EL フランクフルト vs アーセナル 〜アーセナルが苦戦した理由〜

 

はじめに

今シーズンもELで戦うことになったアーセナル。エメリ体制2年目、さらにはビッグサマーを過ごし、今シーズンは機体の持てるシーズンのスタートと感じたサポーターも多いはずだ。だがEL開幕線のフランクフルト戦。直近の試合のワトフォード戦のようにシュートを24本も打たれ、下手すれば大敗を喫していてもおかしくなかった。だが結果は3-0の大勝。結果だけを見るならば大喜びだろう。だがこの数字とは裏腹に試合内容はフランクフルトに圧倒された。今回はなぜこうも苦戦を強いられたのか。その理由を紹介していこう。

 

アーセナルが苦戦した理由

アーセナルが苦戦した理由は主に3つある。では早速この3つの理由を紹介していこう。

ミドルパスの対応

この試合、確実に手を焼いていたのがCBからの『ミドルパス』だ。ではなぜこのミドルパスを簡単に通されてしまったのか。

(黒⇨フランクフルト 白⇨アーセナル

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アーセナルはフランクフルトのビルドアップに対してこのような対応を取ることが多かった。CFとWGでフランクフルトの3CBを牽制し、CHに対してはDMFとCHがマーク、そしてボールサイドのWBにCHが出ていくという構図だ。そして空いてくるのがセカンドラインと最終ラインのライン間のスペース。ここにCB、特に長谷部からのミドルパスを出され、中盤がひっくり返されてピンチになることが多かった。(特に前半)中盤がひっくり返されるのでセカンドボールに対して背走する形でボールを取りに行かないといけないので圧倒的に不利な状況を作られていた。このCHがWBのところまで出ることによりライン間のスペースをミドルパスで使われることが多くあった。これが一つ目の苦戦した理由。

 

SBの背後のスペース

このミドルパスに対しての対応策として、エメリ監督は後半からWBに対してSBを当てる事を決断。そうすると空いてくるのがSBの背後のスペース。フランクフルトはここを上手に使っていた。

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このようにSBがWBにプレスに行く事で中央へのミドルパスを入れられる回数は圧倒的に減った。減った理由がDMFが中央に残っているのでスペースがなくなっていたから。だがSBが出た事で空いてくるのがSBの背後のスペース。ここをOMFが使う事で今度はサイドで起点を作られ、何度もチャンスを作られた。プレスに行くSBとWBの距離が遠いため、若干、遅れてしまくことが多く、WBは寄せ切られる前に少ないタッチ数でOMFにパスを出すことでプレスラインを突破することができた。そうするとサイドで数的不利な状況で対応を強いられる。

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これによりCHが無力化されて、さらにはCBが釣り出され、WBとOMFvsCBという構図を作られることにより、クロスから、またはカットインされてチャンスを多く作られた。もちろん、アーセナルはここで引っ掛けることができれば一気にカウンターを打てるのでチャンスを作れるが、個人的にはリスクの高い決断だと感じた。このSBの背後のスペースが苦戦した二つ目の理由。

 

フランクフルトのプレッシング

3つ目がフランクフルトのプレッシング。このプレッシングでビルドアップを十分に行えず、ボールを渡すことが多くあり、ショートカウンターも何度か受けた。そのフランクフルトのプレッシングの方法がこちら。

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これが基本的な形。2CBに対して2CFが牽制、DMFに対してはOMFが牽制CHに対してはそれぞれのCHが牽制。そしてフランクフルトのプレッシングの特徴としてWBがSBとCHの中間ポジションを取ること。これはCBの体の向きを観てポジションを修正するためこのようなポジションを取っていた。CB(ボールホルダー)が外向きに体が向いている状態と、内側に向いている状態。これにより若干ポジショニングが変わっていた。それを紹介しよう。

CBが外向きの状態

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このようにCBの体の向きが外に向くと、WBがSBを明確にマークをする。CHに対してはCHが明確にマーク。そうすることでWGへのハイボールを出させる。そしてここで空中戦の強いCBが競りに行く事でボールを奪うことが多かった。これがCBが外向きの状態の時の対応。

CBが中向きの状態

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CBが内側の状態の場合はCHに対してWBとCHで牽制を行うだけ。これを行うことにより、CBを外向きの状態にさせ、中央からのビルドアップをさせない。これを繰り返されたことにより、アーセナルは空中戦で勝つ可能性の低いWGへのロングボールをけらされたので、スムーズに攻撃をすることができなかった。これが3つ目の理由。

 

まとめ

アーセナルの狙いはロングカウンターで仕留めることで、何度か決定機を作り、そしてゴールを決めれたことで勝つことができたが、正直勝てたことが不思議な試合内容だったと感じた。フランクフルトに80分の退場がなかったら、もしかしたら違った結果になっていたかもしれない。そのぐらい試合の内容には圧倒的な差があった。だが試合内容とは裏腹に勝つことができるのがサッカー。このような試合があるので、サッカーは面白い。どうしてもCLに目がいってしまうがELにも魅力的なチームがあるので、時間があるならELも観てみてもらいたい。

 

終わりに

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PL チェルシー vs リバプール 〜嵌り切らなかったリバプールのプレス〜

 

 

はじめに

お互いにCL初戦で敗戦してから迎えたビッグマッチ。一方はより完成度が高く、そして突き入る隙のない、完成度が高いチーム、一方は補強禁止、経験の浅い監督を招いてまもない、粗削りだが若手中心の勢いのあるチーム。対照的なチーム同士の試合となり、この対決を制したのはリバプール。CLの疲れ、はたまた敗戦のショックが大きかったのか、お世辞にも良いサッカーではなく、「なんとか耐え切った」という試合内容だった。ナポリ戦、そしてこの試合で見えてきたリバプールの守備の綻び。チェルシー はしっかりとそこを突いて同点、はたまた逆転勝利まで限りなく近づいた。では今回はなぜリバプールのプレッシングが嵌らなかったのか紹介していこう。 

 

リバプールのプレスが嵌らなかった理由

SBの起点

チェルシーのビルドアップに対してのリバプールのプレッシングの噛み合わせは配置的に綺麗に嵌る予定だった。だがリバプールチェルシーのビルドアップに苦しんでいた。ではどのように苦しんでいたのか。

(白⇨チェルシー  黒⇨リバプール

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黒丸のところでは数的優位、黄丸のところでは数的同数、青丸のところでは数的優位の状況を作り出すことに成功。これは「外を切り中央に追い込む」というリバプールのプレッシング戦術なので至極当然、このような状況を生み出すことができる。だからほとんどのチームは黒丸のところにDMFを一枚下ろすか、SBが絞ってバックラインを3枚にして数的同数を作り出すことが多い。(先日のCL ナポリは3バックの形を取った)だがこの試合でチェルシーが行なったビルドアップはこのように後ろが2CBの形。こうすることで、中盤で数的同数を作り出すことができ、両SBが浮いた状況を作り出すことができる。実際に両SBのヒートマップもこのようになっている。タッチ数を見ても明らかにSBを起点としていることが容易に理解できるだろう。

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https://www.whoscored.com

 WhoScored.comから引用

 

 ビルドアップ時にSBが幅を取ることにどのようなメリットがあるのか。それは先日紹介したこの記事と同様だ。一度目を通してもらいたい。

www.soccer-bunseki.com

 

そしてこのような状況を作り出すことができる。

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このようにCBが深さを作りボールを持つことでWGはどこまでプレスをかけるか、誰をマークするか迷ってしまう。これでCB(またはGK)からSBへのボールを出す事でリバプールファーストプレスを剥がし、SBで時間を作った。これがチェルシーの用意してきたリバプールのプレッシングに対する策の礎。これでリバプールのプレスは嵌り切らなかった。

 

サイドチェンジ

確実にこれがリバプールの弱点。ナポリ戦でもチェルシー戦でもこの『サイドチェンジ』、イングランドでは『スイッチプレー』により、左右に振られ続ける事となった。

ではどのようにしてサイドを変えられていたのかを紹介しよう。

WGウィリアン経由のサイドチェンジ

まず一つ目にこの方法を紹介しよう。

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SBをフリーにするために内側に絞っていたWGが外に広がる事でDFライン全体をスライドさせる。参考までにこれがWGウィリアンのヒートマップ。

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https://www.whoscored.com

 WhoScored.comから引用

このようにサイドでボールを受けて、SBを剥がしてサイドチェンジ。

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このようにWGが外に開いて受けたことでDFをサイドに寄せることができる。そしてWGのウィリアンの個人能力でSBを剥がしてスペースのできた逆サイドへ展開。リバプールはこの方法でサイドを変えられることが多くあった。

 

CHの進出⇨サイドチェンジ

これもこの試合で多く見られた現象だ。その方法がこちら。

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CHがサイドに進出することで中央にスペースが生まれる。ここをDMFのジョルジーニョが使い、ボールを受けることでサイドを変えることに成功していた。もしもここでリバプールDMFのプレスが甘かったら自分でターンしてサイドを変え、プレスがきつかったらCB経由でサイドを変える。サイドを変え、広い方にボールを運ぶ事でリバプールの連動したプレスを無力化し、リバプールを自陣に押し込むことに成功した。これも先に紹介した『SBの起点』によりできる戦術だ。

 

狙われたサラーの背後

これもナポリ戦同様のものだった。ここを中心にビルドアップすることでファーストプレスを剥がし、そしてサイドを変えプレスを突破していった。

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よく使われるここのスペース。やはり右WGのマネと比べるとどうしても守備力が劣ってしまうのでよくここを使われるのだろう。 そしてここで良いはtらきをしていたのがCFのエイブラハム。彼が2CBとDMFを引き連れているのでチェルシーのDMFは時間を確保することができていた。リバプールは『サラーの背後』の修正が必要ではないだろうか。

 

まとめ

このようにしてチェルシーリバプールを圧倒したが(特に後半)又してもホームで勝つことができなかった。試合内容がとてつもなくよかっただけに、ランパード監督は悔しさを感じているだろう。敗戦した中でも若手のエイブラハム、トモリがビッグクラブ相手にも通用することがわかったことはとても明るい材料ではないだろうか。特にトモリに関してはサラーに勝るとも劣らない対応をし、ほとんど完璧に抑え込んでいた。とても楽しみなCBではないだろうか。そして一方、リバプールはなんとか勝ち切ったという印象が強く残った。この試合もナポリ戦同様に『サラーの背後』と『サイドチェンジ』によりリバプールの十八番、プレッシングが嵌り切らなかった。それでも勝ち切ることができるのだから本当に強いチームだ。そして今だリーグ戦無傷の唯一のチームだ。まだまだシーズンは長いが、悲願のプレミア制覇に向けてまた一歩近づいた。果たしてどのような閉幕になるのか、シー全序盤だがやはり興味深い試合の多いプレミアリーグ。今シーズンもとても楽しめそうだ。

 

終わりに

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CL ナポリ vs リバプール 〜ナポリなりのリバプールの攻略法〜

 

はじめに

昨シーズンのCLでのグループステージ。計ってか、計らずか、またしてもこのカードをグループステージから見ることができた。まさに世界最高の舞台、チャンピオンズリーグ。そしてディフェンディングチャンピオンリバプールは昨シーズンの敗北の借りをここで返すためにモチベーションは最高。だが昨シーズンと同じく、欧州王者は又しても敵地で敗北を喫してしまった。ではなぜ盤石のリバプールナポリに勝つことができなかったのか。今回はナポリなりのリバプールの攻略方法を紹介していこう。

 

 

ナポリなりのリバプールの攻略法

攻撃について

ナポリの攻撃がかなりリバプールを苦しめた。ではこれを順を追って紹介していこう。

ビルドアップ

まず紹介するのがナポリのビルドアップ。ナポリのビルドアップの形はこのようになっていた。これを見て頂きたい。(下の図)

(白⇨リバプール 黒⇨ナポリ

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主に前進する方向が左サイドになっていた。これはリバプールの右WG、サラーの守備力を考慮して用意してきたことだっただろう。その方法が、左SBが下がってきてSBと2CBで3バックの形になり、右SBが幅をとる方法。このようにすることで、リバプールのIHのマークを絞らせなかった。これはリバプールのプレッシングが外を切り、中央に追い込むという戦術を取るのでこのような方法が有効になっていた。

右SBが上がり、幅をとることでSHが少し中に絞る。そうすることでSBを中央に引き連れ、SBに時間を与えることができる。そしてCBのクリバリからWGの頭を越すパスでSBがボールを受けることで前進することに成功していた。ここまでは他のチームも実践することが多い戦術だ。ではなぜここからナポリは効果的に攻めることができたのか。ではその方法を紹介しよう。

ビルドアップ⇨左へ展開

これがナポリなりのリバプールの主な攻略方法。なぜ左へ展開することができるのか。これを解説していこう。

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上の図のようにSBがボールを持つことでプレスにくるのがIH。自身のCHのマークを捨ててくるので中央からの距離があり、若干遅れが出る。もちろんWGもプレスバックしてくる。そして逆のIHがボールサイドのCHをマークするためにスライドしてくるので左サイドがガラ空きになる。ここでIHのスライドが遅れればCH経由の左への展開、スライドが間に合えばGKまたはCB経由の左への展開で局面を変える。このIHをサイドに引きずりだすことで逆サイドで起点を作ることができていた。さらにSHが絞っていることでSBがプレスにいけないのと同時に、この後の攻撃で重要な役割を担うことに繋がっている。

左サイド⇨斜めのボール

では左サイドでボールを展開してからの攻撃方法。これもリバプールを苦しめ続けた。どのような攻撃だったかシンプルにまとめると、『早い攻撃』だ。早めにボールをスペースに落とし込み、背後を突く。シンプルな攻撃で守る側もすぐに対応できると思うかもしれないが、これはナポリなりの方法を使っているのでそれが難しくなっている印象を個人的には受けた。その方法がこちら。

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このように左に展開することでもちろんボールサイドのSBがプレスに行く。そうすると残りのDFはスライドをして距離を保ちカバーポジションをとる。ここでナポリのCFが二枚抜け出すことでこのような展開になる。

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CFが裏抜けすることでCBを引き連れ、中に絞っていた逆のSHがフリーになる。ここにボールを供給することで、再度目線が変わり、さらには時間とスペースがあるので高確率でチャンスを作り出すことができる。(もちろん第一優先は裏に抜け出しているCFへのスルーパス)このようにして攻撃を仕掛けていることが多かった。これがナポリなりの攻撃時の攻略方法と自分は感じた。

 

守備について

守備についてはとてもシンプルなものだった。攻撃時と違い、基本的な並びは崩さず、きっちりと4-4-2(正確にいうと4-4-1-1)で中央を固め、そしてサイドを圧縮してボールを奪うことを目的としていた。

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このようにして中央を締めながら、リバプールのWGまたはSBが幅を取り、そこでボールを持つと一気にサイドを圧縮してボールを奪っていた。ここでしっかりとSHがプレスバックすることで個人能力で劣る部分を数で補っていた。そして中央へパスを出させないことを第一優先とし、ボールを奪うこと、最悪バックパスをさせることでしっかりと守っていた。リバプールSBに対してはCFが牽制することでCBまで下げさせる事を狙っていたのではないだろうか。これが見事に嵌っていたので決定機は2、3度しかなかった。(そのうち一つはナポリのミスから)この方法で見事にクリーンシートという結果をもぎ取った。

ナポリの懸念、DMFとCF

クリーンシートだったがこの試合での懸念材料はいくつかあった。それがリバプールDMFとCFだ。その懸念がこちら。

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ナポリのCFがCBにプレスをかけた時に、DMFに対してCHがマークに行くか否かの判断が難しくなっていた。なぜ難しくなっていたのかはリバプールのCF、フィルミーノの存在。彼がいるから、CHは背後のスペースを空ける事を懸念していた。だからDMFへプレスに行く事を躊躇していた。この試合を通してDMFへプレスを行く事がなかったので、リバプールをDMF経由でボールを散らすことが多くなっていた。実際にこのようなヒートマップになっているので、これは明らかだろう。

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https://www.whoscored.com

WhoScored.com引用

終始ナポリはこのDMFの対応に苦戦していた。だからミドルサードでのプレッシングはあまり嵌っていない印象を受け、ディフェンディングサードでボールを奪うことが多かったのではないだろうか。

 

まとめ

このようにナポリはしっかりと準備してきたであろう戦い方で又してもリバプールを打ち破ることに成功している。そして特に攻撃に関して、この戦術を使うことができたのはサッリ監督時代にしっかりとポジショニングへの理解度を深めていたからではないだろうか。戦術的かつインテンシティの高かったこの試合。さすがチャンピオンズリーグといった試合だった。まだグループステージ第1節だが、早くも興奮する試合が多いCL。今年はどのようなドラマが待っているのか、とても楽しみだ。

 

終わりに

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PL ノリッジ・シティ vs マンC 〜ノリッジ・シティが勝てた理由とは〜

 

はじめに

プレミア王者に果敢に挑み、そして早くもその王者の顔に泥を塗ったのは昨季のチャンピオンシップ王者のノリッジ・シティ。彼らは王者相手にも引くことなく、勇敢に戦った。そしてその結果がマンCを破るとうい大金星。誰もが予想していなかったこの結果。ではなぜ、ノリッジ・シティはマンCに勝つ事ができたのかそれを考えてみたのでご覧になっていただきたい。

 

ノリッジ・シティが勝てた理由

守備戦術

まず触れなければならないのは守備戦術。早速これを紹介していこう。

(白⇨マンC   黒⇨ノリッジ・シティ

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これがノリッジ・シティの基本的な守備陣形。4-4-2で構える形で、マンCのDMFへのパスコースを消すためにノリッジのOMFがほぼマンマーク。そうすることで中央を経由するビルドアップをさせなかった。そしてさらに厄介なのがSBのポジション取り。ここもケアしなければならない。そうしないとDMFを牽制した意味がなくなってしまう。そこでSBにボールが出るとSH、場合によってCHが中を切りながらプレス。そうすることで外へ追いやる事ができる。さらにセカンドラインと最終ラインがかなり近くなっていたので、IHがライン間でボールを受けれるスペースが0に等しい状態だった。このようにして中央に侵入させず、外に追いやる守備戦術を採用。そしてWGへ(IHも含む)対応がこのようになっていた。

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このように守ることで、特に前半はうまく守ることができていた。WGに対してSBとSHがプレスに行くことで数的優位を作り出し、ボールを奪えればよし、最悪奪えなくても前進させなければ良いという守備の仕方。もちろん、SBがプレスに行っているので空いてくるのがSBとCBの間のスペース。ここを攻略するのが上手なマンCだったが、ノリッジ・シティの守備戦術に苦戦していた印象を受けた。マンCが厄介なのがここにIHがタイミングよく入ってくること。そのために一度WGで幅を作り、ズレを生じさせてからハーフスペースを使う。これが一つの大まかなマンCのハーフスペース攻略方法。それをノリッジ・シティはやらせないためにディフェンディングサードではCHがIHにマンマーク気味に守備をすることで、この攻略を防いでいた。(第一優先はスペースを埋めることだった)このように守ることで、ゴールから遠ざけて決定的なマイナスのクロスをあまりあげさせなかった。これが一つ目の理由だ。

この守備に対するマンCの対応

もちろん、グアルディオラはすぐにこの対処方法をピッチの選手に提示した。それがこちら。

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まずこれを紹介する前に、37分に右WGと左WGの位置を入れ替え、「クロスを上げろ」という指示が飛んだのではないだろうか。実際にクロスから何度かノリッジ・シティはピンチを迎えており、そして前半終了間際で1点返されている。クロスの対応があやふやだったということを見抜き、グアルディオラ監督は、56分に17番のデ・ブライネを投入。そして彼のサイドからの主な攻撃がWGを追い越す動き。これでWGが数的不利になることなく、さらにデ・ブライネにボールが出れば高確率で決定的なクロスを供給することができる。これがグアルディオラが提示したノリッジ・シティの守備の対処方法だろう。

 

ビルドアップとDMFの脇のスペース

そしてもう一つがこのビルドアップ。彼らの果敢なボール回しはプレミア王者を苦しめた。その方法がこちら。まずはサンプル動画を見てもらいたい。

 

短くまとめると、『DMFの脇を狙う』ことで優位に立つことができた。そしてここを狙い、先制ゴールを奪うCKと追加点を奪うことに成功している。ではどのようにして『DMFの脇』を狙ったのかを解説していこう。

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マンCの守備じの陣形が一枚IHが前に出ることで、4-4-2の形を作る。こうすることにより、相手CBに自由を与えず、ミスを誘い、ボールを奪うというハイプレスを採用。これに臆さず、ノリッジ・シティはボールを回せたのでマンCの欠点をつくことができた。

上の図のようにCFがプレスに来た場合、WGはSBかCHのどちらかにマークをつく。そうしないと嵌めれないのでボールを奪うことができなくなってしまう。だが、CHとSBを同時に見ることはほぼ不可能なので、CHのところまでIHが出てくることが多かった。そうすると空いてくるのがIHの背後、DMFの脇のスペース。ここにミドルパスを送ることでOMFとSHで数的優位を作り、攻撃を仕掛けることができていた。このスペースを使い、カウンターも仕掛けていたので、しっかりとスカウティングした上でのものだったのではないだろうか。これがチャンピオンシップ王者がプレミア王者を倒した二つ目の理由。

 

まとめ

チャンピオンシップ王者がプレミア王者を倒すという大金星。これがあるからサッカーは面白い。その興奮の中で、しっかりと整理された守備と攻撃。これがあったからこそこの勝利を挙げることができたのではないだろうか。リバプールチェルシー相手にも勇敢に戦い、昇格組代表として魅力的なサッカーでプレミアを驚かせ続け、そして今節でマンCを破るといった結果を残したノリッジ・シティ。さらなる波乱を巻き起こしてくれると期待するのは自分だけだろうか。とても魅力的なサッカーをするノリッジ・シティ。今シーズンのプレミアリーグ、ビッグ6の他に、ノリッジ・シティにぜひ注目してもらいたい。

 

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Jリーグ 横浜FM vs サンフレッチェ広島 〜マリノスのDFをズラす方法〜

 

はじめに

今節行われた注目すべき試合の一つ。リーグ屈指の攻撃力を誇るマリノスと、リーグ屈指の守備力を誇るサンフレ。しかも3位と4位でぶつかる事となり、この試合をものにしたチームが優勝戦線に残れるという大事な試合。そして見事に優勝争いに生き残ったのがマリノス。今回紹介するのはどのようにしてサンフレの守備を打ち破ったのか。その方法を紹介していこう。

 

マリノスのDFをズラす方法

これがこの試合の勝敗を分けた大きな要因。その方法を紹介しよう。

『タテ』にDFをズラす方法

これがまず、サンフレを混乱に陥れる大きな役割を担っていた。そしてこの方法は後半から実行されていたものだった。

ではまず、前半のポジショニングをご覧になってもらいたい。それがこちら。

(黒⇨マリノス 白⇨サンフレ

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SHが基本的に中に絞り、ハーフスペースにポジションをとる事が多かったので、サンフレは3CBである程度、対応する事ができていた。さらに幅をとるSBに対してはWBがマークできるので、サンフレはWBがDFラインに下がる事がなく守備する事ができた。だから後ろが重くなりすぎずに、WBが攻撃に参加する事ができた。前半は特に、WBからWBへの斜めのボールが多く見受ける事ができた。そこでマリノスの監督、ポステゴグルーは後半からSHに目一杯、幅をとるように指示を出した。そうするとこのようになる。

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SHが幅を取る事でどのような事が起きるのか。まず、CBがSHまでついて行く事ができなくなるので、WBがDFラインまで下がり、対応せざるを得なくなる。仮にSHに対してCBが対応にいくとしたら、中央がガラ空きになるので、そのスペースをOMFなりCFなりが使い、簡単にゴールを奪う事ができるだろう。このようにCBが対応に行けなくなったので、実質的にCFが3枚のCBを引き連れていることになる。そうすると必ずどこかの選手がフリーになる。そこでSBがハーフスペースにポジションを取るので、STが下がり対応。そうすると、CBとCHがフリーになり、簡単にボールを保持する事ができる。これでサンフレを自陣に押し込み、よりボールを握る事ができた。この方法が『タテ』にDFをズラす方法だ。

 

『ヨコ』にDFをズラす方法

これはまさにマリノスの得意分野ではないだろうか。これより、堅守サンフレのゴールをこじ開けている。これが顕著に出たのが先制点のシーン。これを題材に解説していこう。

f:id:football-analyst:20190916231134j:plain

まず、『タテ』にズラした恩恵を受けたのがCB。CBにスペースがある事で持ち上がる事ができる。そしてここで幅を取っているSHにパスを出す。そうするとWBがもちろん対応にくる。ここで『ヨコ』にズラすことに成功。ズラしたのでCBとWBの間にスペースが生まれる。そしてSHはSBに落としのパスを入れる事でもう一箇所ズラす事ができる。

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このようにセカンドラインをズラす事ができるので、開くのが黒丸のスペース。ここにボールを持ってくる事でスライドさせ、目線を変える。この幾度となく見てきたマリノスの『ヨコ』のズラし。これがあるからこそ1点目のSHへのスルーパスが通ったのだろう。現にこのシーン、CHの喜田はしっかりと逆サイドを確認し、もう一度サイドを変える事で、スライドさせ、目線を変え、マークをズラそうと試みていたのではないだろうか。この『ヨコ』のズレを生み出す事でギャップをつき、喉元をえぐるような縦パス、またはスルーパスを供給する。シンプルだが、とても効果的で、さらにマリノスの選手のポジション取りがうまいのでこのように威力を発揮しているのだろう。

サンプル動画

 この動画の1点目がまさにズラしてゴールを奪っているシーン。

 

まとめ

いよいよ首位の背中が手に届く距離まで詰めてきたマリノス。この強さの根源はサッカーの理解度の深さだろう。いるべき所に、いるべきタイミングでボールと人が入ってくるので、守る側からするとたまったもんじゃないだろう。その結果が堅守を誇るサンフレから3ゴールを奪う結果となったのだろう。毎試合、何かしらの気づきを与えてくれるマリノスのサッカー。次節はキープレーヤーの喜田がいない中で、どのような修正を加えてくるのか、シーズンも佳境に入り、負けることのできない試合が多くなる。果たしてリーグ王者はどのクラブになるのか。とても楽しみだ。

 

終わりに

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Jリーグ 清水エスパルス vs 名古屋グランパス 〜狙われるグランパスのCH〜

 

はじめに

順位を落とし、とうとう残留争いに絡むことになった名古屋グランパス。ゴールを取れるが守れない。至極当然の結果ではないだろうか。そしてこの試合も先制しながらも逆転負けを喫してしまった。この試合でエスパルス名古屋グランパスのCHを狙い、ここから攻撃を組み立て、逆転勝利を演じてみせた。ではどのように狙われ、そして攻撃を受けてしまっていたのか。これを紹介していこう。

 

狙われるCH

局面での数的不利

これはグランパスの守備戦術であるハイプレスに起因している。ではどのように狙われたのか。

(黒⇨エスパルス 白⇨グランパス

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グランパスはこのように2CBに対して2トップでプレスを行う。そして幅を取ったSBにパスを出させ、そこにもSHがプレスをかけそこでボールを奪うか、中央のDMFにパスを出させそこでグランパスのDMFがボールを奪うことを目的としている。エスパルスはここのDMFのところを狙い、うまく攻撃に転じていた。上の図のようにSHが降りることで局所的に1vs 2の状況を作り出す。これで優位になった。それならば「SBがSHのマークに行けば良いではないのか?」という意見が生まれてくる。だがSBがプレスに行けない理由がある。

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これがその理由。もしもSBがSHについていくとDMFとSBで数的同数で守りきる事ができるかもしれないが、SBの背後のスペースが空いてしまう。これでは今までと同じようにCFに抜け出されピンチに陥ってしまう。もしもグランパスのSHの守備力が高いのならばできる守備戦術だが、以前にも紹介したようにSHの守備力に問題があるのでこのような守備を行えない。ここをしっかりと狙う事でエスパルスは局所で優位に立った。

 

セカンドボール

エスパルスは意図的にロングボールを蹴り込み、そしてそのセカンドボールを拾い、チャンスを作り出す。ではなぜこれがCHと関係があるのか。それを解説していこう。

グランパスの構えた時の守備陣形

まずこれを紹介してからセカンドボールについて触れていきたい。

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このようにグランパスの守備の陣形は4-2-4のような形になっていた。これは勝てなくなってからこのような状況になる事が多くなっている。ではこのようになるとなのが行けないのか。それはDMFの守備の負担に関係してくる。

DMFの守備の負担

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この黒丸がDMFの守備のカバー範囲になってしまう。これは誰がどう見ても守れるわけがない。シンプルにここを使われ、攻撃される事が多いので今のグランパスは守れない状況に陥っている。守れないのはこれだけではないので、こちらもご覧になって頂きたい。

www.soccer-bunseki.com

 

セカンドボールを拾えない理由

では本題に入ろう。なぜセカンドボールを拾う事ができないのか。この試合はエスパルスのCF、ドウグラスに向けてのロングボールでセカンドボールを作り出す。ドウグラスという選手が競り合いで必ずセカンドボールを作ってくれるのでこのような戦術を取る事ができる。

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このようにSBかCBからのロングボールを蹴り込む事でセカンドボールを作り出す。そしてロングボールをCFに送る事でCBの弾いたボールがDMFの頭の上を越える事が限りなく少なくなる。ではなぜ、ここでエスパルスはセカンドボールを拾えて、グランパスは拾えなかったのか。

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上の図の黒丸で4 vs 2 の状況になっている。この状況になっていると当たり前だがグランパスの方がセカンドボールに反応できる人数がいないので拾える確率が低くなり、反対にエスパルスの方が確率は上がる。さらにCFができる限りDMFの脇のスペース、特に赤丸のところに落とす事で、質的にも優位に立つ。これでエスパルスはセカンドボールを高確率で拾い続けていた。

 

まとめ

このようにDMFを狙われるのでこの試合は守る事が難しくなっていた。だが直近の数試合よりも攻撃時のバランスと距離は良くなっていたので、ポゼッションを志向するチームならうまくいくかもしれない。しかしそれだけでは勝てないのがサッカーというスポーツ。理想のサッカーが完成するのが先か。それとも修正しきれずに監督が解任されるのが先か。はたまた新たな戦い方を見いだすのか。リーグ戦も残り少なくなっていた。まず考えなければいけないのはJ1に残留する事ではないだろうか。

 

終わりに

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アジア2次予選 ミャンマー vs 日本 レビュー 〜Road to Qatar〜

 

はじめに

いよいよ始まったアジア2次予選。当たり前だがこの予選を勝ち進まないとカタールW杯に出場できない。そして迎えた初戦はアウェイの地でのミャンマー戦。ピッチコンディションも悪く、ミャンマーのプレーはとても荒かった。それでもしっかりと初戦白星で終えることができた日本代表。では今回はこの試合のレビューをしていこう。

 

ミャンマーの守備と日本の攻撃

この試合はやはり予想していた通り、日本がボールを握る展開になっていた。保持率は71%でシュート本数は驚異の30本。うち枠内シュートは12本。CKに至っては14本もあった。ではミャンマーの守備と日本の攻撃の噛み合わせについて紹介していこう。

 

日本が優位に進めれた理由

ではなぜ日本はこれほどまでに優位に進めることができたのか。それはミャンマーの守備も関係しているが、このようにここのスペースを効果的に使えたからではないだろう。

(黒⇨日本 白⇨ミャンマー

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まず日本のビルドアップはCHが一枚降りることで3バックの形を作る。そしてCHからボールを供給することでリズムを作っていく。そこでこのリズムを作るための「受け手」と「スペース」の使い方が上手かった。ミャンマーのは大体ハーフウェイライン辺りからプレスをかけてくることが多かった。守備の陣形は6-3-1もしくは5-4-1のような形。そのためにSHがDFライン付近まで下がることが多い印象を受けた。そして日本が使うスペースは黒丸の部分。ここにボールを入れ、前を向くことでチャンスを作った。

そのために、上の図のようにCBが降りてきたCHと同じラインをとることで、CHを一列前に押し上げることができる。これができるのはミャンマーのプレスラインを理解していたから。さらにSH、特に中島が中央、押し上げられたCHの横に降りることでSBが幅を取れる。そしてCFがDMFの脇を取る。そうするとこのような形になる。

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ミャンマーのCHはボールホルダーにプレスをかけるか、はたまた降りてきたSHをマークするかの判断に迷ってしまう。そしてその迷っている間にCHの柴崎はギャップを通し、SHの中島へ。中島は狭いスペースで前を向くことができるのでここで前を向く。そうすると空いているのがDMFの脇のスペース。ここが空いている理由がSBが幅を取っているので、SHの意識は一瞬外に向いている。さらに逆の脇はCFが降りているのでDMFの対応は不可能な状態。SHの中島はパスも出せ、ドリブルもできるので、中島が中央のスペースで前を向くことで起点を作り、試合を優位に進めることができた。

 

CFとSTの動き

この2人の関係もこの試合はかなりよかった。先ほども述べたが、CFの大迫がDMFの脇に降りることでボールを引き出す。そこで空いた中央のスペースにSTの南野が入り込む。

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単純だがこの相互関係がかなり重要だった。ではなぜこの関係が重要なのか。これは日本の攻撃、中央を突破する攻撃を組み立てるため。

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このようにして攻撃を仕掛けることができる。SHがCFに当てることでSTが頂点となり、三角形を形成できる。また大迫が降りるとSBとSH、もしくはCBもついてくるのでSTがそのままあいたスペースを使うこともできただろう。このような攻撃を仕掛けるためにこのCFとSTの動きが重要になっていた。2人の関係はかなり良好なものだと感じた。

 

SBの攻撃参加

これは主にRSBの酒井宏樹が対象だ。数年前とは見違えるほど上手くなった酒井。「高速クロス」を売りにしていた頃と違い、ポジショニングとタイミングの良さで攻撃参加をし、厚みを作り、チャンスを生み出す。もちろん、推進力もあり、SBとしての本業、守備力も高い。彼が名門マルセイユで評価される理由がとてもわかる試合だった。

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このようにSBが抜け出すパターンは主に3通り。SHからの斜めのボールか同サイドSHからのスルーパス。この同サイドSHからのスルーパスの『走りの質』が格段に上がった。数年前はサイドに張り、クロスを上げるためのポジショニングだけだったが、現在は、クロスを上げるためのポジショニング(幅を作る)とハーフスペースへの進出も行う。この動きがあることで、SHの選択肢を広げることができる。これでSBがボールを受けるなり、SHが自分で仕掛けるなり、コンビネーションで崩すなりできる。この走りの質が高いのでミャンマー戦でSBの酒井宏樹は目立っていた。この理由は次に紹介する「ミャンマーの守備の綻び」に大きく関係している。

 

ミャンマーの守備の綻び

日本の攻撃がうまくいった理由の一つでもある、ミャンマーの守備。その綻びについて軽く紹介していこう。

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これがミャンマーの守備の綻び。

まずファーストデフェンスの時点でギャップを通され、中央で前を向かれる事が多かった。ここの守備がしっかりしていれば外へ追い込みゴールから遠ざけることもできたかもしれない。そして中央でボールを持たれるとDMFのところで4v1の状況。これは言わずもがな、対応できるわけがない。このようになる理由が「DFラインが6枚」かつ「ペナ幅に収まる」から。SHがもう少し前にポジションを取っていれば状況は少し変わっていたかもしれない。ここで完全にDFラインまで下がるのでこのような状況に陥ってしまう。さらにSHがハーフスペースでフリーな状況でボールを持つ事ができる。そして2枚(もしくは3枚)がプレスに行くので、その背後のスペースをSBに使われる状況に陥る。だからSB酒井宏樹はここのスペースを有効に使い、チャンスを多く作り、この試合でかなり目立っていた。

 

まとめ

なにはともあれ、なにが起こるかわからないアジア2次予選、しかもアウェイでしっかりと勝利をあげれたことは大きな収穫だ。その中で個々人の能力と能動的なサッカーでチャンスを多く作っていたことも良かった点ではないだろうか。やはり中央の選手、CHの柴崎や橋本、CBの吉田や富安がボールを持てると試合を支配する事ができる。逆に言えばここで時間が作れない時が日本の弱点と言えるだろう。まだまだ改ざんの余地が残っている森保ジャパン。カタールW杯に向けて、良い滑り出しではないだろうか。さらなる勝利を重ね、本戦でもしっかりと戦い、感動と興奮を届けてもらいたい。頑張れ、日本!

 

終わりに

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