがかなり重要になっており、これで上の図のように選択肢を消していくことができるようになっていた。

そしてもう1つが以下のものだ。

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中央を締めといてGKからのパス

このようにそもそも中央を当て嵌めているので、GKからSBへのミドルパスを打たせることで、ボールを回収していく。もちろん、ここでもボールの移動中にWBのプレスのスピードが重要になる。ここで間に合えば、SBはボールの処理とWBのプレスをかわすことを考えなければならなくなる。だからミスを誘導することができてボールを回収することが適う。

このようにしてサガン鳥栖はハイプレスを完結させることを考えた。

 

そして上記の方法でボールを回収することができれば、1本目のパスは必ず前に設定されていた。ではなぜこの1本目のパスが前方向だったのか。

これはマリノスCBの間を割るパスを打つことで、CBを内側に背走させることを考えていたからだろう。こうすることで、内側にいるサガン鳥栖CFの方が場所的に優位に立つことができるので、できるだけ早く、そしてなるべくCBを背走させれるパスを1本目のパスに設定していた。

だから、CF小屋松や酒井が背後をシンプルに取ることが多く、チャンスを作り出すことができていたのだろう。

 

1−2:ボール保持の考え方

当然ボール保持、下からの前進も考えていた。これは普段している戦い方を行うことで、背後を取って、一気にチャンスを作り出そうと試みていた。

ではなぜ、背後を取ることができたのだろうか。ここに焦点を当てて考えてみたい。

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左サイドで前進して背後を取るために

まずサガン鳥栖が特に動かしたいのがOMFマルコスだ。ここを動かすことで、CBのところではDMF樋口を消されている状態になるのだが、その先で優位に立つことができるようになる。

その先というのが、上の図の白のエリアだ。ここで普段通りの可変を行うことで、CHとSHに対して数的優位を作り出す。ここで重要なのが、DMF樋口がプレスに出たOMFの背後でフリーになっていることだ。

なぜこれが重要になっていたかというと、樋口を消すためにCH扇原がここまで出てくる立ち位置をとることが多くなっていた。こうなると、マリノスCHはIHを捕まえることが多くなっていたのだが、DMFとIHをみなければならなくなる。この優位性を作り出すために、OMFマルコスを動かすことが大切になる。

さらに、CB大畑が幅を作ることで、SHエウベルを外側に引きつけ、WBが内側に入ることで、CH扇原の背後をとりつつ、SB松原を中に寄せることができるようになっていた。

これで主に以下の3つのパターンで背後を取ることができていた。

 

【1つ目のパターン】

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【2つ目のパターン】

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【3つ目のパターン】

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このようにサガン鳥栖は背後を意識して守備と攻撃を組み立てた。この考えに沿うことで、マリノスのハイラインの背後にボールを落とすパスが多くなり、CBを背走させることができ、それによって再び前からプレッシングを行えるようになっていた。

 

この方法が嵌り切り、特に前半は失点こそしたものの、サガン鳥栖は自分たちのペースで試合を運べている手応えはあったはずだ。

 

ではここからはマリノスが攻撃に出るために行った対応についてを考えてみよう。

 

Chapter2:試行錯誤するための引き出し

まさにこれだ。マリノスは試行錯誤するための引き出しが多い。だから、嵌り切っていたとしても、ある程度前進させることができ、その引き出しの多さが相手を混乱に誘う。

ではどのような試行錯誤を行って、最終的に解を導き出したのだろうか。

(悔しいかな、まだ全部の引き出しを見つけることができていないので、僕がこの試合で見つけたものについてをここで紹介していきたい。)

 

まず行っていたのが、SBとCHの入れ替わりとその奥のパスコースの提供だ。

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このようにSBティーラトンとCH扇原が入れ替わることで、IHとWBのマークのズレを生じさせようと試みていた。そしてそのズレを利用して、1つ奥側のOMFマルコスへの縦パスを打ち込むことを考えているように見えた。

だがこれは、IHとWBのマークの受け渡しのゾーンとタイミングが明確になっていること、OMFマルコスにはDMF樋口がマンマークで着いていくように整理されていたので、この方法はひとまず上手くいかない。

 

次に試したことがこれだ。

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まず行うことがSBとWBの距離を作り出すこと。これを行うことでWBのプレスの出方を伺っていた印象だ。この時のサガン鳥栖WBのプレスの掛け方はSHを消すように外切りのプレスを行うようになっていた。

ここでOMFマルコスが流れてボールを引き取ることもあったが、CFセアラ降りてきてボールを引き取ることも行った。これを行っていく中で、逆サイドへの対角のパスを打ち込むことが徐々に見受けられるようになっていった。

SBのキャラクターの違いも大いに関係しているが、これを行ったので特に右SB松原が内側に入ることが少なく、内側のレーンをランニングすることも少なかった。

 

だがここでも触れたように対角のパスを数本打ち込み始めてから、SB松原も徐々に内側で、さらに高い位置にポジションを取るようになっていく。

 

その前に、SB松原が内側に入る前に行っていた、CFセアラの引き取り。この精度を上げるために行っていたことについてを話していこう。

それがシンプルな縦の入れ替わり、セアラとマルコスの入れ替わりだ。

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このように入れ替わりを行うことが多くなっていたマリノス。ではなぜこれに効力があったのか。

それはDMF樋口とCBエドゥアルドのタスクに大きく関係している。この縦の入れ替わりを行うことで、マークの入れ替えを強制した。これで、CFセアラが勝負するのが、DMF樋口になる。樋口の視野外から降りてくるセアラ、かつセアラは勝負するのがCBエドゥアルドではなくDMF樋口になったため、ボールを収めることが容易になる。

仮にここでCBエドゥアルドがそのまま着いていくと、出て行ったスペースにマルコスがいるので、一本のパスで背後を取られるようになる。だから強制的にマークを受け渡させることができ、セアラがボールを収めることができるようになっていた。

さらに、ここに縦パスを打ち込むのはSBだけでなく、GKからもラインを飛ばして打ち込むことも行うようになっていく。

 

そして安定してボールが収まり始めると、SB松原が内側に出てくるようになる。この内側のランニングがほとんどなかった前半だったが、先制ゴールの一歩手前の局面では、SB松原が内側をランニングしている。そしてそこに残っていた松原に、GK高丘から一本の縦パスが入ったことで、先制ゴールが生まれた。

このように、現状を打開していくための試行錯誤とそれを行うための選択肢が多いので、マリノスはブレずにアタッキングフットボールを展開できるのではないだろうか。

 

道理に適う強さ

マリノスは理不尽な強さではなく、道理に適った強さだ。アタッキングフットボールを掲げるために、それを実行するために、クラブが動き、スタッフが動き、選手が答える。付け焼き刃ではなく、しっかりとした土台がある強さだ。どんな相手にも信念を貫く意志があり、そしてそれを実行するだけの引き出しがある。だから選手たちは伸び伸びとプレーをすることができるのではないだろうか。

もちろん忘れてはならないのが、個人の技術も存外に高いということだ。マルコスの場所の取り方やセアラの強さと柔軟性、前田の速さ、バックラインに目を向ければ対人の強さと、配球能力の高さ、喜田と扇原のポジショニングとリスク管理にもいつも唸らされる。

これら選手の能力を生かし切るためのチームがマリノスにはあり、だからここまで勝利を積み上げているのではないだろうか。この勝利でフロンターレの肩にとうとう手をかけたマリノス。果たしてこの優勝レースはどのような結末になるのか。

リーグ終盤に差し掛かるJリーグも目が離せない。

 

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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ではまた次の記事で!

【場所の取り方と作り方】Premier League2節 アーセナル vs チェルシー

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今回はPremier League2節 アーセナル×チェルシー、ビッグロンドンダービーについてを話していきましょう。

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では早速、この試合についてを考えていきましょう!

 

 

スターティングメンバー

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 Chapter1:悩めるアーセナルの守備

開幕戦、ブレントフォードに敗戦したアーセナル。不穏な空気が漂う中でのビッグロンドンダービー。

アーセナルはチェルシーに対して、前から牽制をかけて満足にビルドアップをさせまいと考えた。ではどのようにしてこれを行っていたのだろうか。

 

1−1:最初に考えたであろう守備

ではまずアーセナルが最初に考えていたであろう守備から触れていく。

以下の図をご覧になってもらいたい。

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最初に考えた守備

こちらが最初に考えたアーセナルの守備だ。基本的に3バックにはSHとCFを当て嵌めに行き、WBにはSB、マウントにはジャカを、CFルカクにはCBで数的優位を作り出した。OMFのスミスロウはCHジョルジーニョとコバチッチを監視する役割を果たすのだが、数的不利な状態。だからボールサイドのCHを捕まえるタスクがあり、逆SHが内側に絞ってボールと逆CHを捕まえるように設定されていた。

唯一CHのロコンがのタスクが難しく、僕には中央に残ってOMFスミスロウとCHジャカのカバーと互換性を保つバランサーとしてのタスクを託されているように見えた。

最初のこの守備は割と機能するのだが、すぐにチェルシーは対応を行ってアーセナルの守備を無力化していく。(チェルシーの攻撃については Chapter2で触れる)

 

だからアルテタ監督はきちんと守備の修正を行う。

 

1−2:修正後の守備

最初の守備をかなり早い段階で無力化されたのでアルテタ監督はきちんと修正を加える。ではどのような修正を加えたのだろうか。

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修正後の守備

修正を行った場所は主にチェルシーCHのところだ。ここにジャカ(ロコンがの時もあった)を押し出して、OMFスミスロウと一緒にチェルシー2CHを捕まえるように修正。さらに、CFがCBを背後で消しながらGKまでプレスに出るように変わっていた。これは意識の問題で、より前から圧力をかけていこうというスタンスに変えたのだろう。

これでボールを蹴らせて回収、もしくはミスを誘導して回収しようと試みたが、何せ陣取りが存外に上手いチェルシー。

この守備にもすぐに適応して、空いている場所からスルスルと前進。そして攻撃を完結させていく。

 

では次の Chapterではチェルシーの攻撃についてを考えていこう。

 

 Chapter2:場所の取り方と作り方

チェルシーの強さはこれに尽きる。と僕は思っている。この場所の取り方と作り方が上手いので、バランスを保ちながら前進を行うことができるのだ。きちんと場所を取り、空間を使っているので、前進の時点で引っ掛かることが異常なまでに少なく、全体を押し上げることができる。

 

ではどのようにして前進を行っていたのだろうか。
(アーセナルの守備プランを頭に入れて読み進めてほしい)

 

2−1:CHで時間を作る進み方

まずはCHで時間を作り出す進み方だ。これは個人的にマリノスと似ている気がしていて、場所(空間)を作り出して、そこに横パスを打ち込むことでCHがフリーで前を向けるという状況を作り出す。

この『横パスと空間』をマリノスも使い、チェルシーも同様に使う。

ではどのようにそれを作って使っているのだろうか。

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横にボールを動かす

CHが空間でボールを引き取る場合に多いのが、バックランとCHのところでボールを右から左(こっちのほうが多い印象)もしくは左から右(こっちは1つ奥へのミドルパスが多い印象)になる。

この試合のアーセナルの守備は上の図のようになっているので、全体をボールサイドに寄せれることが可能に。

そして以下のようにボールを逆サイドに持っていく。

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CBもしくはGK経由で逆CBへ

多くはCBクリステンセン経由で逆CBのリュディガーへボールを動かすことが多かった。

もちろん、この時にCHジョルジーニョに一度縦パスを打ちこんで中央に寄せてから逆CBに打ち込むこともある。この一本の壁パスがより逆側のCBに時間を与えるプレーになる。そしてこの引き取り方とその精度が抜群なのがジョルジーニョだ。

 

とりあえず、CB経由、GK経由、CHの壁パスを打ちこんでからの場合、様々なパターンで逆CBにボールを届ける。こうなると上の図のように、迷わせることができるのが内側に絞っているSHだ。彼にプレスにいくのか、ステイするのかの判断を迫らせる。

そしてCHが空間でボールを受けれる場合は、SHがCBにプレスを行った時になる。

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CHが空間でボールを引き取る

そしてこのようにCHがボールを空間で引き取ることができる。

これを完結させられるのは、多くの場所で『遅れ』を生じさせているからだ。そもそもボールサイドCHのマークの担当はOMFのスミスロウなのだが、逆サイドCHを捕まえているので、スライドが間に合わない。(間に合うこともあるけど、チェルシーのパススピードが早いので間に合わないことが多い。)

もちろんこれは中央に残るCHロコンガも同様で、スミスロウとジャカのカバーを行っていたので、ぎりスライドが間に合うかも?という状態だ。ここもスライドが遅れる。

さらにSBセドリック。彼はWBへのプレスのタスクがあるので、WBを経由されるとタスク遂行の意識があるのでCHへのプレスに遅れが生じる。

じゃあCBが出れば?と考える方もいらっしゃるだろうが、これは常識的にあり得ないし、そもそもCBが3列目まで出ていくことは時間がかかり、ポッカリとスペースを空けるだけになる。だから普通に考えればあり得ないのだ。

 

このようにチェルシーは多くの場所で遅れを生じさせることができ、それによってCHが横パスを引き取ることで空間でフリーになれる。特にチェルシー左側で起きていた現象で、これはアーセナル右SHペペの守備の不得意さを利用したものだったのではないだろうか。だから特にチェルシー左側でこの現象を多く見受けることができた。

 

2−2:STがボールを引き取る進み方

では次にSTがボールを引き取る進み方だ。これもどちらかというとチェルシー左側で多く見受けることができた。

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STの引き取り方

これも2−1と同様に右から左にボールを動かす。この時にWBアロンソが高い位置を取ることでSBセドリックをピン止め。これでSTハヴァーツが降りていくことでCBリュディガーからボールを引き取る。

当然ここも2−1で話したように、ロコンガのスライドに遅れがあるのでハヴァーツがボールを引き取ることが簡単になっている。さらに奥深くまでSTが降りていくのでCBはそこまで出ていくことに躊躇する。もちろん出ていけば、背後にスペースを残すことになるので、CBからするとかなり難しい判断、決断に勇気が必要なプレーとなる。

このような理由があり、STが空間でボールを引き取ることも適っていた。

 

2−3:1つ奥を取る前進

では左から右にボールを動かした時にはどのようになるのだろうか。

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SBと距離を作るWB

左から右に動かす時も左から右に動かす時と同様だ。そしてこの1つ奥を使う時はWBジェームズが下がってボールを引き取ることが多くなる。この時にSBと距離を取ることで前を向ける空間を作り出して、前向きにボールを配球できる体勢を整える。

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ルカクの起点

このように手前のSTマウントにパスを出すのではなく、1つ奥のCFルカクにボールを供給する。これはヴェルナーが入ると一気に奥深くへパスを供給して、背後にランニングさせ、ルカクの場合は手前に落とすことで、起点を作らせるように設定されていた。

ここで起点を作り出せるだけの天与呪縛のフィジカルと、修行で培ったボールコントロールがある。これでCBをサイドに釣り出して、起点を作り、マウントの内側のランニングを促す。これで一気に前進を行えるように設定もされていた。

 

ヴェルナーとルカク。それぞれの特徴を生かすことのできる攻撃の設定方法だと言えるのではないだろうか。

 

 Chapter3:ルカクがもたらすもの

武者修行を経て、とてつもなく大きくなって帰ってきたルカク。誰がどう見ても、彼は最高のストライカーだ。チェルシーの英雄、彼と同様の衝撃だ。僕はまだ小学生だったが、ドログバのプレーに度肝を抜かれた。そしてこの試合も同様の衝撃だ。彼の青い血を引き継いだルカク。

彼がもたらすものはとんでもなく大きいだろう。まず保証されるの言わずもがなゴールだ。これは言うまでもないだろう。

さらに『基準』になれる。この試合でそれを証明した。ゴールを背負って、DFを背負っての安定感と強さ。だからこそ、一気に相手を引きつけることができ、他の選手がフリーになれる。これも紛れもなく、ルカクがチェルシーにもたらすものだ。もちろん、2−3で触れたように、逃げ道にもなってくれる。

ルカクがもたらすものはチェルシーのクロス攻撃のスタンスにも影響を与えそうだ。低いクロスが多かったが、上の滞空時間の長いクロスも増えてきそうだ。

これから先、多くのものをもたらしてくれそうなルカク。かつて憧れた理不尽なストライカーの再来のような気がして、僕はワクワクが止まらない。

 

今回の記事はここまでとなります。ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

次回の記事もお楽しみに!!!

 

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