プレミアリーグ エバートン×リバプール 〜策が「多くあるように」見せる戦い〜

 

はじめに

マン・シティ×アーセナル。トッテナム×マン・ユナイテッド。そして迎えた今節3つ目のビッグゲーム。エバートン×リバプール。毎節ビッグマッチがあるこのリーグを好きではない人はいないのではないだろうか。そして今回は多くの情報量があるマージーサイドダービーだった。アンチェロッティ監督のゲームプランとクロップ監督の対応。そんな情報量の多い試合を解説していこう。

 

スターティングメンバー

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エバートンの守備について

この試合に向けてアンチェロッティ監督が準備してきたもの、まずは守備から解説していこう。

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まず触れるべきは2トップの役割。リバプールの2CB +DMFに対してエバートンは2トップなので数的不利になってしまっているが、ここでの大きな目的はCBファンダイクにロングフィード、そして縦パスを出させない事。そのためにカルバート=ルーインが圧をかける事が多かった。さらにもう1つはDMFファビーニョにボールを入れさせない事。

これを実行するためにもう1枚のCFリチャルリソンが中央のファビーニョを消すポジションを取る。こうする事で外回りのパス回しにさせる。

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このようにボールを外回しにさせる事の何が良かったのか。

 

ここで一度思い出してほしいのが、リバプールが負けた試合。その中でもはっきりした理由があったのはFAカップチェルシー戦とリーグ戦のワトフォード戦だ。両者が共に行ったのがボールを外回りにしてWGが下がる事で6バック化して場所を埋める事。

さらにCLのアトレティコ戦。彼らが行ったのはバックラインの選手を牽制する事でロングパスを打たせずに早い攻撃を封じ込めた。

 

そしてこの試合のアンチェロッティ監督率いるエバートン。これらの試合からヒントを得てこの試合に臨んでいるように見えた。

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だからまずこのようにCBファンダイクにプレスをかけ、背後のロングパスを封じ、中央のファビーニョを消すことで外回りのパスにさせた。

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そしてCB⇨SBのボールの移動中に最終ラインと2ndラインを下げることでブロックを作る。これで背後にスペースを無くすことに成功する。エバートンはこの時間を得るために、外回りのパスにさせた。そしてこのベースの上に主に2つの決まり事をこなすことでリバプールを押さえ込むことに成功する。

 

  • 決まり事①:ペナ幅+マネへのアンチフットボール

まず1つ目の決まり事。それがバックラインはペナ幅で守ることだ。

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このように外回りにさせ、外をある程度捨てたことにより、ブロックの形成をペナ幅で行う。これにより、中央に入ってくるIHとCFフィルミーノにスペースを与えない。またこれを行った事でペナルティエリアの中に人数を揃える事ができ、上がってくるクロスに対して万全の準備ができる。

さらにWGマネに対しては必ずSBコールマンがマンマーク。これをすることでマネに前を向かせず、推進力と個人打開を封じること、もっというとこの試合からマネを「追い出す」ことで、リバプールの攻撃力を半減させた。

 

  • 決まり事②:SHの守備時のポジション

そしてもう1つの重要な決まり事。それがSHの守備時のポジショニングだ。

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リバプールの右サイドの攻撃は南野がハーフスペースに入り、IHのヘンダーソンが幅を作る事が多かった。このような状況(ディフェンディングサードで幅を作られる)になると、エバートンのSHがバックラインに参加する。この時のポイントが幅を作った選手にプレスにいくのではなく、先に場所を埋める事だ。

こうする事でサイドの深くを取らせず、高い位置からクロスを上げさせなかった。

もちろん、ディフェンディングサードより前で幅を作られた場合はしっかりと4-4-2のブロックで守備を行う。

 

これらの決まり事があったからこそ、リバプールの破壊的な攻撃を0で抑える事に成功した。

 

エバートンの攻撃について

この試合の大きなトピックス。それがエバートンの攻撃だろう。アンチェロッティ監督が持ってきた攻撃の策は大きく2つだった。だがこの2つの攻撃の組み立てにより、リバプールはエバートンが数多くの策を持っているかのように見えたはずだ。

その攻撃についてはYouTubeで解説をしているので、こちらをご覧頂きたい。


プレミアリーグ マージーサイドダービー エバートン×リバプール ~新たなリバプール対策か?アンチェロッティが見せた対リバプールのビルドアップ~

 

ではなぜ多くの策があるように見えたのか。この理由ははっきりとしていて、ショートパスのビルドアップとロングパスでのビルドアップの使い分けが上手かったからだ。

 

動画でも解説したようにGkの横にCBを置く事でリバプールのプレスを呼び込む。ほとんどのチームはここでWGを越してSBへパスを送るのだが、エバートンは中央にこだわり、そこを経由する事でサイドのスペースを使った。このようにした事でDMFファビーニョを高い位置まで呼び込んだ。

 

すると次は待ってましたと言わんばかりの2トップへの中盤を飛ばすロングパス。これでリバプールの中盤をひっくり返して背走させ、自分たちは前向きでプレーを行う。そうすると2ndボールを有利に回収できるのはエバートンになる。

 

この2つのどちらかにリバプールが適応すると、もう1つの方法で前進。そちらに適応されるともう片方へ変更。この繰り返しを行った事でエバートンはリバプールのハイプレスを崩壊一歩手前まで追い込むことができた。

 

リバプールの対応

ではリバプールは黙ってエバートンの守備に屈していたのかというとそうではない。

前後半、しっかりと工夫を施す事でエバートンの守備に風穴を開けようと試みていた。

  • 前半の工夫:マティプの縦パス

まずは前半の工夫から。

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エバートンの守備の関係により時間を持つ事ができたのはCBマティプだ。この試合、特に彼からの縦パスで打開を図る場面が多く見られた。このマティプからの縦パスを生かすためにIHが動きを加える。

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その動きが他の試合でもよく見受けることのできる、『CBの近くに降りる』というものだ。

ではなぜこれを行うとマティプは縦パスを入れれるようになるのか。

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まずこの狙いとしてCHかSHのどちらかを釣り出すことがある。エバートンは4-4のブロックで中央を固めているので、「段差」を作り出すことでギャップを作り出すことを意図していた。

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仮にここでCHがプレスに来るのならばCFフィルミーノへ縦パスを打つ事ができる。

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またSHがプレスに来るのならば南野への縦パスを打つことができる。この試合で多かったのは南野への縦パスだった。だから南野はサイドに張り出すことよりも(もちろん南野の特徴もある)ハーフスペースにポジションを取り、フィルミーノの近くでプレーをしていたのではないだろうか。

特に前半は、マネが封じられているので主に右サイドのコンビネーションでの攻撃でゴールに迫ろうと試みていた。

 

  • 後半の工夫:サイド深くを取りにいく

では後半はどのような工夫を行なっていたのか。結論から述べると「サイド深くを取る」ことだ。このプレーは明らかに前半では見受けることがなかったプレーだ。だからハーフタイムで南野に代えてO=チェンバレンを投入した。

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後半に入り、エバートンはSHとCHがステイするようになる。これを見越してなのか、チェンバレンを投入したクロップ監督。CHとSHがステイしたことでヘンダーソンが時間を持ってbボールを持てる。そしてこの位置でボールを持つと互換性を保つため、幅を取る選手はA=アーノルドになる。

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SBで幅を作ったことでエバートンの決まり事で解説したようにSHがバックラインに入らないので場所が空いている状態を保つことができる。そしてそこにボールを流し込むことでハーフスペースを取っているWGが中⇨外へ抜け出すことが可能になる。

このプレーを後半から増やした大きな理由は中央を広げたいがためのものだろう。もしもこのまま南野が残っていたら(本音はもっと見てみたかった)中央中心の攻撃になり、エバートンの守備を広げることができない。だがチェンバレンの投入で外に抜け出すことで個人技で打開できる計算がつく。さらにこの中⇨外の抜け出しはCL 2nd Leg アトレティコ戦でも使っており、実績のある攻撃だ。だからこのような交代を行い、中央を広げることで決勝点を狙ったのではないだろうか。

 

まとめ

マージーサイドダービーで確実に面食らったリバプール。アンチェロッティ監督が準備してきた策はたった攻守合わせてたった3つだったのだが、当の本人たちはそれ以上に感じていただろう。今シーズンのリバプールの強さはあらゆる戦い方に対して適応していくことができるものだったが、この試合に関しては完全に適応する前に試合終了の笛がなってしまった。久しぶりにリバプールのこのような試合を見た。このアンチェロッティ監督が持ってきたゲームプランこそ、新たなリバプール対策になるかもしれない。また1つ新しい「戦術」を見ることができた。強いチームに対して新しい戦い方を発掘、創出する。これだからサッカーはやめられない。皆さんもこの試合を見返してみてはいかがだろうか?

終わりに

最後までお付き合い頂きありがとうございます。この場を借りまして、SNSなどの紹介をさせて頂きます。

 

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2020 / 9 / 1 まで無料でやっています!ご参加お待ちしています!

 

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では次回の記事でお会いしましょう!

2020 / 9 / 1 本格始動! サッカーオンラインサロン Football Mate

 

 

はじめに

このオンラインサロンに少しでも興味を持って頂いた方がこの記事を開いてくれていると思います。まず初めに、少しでも興味を持って頂いた方に感謝を述べたさせて頂きます。

 

本当にありがとうございます。

 

さて、早速本題に入ります。

2020 / 9 / 1 より、Facebookの非公開グループで行っていきます。もう既にグループは作成しており、有難い事に20人の方に参加してもらっています。

(Facebookで『Football Mate』と調べると出てきます。)

もちろん2020 / 9 / 1 に本格始動なので、この期間までは無料で参加して頂けます。この本格始動までに参加して頂き、継続するか、継続しないかの判断を下してもらえたらなと考えております。

これだけの情報で参加する!という判断を下せる「強者」はごく僅かだと思うので、このオンラインサロン、Football Mateではどのような活動をしていくのか、という事と参加方法、料金、支払い方法、の詳細を紹介させて頂きます。

 

活動内容

まずは活動内容の詳細から。

 

  • LIVE観戦・解説

Facebookのライブ配信を使用し、皆さんと一緒にサッカーの試合をライブで観戦するという形です。気づいた事をTwitterで呟いていますが、それでは「今」起こった事を伝えきれません。だからこそ、「音声のみ」または「音声とボードのみ」のどちらかになりますが、自分の気づいた事をその場で述べ、解説していきます。

 

  • ディレイ観戦・分析・レビュー

ブログやYouTubeでももちろんマッチレビューや分析を行っています。

ですがこの場合のレビューは「試合で起こった事」と「流れが変わった理由」を中心に分析・レビューをさせてもらっています。

これも「音声のみ」または「音声とボードのみ」のどちらかになりますが、同じタイミングでDAZNまたはスカパー!で観戦し、先に述べたブログやYouTubeで行っている2つに加え、「より詳しい全体像」と「流れが変わったタイミングとその方法」、「布陣の変更のタイミングや選手交代の意図」などを解説しながら、レビューを行っていきます。

 

  • 移籍関連の解説

オフシーズンにサッカーが盛り上がる大きなイベントの1つ。それが夏と冬の移籍期間です。この移籍情報だけでなく、ここではもっと掘り下げて、「なぜ、このチームはこの選手を補強するのか」・「この選手がこのチームに加入すると上手くいくのか否か」など、これらを解説していきます。こちらはライブ配信または記事にて解説していきます。

記事は有料となりますが、このグループに参加していただいてる方は無料で閲覧できます。

 

  • Talk together(討論・意見交換)

ここではサッカーについてのありとあらゆる疑問を投げかける事ができます。そしてこれには2つのパターンがあります。

まず1つ目が、ライブ動画で行うパターンです。僕に質問を投げかける事ができます。そしてそこで僕が考えている事を1つ1つ答えていきます。

そして2つ目がLINEグループで多くの人との意見を交換する事ができます。

様々な意見の交換で知見を広げてみませんか?

 

  • アウトプット

皆さんがブログやYouTubeで行ったレビューやプレビューをグループ内、そして僕のTwitterでシェアさして頂きます。より多くの方に皆さんの意見を届けていきます!

 

  • その他イベント

他にもこれから多くのイベントなどを考えています。実行できそうなものはとことんやっていくつもりです。皆さん、参加して頂きた方からリクエストを頂きながらより良いグループにしていきます!

 

 

  参加方法と実施場所

  • 実施場所 

 Facebook 非公開グループ Football Mate

LINEグループ Football Mate

 

  • 参加方法

 以下のLINEにご連絡下さい。

LINEの友達追加とLINEグループFootball Mateの参加確認が取れ次第、Facebookのグループリンクを送らせて頂きます。

注意!

仮にLINEの友達追加をせず、Facebookグループの検索で参加申請しても承認はできません。

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料金とお支払い方法

  • 料金

月額300円

 

  • お支払い方法

  • 銀行振り込み
  • PayPay
  •  LINE Pay

 

 銀行振り込みの場合は毎月25日〜28日の期間に振り込みをお願いします。

 

PayPay・LINE Payの場合は毎月25日にお支払いリンクを個人LINEに送付させて頂きます。

この場合も28日までのお支払いをお願いします。

 

最後に…

最後に少しだけ。僕はサッカーIQが限りなく低い脳筋プレーヤーでした。だから独学で学ぶ苦しさ、難しさ、そして楽しさを知っています。さらには知識豊富な方々と触れ合うことでその成長は大きな振り幅を得ます。僕が行ってきた方法を紹介しながら、皆さんと成長をしていきたいです。

そして何よりも僕はサッカーが大好きです。

だからこそ、高校生、大学生、社会人、経験者、初心者、男性の方、女性の方、全てのサッカー好きと繋がり、語っていきたいです。

このグループを通して、皆さんがもっともっとサッカーを好きになれることを願っています!

 

 

LaLiga レアル・マドリー × バレンシア 〜前後半の守備の違い〜

 

 

はじめに

LaLigaを手に入れるため止まれないレアル・マドリー。今回ホームに迎えるのは難敵になり得るバレンシアだ。ここ数年のデータから見ると、圧倒的にマドリーが優位に立つ。だがコロナウイルスの影響で今置かれている状況は、かなり難しいものになっている事は間違いない。そしてリーグが再開されて2試合目。注意すべき事は多くあっただろう。それでもマドリーはバルセロナを離さない。ベンゼマの2発、大怪我から復帰したアセンシオのゴールにより、結果は大勝。だが決して簡単な試合だったとは言えないだろう。前半は守備が嵌まらず、淡や先制点を奪われそうになる。(VARによってゴール取り消し)だが後半からしっかりと守備の修正を行った事で流れを引き寄せ、勝利を手にした。ではなぜ前半の守備が嵌まらなかったのか、そして後半からどのように修正をしたのか。これについて解説していこう。

 

スターティングメンバー

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レアル・マドリーの前半の守備

ではまずはマドリーの前半の守備から紹介していこう。

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マドリーの基本の配置は前半4-3-3ではなく、4-4-2のダイヤモンド型に見えた。アザールのポジションが曖昧で、バルデルデがサイドに張り出したり、ハーフスペースを取る事があったので一概には言えない所はあるが、守備時は確実に4-4-2のダイヤモンド型だった。

だからバレンシアGKからCBにパスが送られるとアザールがCBにプレスを行う。

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その時に中央の3枚、ベンゼマとOMFの位置に入るモドリッチはそれぞれCB、DMFの位置を取るCHパレホを捕まえる。

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さらにボールサイドのIHクロースは絞るSHを捕まえる。逆のIH(WG)のバルデルデはSBにプレスに行ける距離感を保ちつつ、SHへのパスをインターセプトできる場所を選択する。

このようにプレスをかけてはめ込む事で以下のように追い込んでいく。

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この場面になり、赤丸のCBに捨て球を蹴らせたら御の字だが、バレンシアはしっかりとパスを繋ぐ事が多かった。だからCB間のパス交換になる。そこで逆のCBへのパスの移動中にIHバエルデルデはSBへ、SBカルバハルはSHへ、DMFカゼミロは段差をつけたCHへ、ボールとは逆サイドのIHクロースはスライドして中央を埋める。

これで高い位置で完全に嵌め込む事でボールをこの辺りで回収しようという意図がハッキリと見えた。

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先程と同様にCBに捨て球を蹴らせる、または赤のエリアでボールを奪う。これができるのも、マドリーの選手がバレンシアの選手よりも「個人能力」で上回る事ができているから。最近の言葉で表すと「質的優位」に立っているからだ。

このようにジダン監督はいつもと違うやり方でバレンシアのボール回しに対応していく事で優位に立とうとした。だがこの守備は結論、上手くいかなかった。ではなぜ上手くいかなかったのか。

 

バレンシアが前進できた理由

この大きな理由はこの場面にある。

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この場面で空いてくる場所をバレンシアは上手に使った。

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CBに捨て球を蹴らせる事、SBからのパスを狙われていたバレンシア。だが上の図のようにCFがマドリーSBカルバハルの背後を使う事でプレスを回避する。

このエリアでバレンシアCFのロドリゴがヴァランを背負いながらも起点を作れていたので、カウンター気味の攻撃でマドリーを追い詰めた。

だがマドリーのハーフタイムでの修正により、バレンシアは敗戦に追いやられる事となる。

 

レアル・マドリーの後半の守備

前半の戦いをみたジダン監督。ここでしっかりと、そしてハッキリと決断できるのが確実にジダン監督の良さの1つだろう。では具体的にどのように修正していたのか。

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まず変更したのが「普段通り」とも取れる4-4-2の守備だ。CB間のパスの移動中に、IHのモドリッチが1枚前に出る事で4-4-2の形を取る。この時にモドリッチはしっかりと背後でCHパレホを消しながらプレスを行えるので、このような守備を実行する事ができる。

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そしてCB間のパスが終わるとマドリーの配置はこのようになる。IHクロースとDMFカゼミロが中央の選手を捕まえ、バルデルデがSBとSHを捕まえれるポジションを取る。ここでも個人能力の高さ、バルデルデの走力と守備時ポジション取りの巧さで2枚を捕まえる。

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そして多くの場合はSBにパスが出る。そうするとバルデルデがプレスを行い、カゼミロが1列前へ。ここでもカゼミロが2枚を見る事で成り立つ守備となっている。

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このようなプレス形態にした事で、前半は高い位置を取っていたSBがバックラインに残る事が多くなる。これでバレンシアCFが流れてボールをキープする際にも対応できる。その理由がCFが流れる「場所」を埋めているから。さらにCBのヴァランがサイドに釣り出されることもなくなる。

このようにしたことでバレンシアの「逃げ道」を無くすことができた。

この変更により、マドリーは高い位置でボールを 回収し続け、カウンターでゴールを奪い、勝利を手にすることができた。

 

まとめ

確実にこの試合で注目すべき点はマドリーの守備戦術だろう。前半と後半の守備のやり方が大きく変わったことで流れを引き寄せ、勝利をも手繰り寄せることができた。

この決断を下し、そしてきちんと選手に伝え、それをはっきりピッチで表現して見せるジダン監督とその選手たち。ここまでアトレティコマドリーを抑え、リーグ最少失点なのも頷くことができる試合内容だった。時間が許すのならば、この試合を見返してみてほしい。

 

終わりに

最後までお付き合い頂きありがとうございます。この場を借りまして、SNSなどの紹介をさせて頂きます。

 

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内容はこのようになっています。

 

Foootball Mate
この度は興味を持って頂きありがとうございます。活動内容は以下になります。
①:インプット
チーム戦術、個人戦術、観戦方法や分析方法から、移籍情報まで。サッカーについてインプットできるコンテンツ。

②:アウトプット
自分が得た知識をアウトプットできるコンテンツ。アウトプットこそ最大の学び。自分の考えをアウトプットできる場所。

③:ディベート
1つの議題に対してみんなで討論ができるコンテンツ。様々な意見を取り込める場所。

④:トレーニングメニュー考案
みんなでトレーニングメニューの考案と提案を行うコンテンツ。

料金:月額500円

 

参加ご希望の方、何か質問等がある方、下記のGmailまたはLINEのQRコードから友達追加の上、ご連絡を宜しくお願いします。

  •  LINE QRコード

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  • 最後までご朗読ありがとうございました

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では次回の記事でお会いしましょう!

プレミアリーグ マンチェスター・シティ × アーセナル ~崩したマン・シティ、崩れたアーセナル~

 

 

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[前書き]

 YouTubeでも解説しています。ぜひご覧下さい!


プレミアリーグ マンチェスター・シティ×アーセナル ~崩したマン・シティと崩されたアーセナル~ Premier League ManCity × Arsenal Match Review

 

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はじめに

実に100日ぶり。ブンデスリーガ、ラリーガに続き、ついにプレミアリーグが帰って来た。そして再開いきなりのビッグゲーム、マン・シティ×アーセナル。早朝のこのビッグマッチを起きて見ないとうい選択肢はなかった。そして始まった試合。やはりどのリーグと比べても、展開が早い。だからプレミアリーグが好きなのだ。さらには世界屈指の監督もこのリーグにいるので、戦術的にも面白い。なんて良いリーグだ。その典型的なチームがグアルディオラ率いるマンチェスター・シティだ。さらに今回相対するのは、ペップの右腕だったアルテタ率いるアーセナル。どのような戦術の掛け合いになるのか、楽しみだった人が多いはずだ。結果から述べると、3-0でマン・シティの圧勝。試合初めは苦戦を少し強いられたが、アーセナルの負傷交代の影響、さらに退場者もあり、圧勝となった。だがそれ以前にやはりマン・シティの適応力は異常だった。では今回はアーセナルがどのように試合に入り、そしてマン・シティがどのように対応していったのか。これに触れていこう。

 

スターティングメンバー

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アーセナルの守備

やはりアーセナルは守備から試合に入る。そしてこの守備の方法が少し変わっていた。

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これがアーセナルの基本的な守備の配置で、2CBに対してCFのヌケティアが対峙し、特にラポルテに対してプレスを強めていた。さらに例の如く、アンカーを消して中央を使わせないために、マークを施す。そしてここのマークを行うのがOMFのウィロックではなく、3列目、CHゲンドゥージだった。だから守備時、高い位置からの守備の時はポジションを入れ替える事で、上の図のような形をとっていた。

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そしてCBガルシアにパスを出さると、SHのオーバメヤンが立ち位置で縦パスを消す事でSBにパスを出させる。

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そしてこのように人を捕まえながら、外周りのパスにさせる事で赤のエリアでボールを回収して、ショートカウンター、または組み立て直しをする事でボールを保持し、試合の流れを掌握しようと試みていた。実際、試合の立ち上がりはこの守備が案外嵌っており、アーセナルがボールを回収するシーンは多く見受ける事ができた。

 

ボールを前に運べたアーセナルとシティの守備

ボールを回収したアーセナル。攻撃を組み立て直すことも多く、そしてその方法で何度かマン・シティのゴール前まで迫ることに成功した。

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まずマン・シティが確実に消しにCBマリとCHのゲンドゥージ。この2人を捕まえるためにWGのマフレズ、DMFのギュンドアンがそれぞれ前に出てマークを行っていた。

この守備に対してアーセナルは完璧に適応。だからアーセナルは後ろから丁寧に繋ぎ、続けてマン・シティのゴールに迫ることに成功する。ではどのようにボールを回してしたのか。

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まずアーセナルはWGのマフレズとDMFのギュンドアンを前に呼び込むためにCB間、またはGKとCBマリでパスを交換する。ここでWGマフレズはCBマリに外を使わせないように「外切り」を行ってプレスをかける。どこか宿敵リバプールを彷彿とさせるものだった。そうするとやはり空くのがSBのところ。さらにここが空く理由はもう1つあった。

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従来、マン・シティの守備はSBに対してウォーカーが前までプレスに出るのだが、WGが外切りしている事、そして何よりもSHのオーバメヤンの存在があり、ピン止めされている事でアーセナルSBはフリーでボールを受ける事ができた。

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このようにGKからWGまたはそのままCBマリから、頭上を越すパスでSBにパスを送る。

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そしてここを潰すため、自由にさせないためにIHがプレスに出てくる事が多かった。そうすると1列前にポジションを移しているCHのセバージョスがライン間で簡単にボールを受ける事で、マン・シティの2ndラインを突破でき、ここから一気にギアを上げて攻撃を完結させる。このように丁寧なビルドアップから続けて2度、マン・シティの守備を破る事に成功した。

 

これに対してマン・シティは守備を若干変更する。

 

マン・シティの守備の変更

これは大体30分手前あたりで見えた変更だ。この変更により、アーセナルのビルドアップを封じ込め、アーセナルの負けパターン、「ロングパス一辺倒」に持ち込む事ができた。

ではマン・シティはどのような守備の変更をしたのか。

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このようにWGのマフレズがプレスをかけると、CFのジェズスが中央のゲンドゥージを捕まえる立ち位置をとる。これでDMFのギュンドアンは中央深くに残る事ができる。

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中央にギュンドアンが残す事ができるので、GKまたはCBからSBにパスが渡った際、IHのデブライネがプレスに出てもライン間のスペースがガラ空きになる事がなくなる。このようにしてマン・シティはアーセナルのビルドアップを封じ込めた事で、アーセナルの選択肢を無くし、ロングパスを選択させる事でボールを回収していった。

 

マン・シティの多彩なビルドアップ

一方の攻撃はどうだったのか。アーセナルの守備により、中央を存分に使えなかった試合の立ち上がり。だが、シティは多くの手段を持ち合わせているので、中央から前進する事ができるようになる。そう、あくまでも中央からだ。「まず中央、そしてサイド」というプライオリティーを改めて示してくれた試合でもあったと個人的には感じている。

では中央を使うためにどのような方法を取ったのか。

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まずはこのようにIHのデブライネが降りてくる。これはよく見られるパターンだ。こうすることで、まずはDMFのギュンドアンを助ける目的があった。これで中央で2vs1の形を作れる。さらなるパスコースを創出するできる。それがSBへのパスコースだ。これができるのも、IHデブライネの降りてくる『場所』が良いから。だからここでもSB +IH vs SHの構図を作れる。ここでアーセナルCHが1列前に出てくれば良いのでは?と思うかもしれない。だがそれはできない。その理由がこちら。

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CHが1列前に出れない理由はWGのマフレズが中に入って来ているから。守備の最大の目的は「ゴールを守る事」だ。その目的を達成するために必要な事の1つが「前進させない」事だ。だから仮にCHがここで前に出てしまうと、マフレズへの縦パスで一気に2ndラインをひっくり返されてしまう。このようにしてアーセナルの守備を掻い潜っていった。

もちろん、アーセナルも黙っている訳がなく、IHに対してCHがプレスに行ける状況を作り出す。だがこれにもしっかりとマン・シティは対応する。

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このようにアーセナルはIHが降りた時の対応を施す。CHが前に出て、SBがWGを捕まえるという形だ。だがこれにもシティはこのように対応する。

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今度はCFのジェズスが中央に降りてくる事で対処していく。ここでフリーになれるのは、CBが深い位置まで着いていくか否かの判断を迫らせる事ができるからだ。この一瞬の迷いがシティに時間を与える。そしてこれで前に出たCHをひっくり返して容易に2ndラインを突破する事ができていた。

このようにしてアーセナルの守備を尽く突破していき始めたのが守備の変更があった30分あたりから。これでCBのルイスのミスも相まり、前半アディショナルタイムに先制点を奪う事に成功した。

このミスがなくとも、アーセナルがゴールを破られるのは時間の問題だっただろう。

 

後半からのアーセナルの守備とシティの攻撃

ハーフタイムを挟んで始まった後半。後半に入り、アーセナルも若干の守備の修正をしたいた。

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このようにDMFにはOMFが、IHにはCHがマークを行い、「守備時のポジションチェンジ」をなくし、よりタスクをシンプルにした。さらにIHが降りて組み立てる事を嫌ったので、SH、特にオーバメヤンが1列前に出てCFヌケティアと両CBを捕まえた。この前半のシティのような守備の弱点はSBが開いてしまう事だ。

そしてシティは最後方にGKエデルソンというとんでもない発射台を備えている。
 だからマン・シティはこのように攻撃を仕掛けていく。

f:id:football-analyst:20200618121309p:plain

GKエデルソンからSBのウォーカーが高い位置でボールを受ける事で、アーセナルSBのティアニーに対してWG +SBで数的優位を作り出す。

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そしてこのような状況を作り出した事でマフレズが抜け出す事が簡単になる。現にこの試合の2点目となるPKはこの形で手に入れたものだった。

 

このファールで1発退場となったダビド・ルイス。そして1人少なくなったアーセナルは為す術なく敗戦。少し残念だったが、それでも退場者が出るまで、とても面白い試合内容だった。

 

まとめ

再開直後のビッグマッチ。アーセナルは負傷交代に退場と不運に見舞われてしまったが、11人きちんと揃っていても勝てたかどうか怪しい試合だった。アーセナルが弱いというわけではなく、マン・シティの適応力と崩し方、そして引き出しの多さと弱点の見極め方、全てにおいて異次元のレベルにあるからだ。だからこそ、この試合も危なげなく「省エネ」で試合を進める事ができていた。しっかりとグアルディオラの考えを表現している選手達。やはり、土台がしっかりとしているチームはどんな状況でも強い。LaLigaのマドリー、ブンデスのバイエルンもそうだった。逆転優勝をするのは非現実的だが、CLの日程も正式に発表された。果たしてどこまでここからコンデションを上げ、勝利を重ねていくのだろうか。そしてどのようなサッカーを披露し、観戦するものを楽しましてくれるのだろうか。これからもとても楽しみになるような試合内容だった。

 

終わりに

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LaLiga レアル・マドリー × エイバル 〜動き動かし見つけるスペース〜

 

はじめに

LaLigaが再開。このリーグの行方は屈指のライバル関係のバルセロナとレアル・マドリードのどちらかで決まりだろう。そして現在、この優勝争いは激化している。この白い巨人よりも先にバルセロナは完勝を収め、引き離される訳ににはいかなかった。そして結果はご存知の通り、しっかりと勝ち点3を積み重ね、バルセロナを勝ち点2差で猛追している。

そこで今回のマドリーの再開一戦目。明らかに対戦相手のエイバルよりもコンディションが良く、60分辺りまで圧倒した。特に前半で見受ける事ができた、レアル・マドリーのエイバルの動かし方。これがかなり秀逸で観ていて爽快だった。では今回は白い巨人が如何にしてエイバルを動かし、そして試合をコントロールしていたのか。これを紹介していこう。

 

スターティングメンバー

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エイバルの守備戦術

まずはどんな試合も相手の守備を考えなければ始まらない。そこでまずはエイバルの守備戦術から触れていく。

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まずはエイバルのプレス開始時の基本の並び。エイバルは4−1−4−1の形で試合に臨み、プレス時は4-3-3のような形を取っていた。まずはCFがDMFを消しながらCBに圧をかける。この時にSHがSBを切れ、そしてIHにもプレスに行ける立ち位置を取る。そうする事でCB⇨CBのパス交換をさせる。

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このCB間のパス交換の間にエイバルは逆のSHがボールを受けるCBにプレスを行う。この時もSBを切りながらプレスをかける。ここでCFがCBを牽制したのでDMFのマークが外れるので、そこをIHがケア。さらにボールサイドのIHもIHのモドリッチを捕まえ、逆のSHはスライドしてIHのクロースを捕まえる。

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このようにする事でエイバルは中央のエリアでボールを奪う事を試みた。何度かボールを引っ掛ける事はできていたが、マドリーの開始早々の先制点、個人のレベルの高さと動かし方により、この守備は苦しいものとなった。

ではどのようにレアル・マドリーはエイバルを動かし、スペースを見つけて前進して行ったのか。

 

レアル・マドリーの動かし方

DMFが降りてSHの背後を使う

まず最初にマドリーが試みていた事。それがDMFのカゼミロがCBの間に降りるというものだ。これをする事で、マドリーはどのようにスペースを作っていったのか。

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まずDMFカゼミロがCBの間に降りる事でエイバルCFは前に出てくる。さらにこれを押し込めるチャンスと判断したSHが開いたCBにプレスをかける。これでマドリーはエイバルの1stプレスを呼び込む事に成功する。尚且つ、DMFが降りたので、中央のエリアを開ける事ができる。

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このようにした事で困るのはIHだ。本来ならばCFが外したはずのDMFカゼミロのマークを行うのだが、そのカゼミロが「遠い」場所にいる。だから一瞬の判断の遅れが出てくる。そこでカゼミロが開けたスペースに降りてくるのがIHのクロースだ。

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ここにクロースが降りてきた事でボールサイドのエイバルIHはステイするのか、前に出るのか判断に迷う。その間にIHのモドリッチは1列前にポジションを移し、次の準備へ。これで中央でボールを受けたクロースはSBのカルバハル、逆SBのマルセロ、はたまた抜け出す両WGへのパスを選択。

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より多く選択していたのは、SBへのパスだ。エイバルSHがSBを切りながらCBにプレスに行っているので、基本的にSBで時間ができる。そしてここからの縦パスを引き出すため、「浮いた」ポジションに移動していたIHのモドリッチがボールを引き出す動きを加える事で展開を広げていく。

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浮いたポジションをIHのモドリッチが取っていることでこのように多くの選択肢を持つ事ができる。もちろんまだ様々な展開があったので、気になる方はぜひこの試合を見返してみて欲しい。

これがDMFが降りてエイバルを動かしたパターンの1つ。そしてこのパターンにはもう1つの方法があった。それがこちら。

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ここまでの動きは基本的に同じ。そしてここから先が大きく異なる。

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それはこのようにSBが中央に入る事だ。SHがSBを「背後」で消しているので、プレスをかけながら、SBを完全に消す事は不可能だ。だからそれを生かし、SBのカルバハルが中に入る事で中央のパスコースを作り出す。この時にWGのロドリゴが少し下がり目のポジションを取ること、IHモドリッチが先程と同様に「浮いた」ポジションに移動する事で前進を試みる。

 

このようにしてこのパターンは自分たちが主体で動く事でスペースを作り出し、前進をして早い攻撃を仕掛けていた。

 

個人技でSHの背後を使う

そしてもう1つSHの背後を使う(いや使えるという表現が正しいかもしれないが)パターンがあった。それがシンプルにCBがSHのプレスを剥がすというものだ。圧倒的な個人技の差により、マドリー の選手は優位に立つ。ここでもこの恩恵を受ける事ができていた。個人技で剥がされては堪ったものじゃない。それを「日常のように」行えるマドリー。恐ろしいものだ。

 

IHクロースが降りる

そしてもう1つの方法がこれだ。IHのクロースが降りる事で相手を動かし、そしてスペースを作る。個人的にこの方法が見ていて痛快だった。ではどのようにしてエイバルの選手を動かし、判断を迷わせたのか。

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このようにIHのクロースが降りる場所はCBの間ではなく、CBの脇だった。ここに降りる事で、まず迷わせた選手がマークのタスクがあるIHとCBへのプレスのタスクがあるSHだ。

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このようにSHはCBにプレスに行くのか、IHにプレスに行くのか、はたまたSBを消すのか、の判断を迫られる。そしてIHはDMFに行くのか、降りたIHに着いていくのか、この判断に迷う事となる。だからこそ、CBの脇に降りたIHのクロースは時間を持ち、優位に立つことができた。

そしてここから2つのパターンで前進してく。

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まず1つ目がこのようにSBが入り込むパターンだ。これにはIHクロースからの縦パスのコースを創出する意図があったのではないだろうか。SBのマルセロが中に入った事で、WGのアザールが大外に開き、純粋な1 vs 1の状況でボールを受ける事ができる。またアザールが流れたので、CFのベンゼマがハーフスペースに顔を出す事が可能に。これでクロースは深い位置から一気に縦パスを打つ事ができる。

さらにもう1つのパターン。これがこちら。

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頻度こそ少なかったが、アザールがSHの背後に降りる事で、エイバルSBを迷わせる事ができる。マドリーの選手はこの「迷わせる」立ち位置を取る事が非常に上手かった。

そしてこれでクロースからCFのベンゼマへのミドルパスで一気に前進。この時のサポートをアザールが前向きに行えるので、このような動きをしていたのではないだろうか。

仮にアザールに釣られて、エイバルSBが出てくるようであれば、CFのベンゼマがダイアゴナルにその背後を突く事もできる。だからこそ、SBの判断を難しくする事ができた。

 

このようにしてレアル・マドリーはエイバルの選手を動かし、スペースを作り簡単に前進をしていく事で、特に60分の交代まで試合を圧倒的に支配していた。

 

補足:選手交代で渡した試合の流れ

触れておくべきトピックスがもう1つ。それがマドリーが選手交代でエイバルに流れを渡してしまった事。これには大きく2つの理由があったと考えられる。

まず1つ目が、ベンゼマへのロングパス中心になってしまった事。これは先程も少し触れたが、ベンゼマへのロングパス、またはミドルパスを打つ場合はWGのサポート、特にアザールのサポートが必ずあった。だがそのアザールが交代してしまったため、ベンゼマが孤立する事が多くなっていた。だからボールを保持できる時間が徐々に減っていき、流れを渡してしまった。

そしてもう1つの要因がプレスの強度だろう。これは体力的限界と入ってきた選手のコンディションの問題が要因ではないだろうか。IHのモドリッチが必ずDMFを消しながらCBにプレスをかけ、後ろの選手も連動してコンパクトさを保ち、捨て球を蹴らせていたのだが、それができなくなっていた。だからエイバルはボールを動かす事ができるようになり、攻め込む事ができた。

これら2つの要因により、マドリー は流れを渡してしまっていた。だがそれでも60分までの試合内容はかなり収穫の多いものとなったのではないだろうか。

 

まとめ

この試合の解説を務めた戸田さんも言っていたが、リーグ戦が再開して僕も多くの試合を見させていただいた中、レアル・マドリーが1番コンディションが整っているように映った。

それぐらいレアル・マドリーの出足の速さ、キレの良さ、フリーランの質が高かった。この質のサッカーを中断明けからやられるとエイバル側からすると堪ったものではなかっただろう。マドリーはこの勝利でしっかりとバルセロナの背中を追う事ができている。ここから更なる連戦と激戦がまちうけているラ・リーガ。はたして栄冠はレアル・マドリーの手に渡るのか、はたまたこのままバルセロナが首位の座をキープし続けるのか。これからとても楽しみで、色々なものが詰まったシーズンの佳境だ。これからもレアル・マドリーの試合に注目していきたい。

 

終わりに

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では次回の記事でお会いしましょう!

 

 

 

 

 

 

開幕戦を振り返ろう! Jリーグ 清水エスパルス vs FC東京 ~新しい両チーム~

 

 

J1 1節 清水エスパルスvs FC東京
スタジアム:IAIスタジアム
過去5試合対戦成績:清水エスパルス⇨1勝 FC東京⇨3勝 1分
試合結果結果:1-3
得点者
清水エスパルス:
47’ ティーラシン
FC東京:
77’ D・オリヴェイラ(PK)79’ アダイウトン ) 90+2’ レアンドロ(PK)

 

はじめに

リーグ戦の延期に伴い、リーグ戦を全て見返す事ができそうだ。そこで今回取り上げさせてもらう一戦は、清水エスパルス vs FC東京。昨季、熾烈な残留争いを繰り広げ、そして何とか残留をする事ができたエスパルス。シーズんの失点数を他をも凌ぐ、リーグワーストのものだった。そこで今季から新たに招聘したのがポステコグルー監督の右腕、クラモフスキー。彼を監督として連れてきた効果が十分にみれる一戦だった。

一方のFC東京。昨季の2位のこのチーム。堅守を売りとしてマリノスとは違った意味合いでJリーグ全体を驚かす事に成功。この堅守を中心に、鋭いカウンターを仕掛けるスタイルは昨季と変わらず。変わった所と言うと、フォーメーションだろう。4-4-2から4–3-3に変更する事で、攻撃にも力を入れる。この変更もあってか、開幕戦でも3ゴールを奪う逆転劇を見せつけた。

では今回は『新しい』両チームが演じた開幕戦について解説を加えていこう。

スターティングメンバーとスタッツ

・スターティングメンバー

画像2

・チーム別スタッツ

画像2

(Goal.com参照)

FC東京のハイプレスとブロック

昨季から続くFC東京の守備の堅さ。この試合もその堅さを見せつけた(先制点を奪われてしまったが)。だが今季から変わったシステム。4-4-2ではなく、4-3-3になり、FC東京はどのようにハイプレスを仕掛けていたのか。

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最初のセットポジションでWGがSBを消し、それぞれがマークを行う事でCBにパスを出させる。(これはエスパルスがバックパスで自陣深くから組み立て直す時も同様の方法を使用)

そしてCBにパスが出ると全体がスライドを行い、それぞれを捕まえていく。
CBに対してはWGが、バックラインに参加するCHに対してはCFが、逆のWGはCBとSBのケアを行う。そしてここでIHがSBにプレスに出て、SHに対してはSBがマークを行い、逆のIHがスライドして中央のCHのマークを行う。

画像4

そしてIHがSBにプレスに出た事で赤丸のエリアでボールを狙って奪う事ができる。またSBの選択肢を消すことができるので、捨て球を蹴らせること、ミスを誘発することも可能だ。
それでもパスを繋ぐ事を選択するエスパルスは何度かビルドアップの局面で引っかかり、ショートカウンターを喰らうことになっていた。

このように昨季はハイプレス時は『サイドを圧縮』することが多かったが、今季はもちろんサイドを狭くするが、どちらかと言えば『中央で引っ掛ける』事が多くなりそうなハイプレスの仕掛け方だった。

ではブロックを形成する時はどのようになっていたのか。

画像5

このように5-4-1のブロックを形成する事で中央を固めつつ、サイドにも人数をかけれるように。昨季は4-4-2のブロックを形成する事で、ある程度サイドを捨ててクロスを跳ね返す事が多かったが、今季はクロスにも対応するという意気込みが見えた。だからこそ、エスパルスのクロスは1度も成功しなかったのではないだろうか。ではなぜ人数をかけれるようになったのか。

画像6

これが4-4-2のブロックと4–5-1のブロックの違い。決定的に違うのはサイドに人数をかけれるかどうか。4-4-2の場合は1枚しかプレス行けないが、4-5-1の場合は2枚でプレスに行く事ができる。
だからこそサイドチェンジをされた時の『走る距離』が変わってきて、終盤でもガス欠することなく、カウンターに出る事ができる。そしてサイドで人数をかけつつ、スライドで中央を締めれ、各レーンを埋める事ができているので、サイドチェンジをされる回数も減る。このようにしてブロックを形成し人数をかけて奪い、十八番のロングカウンターを繰り出す事で試合を仕留める事に成功した。

エスパルスの三角形+1

このように守られる事でエスパルスは為す術がなかったのかと言うとそうではない。相変わらず『中央』が堅いFC東京。だからエスパルスはサイドでしっかりと起点を作り、そして崩す事で中央への侵入の活路を見出していた。この『パス回し』と『その立ち位置』こそが監督交代意図、そしてこれからのサッカーの礎となるのではなだろうか。
ではエスパルスはどのようにしてサイドで起点を作っていたのか。

画像7

エスパルスは基本的にSHが幅を作り、そして仕掛ける事でチャンスを見出す事が多かった。だからこそ、SHに突破力のある西澤と金子が抜擢されている。そしてこの突破力をより強いものにするために周りがこのようなポジションをとる。
まずSBはオーバーラップを仕掛けずに、ハーフスペースにポジションをとる。次にOMFが流れる事で三角形を形成。これでサポートが完成。
ではここからどのようにして中央に入っていったのか。

画像8

このように三角形を崩し動く事で、相手を動かす。SBがインナーラップを仕掛け、DMFを一瞬引きつける。さらにOMFが抜け出す事でIHを引きつけ、SHの中央へのパスコースを作り出す。これでCHが中央でボールを持つ事ができ、サイドを変えて視線を変える事ができる。これを見せる事でさらにもう1つのパスコースを作り出すことにせ成功。

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このようにSBとCHがボールを受けに行く事でDMFとIHが若干前に出る。そこで開いた中央へのパスコースをつく事でビッグチャンスに繋げる。このようにしてサイドを起点に三角形+1(CHまたはCF)で中央に入っていった。

エスパルスのビルドアップの修正

エスパルスは前半、ある程度は試合を支配したが、唯一の懸念点。それがFC東京のハイプレスによる、ビルドアップの局面。ここで嵌められるのでショートカウンターを喰らっていた。だが後半からこのようにビルドアップの局面で修正を加える。

画像10

このようにCHが横並びになる修正を加える。このようにすると何が良かったのか。
それはIHの判断を難しくする事。元々IHがSBにプレスをかける事でそれに呼応し、連動してボールを奪う事をしていたFC東京なのだが、エスパルスCHが横並びになってことで難しくなった。

これを狙ったエスパルス。もしもいIHがCHに出てくるのならばSHへのミドルパス、ボールサイドのIHが出てきて、逆のIHが出てこないのならば、空いいるCHへ。IHがどちらも出てくるのであれば、SHへのミドルパスを送ることができる。

このようにしたことでエスパルスはFC東京に『嵌めどころ』を喪失させ、押し込むことに成功し、先制点を奪うことに成功した。

勝負にでた4-2-4

失点した事で勝負にでたのはもちろんのことながら、FC東京。54‘に三田を下げ、アダイウトンを投入。彼を入れる事でほぼ4-2-4の形に変更。
そしてこの超攻撃的な布陣にする事で、半ば強引に流れを引き寄せ、逆転勝利を飾る事に成功。
この4-2-4の意図として、WGを高い位置に取らせる事でエスパルスSHを押し下げ、カウンターの脅威、高い位置での仕掛けの2つを封じる事に成功。さらにオープンな展開に持っていければ、『走力』で勝てると踏んだのであろう。現に、D・オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロ、田川、今野の推進力とそれを支える走力で打ち勝つ事に成功している。

この4-2-4の意図として、「SHを押し下げる」、「オープンな展開に持ち込む」、この2つの意図があったのではないだろうか。

まとめ

エスパルス、FC東京ともに新しい一面を見る事ができた。特に清水エスパルスに関しては能動的なサッカーを志向するようになり、そしてその方法がとても面白いものだと感じた。これから試合を重ねるに連れてどんどんよくなっていくのではないだろうか。マリノスとはまた違う、ボールの動かし方を披露してくれそうだ。
FC東京は中央を固め、守り抜く事ができる、相変わらず手堅い戦いができるチーム。この土台の上に、ブラジルトリオという、破壊力抜群のタレント、さらには新しいハイプレスを搭載し、今季こそリーグ優勝を狙う準備が整ったのではないだろうか。
まだリーグ戦が1試合しか行われてないが、この試合を見る限り、清水エスパルスもFC東京もこれからのシーズンにとても期待の持てる、良いサッカーを披露してくれた。ますますリーグ戦再開が楽しみになる、良い試合だった。

終わりに

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では次回の記事でお会いしましょう!

コッパ・イタリア 第1戦を振り返ろう インテル vs ナポリ

 

はじめに

ミラノダービーから中2日。又してもビッグゲームを戦うことになったインテル。ミランとの一戦で消耗も激しいだろうが、タイトル獲得のために、そして真の意味で復活を果たすために、何としても勝利が必要だ。そして下さなければいけない相手が難敵のナポリ。今シーズンは調子を落としてしまっているが、それでもタレントは揃っている。コッパイタリアでのビッグゲーム。現役時代、闘犬の異名を持ったガットゥーゾによるゲームプランでナポリが勝利を収めた。ではどのようなゲームプランで、どのような狙いがあったのか。こちらを紹介していこう。

 

スターティングメンバー

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 インテルは直近の試合から5枚を変更。中でもラウタロマルティネスが先発で出られるのはインテルにとって大きな朗報だろう。一方のナポリ。リーグ戦でまさかのレッチェに敗戦。今シーズンの不調を表すような試合だった。主力と見受ける事のできる選手はベンチに控え、ベストメンバーとは言えないメンバーでインテルとのビッグゲームを戦う。

では早速、ガットゥーゾ監督が授けたゲームプランを解説していこう。

 

ガットゥーゾが授けた策とは?

徹底的な守備

まず紹介しなければいけないのはナポリの守備戦術。これにより、インテルを封じ込め、そしてこの試合の決勝点を奪うカウンターを打てるようになる。ではどのように守備を展開していたのか。

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この試合のインテルはいつものように3バック+DMFでビルドアップを始める。WBが幅を取り、CHがハーフスペースにポジションを取ることで、SBのポジショニングを難しくさせ、そこのズレをついて攻撃を仕掛ける。この試合もその狙いが、特に前半は

この傾向が強かった。先日のミラノダービーでのミラン、特に後半に於いては幅を取るWBに起点を作られてしまい、逆転を許してしまった。そこでこの試合のナポリ。

上の図のようにDMFのブロゾビッチに対してCFのメルテンスがマークを行う事で中央を経由させないようにする。そしてナポリの守備にはここからの過程に工夫があった。

4-5-1のブロックを敷いているナポリはインテルのWBのポジションを取る高さによってWGがポジションを変える。これが極端で6-3-1のような形になる事も多々あった。こうすると何が良いのか。まず、IHがCHを背後で消す事でボールホルダーのCBにプレスに行くことができる。さらにWBに対しては、WGがマークを行なっているので、SBがハーフスペースにポジションを取るCHを牽制する事ができる。さらにはDMFが2トップの縦パスを消しているので、もちろん中央に差し込むことは困難だ。これでサイドでの前進を防ぐことに成功。

この守備に対してもちろん、インテルは解決策をもっている。それはサイドを変えること。これで、インテルは活路を見出そうとするが、これもガットゥーゾ監督が用意した守備戦術に捕まってしまう。

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このように同サイド(白の四角のエリア)が詰まるので、CBからサイドを変えるボールを供給する。この時に、先述したWGのポジショニング。これでナポリはサイドチェンジのボールをパスカットし、インテルの活路を完全に潰す事に成功した。そしてこの守備を中心に前半を過ごす事でインテルを動かす事に成功。この動きこそ、ガットゥーゾ監督が待っていたものだったのではないだろうか。

ではインテルはどのようにハーフタイムで修正をかけてきたのか。

インテルの修正

後半になり、インテルはこのような修正を施す。

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このようにCBが『一列前』にポジションをとるようになる。こうするとどのようになるのか。まずWBが押し出され、より高い位置にポジションをとることが可能になる。こうするとWGがバックラインに入るようになり、ナポリは『後ろが重く』なる。さらにCBが持ち運ぶことでIHを動かし、CHがボールを引き出す事ができる。これが主なインテルの修正。さらにもう1つ。それがCFルカクへの長いボール。サイドは詰まり、局面を変えるサイドチェンジも封じられたので、シンプルなルカクへのボールで無理矢理前進を試みた。これがもう1つのインテルの修正。これで流れを掴みにかかったように思われた。

狙っていたインテルの修正

この修正こそ、ガットゥーゾ監督が狙っていたもの。現にナポリはこれで決勝点を奪い、敵地で1st legの勝利を手にした。ではこの修正の何を狙っていたのか。

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ナポリはCBがボールを運んできてもさほど関係なく、CBに対しては必ずIHがプレスを行う。これこそがガットゥーゾ監督の狙い。前半から何度かIHがCBにプレスをかけることがあり、ここでその意図が明確になった。IHが前に出る事で、CBはパスを強制的に選択させられる。ここでCBが中央(白の四角のエリア)に出すパスをナポリは徹底的に狙っていた。白の四角のエリアでボールを奪うと、前に出たIHがCBの背後を突くことでロングカウンターを仕掛ける。何度か仕掛けたこのロングカウンターの内の1本

を決め切り、勝利をてにした。先制点を奪ってからはこの試合のために準備してきた守備戦術を徹底して行う事でインテルを完全にシャットアウトした。

 

まとめ

インテルはミラノダービーの直後とは言え、動きは悪くなかった。それだけにこの敗北はショックの大きなものだったのではないだろうか。もちろん、まだ敗退が決まったわけではないが、次は敵地でのアウェイゲーム。難しいゲームになることは明らかだ。さらには週末にラツィオとの一戦も控えている。ここへの弾みにもなる、勝利でラツィオとのゲームに向かいたかっただろう。はたして週末のラツィオ戦ではどのようなパフォーマンスを発揮するのか。この一戦は必見だ。一方のナポリ。本来ならば優勝争いに絡むべきなのだが、今シーズンは苦しんでいる。そのなかで最もタイトルに近づいているのがこのコンペティションだ。そしてインテルのホームで勝利をもぎ取ってみせた。しっかりと監督の用意したものをこなし手にした勝利。流れに乗るには十分過ぎる結果とできだっただろう。ここから巻き返すことはできるか。ナポリにも注目だ。

 

終わりに

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